転換期の川崎が気合を見せる〜川崎vs広島(6/11)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□継承する器用さとブラッシュアップする胆力

川崎も広島も黄金期を迎えたことのあるチーム同士ですね。ヴェルディの時代があって、鹿島&磐田時代があって、岡田マリノスを挟んで、西野ガンバ&ギド浦和の時代。そのあとが森保サンフレッチェ時代だったでしょうか。隙間隙間にアントラーズが存在感を示しつつ、現在は鬼木フロンターレの時代が一つのサイクルの終焉を迎えようとしています。

森保さんと鬼木さんには共通点があって、森保さんはミシャが築いた土台をよりブラッシュアップして黄金期を築いた。鬼木さんも、風間革命軍の遺産を、より柔軟化することで一時代を作り上げました。どちらの監督も前監督の良さを継承する器用さと、それを大胆にリアレンジする胆力を持ち合わせているという点で共通してますね。ちなみに、現在の川崎の礎を構築したということになっている風間さんは、もともと広島の選手でしたね。そういうところも因縁めいているかもしれません。

 

□多様な評価軸

とはいえ、やはり川崎は一つサイクルが終わろうとしていそう。もちろん、同時に新たなサイクルの始まりなのかもしれませんが、ともかく鬼木さん、監督就任以後、最大ともいえる悪戦苦闘にまみれています。尤も鬼木さんの手腕を現在進行形の成績だけで評価するのか、鬼木さん就任以前の川崎の成績や、長期間強くあり続けた監督はJリーグの歴史上一人もいない(西野さんでさえコケた年がある)という要素を勘案して評価するかで、その人の見識が問われるところだったりもします。

アウェイの広島は、すっかり川村と森島が2枚看板となってますね。特に川村は今をときめいていますし、このときめきが持続すれば、広島に在籍する未来は短いものになるかもしれません。しかし、個人的には川村・森島以上に野津田と茶島の安定的活躍を何より評価したい。こういう、フランチャイズチックな中堅選手が全体を支えているところに、サンフレッチェ広島というクラブの歴史を感じます。

 

□雑な陣地回復の必要性

くどいようですが、それにしても川崎は苦しんでますね。ここ数年、ではなく、去年との違いだけで言うと谷口が移籍したのと、マルシーニョが長期離脱、さらにダミアンがなかなかトップフォームにならない、といったところですかね。彼らは「ロングキックの出し手」「個で突破するドリブラー」「圧倒的なターゲットマン」ですので、それらの武器を一挙に失ったということは、雑に陣地を回復する手段を失ったということです。結果、ショートパスでのビルドアップ一本やりになってしまっている。こういうところに苦戦の鍵が隠されているかと思われます。

そして、そのような状態の川崎は、スキッベ広島にとっては格好の獲物といえそうです。なんといってもスキッベの戦術は、猛烈な前プレによる即時奪還と、セットした守備で相手を引き込んでからのひっくり返し、の組み合わせ。つまりは正統派のポジショナル。たぶんベップ的なポゼッションスタイルのポジショナルって、ポジショナル業界ではむしろ亜流で、どちらかというとスキッベみたいにポゼッション殺しスタイルが正統派ポジショナルですよね。

そんな好相性を背景に40分頃までは広島がピンボールサッカーへと引きずり込むことに成功すると、追い打ちをかけるように川崎にアクシデント。小林悠が負傷交代となり、ダミアンが緊急投入されました。とはいえ面白いもので、ケガの功名と言いますか、この交代で川崎は息を吹き返す。ダミアンがターゲットマン能力を発揮して川崎の陣地回復が改善させてみせました。蛇足ですが、「個に頼る雑な陣地回復専用部隊」としてなら、チャナティップをCFで使ってみても面白そうだと感じたりもした次第です。

 

□腐ってもウイニングメンタリティ

さて、後半になると、ポゼッションのイニシアチブは広島に移ります。川崎はわりと防戦一方になったのですが、サッカーというのは不思議なもので、押し込まれた方が得点のチャンスが広がる。というか、ここ数年は「ボールを持つ方が不利」という思考の監督が増えてきて、むしろ定石化しつつあっりもする。ってなわけで、中盤にて脇坂が牛若丸ばりのひらりとした身のこなしでカウンターを発動させると、山根→ダミアンと繋いで、最後はゴール前に進入してきた脇阪が再びひらりとした身のこなしで先制ゴールを決めきりました。

こうなると、広島はさらにボールを持って川崎ゴールへと押しかける。その圧力に後ずさりしたのか、審判の通信器具か何かが不調をきたして謎の飲水タイム状態が発生する。さらにクロスを肩に直撃させた登里が脱臼か何かの古傷に響いたらしく座り込んでしまったり、いつものように太股の筋肉系に不安を抱える大島僚太が倒れ込んだり、2度目の倒れ込みで交代を余儀なくされたりしました。

大島ってバイタルでボールを持つ相手に牽制をかける守備がすごくうまいですよね。だからディフェンス面でも大島の交代は痛かったはずですが、代わって投入された小塚がゴールライン上で決死のクリアを成功させたりしたので、そのあたりは川崎の底力です。腐ってもウイニングメンタリティ、と言ったら失礼ですが、リードした試合の進め方はお手のもの。虎の子の1点を守り切った川崎がホームで勝利を収めました。