相変わらず東京Vは東京Vで、グルージャは少し鹿島的だった〜東京Vvsいわてグルージャ盛岡(6/12)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

南武線から味スタへ

この日はナイトマッチということで、潤沢に時間がある。ということで、いま話題の東扇島東公園に行ってみた。何が話題かというと、まあ、適当にググってください。もちろんヤジ馬で行ったわけではないですよ、そういう気持ちも全くなかったわけではないですけど。「川崎港海底トンネル」というのをくぐってみたかったのです。関門トンネルを徒歩で渡ってみたいのと同じ感覚ですな。

そんなこんなで川崎駅に戻る。いやあ、なんとなく噂には聞いてたところですが、デッドヒートじゃないですか、川崎駅前。何がデッドヒートかというとヘイトな人たちと反ヘイトの人たちのデッドヒート。駅前が想像しいというか、アグレッシブというか。道行く人々が一顧だにしないということは、もはや、毎度おなじみの、ただの風景になっているんですかね。何事も思いやりと優しさが大切です。

 

□堀vs秋田

さて、両チームの状況ですが、東京Vは山本理仁と馬場が世代別代表に選ばれたことで日本にはおりません。両者ともバリバリの中心選手ですから影響がないわけはないものの、それを埋めるように平が復帰してきた。ついでに奈良輪や端戸仁も本格的に戦線復帰。ようやく狂った時代の清算が終わろうとしているということでしょうか。同時に堀監督の手腕が本当の意味で問われる状況が整ったともいえます。

アウェイのグルージャは絶賛大苦戦ですね〜。J3から上がってきたばかりのチームが苦戦するというのは、当たり前といえば当たり前のことなんですけど。その強烈なキャラクターと、監督としての出だしに躓いたことでネタキャラと化しつつあった“あの漢”こと秋田監督の評価はどうなっていくのでしょうか。京都ではダメだった、町田では成績の割に信頼を得られず、で、捲土重来を期したグルージャではチームをJ2に引き上げる。ここで周囲の評価を覆しかけるも、J2のステージでは大苦戦。とはいえ名監督であってもプロビンチャの昇格初年はムリゲー。……なんとも評価が難しい監督さんです。

 

□長沢と中野雅臣

さて、今シーズン初観戦となった東京Vですけど、GKは長沢なのか。というか、長沢って誰だ?と思って調べてみると、沼津にあるジュビロの下部組織から藤枝東に進んで、明治大学アスルクラロを経て東京Vだそうだ。沼津から藤枝に通っていたのか。小岩から八王子に通うくらい大変そう。

対するグルージャの面子を眺めると、残念ながら中野雅臣がベンチ外。ヴェルディユース出身だし、見た目の雰囲気がどことなく竹内涼真っぽいイケメン、最近は試合にも出ていたっぽいので古巣に凱旋するのを楽しみにしていたのだけど、返す返す残念。グルージャの攻撃については、、、前半に関してはトリッキーなショートコーナーみたいなデザインされたFKくらいしか印象に残らなかったかな。

 

東京Vが先手

試合は序盤から東京Vが圧倒。相手関係もさることながら、5レーンがかなり浸透しているというか、そこの部分だけみれば、しっかり堀さんが仕込んでいる模様。先制点はゴール前でスクランブルというかなんというかって状況の中で、なんとなくオウンゴールが決まったものでしたが、ゲームの流れ的には必然といえば必然のゴール。ただ、東京V東京Vで、アタッキングサードやディフェンシブサードでチャレンジングというか、欲をかいてしまったというか、みたいなプレーでマイボールを失うことも多く、なかなか決定的なチャンスが作れないままハーフタイムを迎えました。

劣勢のグルージャは秋田監督が早めに早めに動きます。後半開始とともに奥山を入れると、さほど時間をおかずに中村充孝と和田を投入して、前線3枚を総入れ替えします。また、中村・和田と同時にビスマルクもピッチに送り込む。この選手、Jリーグ創成期のあの選手とはずいぶんキャラが違いますけど、フィジカルモンスターチックで興味深いですね。

 

グルージャが追い付く

東京Vも後半開始に2枚替え。端戸仁から佐藤凌我にスイッチして前線の活動量は増えましたが、端戸のボール引き出し力を失ったのは痛かったかもしれません。もう一人投入された新井はわかりやすい仕事をしました。深澤の追加点は、カウンターから新井がドリブルでサイドを攻略したことで生まれたもの。ここまでは東京Vのペースでした。

他方でグルージャが悪かったかというと、そこまで悪くはない。むしろ相手の空けたスペースを流暢に突いていったり、クサビを入れられるときにはそこを逃さず刺していったり、往年の鹿島を彷彿とさせるシーンも多かった。なんというか、わかりやすいグッドプレーではなく、ヌルッとチャンスを量産するんですよね。そういうところがかつての鹿島っぽい。そして、相手の選手交代の隙に発生したエアポケットを突いて追撃のゴールを決め、さらに気落ちした相手が気を取り直す前に同点に追いついてしまうところも鹿島っぽい。そのどちらも決めたのが中村充孝だったのは、実に象徴的です。秋田監督がそれなりにちゃんとチームを作っていることを証明する同点劇となりました。逆に東京V的には負けに等しい感覚だったでしょうね。そんなこんなで2ー2のドローとなりました。

灼熱のヘアバン決戦〜スフィーダ世田谷vs伊賀くノ一(5/29)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

都営大江戸線

今から15年ほど前でしょうか、国立競技場での試合で現地集合する際などに「大江戸線で行って良い?」と質問したものです。もちろん、「おお!ええど〜」という返事をもらうためですね。そんな大江戸線なわけですが、開通したときは日々パニックでしたよ。6の字運転ゆえの難解さ。牛込神楽坂とかから新宿方面に向かうにあたって、光が丘行きに乗っちゃいけなくて、都庁前行きに乗ってトランジットするとか、意味がわからん。そもそも新宿駅新宿西口駅の関係性を理解するのに数年かかった。都庁前駅でなく新宿駅を結節点にしておけば、もっとわかりやすかったろうに。。。

そう、大江戸線の6の字の結節点は都庁前駅なわけですが、モーニングを食べようと都庁前駅で下車したのです。……たぶん、人生で初めて下車したのではあるまいか。長いこと聖蹟桜ヶ丘とか赤羽に住んでいましたので、そうなると新宿駅から歩きますよね、都庁近辺行くときって。だから、たぶん都庁前駅はドキドキの初体験。そうか、都庁前駅、こういう感じだったのか。

 

□ご無沙汰のなでしこリーグ

.WEリーグができてからは初めてのなでしこリーグ観戦ではなかろうかと思われるのですが、状況がさっぱりわからないのでHPを見てみた。なんと、スフィーダは首位じゃないですか! しかも率いているのは最強明治の礎を作った神川明彦と来たものだ。神川さんの頃は年に5〜6人だったプロ入り選手が(それでも破格に凄いのですが)、近年は年に12人とかプロになった明治大学。レギュラーの数より多いやん。そんな最強明治の礎を築いたのが神川さんなわけです。

対する我らが伊賀くノ一。施設面などがネックになって、.WEリーグ入りは果たせておりませんが、プリマハム時代も含めると女子サッカーの古豪。とはいえ伊賀をホームタウンにする以上、大きな箱物や巨大スポンサーの獲得は難しいだろうなぁ。大阪の植民地だと割り切って、大阪資本を引き込めればワンチャンあるかもしれませんが、伊賀を前面に押し出して三重県を引き込むのは、県内風土的に厳しい気がする、、、

 

□どちらも4バックではある。

オンザピッチに目を移すと、スフィーダは右から22番10番のツートップ、中盤が15番6番3番11番と並んで、最終ラインは2番5番4番13番。6番がアンカー気味に構えて3番がその前に出るので4ー1ー3ー1っぽく見えなくもない。人数をかけてペナ角を攻略しようというサッカーです。

くノ一は右から8番と11番、中盤が15番5番7番19番と並び、最終ラインが4番13番3番2番という4バック。杉田亜未もいなくなって、名前がわかるのはCBの宮迫さんくらいかな。宮迫さんってずっといますよね。珍しい名字なんで覚えてしまっております。この選手以外にはもう一人、あの焼き肉屋さんしか知らなかったりしますが、くノ一の宮迫さんは副業規定などに引っかかることもなく、元気に現役のプレーヤーを続けております。

 

□高校1年生の夏休み、部活のチームメイトと帰っていたら…

試合は序盤から動きます。スフィーダがサクッと先制しました。もっとも、このゴールのときにはラインズが堂々とフラッグを上げていたにもかかわらず得点が認められた、ある意味では疑惑のゴールと言えなくもかなかったわけですが、くノ一はそれにもめげず、左からのセンタリングによって発生したスクランブルのなか、小川志保が決めて同点に追いつきました。

その後、試合は少し落ち着きを取り戻します。そして飲水タイム。そうか、飲水タイムか、なんだか久しぶりだな。高校1年生の夏休みに部活のチームメイトと帰っていたら中学時代の友達にあった、そんなような気分。んなことはともあれ、くノ一は前半のうちに逆転します。スフィーダが人数をかけて攻めたてるのを裏返すと、19番がアジリティを発揮。完全にサイドを掌握すると、丁寧に折り返す。それを8番が決定力を見せつけ、勝ち越しに成功しました。けっこう一方的なスフィーダのペースだったなか、ほとんどクリアもままならなかったところでの、この決定力。きれいなゴールでしたね。

 

□ヘアバンある?

後半に入ると、少しスフィーダの支配率が落ちます。とはいえ、しばらくは、くノ一陣内でボールは動いていたのですが、そうしたところで再びカウンターから8番が決定力を見せつける。ワンチャンスともいえるロングカウンターで決めきったくノ一がリードを広げると、さすがにスフィーダもガクッときたのか、あるいは30度を越えようかという灼熱地獄で体力を失ったのか、淡白な単発カウンターの応酬となりました。

ややもすれば、けだるい雰囲気が漂い出したロスタイム、くノ一の監督さんが「ヘアバンある?」とベンチに声をかける。ロマンスグレーの老紳士がヘアバンでお洒落しようとしだしたのかと思いきや、ピッチ内で選手が自分のヘアバンを落としてしまったらしい。当然のことながら探している余裕などあるはずはないので、ベンチの選手が自分のヘアバンを外して手渡してました。なんていう女子サッカーならではの光景が繰り広げられるうちに時計の針は進んで、そのままくノ一が3ー1で勝利を収めました。

カテゴリーの差が結果に比例した試合〜桐蔭横浜大学vs立正大学(5/22)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□両チームの現状

いやあ、天皇杯、まさかの大学対決かあ。なんか、昔から天皇杯の1回戦とか2回戦とかを見るのが好きで、なぜ好きかというと、カテゴリーの違うチームがマッチアップするという魅力なわけですが、そのカテゴリーの違いとは「Jリーグクラブvs格下カテゴリー」という構図を想定してきたわけです。川崎フロンターレvsAC長野パルセイロみたいな。

そうしたら、まさかまさかの大学同士。ほぼほぼ基礎知識はございませんので、さしあたり関東大学サッカー連盟のホームページを覗いてみると、どうやら横浜桐蔭大学は1部で、立正大学は2部らしい。そういう意味ではカテゴリー違いの対決ではあるのですが、それならば総理大臣杯とかを見に行けば良いわけで(見に行ったことはないけど)、、、そうか、大学同士か。何はともあれ東京近郊で開催される天皇杯1回戦はレモンSだけだし、まあ、予定通り見に行くか、と。

 

□作戦ミス

例年の経験から、わかっていたことなんですけどね。天皇杯って、運営が杓子定規とういかお役所的じゃないですか。で、コロナな時節柄ですから、全席指定。しかも、Jリーグチケットで購入できれども、あくまで天皇杯運営ですから、座席指定ができない。ということはどうなるか、そう、一列1番から順番に詰め込まれるわけです。

前の方の列って基本的に見づらいんですよね。特に陸上トラック付きの場合。なので、直前までチケットをあえて購入せず、しかも購入の際には一人×12席をいったん確保して、最も良い感じの席を購入。それでもやっぱり、ガラガラの一角だけピッチリ寿司詰めは居心地が悪い。購入寸前まで迷ったんですよね、3人分のチケットを買って真ん中に座ろうかと。しかし、3席×1,000円というブルジョワのお遊びをする覚悟が持てなかったので実行に移せず。ちょいとばかり後悔です。

 

□実証実験

さて桐蔭横浜大学ですが、さすがは大学チーム。王道の442です。そりゃ442です。少し特徴的だったのは両SHがともにレフティだったところでしょうか。特に前半は両レフティのうち、順足サイドの10番のクロスからチャンスを創出しておりました。逆に右にいた15番はなかなかカットインするような場面がありませんでしたが、シンプルにいくという共通理解があったのでしょうから、まあ、そういうものなんでしょう。

対する立正大学はアンカーを置く4141。しかもアンカーが14番だから、どこかの国のフライングオランダ男みたいで格好よい。特に後半はスルーパスとか出してましたし。ともあれ、立正大学の特筆点は、どこぞの埼玉の赤いチームのサポーターよろしく、自発的実証実験を実施していたこと。頼まれてもいないのに声出し応援の影響に関するデータを提供しなくても良さそうなものですが、そういうノリがここの部活のカルチャーなのかもしれません。

 

桐蔭横浜大が先制!

前半については、どちらかというと桐蔭横浜大の方がチャンスを多く作っていましたかね。攻め方としてはショートカウンターから裏抜けなりポストなりFWに低空の縦パスを打ちつけまくる。立正のポジティブトランジションから1〜2プレー目で、パスカットなり潰しなりでボールを奪って、そこから全体が一気に前向きに猛ダッシュを仕掛けるようなイメージ。立正の攻め手はサイドのウイングのドリブルでしたが、散発的にしか仕掛けられない前半の戦いとなりました。

試合は後半開始早々に動きます。桐蔭横浜大がセットプレーからサクッと先制ゴールを奪う。「ハーフタイム前と後の5分は気をつけないといけない」というのはサッカーの法則が発動する。そうすると続いて、「優勢だったチームが先制すると受け身になって攻守の構図が逆転する」というサッカーの法則も発動する。これ以降は立正大が攻める時間帯となりました。

 

□追いつけず立正大の力負け

ある程度は攻められるようになったとはいえ、立正大は少し中途半端なポジショナルサッカー。せっかくのポシショナル風なのに数的優位を確保する前に攻撃を仕掛けてしまい、ドゥエルで相手を上回れず攻撃ができない、という展開が続きます。ところが皮肉なことに運動量が落ちると、そうそう毎回ボールを奪うたびに猛ダッシュは仕掛けられないので遅攻になる。遅攻になると、ちゃんとポジショナルな感じで攻撃の形も作れてくる。皮肉です、あまりにも皮肉な論理的現象。

時間の経過とともに、両チームとも決定機の数は増えていく。そして、両GKのファインセーブも目立ち出す。中でも相手GKが空けたゴールにシュートを放った立正大のスーパーチャンスで、桐蔭横浜大DFが胸クリアしたシーンは熱かった。立正大は終了間際にも再び決めるだけっていうチャンスを迎えながらも、最後のキックの精度で桐蔭横浜大を上回れなかった。なんだかんだで、関東1部リーグと2部リーグのクオリティーの差が、そのまま反映された試合になったように思われます。ちなみに、途中出場の桐蔭横浜大の11番はシュートを外すたびに大きなリアクションで悔しがっていて、見ていて飽きなかったです。

 

町田の守備の集中力が新潟の攻撃を上回った試合〜FC町田ゼルビアvsアルビレックス新潟(5/15)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□サッカーミュージアム

初めて訪れてみました、サッカーミュージアム。JFAハウスは売りに出すんでしたっけ?ってことは、状況によっては急展開気味にサッカーミュージアムも閉館してしまう可能性もありますよね。っていうこともあったのですが、オシムの追悼展示を終了未定でやるっつうんで行ってみたら、どうやらすでに終了していた模様。探せなかっただけかな?いや、けっこうしっかりキョロキョロしたから終了していたのでしょう、たぶん。

一応、有料展示も見てきましたよ。日本サッカーというか、日本代表の歩み。歴代代表のフォーメーション図ばかり見ていたのですが、WMの時代って長いんですねぇ。20世紀の第2と第3四半世紀は、ほぼWMって感じなのか。それから、代表にデビューした頃の相馬直樹って、SBではなくスイーパーなんですね。3フルバックのさらに後ろにいる、いまや死滅した謎のポジション。

 

□宿命のライバル対決

さて、ホームの町田ですが、ロケットスタートを切った後は長期停滞中。ボロボロって感じでもないですが、着実に順位を下げてしまっている状態。この試合のキーマンはチョンテセでしょうか、古巣との対戦ですし。チョンテセがクローザーではなく先発なのだから、このポジションは人材難なのか?アラウージョは何してるんだ?ドゥドウの使い勝手については甲府時代と大きくは変わってない模様。

アウェイの新潟は好調ですね。好調というか、もはや驀進してますね。サクラバクシンオーみたく、長い戦いは無理ですってことにならないことを祈る。ちなみに新潟のレジスタは高、町田のレジスタは高江。よく似た名前、同じポジションでよく似たプレースタイルの二人がガンバでダブついていたわけですが、新天地では両者ともすっかり中心選手で、背番号も8番同士。注目のマッチアップです。ところでガンバには他に高尾とかもいたけど、元気にしているのだろうか?

 

□町田が良かった立ち上がり

この日の町田は完全なる3421でしたね。前に観戦したときは3421とも4231ともつかない曖昧な形だったのですが、この日はきっちり5ー4のラインを作っていた。その上で、チョンテセのポストワークを生かそうというところで意思統一が図られていて、どうやって攻めたいかはスタンドまでしっかり伝わってきたので、相対的にストレスフリーだったかも。

対する新潟は、翁長とイッペイ・シノヅカ接触プレーとなったときに少しイッペイが危険な感じのアクションになってしまった。それに対してそばにいた町田の高江が激昂すると、イッペイも応戦して一触即発な雰囲気になる。ってところで現れたのが高ですよ、高が高江を宥めておりました。十代をともに過ごした信頼感みたいなのが垣間見えて、青春って良いなぁ、と。チームとしては、悪くないまでも良くはないっていう新潟の前半。ポジショナルから相手の穴を作るまではできるのですが、そこを突くパスの精度が足りなかった。リズムなりテンポなりに技術が追い付いてないというか、そういう感じ。

 

□町田の先手

とにもかくにも、キックオフから冴えまくっていたチョンテセのポストワーク。高さと強さがえげつない。ということで舞行龍がハードに潰しにいったのですが、それがイエローカードになる。前半のうちに相手CBにカードを出させたのだから、その時点でチョンテセは及第点の仕事をしたと評価できる。しかも、それで得たフリーキックを山口一真スペシャルなキックで直接決めてしまったのだから、町田としてはしてやったりでしょう。

後半に入ってもチョンテセが輝く。町田が新潟のお株を奪うような相手剥がしのパスワークを発動させると、左サイドを太田が爆走。キーパーが弾いたボールがチョンテセに激突してゴールイン。町田の追加点となりました。いわゆる「そこに詰めてたのが偉い」っていうゴールです。

 

□歯がゆい新潟

新潟は星雄次が先発してましたね。しかもサイドではなくボランチで。わりと悪くなかったかも。ふらふらとスペースを見つけては、ゆるふわなプレーをする。なんというか、かつて柏で大谷とコンビを組んでいた頃の栗澤僚一のよう。視野も広いし、ボールも失わないけど、そこにパスを出すまでのモーションでモタついて、そこを割り引くとちょうど及第点になる感じが栗澤僚一。ちなみに星雄次はゆるふわでしたけど、新潟のゴール裏はアグレッシブでしたよ、町田の選手へのヤジが。ブーイングをこらえただけでも大人になったんでしょうか?

まあ、新潟サポとしてはフラストレーションも溜まりますわねぇ。特に後半はけっこうな時間にわたって町田を押し込んでいたのですが、そこからのアイデアというか、エリア内での高さと強度が足りない。っていうことで442にはしてみたものの、そうすると今度は中盤での攻防における勝率が下がってしまう。終盤になって救世主のように深津と交代した町田CB菅沼の奮闘も相まって、なかなか新潟は町田を崩せない。町田的にはロスタイムにPKから1点差に追い上げられたものの、まずは内容の伴った勝利だったと言えるのではないでしょうか。

浦和LがINACを正面から上回った試合〜INAC神戸レオネッサvs三菱重工浦和レッズレディース(5/14)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□QR発券とは

いやあ、うすうす嫌な予感はしてたんですよね。いかにも「慣れてません」ていうパターンの運営だろうことは、千駄ヶ谷駅を降りたあたりから伝わってきましたし。入場のさばきが破綻したこの前のヴェルディの試合と同じで、入場ゲートを一つしか開けてない。タダ券ばら撒き集客だと、読めませんからね、実際の入場者数が。しかも、隔週のホームゲームと違う運用だからボランティアを揃えるのも難しいとくれば、そうなるのでしょう。

でもね、、、待機列に並んで、手荷物検査も終えて、チケットのもぎりの段階で初めて「QRはテントで紙チケットに交換の上、並んでください」と知らされるのはいかがかものか。待機列に並んでいる段階で注意を喚起しろよ、と。女子サッカーの試合も年に数試合は見るのですが、例えばベレーザの場合、LINE発券でそのまま入場できるのですよ。他のチームでもそのまま入場できない場合は、そもそもQR発売してないってことが多い。ってことを踏まえれば、もう少し、QR組への現場でのアナウンスに気を配ってほしかった。タダ券の一見さんだけとは限らないのだから。ついでに言えば、スタジアムの入退場も、入場はBゲートで退場はFゲート(Dだったかも)。Bから入ったからBから出るのか思って来た方向に歩き出してしばらくしてから、「ここから先は通り抜けできません」って言われる。こちらは少数精鋭の係員が頑張って叫んでくれてましたけど、正直、喧噪にかき消される。何よりも看板やピクトグラム的な視覚による「出口はこっち方向ですよ」掲示がないのが大問題。……控えめに言って、運営は褒められたものではなかったかと思われます。。。

 

□間の悪さ

しっかし、ハレの新国立決戦が、まさか優勝が決まった段階での実施になるとは…。もうね、INAC、圧倒的すぎたでしょ。川澄とかが全盛期だった頃の第一次黄金期の強さを完全に取り戻した。結局は星川さん(元イケメン)の手腕が凄いって話なんだろうなぁ、元イケメンだし(大事なことなので繰り返しました。現ブサメン日本代表のワタクシとしては、せめてイケメンに嫉妬しない心意気だけは堅持したい)。それにつけても漢前田とは何だったのか?

相手の浦和Lも2位が確定ですかね。1節早ければ「シーズン終盤の首位攻防戦を新国立で迎える」という最高のシチュエーションだったんですね。皇后杯も制した浦和Lを率いているのは楠瀬監督、手腕は確かです。数年前の不祥事的に女子チームを率いるのは如何なものかとも思われましたが、しっかり良いチームを作り上げました。飲み会でハメを外しすぎてはいけないということですね。明日は我が身、くわばらくわばら、細心の注意をせねば。

 

□両チームともクセが強いんじゃ

INACのスタメンの並びを眺めると、西川彩華が右CBで使われてました。ジェフL時代のイメージではボランチ。なので稲本や福西を最終ラインに落とす感じですかね、現代表で言うと遠藤航とか旗手とかをCB起用するのに近いかな。それから中盤逆三角形のアンカーが成宮。で、ISHが中島と伊藤。成宮もどちらかというと前線寄りの中盤だったような。対する浦和Lは清家が右SBではなかった。水谷がSBでしたが、じゃあ清家が右SHかというと、そうじゃなくてツートップの一角のように見えました。流れのなかで猶本がトップ下、清家が右サイドってシーンも少なくなかったですけどね。

 

□ハイプレスがポジショナルを凌駕する

で、清家のFW起用は的中して、スピードで右サイドを何度も崩して、前半終了間際には、右での崩しから最終的には安藤が先制のゴールを決めました。澤穂希宮間あやが来場していた試合で世界一メンバーの安藤が決めるというのも、なかなかよくできたストーリーです。

構図としては、わりと前半からタイムアップまで同じような感じでしたね。INACは丁寧に配置を作ってから縦に長いパスを出して、それが通れば攻撃に移行するという、最近はやりのパターン。それに対して浦和LはINACの配置ができる前にハイプレスで潰しにかかるオシムパターン。そして、浦和LのハイプレスがINACのポジショナルを凌駕する、そうい試合だったと思います。

 

□浦和Lが上回る

さらに攻撃についても浦和Lは、INACの嫌がることをやりきった。浦和の中盤(+清家)はかなり流動的に動き回る。いかに最終ラインからをボール引き出すかって部分を相当に重視していて、そのための流動性かと思われるますが、そのような変幻自在にはツボを押さえるクレバーさもあって、中盤逆三角形352の弱点を突き続ける。すなわち浦和L中盤の選手が入れ替わり立ち替わりINACのアンカー脇(中盤逆三角形の弱点)に顔を出して押し込みつつ、忘れた頃に清家とかが忍者のようにWB裏(3バックの弱点)を突いていく。山下の横っ跳びファインセーブに阻まれたものの、遠藤優がPKを奪ったのもWB裏のバイタルからペナにドリブルで進入したことで発生したファールでしたし、優勝が決まってINACが落ちていたことを差し引いても、浦和Lは今シーズンやってきたことが間違いじゃなかったと再認識できる快勝となったのではないでしょうか。

鳥栖のプレスに圧倒される〜FC東京vsサガン鳥栖(5/8)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

京王線リニューアル

今回はシンプルに新宿から京王線で味スタに向かったんですけど、そういや京王の「準特急」がなくなったんですよね。風の噂では聞いていましたが、実際に乗ってみてそれを実感しました。だって特急に乗ったのに笹塚とか千歳烏山に停車するんですもん。実態としては準特急がなくなったのではなく、特急が廃止されて、玉突き的に準特急が「特急」を名乗るようになったということらしい。

ワタクシが京王線沿線に住んでいた90年代〜00年代はシンプルなもので「特急」「急行」「快速」「各停」の4種類で、特急は「新宿→明大前→調布→府中……」って停車だったんですけど、なんか、複雑になって、かつ、多くの駅に止まるようになりましたね。もはやJRの京浜東北線みたく、どこに止まって、どこが止まらないのかがわからない状態。なぜその駅には止まって、こっちには止まらないのかもわからない。それか少しシンプルなかたちに戻された格好のようです。

 

松木玖生vs川井監督

今シーズンここまでのFC東京は、まずは順調にアルベル新体制が発進した感じ。目玉としては松木玖生でしょうか。高卒ルーキーながら、しっかりレギュラーの座を掴み取っております。ちなみに松木玖生って、「玖生」で「くりゅう」ですよね。でも「玖」は「く」だし、「生」は「う」の部分を担当していると思われる。…「り」の要素はどこにあるんだ⁇

アウェイの鳥栖は下馬評を覆す健闘を見せてます。正直、ワタクシ、川井監督のことをあまり評価しておりませんでした。というのも愛媛の監督時代、『エルゴラッソ』の記者さんがえらい絶賛し続けていたのですが、その間の年間成績は18位とか、そのあたり。「いやいや、理念はともかくJ2の下位争いやん!」って思っていたのですが、その後の愛媛の凋落を見る限り、川井さんだったからどうにか愛媛はJ2に踏みとどまっていたのかと見る目が変わりました。厳しい下馬評を覆す鳥栖の奮闘を見ていて、さらにその思いを強くした次第。

 

□伸び悩んだ若者たちの再起の場

さて、ピッチに注目するとFC東京でキャプテンマークを巻いていたのは永井謙佑でしたね。そうか、永井がキャプテンか。そういうキャラの印象がないので、ちょいとニヤついてしまうぞ。それからCBが岡崎と木本。木本はともかく、岡崎は頑張らないとなぁ。U23に学徒動員されていた頃は将来を嘱望されていた選手。期待してるぞよ。

他方の鳥栖はFW登録の中野が左SB。それから同じくFW登録の小野は似非9番でしたかね。433のCFのように見えて、中盤ダイヤ442のトップ下のようにも見える、みたいな。その小野の左右に構えていたWGは岩崎と堀米。両者とも誰もが認めるポテンシャルに恵まれながら伸び悩みを否めない選手、川井監督はこういうタイプを生かすのが上手いのかしらん。

 

□心の余裕を失わないことが大切

前半の構図は、どちらかというと鳥栖が優勢でしたかね。オシム的な湧き出ていくスタイルでサイドを攻略して、ガンガンにクロスを差し込んでいく。FC東京も的確に跳ね返していましたが、そこからのカウンターの精度が今ひとつ。散発的にチャンスは作っていましたけど、鳥栖の素早いマイナストランジションに潰される場面が目立っていて、レアンドロはまだしも、永井や山下のところまでなかなかボールが届かないままハーフタイムを迎えました。

で、後半ですが、後半開始早々に面白い駆け引きがありましたね。バックパスの処理の乱れからFC東京PA内で鳥栖の間接FK。この時、繰り返し鳥栖のキッカーはフェイントでボールを触らないってことをやって、「こっちがボールに触る前にFC東京の選手が動くのはルール違反じゃないか!」ってのをやってた。こういうのを「サッカーにおけるオモロイ一コマ」として楽しめる心の余裕をこれからも失いたくないな、と。

 

□90分間尽きせぬプレッシング

ともあれ、FC東京の攻撃はどうにもうまくいかない。ってことで、アルベル監督は怒りの前線総とっかえを敢行し、左からアダイウトン、ディエゴ・オリベイラ、紺野の3トップに。中でも紺野がボールを持つと期待感を抱かせましたが、手詰まりになることも少なからず。中村帆高が特別に悪かったとは思いませんけど、左の小川ともども、両SBがもう少し攻撃にアクセントを付けたかったところです。

FC東京が攻めあぐむ一方で、鳥栖も後半はチャンスをあまり作れなかった。それでも、千載一遇で得たFKのチャンスを堀米が一撃で仕留める。いやあ、素晴らしかったですねぇ。何が素晴らしかったって、堀米のFKもそうですけど、それ以上にリードした後の鳥栖のプレッシングとブロック構築が素晴らしかった。特にプレッシングですよ、90分間尽きせぬ運動量とは、こういうことを言う。岩崎とか、残り10分になっても単騎で相手キーパーに向かって猛ダッシュ&プレスを敢行する。勝利に値する内容で鳥栖が勝った一戦と言って良いかと思われます。

 

ブロック崩し完遂〜横浜F・マリノスvs名古屋グランパス(5/7)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□奇々怪々

この日は神奈川県某所におりました。ランチの後、電車の時間まで15分弱あったので缶コーヒーでも飲もうと駅近くにあるコインパーキングの自動販売機に吸い寄せられる。芸能人などがときどき呟くように、コインパーキングって受難があるんですよね。両替機がほとんど設置されていないことによって発生する受難。そういうこともあってか、両替機がてらに自販機が置いてあったりする。

で、そこの自販機で「Fire 贅沢デミタス」を買おうとしたのですが、何かがおかしい。3段あるうちの最下段に缶コーヒーが並んでいたのですが、「Fire 贅沢デミタス」は自販機限定ということもあってか真ん中の段の列にも並んでいた。で、最下段の値段が「120円」で、真ん中の段だと「130円」に設定されている。……何かがおかしいのです、、、

 

□因縁の対決

この試合、昭和ならば「日産vsトヨタ」ってことになるんですよね。当時は子供だったので記憶が曖昧なのですが、トヨタのサッカー部って、あんまり耳に入ってこなかったような。逆に日産は超名門。読売か日産か、あるいは、ヤンマーか日産か、みたいな時代がありました。イッツ・ナインティーンエイティーズ。ちなみに日産サッカー部末期に名を馳せたゴリゴリ系ウイングが名古屋の長谷川健太監督。それは、もう、スカイラインのようだったさ(その当時は子供だったので実際のプレーは見てないけど。車に興味がないのでスカイラインも名前くらいしか知らないけど)。そういう意味ではこの試合はハセケンダービーと言えるかもしれない。

さて、そんなハセケンですが、まあまあ名古屋では苦労してますね。ハセケンといえばチームを素早く仕上がげるタイプ。尻上がりに深みを増していくチーム作りをする系の監督さんではないので、ちと心配。一方でケビン・マスカット監督率いる横浜FMは、それなりに堅調。ACLグループリーグからの帰国初戦というディスアドバンテージはありますが、そのあたりはマスカット監督の手腕に期待。なんせ、愛してマスカット。素直な気持ちをもっと伝えてくれれば、たちまちフォールインラブになること間違いなし。

 

□ブラジル人祭り

さて、ピッチに目を向けると、横浜FMの前線は左WGにエウベル、CFがレオ・セアラ、右WGがアンデルソン・ロペス、そしてトップ下がマルコス・ジュニオール。ブラジリアンカルテットですね〜。もちろん「6人で守って4人で攻める」という感じではありませんが。岩田と喜田というWボランチがともに守備的なタイプだけ、攻撃に厚みを持たせるキーマンは疑似ボランチになる両SBですかね。

対する名古屋の攻撃は、さしあたり「マテウスがんばれ!」。それにしてもFC東京時代のレアンドロといい、ハセケン監督は猛獣系ブラジル人にハードワークさせる術に長けてますね。ちなみに名古屋で「ブラジル人」「ハードワーク」といえばレオシルバなわけですが、ネットでの評価などを見てると、あまり芳しくない。でも、すごく効いてるように見えるんですよね。攻守に奮闘している。空けたスペースを使われるのは仕方ないというか、チームのオートマティズム、成熟度の問題のような気がします。

 

□名古屋が先制してマリノスが追いつく

序盤から構図としては、わかりやす過ぎる構図。マリノスがボールを握るのに対し、名古屋はプレスにメリハリをつけつつ、しっかり構えて守る。攻撃はカウンター主体ですが、こういうチームはセットプレーが命。果たしてマテウスが蹴ったCKに中谷が合わせて名古屋が先制します。靴磨きパフォーマンスとか現場で見たのは始めてかも。

ACL帰りのマリノスは選手の疲労もピークなのか、前半の早い時間帯に岩田が負傷交代。藤田じょえるチマが投入されます。潤沢な資金があれば今頃ヴェルディは渡辺皓太・藤田じょえるチマ・三竿健斗の逆三角形になってたのかもしれないんだよなぁ。ともあれ巧みに裏抜けしたエウベルが同点弾を決めて、1ー1で折り返します。低く構えたチームに限ってエアポケット的に裏を取られるってのは、サッカー版マーフィーの法則(死語?)でございます。

 

□名古屋の勝ち越しは幻で横浜FMが逆転

ちなみに前半の40分過ぎにマリノスはエウベルも傷んでピッチを後にしたのですが、交代の回数を温存してハーフタイムまで粘るみたいなことがありました。で、後半開始とともに仲川輝人が投入される。また、後半開始早々にマテウ

スのCKから先制点と同じようにゴールを揺らしながらもVARで取り消される、みたいなこともありました。

とはいえ、なんやかんやでスコアは動かない中、ハセケン監督は「勝てる」と踏んだのでしょう、柿谷を入れて3421としてアタッカーの数を増やすと、さらに相馬をWBとして投入。なかなかのファイヤーにしたのですが皮肉にも、これ以降、押し込まれっ放しになります。ここからは名古屋の堅牢なブロックをマリノスブロック崩しするといった展開になります。で、そうなると、当然のことながらマリノスは攻めあぐむのですが、そこは愛してマスカット。しっかりブロック崩しをやりきりって、アンデルソン・ロペスが決勝ゴール。点差は1点差でしたが、タテホコ対決で正面からタテをぶち抜いたのだから、マリノスの完勝だったと言って良いでしょう。

 

ポヤトス仕込みの一撃必殺〜町田vs徳島(5/1)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

 

□胸のワサワサ

町田と鎌倉って、そんな近くはないんですけど、流行には乗っておきたいので『鎌倉殿の13人』の大河ドラマ館などに行ってみた。で、大船・藤沢と経由して小田急で鶴川を目指す予定にしていたのですが、藤沢でランチを食べながら乗り換えサイトを覗いてみたら、なんと「小田急江ノ島線は人身事故のため、運転を休止してます」とか出てる。オーマイガっっ。

迂回ルートを調べると横浜から横浜線のルートとか、川崎から南武線のルートとかが出てくるものの、あかん、遅刻や。ワンチャンにかけて、大和までは走っていた小田急に乗って相鉄で海老名に行って、大和と海老名でそれぞれ3分しかない乗り換えの2連続成功を目指そうと決意する。なかなかのミッションなわけで、強い心を持って各駅停車に乗り込んだのですが、そしたら、「ただいま運転を再開しました」と絶妙な福音。ギリギリとはいえキックオフに間に合いましたよ、やれやれ。良かった良かった。

 

□緩やかな回復基調対決

さて、ホームの町田ですが、ロケットスタートを決めながらも、4月くらいからは失速気味。とはいえ、ここ2〜3試合ではわずかながらも上向きの兆候が見えているような現状でしょうか。町田の場合、トップ下の人選がラストピースになるんですかね。当初は長谷川アーリアジャスールでしたが、安井が使われたり、なかなかコレっていうハマり方をしてない印象があります。ってこともあって前節あたりからは3バックになったと『エルゴラッソ』に書いてありましたが、この試合では山口がチョンテセの周りを衛生的に動いていました。

アウェイの徳島は、スタートダッシュに大失敗。ここのところは、ようやく加速してきた印象もありますが、よくよく数試合のスコアを眺めてみると、勝った試合の圧勝っぷりが印象強いだけであって、相変わらず勝ったり負けたりを繰り返している。昨シーズンがずっと思ってるんですけど、ポヤトスよりも甲本さんの方が良かったりしない?っていうか、去年の成績から甲本さんが獲得した分の勝ち点を差し引くと、なかなかまあまあな数字になるのではあるまいか、、、

 

□結局、町田のシステムは⁇

さて、オンザピッチ。町田のシステムは少し判断しづらかったですね。442と考えると奥山と翁長の高さが違うし、太田がSHのわりには5バックっぽく下がる。じゃあ3421かとすると、そうすると奥山と今度は太田が非対称に見えるし、平戸が右に張る一方で山口はセントラルにいるし。攻撃的な右SBと献身的な左SHによる442だったと解釈しておく。

徳島についてはシンプルな4123。見所はカカ、、、というかカカvsチョンテセのバチバチ。片方が片方を突き飛ばす応酬がキックオフから続いていて、カカのヘディングクリアがチョンテセの顔か頭に至近距離から直撃して「脳振盪?大丈夫⁇」みたいなシーンがあったり。攻撃では散発的ながら杉森が異彩を放ってましたね。その分、裏のスペースを翁長に使われまくってましたけど。

 

□ボールは町田が持つ

試合内容としては前半から面白かったですよ。どちらもトライアングルを作りながら斜め前方向への小気味よいミドルパスを繋ぎながら、「レシーブ、トス、アタック!」みたいなリズムでクロスまで持っていけてました。その中でもボールを持つ時間は町田のが長かったかも。中盤でのプレスからショートカウンターってシーンが続出しておりました。逆に徳島は意図的に引き込んでからの疑似カウンター狙いだったのかな?あるいは単純に押し込まれていただけ⁇みたいな感じでしたけど、決して縦ポン運任せではなかったので、引き締まった展開の前半戦となりました。

ハーフタイムが明けて後半になっても、構図としては前半と変わらない。前半もそうでしたが、町田は山口が推進力を発揮する。エレガントなテクニシャンという感じではないのですが、本田圭佑中田英寿のような重心の強いボールさばきが魅力的な選手ですね。

 

□得点は徳島が奪う

スコアを動かしたのは、意外な伏兵。前半と同様に徳島が狙いすました鋭いアタッキングを仕掛け、最後に決めたのは坪井。……坪井って、誰やねん?選手名鑑を調べてみたら、高卒で徳島に入団し、まだ22〜3歳だというのに、高知やらシンガポールやらから這い上がってきた苦労人とのこと。ともあれ、徳島の「ドゥエルを制して最短距離ででゴールを目指すのだ!」っていうスタンスがヨーロピアンで、そのあたりはポヤトスがちゃんと仕込んでいるらしい。

徳島はさらに追加点を決まる。町田が前掛かりになったところをカウンターで仕留めたとかではなく、ゴール前のセットプレーから。なんならSBの新井が決めたゴール。人数をかけるときにはかけるというメリハリが素晴らしかった。こうなると町田は厳しい。そもそも水たまりの場所的に後半は厳しいサイド?エンド?になっていたので 尚さら厳しい。ポポさんも手を尽くしてフレッシュな選手を投入していきましたが、スコアが動く気配は時間とともに薄まるばかり。町田的には「こういう日もある」と割り切らないと仕方のない敗戦となったのではないでしょうか。

.Weリーグにおける偏差値50の試合〜大宮Vvs千葉L(4/17)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□入谷から鶯谷

この日は大宮に行くというので上野公園周りを散策しておりました。上野公園を北に抜けたので上野というより入谷なわけですが、良いですねぇ、入谷。さすがは台東区だけあって、昼飲みできる店もちらりほらり。跨線橋を渡ればそのまま鶯谷鶯谷鶯谷で、24時間、性を生業とする人たちが闊歩する街。必然的に昼飲みできる店が右にも左にも溢れている。

ワタクシ、高校卒業とともに地方から出てきて、大学生だった時分は多摩ニュータウンに住んでいたのですが、今でもあの頃の自分があまり好きではない。我ながら生気に欠けていた。理由はいろいろあるのですが、一つには多摩ニュータウンに馴染めなかったんですよね。多摩ニュータウンそのものというか、丘陵地の街づくりと、それによって発生する街の雰囲気が苦手でした。東京の東部に住んでいたら、違う大学時代の過ごし方があったかもしれないと、最近、つとに感じる。

 

□第2グループ対決

東京東部に行くと、なぜか東京西部に住んでいた頃を思い出すワタクシは、そのまま東京の北向こうにあるナックファイブスタジアムへと足を延ばす。ホームの大宮Vは6位。前身となるチームがあったとはいえ、プロリーグ発足に合わせて作り直したチームですから、もっと苦戦するのかなと思っていましたが、健闘してますね。前節は浦和とのダービーに勝利したみたいですし。

アウェイの千葉Lは4位と好位置に付ける。千葉Lに関しては皇后杯の準決勝を栃木で観戦したのですが、監督さんが優しいパパさんみたいな物腰で、とにかくチームの雰囲気が良かったという印象が残っております。サッカーのスタイルは典型的な堅守速攻で、相手に先制されると相当厳しくなるってのは、2月の皇后杯決勝で露呈していますが、決して格上とは言えない大宮Vが相手となるとどういうスタイルになるのか、興味深いところです。

 

□442vs3421

さて、ピッチ上に視線を移すと、大宮Vは442でした。ツートップが縦関係になるのでボランチとの兼ね合いによっては433っぽくもなりますが、基本的には442。見所はやっぱり鮫島と仲田の左サイドコンビですかね。髪の長さとか、全体的なフォルムが似ていたりするので、さながらジェミニアタック。そんな2人ですが、レーンが重ならないように意識していたように見えました。多くの場合、仲田が幅をとって、時に鮫島はエセボランチっぽい位置取りでボールを引き出す。

対する千葉Lは3421。今シーズン、たぶん、ずっとスタートはこのシステム。442のチームに対して3421ですから、幅的には優位に立てる。大宮Vはスライドを繰り返しながら対応しますがサイドの攻防では千葉Lが優位に立つ。ただし、インからアウトに展開して、再びアウトからインに戻して以降のアイデアとかクオリティとかが少し足らなかったかも。

 

□一進一退のつばぜり合い

スコアは前半から動きます。何度か繰り返された形ですけど、大宮右SBの有吉のスルーパスで相手左WB裏のスペースを攻略すると、9番だったか27番だったかのFWが角度のないところからシュート。GKが弾いたところに15番が押し込んで大宮Vが先制すると、その後は一進一退の引き締まった攻防が繰り広げられます。千葉Lは左サイドを中心にサイドから横幅を使った攻撃を繰り出し、大宮Vはツートップが裏抜けしたり、左の槍として仲田がゴールまっしぐらに仕掛けるなど縦への意識が強い。ともにスコアを動かすに至らないままハーフタイムを迎えます。

というわけで追いかける千葉Lは後半の開始とともにFWの選手を投入。そのまま選手をスイッチしただけかな、とも思われたのですが、ツートップにしましたかね。システム的には532で守る感じにして攻撃に軸足を置きましたが、大宮Vは大宮Vで、往年のアルディージャを彷彿とさせるような堅牢なブロックでゴール前を固めます。

 

□妥当なドロー決着

後半もなかばまでは大宮が相手に攻めさせながらもゲームをコントロール。その原動力は、まずFWの9番井上。彼女は小柄ですが、背負ったり競り合ったりってところから、うまくカラダを入れ替わらせて、ひっくり返すのが上手い。それからMFの15番林。こちらの選手は、スペースを察知する能力が高いのでしょうか、高い位置でも低い位置でもボールの預けどころとして絶妙なタイミングで顔を出していました。

その林が負傷で交代したあたりからおもむろに風向きが変わる。千葉Lが大滝を投入して4バックにしたことも相まって、大宮Vは自陣ゴール前を脅かされ続ける展開に。そして、コーナーキックからついに決壊して、岸川のゴールで同点となりました。「ここまで来て、状況が関係しないセットプレーかよ!」とも思いましたけど、それだけ大宮Vが心身ともに疲弊して、粘り腰が崩れていたということでしょう。そういう意味では千葉Lの愚直な攻撃がボディブローになったともいえる。とはいえ、千葉Lにも勝ち越すだけの余裕は残されておらず、そのままドローで終わりました。まあ、妥当な結果だったのではないでしょうか。

 

アナーキーなスコアレスドロー〜湘南ベルマーレvsジュビロ磐田(4/10)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□意図せぬハイキング

皆さんは「ごっつええ感じ」って番組、ご存じですかね?いわゆる“団塊ジュニア”世代にはバイブルのような存在でして、松っちゃんは神様なわけですが、この「ごっつええ感じ」が中学生の頃に始まって以降、ワタクシ、大河ドラマなるものを見なくなりました。そんな大河ドラマですが、今年は「鎌倉殿の13人」なんだそうで。オーシャンズ11的なことですかね?

というわけで、午前中は真鶴に行ってきました。源頼朝が合戦でボコられた後、ここから海に向かって逃げていったことでお馴染みの真鶴でございます。ケープ真鶴なる岬へ行ってみたのですが、さほど「大河ドラマの舞台にようこそ!」って雰囲気ではなかったですね。むしろ、ハイキングとかパークゴルフとかもできる景勝地という扱いで、めっちゃ上り道と下り道を結果的にハイキングすることになりました。

 

□どちらもヤバめ

さて、湘南ですが、絶不調です。ヤバいです。J2では、大宮がヤバいヤバい言われてますけど、深刻さでは湘南の方がヤバいのではあるまいか。なんか、大宮みたいな「監督はパスサッカーを哲学にしてます!」ってチームは、「コンビネーションが成熟したり、ラストピースがハマれば、怒濤の反攻が始まるに違いない」っていう、なんとなくの期待が幻想であったとしても持てるじゃないですか。実際はそうもいかないことを歴史が証明しているとはいえ。逆に湘南には、「きっと、こういうパターンで盛り返すだろう」というイメージが湧きづらいのですよね。さてはて。

一方、磐田ですが、皮肉にも湘南のヤバさの引き合いに出した大宮をルーツに持つ伊藤監督が率いております。いや、「皮肉にも」ってくっつけるにはこじつけが過ぎたかも。ともあれ伊藤監督が率いるジュビロは、イメージ的には「まずは順調なスタート」って感覚だったのですが、冷静に順位表を眺めると「悪くはない」って程度ですね。遠藤の運動量を前提条件にしたシステムがどこまで通用するか、注目はしております。

 

□イメージに反する選手配置

というわけでオン・ザ・ピッチ。湘南の顔ぶれを眺めてみると、館・石原・田中って面々がいない。ケガとかコンディションとかもあるかもしれませんが、湘南のトガった部分が消えました。代わりに出ているのが大岩とか大野とか米本といったベテラン勢。完成度の高い選手は貴重ですが、ベテランの経験値に依存しているとすれば、あまり良い兆候ではないかも。

対する磐田は、大井が3バックの右なんですね。てっきり真ん中でラインコントロールとかするのかと思ってたよ。で、その大井は、左のリカルド・グラッサともども、ぐいーんと広がる。それもこれも遠藤と山本のダブルボランチがボールが失わないからできることですが、そうやって幅をとるビルドアップがベルマーレを苦しめました。

 

□実は湘南ペースだったのか?

ジュビロのビルドアップは3バックとダブルボランチがボールを回しながら、とりあえずず前線の3枚を走らせる。場合によっては両WBをターゲットにする。それがだめなら、サイドチェンジ。縦にも横にもミドルあるいはロングパスを出すことが多い。まさにボールを動かすサッカーで、確かに遠藤の技術と視野が生きる形ですね。対照的に湘南は真ん中に突っ込んでいくようなスタイル。山田と茨田の両ISHに勝負パスを出させたいんだと思いますが、何はともあれツートップにクサビを入れたがる。ジュビロとしては奪いどころが明確なわけですが、それでもチャンスは作れていたので、湘南は湘南で悪くはない前半だったと思われます。

ってな具合で前半の戦いを見る限りイーブンかなと思っていたのですが、後半開始とともに磐田が動く。ってことは伊藤監督的には相手のペースだったと感じたのかもしれません。

 

□緊張感があるような、グダグダなような、そんな後半。

後半の磐田は山本をアンカー、鹿沼と大森をISHの逆三角形にして、杉本と遠藤を前線に配置する352にシステムを変えてきました。やがてISHを大森から松本昌也、前線を遠藤からジャーメイン良にスイッチして適材適所のバランスをとる。遠藤の前線は、中盤起用以上にリスクかもしれませんね。中盤であればポジショニングでカバーできるところもありますが、前線だと運動量の絶対値が求められますからね。遠藤の起用法も含めて、352はあまり機能しなかったかも。ミラーにしたことで、バチバチのハードワーク勝負になってしまって、そうなると湘南に一日の長があります。また、アンカーシステムで練度が足りないと中盤がスカスカになりがちですが、後半の磐田も、まさにそんな感じでした。

ペースを引き寄せた湘南はウェリントンとタリクという一芸のある選手を投入して仕留めにかかります。しかし、あと数センチでシュートがゴールに入らない。最後は伊藤監督が謎の4CB策を発動させると、もはや、どちらが攻めてどちらが守ってるのかわからないような展開に。磐田は相手に合わせすぎましたし、湘南は決定力と攻撃のパターンが足りなかった。まあ、妥当なスコアレスドローだったんじゃないでしょうか。