倉貫采配、スーパー大的中〜YS横浜vsいわてグルージャ盛岡(9/18)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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奥州合戦ダービー

昭和の時代には時々見かけたコミュニケーションですけど、「福島出身ですか?なら、山口とか鹿児島のこと嫌いですか?」みたいな会話がありました。戊辰戦争以来、会津薩長は時代を越えて仲が悪いとされていた。同じようなパターンで、秀吉の時代の因縁で伊達家の子孫や関係者と浅野家の子孫や関係者も不仲とされてきて、オフィシャルに仲直りしたのは21世紀に入ってから、みたいなこともあります。

さて、そこでグルージャですよ。盛岡にせよ“いわて”にせよ、北東北太平洋側、まさに陸奥(みちのく)なわけですが、みちのくといえば平泉、平泉といえば奥州藤原氏、そして奥州藤原氏奥州合戦源頼朝に滅ぼされています。で、その源頼朝の本拠地が鎌倉で、鎌倉は神奈川県、神奈川県の県庁所在地が横浜ですね。つまり、岩手県民からすれば、横浜は郷土の偉人を滅ぼした憎き(にっくき)頼朝のお膝元。今なお「許せねぇ」って感情的なシコリが、、、さすがにないですよね?

 

□絶不調対決

ここのところのYS横浜は、調子が悪いです。5試合で1勝1分3敗。ある程度安全圏にいたはずの順位も17位にまで下降。お尻に火が付いたところで星川さんから倉貫さんへ監督交代に踏み切りました。これがプラスに出るか、マイナスに出るか。倉貫さん、現役時代、特に甲府時代は好きな選手でしたが、琉球の監督としての実績を考えると、果たして星川さんより残留の可能性を高められるのか。YS横浜としても、難しい決断を下したかと思われます。

不調さではグルージャも負けてません。負けてないどころか上回っている。ここ5試合で0勝1分4敗です。それでも順位は14位なので、これまでの貯金が効いているとも言えますが、なかなか厳しい局面にあります。監督は松原良香さん。知識系解説者出身は、わりと指導者として苦戦しがちなんですが、松原さんは相模原でも苦戦しました。もっとも、望月時代の相模原は、優秀な指導者であればあるほど苦戦するメカニズムにあったので、このときの成績は度外視すべきかもしれません。

 

□盛岡が先手

さて倉貫新監督率いるYS横浜ですが、システムは前政権を継承して352というか5122というか。右のISHということになっているのであろう萱沼がサイドに張り出していることが多かったので343っぽく見えることも多かった。ただ、星川さんの頃みたいに組織的に疑似カウンターをしかけていくといったオートマチズムは感じられず。どちらかというとハードワークを重視しているような印象。だったら5122なんて難しいシステムにする必要はないような。

対するグルージャはオーソドックスな4231。左サイドではオタボーが中に絞って出来たスペースを新保が爆走するパターンが多かった。逆に右サイドはなんと言っても西大伍。上手いですね。真ん中か右サイドかの違いこそあれ、遠藤保仁とほぼ同じプレーをしているように思えてくる。また、「なんかベンチで誰かがコーチみたいな振る舞ってるな。29番って誰だ?」って思ったら水野晃樹でした。

序盤から審判のマネジメントが今ひとつだったのか、あるいはハードワークのチーム同士という組み合わせゆえか、選手が痛んで試合が止まりがちだったのですが、YS横浜の大嶋の治療中のコーナーキックから和田が決めて盛岡が先制。和田的にはボロ雑巾のように捨てられた相模原への恨みをYS横浜相手に晴らした感じでしょうか。盛岡リードでハーフタイムを迎えます。

 

□ティネッリとピーターゼン

個人的には「後半に入ると、さらに盛岡がイニシアチブを握りそう」とか思ってたんですけど、逆にYS横浜が同点に追いつきます。道本?富士田?とにかくピンクスパイクの選手が右で頑張って折り返すと、佐藤が押し込みました。ちなみにサイドが変わって近くなったので、「大嶋が西の当番をしてるんだなあ」とか眺めていたんですけど、両者とも早めの時間帯でお役御免となりました。

そして、交代選手たちが試合を動かしまくる。まずは盛岡。途中出場の宮市がYS横浜のハードなマークに負けずにポストワークを成功させると、これまた途中出場の南が左サイドを爆走。最後は甲斐が決めて、再びリードを奪います。それに対してYS横浜の倉貫監督が送り込んだのはティネッリ、ピーターゼンの両FWと藤原。ティネッリとかピーターゼンって、途中出場で活躍するイメージがまるでなかったのですが、もう一人の途中出場である藤原がコーナーキックの競り合いに勝って、松村の同点ゴールをお膳立てします。

さらに、ワタクシの予想を裏切ってティネッリとピーターゼンが大活躍。スタンドからはオフサイドにしか見えない入れ替わりからティネッリが爆走して折り返す。決めたのは相棒のピーターゼン。倉貫采配、お見事です。さらに試合終了間際には道本が足を攣ったことでスクランブル投入された菊谷がファーストプレーで追加点。倉貫采配、めちゃくちゃ見事です。

偶然か必然かはさておき、倉貫監督のピンズド采配で、YS横浜が残留を占うと極めて大きな意味を持ちそうな勝ち点3を獲得しました。