問題は先制されてからのダメっぷりかも〜浦和レッズvsガンバ大阪(4/20)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□徳島には頭が上がらないダービー

この組み合わせは、いまだに“西野朗ギド・ブッフバルト”時代の残り香を嗅ぎとってしまい、ついつい“東西横綱ダービー”って第一印象を持ってしまうのですが、もはやそういう時代でもないですよね。そういえば、かつてガンバが「今シーズンから勝った試合の後はやろう!」と始めた“ワニナレナニワ”を埼スタのセンターサークルでやったら、ホームチームへの挑発と受け取られ大騒動になったってことがあったなあ。

近年は両チームとも「そろそろ次の黄金期が来ても良いんじゃないか?」って感じで欧州系の監督によるチーム作りを進めてますね。数年前に浦和はリカルド・ロドリゲスを招聘して新路線の最初の一歩を踏み出しましたし、ガンバは現在、ダニエル・ポヤトス監督のもとでスタイルを構築中。……うん?そうか、なるほど、この対決は「徳島には頭が上がらないダービー」だったんだな。

 

□ともに最悪ではないが寂しい成績

さて、東海道本線で新大阪に出たあと東海道新幹線武蔵野線を乗り継いで埼スタに乗り込んできたであろうガンバ(東京駅からはバスだと思うけど)は、ここまでのところ3勝3分2敗で10位。シーズン序盤は好調でしたが、少しトーンダウン。それにしても今シーズンの宇佐美の覚醒には目を見張るものがありますね。ネット記事によると、足首の状況が悪かったのだけれど、その対策として体重を落としたことがプラスに働いているらしい。

迎え撃つ浦和は3勝2分3敗の11位。最初の2〜3節は新監督のヘグモさんをネタ監督扱いする声もありましたが、セホーンレベルではなさそう。とはいえ、今ひとつ強いのか弱いのか分からない。というのも連勝も連敗もあんまりなくて、勝ちと負けと引き分けとが等間隔でコンスタントに記録されているからでしょうか。「ここまでの浦和ってどう?」と聞かれたら「勝ったり負けたり引き分けたりだね」としか答えようのない星取表になっております。

 

□そんなん、涙がこぼれそうやん

というわけでピッチに目を移します。まずはガンバですが、両SHが大きく幅を取ります。なのでポジショナル的5レーンなのかと思いきや、そういう雰囲気ではない。攻撃のときは幅を取ったSHと2トップが一列になる424な感じ。ワイドでは数的優位を作るというより単騎突破。最終ラインのボール回しも、一撃必殺の裏抜けロングパスを出すためというより、ボランチをフリーにするため、といったイメージでしょうか。

それに対して浦和は、典型的な欧州トレンド。もはや“ポジショナル”って言葉を強調すると、却って陳腐になるというか、事を単純化してしまいそうですが、序盤からセカンドボールの回収率で浦和がガンバを圧倒していた。ベップのチームが強いときは、押し込んだ状態で勝手にセカンドボールが味方の足元にこぼれてくる感じになりますが、そういう、ボールがこぼれるところに人がいるって仕組みが着実に熟成されつつあるように思います。

ちなみにこの試合、浦和も両ワイドアタッカーが攻撃の有効な切り口となっていましたが、それぞれ右が前田直輝で左が中島翔哉ヴェルディユースの9番と10番やん。そんなん、涙がこぼれそうやん。さらに言えば、ガンバでは鈴木徳真が巧みに中盤をコントロールし、浦和では左SBにコンバートされた渡邊凌磨が中島翔哉と大久保のコンビプレーをフォローアップしていた。鈴木徳真と渡邊凌磨、前橋育英の二枚看板やん。そんなん、涙がこぼれそうやん。ってな前半の戦いでした。スコアは動かず。

 

□各駅停車遅攻の一気呵成

後半に入っても浦和のリズムが良い。ISHに入った大久保と伊藤がどんどんとチアゴサンタナを追い越していく。大久保の小刻みなドリブル突撃も良いし、伊藤のダイナミックなフリーランも出色。何よりも、彼らが飛び込んでいくスペースにグスタフソンがスコンスコンと縦パスを差し込んでいくのが凄い。さすがはヘグモの申し子。必要な場面には必ず彼が絡んでいく。ページをめくるといつもグスタフソンがそこにいた。ノートの落書き、いつも君がそこにいた。レイジールーズブギー。ちなみに、この日は岩尾がベンチにも入ってなくって、岩尾とグスタフソンの関係性については拝見できませんでしたが、途中から大久保の位置に安居が入ってきて、その安居とグスタフソンの役割分担を見ていたら、なんとなく岩尾との関係性も伝わってきました。

一方でガンバは劣勢。とにかく縦に遅いんですよね。とてもヨーロッパ人が率いているチームには見えない。「90年代から二千00年代の日本の442サッカーって、こんな感じだったなあ」と懐かしさがこみ上げてくるような各駅停車的遅攻。ボールをペナルティエリアまで運んだときにはバッチリ相手のブロックができている風景、久々に見た気がする。……なのですが、そんなガンバが決勝点を決めるのだからサッカーは奥深い。どういう事情かヘグモ監督はショルツから佐藤へとCBを入れ替える。CBの選手が途中出場に慣れているわけはなく、その佐藤が危険なシチュエーションで痛恨のボールロスト(追記:佐藤のミスと思ってたら、伊藤のミスだったみたいです)。奪ったガンバは一気呵成でゴール前に押しかけて、そして勝負強く坂本が決めきりました。

先制されてからは浦和がガクンと落ちる。そのままほとんど無抵抗のままタイムアップを迎えました。そりゃ、浦和サポじゃなくてもブーイングを浴びせかけたくなりますよね。浦和的にはそんな敗戦でございました。