鹿島の原点回帰〜浦和レッズvs鹿島アントラーズ(9/20)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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伝統の一戦

チケット完売とのお話。年に何度か埼スタに来ますけど、チケット完売の試合はコロナ前のスーパーカップイニエスタとかも含めてPKをみんなが外し続けた試合以来かな。埼玉高速鉄道が混雑するんだろうなあ。そんな伝統の一戦。どちらもオリジナル10で、複数の優勝経験を持つ名門同士。特に埼スタができて驚異的なチケット収入を得るようになる中で一気に浦和がタイトルホルダーへと駆け上った二千00年代におけるライバル関係は盛り上がった。

なんせ鹿島の礎を築いたのはジーコで、選手としても監督としても浦和をワンランク上に押し上げたのはブッフバルト。『ダイヤモンドサッカー』なビッグネームで、かつ93〜94年のJリーグバブルが弾けて、大物外国人がすっと消えていった中で、バブルの華やかさを残してくれていた貴重な大物外国人選手だったわけです。ジーコは引退してましたけど。ある意味で、この2人が最後のJリーグ黎明期ともいえる。そんな色づけもある一戦です。

 

□チーム状態には若干の差

さて、普通にチームバスで乗り込んできたであろうアントラーズですが、ここ5試合の成績は3勝2分0敗、順位は2位。名将鬼木が早速爆裂してます。あるチームで長期政権を築いた後ってそれなりに難しいと思うんですけど、鬼木さんはどこ吹く風。なんかレイソルで一時代を築いてからガンバに移ったら、すぐさま黄金期を作り上げた西野朗を彷彿とさせる。そのうち協会に持っていかれやしないか?

迎え撃つレッズのここ5試合は1勝1分3敗で8位。お世辞にも好調とは言えない。再登板後は少し苦戦しているスコルジャですけど、成績以上に違和感を覚えるのが、堀之内さんだか誰だか強化部の人が、再任に際しては突如として「マチュイ監督」とファーストネームで呼び始めたこと。なんか、身内人事感をわざわざ強調して世間に表現しているようで、なかなかの違和感でした。それと現在の苦戦に因果関係はないでしょうけど。

 

□鹿島が先手

というわけでピッチに目を移します。まずはアントラーズですけど、よくよく考えたら鹿島のサッカーってそもそもの発想がポジショナルなんですよね。鹿島のサッカーというかジーコのサッカー。ジーコのサッカーというか90年代のブラジルのサッカーって。相手をおびき寄せてからの必殺のカウンター。相手の人数が少ないところで超絶技巧を過剰なまでに見せつける。そういう意味では鬼木スタイルは原点回帰ともいえるのかもしれません。

一方のレッズはCFに松尾を配されていることに象徴的ですが、ゴリゴリのポジショナル。引き付けて裏返す。最少手数と最短時間でシュートに持っていく。渡邉凌磨が復帰しましたね。復帰前と違ってスターティングポジションは渡邉が左でサヴィオが真ん中。流れの中でサヴィオが左に流れた時にチャンスが出来る感じではありましたが。キーマンはグスタフソンですかね。彼のスルーパスをどう活かすか。

ともあれ前半の攻防ですが、鹿島が先制します。フォアチェックで引っかけて、最後は鈴木優磨が押し込みました。浦和はなまじ西川の足技がストロングゆえに、低い位置でのパス回しが、かえってリスキーになってるかもしれません。とはいえ、前半を通じてチャンスを多く作っていたのは浦和だったのですが、なんというか画竜点睛を欠く。「シューターがゾーンに入ってれば決めてたね」ってシーンが続出しましたが、繰り返しになりますが、画竜点睛に欠いた。

 

□90年代のスペインとブラジル

先制しながらも押されっぱなしだった鹿島の鬼木監督は、後半の開始とともにボランチに知念を投入。詳しいメカニズムはわかりませんが、おそらく強度が高まったということでしょう、後半は鹿島がボールを握り直します。対するスコルジャ監督は追いかけなければならないということもあって、金子に替えて小森をピッチに送り込み、松尾との2トップにしましたが、劣勢を挽回するには至らず。むしろ中盤の支配力が弱まったようにも思われました。

となればスコルジャ監督に残された選択肢は“魂の3枚替え”しかありません。イサーク、関根、中島翔哉を同時投入します。松尾、サヴィオとともにグスタフソンが下がる。渡邉凌磨がボランチにスライド。渡邉凌磨は左WG→右SH→右DHの3変化。ただ、これは中盤の構成力をさらに弱めてしまったように思います。イサークを入れずに、松尾の位置に中島翔哉を入れれば良かったのに。

受ける鹿島は強かった。ファインセーブ連発の早川はもはや取り上げるまでもない。それをさておいても、チーム全体の帰陣が恐ろしく秩序立っていた。鈴木優磨が前線で時間を作れるのも大きい。終盤はなんだか90年代のスペインとかヨーロッパの強豪国とブラジルみたいな構図だった。組織と技術で実直に攻める浦和に対して、試合運びのクレバーさでヒラリヒラリと交わしていく鹿島。無敵艦隊と呼ばれながら全く勝てなかった頃のスペインって、こういう感じで南米のチームに負けていたような。そういう意味では鹿島にとっては原点回帰な勝ち方だったのかもしれません。