吉田達磨の“吉田達磨”の部分〜天皇杯決勝(10/16)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□天の邪鬼に

いやあ、まさかまさかの天皇杯決勝。いったい、どこの誰が神奈川県横浜市にある日産スタジアムにおいて広島と甲府がトーナメントの決勝を戦うと予想しただろうか。なんやかんやで天皇杯にせよ、ルヴァンにせよ、決勝の片方は一都三県のクラブだということが多いので、ここまで関東から遠くて、かつ、言い方悪いですけど全国区的なネームヴァリューがあるわけでもないチーム同士の対決になるとは。

甲府でデビューして台頭した選手が広島に抜かれるという構図が2010年代にはあったので、これがリーグ戦だったらそれなりに興味深いんですけどね。案の定というか、全席種とも当日の朝の段階でJリーグチケットでは売り切れになっていない。……そうなるとワタクシの出番なのですよ。東アジア選手権であれば韓国vs中国、昔の方式のキリンカップなら日本以外の2チーム同士の試合とかを西が丘あたりに見に行きたくなる天の邪鬼ですから、こういうマッチアップが大好物なのです。お腹いっぱい堪能させて頂きます。

 

□名将vs名将予備軍

最近、老眼が進行していましてね、でもサッカーの情報はたいていスマホの画面で読む「エルゴラッソ」なので、いろいろ苦労することも多い。その最たるものが広島の監督さんで、日本語の感覚との兼ね合いもあって、スキッペ?なのかスキッベ?なのかがわからなくなる。まあ、どうやら名将だった模様。わが応援する四日市中央工業的にいうと森島が順調に10番としての役割を果たしていて喜ばしい。あとは浅野が適応してくれると、なお喜ばしい。

対する甲府ですが、最近、松竹芸能の「みなみかわ」さんが『ゴッドタン』で「みなみかわさんの“みなみかわ”の部分さえなければ……」とイジられてますけど、4バック(4123)にしてからのヴァンフォーレって、吉田達磨の“吉田達磨”の部分が思いっきり発動されてる印象があります。吉田達磨監督も“吉田達磨”の部分さえなければ名将になっているのに、みたいな。

 

□下克上?

広島はこの日もいつもの3421。両WBをバックスと考えるなら5バックで、その5バックのチョイスが、離脱者の兼ね合いもあるかもしれませんが、なんだか経験重視。荒木はそれなりに若いですけど、他が柏・ササショー・塩谷・茶島ですからね。ボランチは大黒柱の野津田と台頭著しい川村拓夢。シャドーの満田と森島、このあたりは若い。で、ドウグラスヴィエイラ

対する甲府も、この日は3バックに回帰してきました。相手がJ1の広島ということもあってか、守備でも慎重に構えて、奪ってからは素早く裏抜けロングパスという感じ。4123でもなければ、ショートパスでつなぎ倒すわけでもない。吉田達磨が“吉田達磨”の部分を封印してきた。……ということは、それに比例して勝率が上がったりするのでは⁇

実際、先制したのは“吉田達磨”の部分にメリハリを効かせたヴァンフォーレ。FKから大きく展開。サイドを攻略してからは“吉田達磨”の部分が全開になって鮮やかにつなぎ倒す。完璧に崩し倒したところに侵入した三平が合わせて先手を取りました。それにしても三平、上手くなった?吉田達磨さんは選手を上手くする指導者と言われますが、1番上手くなったのは三平ってことない?風間さんにせよ吉田達磨さんにせよ、「トラップを正しく置けば、そうそう取られない」ってことを最重視する印象もありますが、三平のそういう部分がとても上達したように見えましたよ。

 

□大団円

まさかの追いかける展開となった広島は、後半開始から森島とドウグラスヴィエイラを下げてベンカリファとエゼキエウを投入します。いやあ、ベンカリファ、知識としては知っていましたが、ホント、サッカーのツボを押さえたプレーヤーですね。特別なことはしないのだけど、そのシチュエーションでその1個があれば局面を作れますよねって場面でのプレー選択を誤らない。さすがです。

さらにスキッベ監督は早め早めにカードを切って野上と松本を投入する。野上はそのまま右WBに入り、松本はボランチに。ボランチの川村が左WBにスライドします。3バックの場合、消耗の激しいWBにテコ入れするのが常道ですからね。甲府甲府で荒木に代えて野澤陸を投入。守備力の高い須藤をWBに上げました。

両監督が知恵を振り絞るなか試合は膠着し、残り10分というところで両ゴール裏のボルテージも一気に上がると、その追い風をスコアにつなげたのは広島。川村が乾坤一擲のゴールを決めて試合は振り出しに。こうなると地力に勝る広島が有利。しかし、甲府はくじけない。というか広島が攻勢を一段落させてしまったという印象も強い。延長戦に入ってからの山本英臣&河田劇場については贅言を要さないと思いますので、せっかく現地観戦した者らしいことに触れておくと、PK戦は最初、甲府のゴール裏でやる方向性だったらしくカメラクルーとかが一斉に民族大移動。しかし蓋を開けてみると広島ゴール裏でやることに。再び民族大移動が発生してました。重い機材を運びながらの小走り、大変お疲れさまでした。