□大都会ダービー
この特別シーズン、クリアソン新宿の試合を見るのは2試合目。対してYSCCの試合を見るのは3試合目です。今年に入ってからは近年あまり訪ねてなかったスタジアムと、我が心のホームスタジアム西が丘を中心に観戦していたのですが、その結果、こういうことになった。何の因果が、YSCCを2試合もアウェイで見るとは……。逆に見る機会がなかったのは千葉勢と青森、沼津。市原については久々に臨海で観戦したいという思いもあったのですが、やっぱ遠い。
さて新宿も横浜も大都会です。なんせ新宿には都庁がある。眺望だけならスカイツリーとか行って高い料金を払わなくても都庁からで十分に楽しめる。他方で横浜にはランドマークタワーがある。ここの展望台は有料だったはず。とはいえ文字通りランドマークの役割を果たしてます。他にも新宿には新宿中央公園がある。さまざま種類の人々がここを愛している。他方の横浜には港の見える丘公園がある。オフコースがここを愛している。
□大都会に生まれたことを後悔せよ
さて、山手か石川町かから京浜東北線に乗り、赤羽からは国際興業バスで乗り込んできた?YSCCですが、特別シーズンの成績は2勝4敗で6位。珍しくPK決着は未経験のようです。ちなみに東エリアの順位は青森→いわて→沼津→市原→浦安、でYSCCの下に武蔵野→新宿。綺麗に都心から遠い順に上の順位にいる。つまりこの特別シーズンでは勝ち点を積み重ねれば積み重ねるほど田舎者扱いをされてしまうということです。
そうなると迎え撃つ大都会新宿なクリアソンの順位は下位ということになる。都会に生まれたことを後悔するしかない。クリアソンの成績は1勝5敗で8位、つまりは最下位。そのうちPKで1勝3敗、普通のフォーマットならば0勝4分2敗ということになります。繰り返しになりますが、それもこれも大都会に生まれたのがいけない、せめてクリアソン八王子とかならばもう少し上位の成績だったのに。
□攻撃では吉、守備では凶
というわけでピッチに目を移します。まずはYSCCですが、例によって中盤逆三角形の352。キーマンは左ISHの14番田原でしょうか。というのも、YSCCの中盤は14番田原の他が7番と28番。つまり14÷2と14×2なんですね。完全に14番田原が基準になっている。さらに2トップは5番と9番。そうです5+9=14なんですよ。このチームの攻撃陣を牛耳っているのは完全に14番田原です。
一方のクリアソンですが中山と澤井をダブルボランチに置く442です。前に見たときは中山が0トップ気味のCFでしたが、このかたちの方が攻撃については良いかもしれません。プレースタイル的に中山が最前線だと縦への迫力という部分が少し出づらい。この日は突貫系の2トップを起用することで、縦に速い攻撃が可能になっていました。ただし、その分だけ守備がやや不安定になっていたかもしれません。
ともあれ前半の攻防ですが、YSCCが「これぞポジショナル!」みたいな、高い位置で奪って息つく暇を与えずシュート作戦成功で先制します。次に点を取ったのもYSCC。シンプルなクロスからの流れで決めきったものですがで、シンプルなクロスで崩れてしまうくらいクリアソンのペナルティエリア内での守備が怪しかったともいえる。さしあたりクリアソンは澤井をはっきりアンカーに置くことで、多少は守備を安定させました。
□グダグダの後半
後半はクリアソンも主に攻撃面で良いところを見せます。具体的には左SHの88番村越が何度となく1対1の場面を作りましたが、縦への突破力という部分で決定打に欠く。すかさずクリアソンの北嶋監督は中山雄登から中山仁斗へとスイッチ。出てくる面子の名前だけ見れば豪華なんですけどね、クリアソン。なかなかそれがかたちにならない。というか中山仁斗も現在はクリアソン所属だったのか。
攻め込まれる時間帯が続いたYSCCですが、クリアソンとは対照的に押し込まれてからが崩れない。もともと相手を引きこんでからひっくり返そうというチームですから、自陣での振る舞いは堂に入っている。そして、まさにおあつらえ向きの“引きこんでからひっくり返す”によってWBの比嘉が勝負を決定づける3点目を決めました。「何をしたいかわからない」と言われがちなポジショナルは、何かしているようには見えないまま点を取るのですね。
さらにYSCCは4点目も決める。グランダーからのクロスを押し込んだものですけど、このときのクリアソンの守備はグダグダだった。みんながみんなボールウォッチャーになっていた。なんだかミシャが長期間に渡って率いたチームにありがちな末期症状を見せられているような気分だった。兄貴肌で選手の信望を集めたタイプのコーチがそのまま監督として成功するかというと、なかなか微妙なことも多いですけど、北嶋監督もそのパターンにあたってしまう可能性もあるかもしれません。