雑用係軍団の中盤とスーパー雑用係の渡邊凌磨〜FC東京vsサガン鳥栖(9/23)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□一方通行的関係

FC東京と鳥栖の因縁を探してみると、特に竹原バブル路線の頃にFC東京関係者が鳥栖に移籍するって事例が見られましたね。代表的なのは権田でしょうか。彼の場合は海外移籍絡みでいろいろややこしいので、FC東京とサガン鳥栖という2クラブ間の因縁という印象でもないですけど。権田以外だとフィッカデンティでしょうか。こちらも、FC東京を謎の退任となったあとに鳥栖の監督となったわけですので、因縁もクソもない。

最近は鳥栖の選手がFC東京に引っ張られるって事例が思い浮かびます。例えば小泉とかですかね。あと、ワンクッション置いているとはいえ、直近になって元鳥栖の原川がFC東京に加入なんてこともありました。尤も、FC東京から鳥栖へ請われて移籍という逆パターンはイメージがあまり湧かないので(ケイマンとかはいるけど)、双方向性のある関係というより、一方通行的な関係なような気もします。

 

□どちらも不調

リーグ戦ここ5試合におけるFC東京の成績を振り返ると、1勝1分3敗の11位。ジリジリと順位を下げている。アルベルさんを解任したのは、まあ、理解の範囲内。とはいえ、後任がクラモフスキーさんというのは、いかにもその場しのぎというか、「現監督より良い監督に目星がついたから解任」という計画性を感じさせない。厳しい言い方になりますが、清水や山形の成績を踏まえると、これくらいの数字がクラモフスキーさんの通常値というよな気がします。

鳥栖については、実はここ5試合の成績だけ拾い上げれば、FC東京よりも苦戦している。0勝3分2敗で順位も12位まで下げてしまっております。尤も、だからといって川井さんにノーを突きつけるサポーターは少数派ではないでしょうか。経営破綻寸前からの復興過程にあることを思えば健闘の範囲内でしょうし、他の監督を連れてきて、川井さんより良くなるか悪くなるかを確率論的に判断すれば、川井さんより良い監督って、なかなか見つからなさそうですよね。

 

鳥栖が先手

さて、FC東京はどんなサッカーをやってるか。少なくとも前半の戦い方に関して言えば、「3トップよろしく!走れ〜〜!!」っていうハセケンよろしくなサッカーだったかと思われます。クラモフスキーってポジショナルじゃないんですかね。だからといってポゼッションでもないし、疑似カウンターでもない。ストーミングの気配も前半はなかったし、442とか堅守速攻の日本的なスタイルでもない。後半に再確認が必要です。

一方の鳥栖ですけど、サイドから少ない手数でリズミカルに攻めるってパターンです。左はWGの岩崎を爆走させる。相手のクリアミスとかから左を一気にってのが多かった。逆の右サイドはSBの原田がゲームメイクしながら攻略していく感じ。それにしても岩崎と原田がすっごいフリーになっていた。この両者をフリーにするのが上手かったともいえますし、FC東京の守り方的にサイドに蓋をすることが最優先にされていないようにも見えました。

スコアは前半から動きます。まずは左サイドからのアーリークロスに忍者のごとく飛び込んだ長沼がアクロバティックボレーを決めて鳥栖が先制。VARが入りましたが、いや、長すぎるやろ。さらに鳥栖は攻撃の手を緩めない。序盤からターゲットマンとして奮闘していたケイマンがPKを獲得して、自ら決める。ケイマン的には恩返しゴールなのですが、当の本人にFC東京を古巣と感じる意識が残っているかどうかは不明。ともあれ2ー0と鳥栖がリードしてハーフタイムを迎えました。

 

□FC東京が逆転

今ひとつ何がやりたいのかが伝わらなかった前半と打って変わって、後半の東京は何がやりたいのかが伝わってきた。基本的には3トップ+渡邊凌磨と駆け上がる長友(あるいは逆サイドのカシーフ)とで5レーンを作る。まあ、この5レーンは5レーンってわざわざ強調するほどのポジショナルではないですけどね。ともあれ、カタチが作れるようになるとリズムも良くなる。そうするとカシーフのクロスをアダイウトンがドンピシャで決められたりする。

ここからはFC東京のリズムの良さが加速。ポジショナルの生命線ともいえる早期回収が散見するようになると、その早期回収のカタチから大外のカシーフが再び折り返す。最後は渡邊凌磨が決めきって同点。この時間帯から判断するに、クラモフスキーさんのFC東京は、原則的にストーミング型で、素直な並びでの5レーンを作るって感じなんでしょうか。そして、そのキーマンが渡邊凌磨。もはや早期回収マシーン、しかもファーストディフェンダー兼任。ストーミングをこの選手が一手に担っているといって過言でない。

渡邊凌磨に限らずFC東京は渡邊凌磨・松木・原口による中盤の雑用係感がハンパなかったですね。最終ラインがフィードして最前線がアタッキング。それ以外の全ての雑用を中盤3人がボックストゥボックスで処理している感じ。そして、決勝点もスーパー雑用係の渡邊凌磨から。裏抜けからのシュートを決まりませんでしたが、途中出場の俵積田が詰めて、これが決勝点に。さすが俵積田、俵積田だけに何かと詰めるのがうまいらしい。

……ってなことでFC東京がホーム味スタに眠らない街を響かせました。