クリアソンが躍動して、グルージャが勝つ〜クリアソン新宿vsいわてグルージャ盛岡(4/21)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□オーソドックスでないダービー
平日の18時キックオフですってよ。19時キックオフでも一般的な定時退社だと全く間に合わないってのに、18時キックオフをわざわざ見に行くんだから、我ながら道楽者と言わざるを得ない。念のため言いますが、隠居して悠々と年金生活を送っているわけではない。時間給で働いているわけでもございません。お月給を頂戴しながら雇われ人をしているものです、ワタクシ。まあ、タイミングが良いと可能なんですね、こういうことも。皺寄せは自分でかぶるだけですし。
そんな、世間的には決してオーソドックスではないワタクシですが、この日の西が丘でマッチアップした両チームもあまりオーソドックスではない。クリアソンは「地域の特性を鑑みて」という意味がわかるのかわからないのか謎の理由でライセンスを交付されてますし、グルージャに至ってはノヴァが入って秋田が入ってノヴァが抜けて秋田も抜けて、元の木阿弥なのか、元の木阿弥にも戻れてないのか、何が何やらわけがわからない状態。両クラブとも、どこかでリスタート地点を固めた方が良さそう。それが最も難しいのでしょうけど。

□元Jリーガー監督同士
さて、東北新幹線で乗り込んできた?グルージャですが、PK勝ちとかそういうのを無視すると3勝1分0敗で3位です。監督は菊地利三が再登板しているらしい。さほど特筆すべき成績を収めてきた指導者ではないですけど、足下グラッグラッなクラブには、こういう歴戦の熟練がいてくれた方がピッチ内外において安定感が出る。地域の信頼を改めて積み上げたいというフェーズにおいては、これ以上ない適任者なようにも思われます。
迎え撃つクリアソンはPK勝ちとかそういうのを無視すると1勝0分3敗で8位。完全にビリ、東海地方で言うところのドベ。率いるのは北嶋秀朗監督なのか。そうか北嶋か。リーダーシップはある選手でしたけどね。コーチとしても兄貴分。監督してはどうでしょうか。選手のラインナップを見る限り元Jリーガー路線ですが、JFLって元Jリーガー路線が苦戦する印象もある。鍵は走れるコンディションにある選手がどれだけいるかってところでしょうか。

□“いかにも”っていうスコアの動き
というわけでピッチに目を移します。まずはグルージャですが、守備時は442になります。攻撃時に442なのか4231なのか4123なのかはよくわかりません。西が丘のバックスタンドですから。スタイルとしては今なお00年代のサッカー選手を象徴する髪型を堅持する牟田率いる最新ラインから裏抜けの低弾道ロングパスを出せれば出したい感じ。ポジショナルといってよいかどうかは怪しいですが、見る人によっては「何がやりたいか見えない(怒)」ってわめき散らすような、欧州トレンド風です。
一方のクリアソンも守備時は442です。攻撃時はワントップなのかゼロトップなのかともあれ上手すぎる中山がフリーマンっぽい感じでしょうか。スタイルはボランチが持つサッカー。ジャパニーズスタイルというか、日本の育成で叩き込まれるのであろうやり方。奪ってからはドリブルで持ち上がって、そのままシュートというより、相手SBにスルーパスを出すシーンが多かったかと。
ともあれ前半の攻防ですが、個人技に勝るクリアソンが、より多くの決定機を築いていましたが、先制したのはFKからの流れを確実にモノにしたグルージャ。よく“決定力の差”という言葉が用いられますが、個人的にあまりその表現が好きでなく、シンプルに“決まったか、決まらなかったかの差”と表現しておきたいと思います。決まらないのは個のシュート技術というより、チーム全体のバイオリズムだと思うんですよね。

□しっかり繋ぐのアリ地獄
それにしてもクリアソンはテクニシャン揃いです。中でも「島田―菊谷―中山」のセンターラインはえげつない。ただし、足下があるだけに逆に負のスパイラルに陥ってるような印象も無きにしもあらず。手数への意識がグルージャとは好対照でした。クリアソンは繋げるだけにパスの数が増える。そうしている間に相手守備陣が組織としての間合いのようなものが作れてしまうんだと思うんですよね。だから崩しているようで最後は決めさせてもらえない。逆にグルージャは持ったら打つ。追加的もハイプレスから相手のミスを誘発して、そこから一人でシュートですもん。
クリアソンは反撃に出るべく澤井を投入したのですが、ヴェルディユースの10番が加わったのだから、そりゃ、さらにパス交換が増える。余計に繋ぎ倒すのアリ地獄。「こりゃあかん」のパターンでしたが、 岡本の投入が転機となりました。岡本は最初の数プレーで、とにかくシュートへの意識を見せた。思いっきり足を滑らせたミスシュートが味方に繋がってゴールが生まれる。示唆に富むプレーだったと言わざるを得ない。そして、その示唆に後押しされたのか、クリアソンは雑なクロスから同点ヘッドを叩き込みます。そうなんですよ、しっかり繋ぐと攻めのリズムと守りのリズムが共鳴して点が入らないし、雑に攻めると向こうの守りの間合いが整ってないからあっさり決まったりもするんですよ。試合はPK合戦の末、グルージャが勝利を収めましたが、クリアソンとしても得るものがあったのではないでしょうか。

横河の完勝〜横河武蔵野FCvsY.S.C.C.横浜(4/18)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□JFL版オールドクラシック
JFLの観戦は久々だなあ。そんな久々のJFL観戦のカードが横河とYSCCか。なんというか、JFLのオールドクラシック。その前に“オールドクラシック”って言葉は存在するのか?と思いAIに聞いたらファッション業界にあるんだそうだ。ともかく、この2チームの対決は、かつての“古き良きあるべきJFL”像を彷彿とさせてくれます。関東の古豪対決とも言えます。
あれからいろいろ変化はありましたけどね。武蔵野はJリーグ入りを急ぐどこぞの意識高い系集団に乗っ取られ、そして乗っ取られ損なったり。横河電機的には持て余しながらも、最後は可愛いわが子なのでしょう。YSCCはYSCCで、地道にJFLを戦っていたら、なぜか当局のマジックにより、Jリーグに参加することになっていて、もともと身の丈を超えたことを他律的にやらせられていただけなのに、若いサッカーファンには“分不相応だ”と揶揄されたり。ともあれJFLらしいオールドクラシックに戻ってまいりました。

□6位と8位
さて、YSCCは三鷹に来るに際して湘南新宿ラインの遅延に巻き込まれたのでしょうか?ワタクシは巻き込まれましたよ。所用があって午前中に浦和に行ったら、戻ってこれないでやんの。そんな?YSCCはここまで1勝0分3敗でJFLカップ東地区の6位。ちなみに上位にいるのは盛岡と青森。ガチでJリーグ参入あるいは復帰を目指しているクラブが上位に来るというのは健全な順位表。
迎え撃つ武蔵野は勝敗だけなら1勝0分3敗でYSCCと同じですが、順位は8位。順位の違いはそれぞれの1勝の中身の相違。YSCCが90分勝ちであったのに対し、横河はPK戦勝ち、そこの勝ち点1の差が順位の差になっている。というか、そうか、JFLカップって、まるまるJリーグ特別シーズンのフォーマットにならっているのか。なんにせよ両チームとも好調ではないということです。


□横河的にはお誂え向き
というわけでピッチに目を移します。まずはYSCCですが、伝統の532と言って良いのかな。伝統かどうかはわかりませんが、ワタクシが比較的多くの試合を見ていたシュタルフの頃のフォーメーションは532だった。532というより、厳密には5311だったような気もする。それにしてもしばらく見ないうちにYSCCからはシュタルフの頃、すなわちJ3にいた頃のメンバーがガチで一人もいなくなっていた。
一方の横河は442のツーラインサッカー。ちなみに監督さんは金守です。四中工出身の横河レジェンドですね。志向するサッカーはハイプレス&ショートカウンター。YSCCがポジショナル志向で、かつポジショナルでありながら出しどころが全く見つけられないパターンということもあり、横河としては、とても良い噛み合わせ。ハイプレスとかセカンド争いがめっちゃ楽しそう。なんせYSCCが低い位置でモタモタしてくれたので。
そんなわけで前半の攻防は、総じて横河が優勢でした。YSCCが低い位置でモタつき、それを横河のハイプレスが奪い、奪ってからはショートカウンター。最短距離の中央突破が目立ってましたが、スコアが動いたのはサイドからのクロスを合わせたヘディングシュート。サイドにふるまでは中央突破だったように思いますが。YSCCはアンカーを置く逆三角形でしたから、バイタルがスカスカになりがちでした。

□YSCCの袋小路
成績こそ振るわないものの、横河のサッカーはなかなかハイレベルなことをやろうとしていたように感じます。端的にまとめると、奪ってから高速中央突破を仕掛け、そのまま打てれば打つ。打てなければ相手がバランスを崩したスペースを突いていく。相手の出方を前提にしたリアクションスタイルで、相手が嫌がることをやっていくというサッカー脳高めのスタイルです。セットプレーから追加点を上げたところも、“頭を使え”の延長上にあるかと思われます。
逆にYSCCは、昨今のトレンドで、かつ、事前準備=サッカー脳を必要とするポジショナルを志向しながらも、どうも上手くいかない。ポジショナルの場合、最初の裏抜けはギャンブル的な割り切りが求められると思うのですが、そこの率を上げることに固執して袋小路に陥っている印象を受けました。2トップが苦しそうならば、いっそうのこと両ワイドが馬鹿みたいに走りまくれば良かったのに。
終盤はYSCCも4231っぽくしたのかな?後ろは3枚のままにも見えましたが、とにかく前線が4枚いて、そのうち2枚はワイド。そのワイドをフォローするWBだかSBもいたので、サイドに2枚以上がいるというバランスにした。で、それが奏功して押せ押せで攻めまくったのですが、決定力不足というか、まあ横河GKも良かったですね。本領発揮なのか、たまたま上手いこといったのかみたいなファインプレーも含めて、GKの個人技が防いだ点が何点かありました。横河の完勝だったと思われます。

46歳荒川理恵、頑張ってます〜日テレ・東京ヴェルディベレーザvsちふれASエルフェン埼玉(4/5)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□戦後に産声ダービー
ちふれって歴史が長いんですね、創業が1947年だそうだ。まだまだ闇市で食料を手に入れていた時代ですよ。そんな時代であっても女性の美への意識は本能的なもの。そんな渇望に寄り添ってきたのがちふれなのでしょう。なお創業当時は「アゼリア」だったそうです。なんだかゼルビアっぽいな。あるいはあざみ野っぽいな。ちなみに「ちふれ」というのは、「全地婦連」から来たんだとか。「総評」とかの時代感が漂ってくるな……
一方の日テレの創業は1952年。5大紙系テレビ局としては後発に属す?そうでもない?ともあれ、ちふれより歴史が浅いのですよ。そして仁義なきナベツネー川淵闘争の結果、男子サッカーからは撤退した影響で、読売の看板を一身に背負ってきたのがベレーザ。そんなベレーザは、今シーズンここまで3位。11位に低迷するエルフェンから見れば、完全なる格上、草葉の陰のナベツネも思わずニンマリしていることでしょう。

□荒川理恵と岩清水梓
さて、川越線で赤羽まで乗り込んできた?エルフェンですが、3月だけで4敗を喫するなど奮いません。とはいえ救いもあって、リーグ戦に限れば1敗しかしていない。なんせ3試合がカップ戦でしたから。つまり3月の成績は0勝0分4敗です。それでも、ただ指をくわえて立ち尽くすようなこともあるまい。なんせボンバー荒川理恵がベンチ入りしているんですから。46歳ですってよ。おそらくカズと違って純粋にピッチ上における価値での現役でしょうから凄いです。
迎え撃つベレーザはベレーザで、岩清水梓がベンチ入りしてました。こちらは39歳。ただし出産を経験している。こちらはこちらで尊敬しかない。ちなみにベレーザの成績は、3月に限るともろもろあって4勝1分0敗。エルフェンより一試合多いのはアジアでの戦いがあるから。それも含めて無敗で花粉症の季節を乗り越えました。INAC&浦和&ベレーザは3強といって良いと思いますが、その一角に恥じない風格です。

□実は拮抗?
というわけでピッチに目を移します。まずはエルフェンですけど、システムは4231だったですかね。4ー4の2ラインを敷いて、前線が2枚というやり方。最前線には27番の生田が入っていましたが、この選手、どことなく猶本に似た雰囲気だったような。ええ、ええ、見た目の話ですよ。HPなどの画像だとそうでもないんですけどね。この選手が裏やスペースに走り回りながらポジトラを繋げていきたいというサッカーだったでしょうか。
一方のベレーザは3421。注目すべきは塩越がボランチだったこと。浦和でもそういう使われ方をされたりしてましたしね、体幹的な安定感があるので、この選手がドンと構えていてくれるとチームが落ち着く。もう一人注目するなら北村。シャドーではなくワイドでの起用。ここ数年は男子みたいな体脂肪の顔立ちになりました。若い頃はアイドル然としていましたが、すっかり360度のアスリートです。
ともあれ前半の攻防ですが、両チームの成績をそのまま反映したような明確な構図。つまりはベレーザが攻めて、エルフェンが跳ね返すという繰り返しで試合が進んでいきます。とはいえエルフェンもちゃんと刃を隠している。スコア的には動きのなかった前半戦でしたが、ベレーザはポスト直撃のシュートを撃って、エルフェンはバー直撃のシュートを撃つ。エルフェンが「カウンターからまんまと…」となっても不思議じゃない流れでハーフタイムを迎えました。

□カウンターからまんまと…
後半に入ると、喝を入れられたのか、作戦通りなのか、俄然、エルフェンが高い位置で勝負するようになりました。前半からそうでしたが、エルフェンは劣勢でも陣地を回復する手段がある。それはワントップに入った生田の裏抜けです。そして生田の裏抜けは陣地回復だけに留まらず、ゴールにまで結びつきます。エルフェンの先制ゴールは美しかった。出しての縦パスも完璧なら、抜け出してGKとの1対1を制した生田も完璧。
そしてエルフェンが素晴らしかったのは、ここから。順位が下のチームが先制すると、途端に守備的になりすぎて、結果として余裕をなくして自らの首を絞めがちなのですが、そこは歴戦の樋口靖洋が率いるチームだけあって、淡々としのいでいきます。退きすぎることも、焦りすぎることも、力みすぎることもない。というか樋口さん、いまはエルフェンの監督だったのか。ハイトーンなので声も若々しいですし、まだまだ存在感を示してくれてます。
苦しくなったベレーザは次から次へと攻撃のカードを切って、システムも3バックを4バックへと変える。宇津木が入ると左WBの北村が右SBにスライド。メインスタンドのワタクシに近づいてきたんで、「オレのことを好きなのか?」と思わず照れてしまったり、そんなことをしていたら、今度はエルフェンが荒川を投入される。逃げ切れというハッキリとしたメッセージですね。選手たちはそんな樋口監督の指示を遂行し、エルフェンが大きな大きな1勝をあげたんだとさ。

広島の新スタに行って来たよ〜サンフレッチェ広島レジーナvsRB大宮アルディージャWOMEN(2/28)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□エディオンピースウイング広島
去年の11月以来の試合観戦、訪ねた先はエディオンピースウイング広島、エディオンピースウイングスタジアム広島じゃないんですね。初見参です。ビッグアーチも1回しか行ったことないですけど。ともあれ男子チームではなく女子チームの観戦、だって男子チームの試合はチケット争奪戦状態で買えないんだもの。スタジアム探訪という意味では女子サッカーは良いですね、普段はなかなか縁のないスタジアムにも行けますし。
広島という都市を訪れたのは2〜3年ぶりかな。その時は世界遺産航路で宮島から原爆ドームまで乗船したような。その時と変わった最大のポイントは路面電車乗り場。JRの駅と直結してしまったよ。でもワタクシはバスで広島バスセンターに向かうのです。というのも、観光客の大多数は路面電車を使う一方で、広島駅のバス停7番乗り場から出るバスにはほとんど地元の人しか乗らない。つまりすいているんですよ。

□6位と7位の対決
さて、大宮から東北新幹線に乗り、東京で東海道新幹線、さらには新大阪で始発の九州新幹線に乗り継いできた?アルディージャWですが、率いているのは柳井監督、30代の女性監督です。素晴らしい。まあ若い女性を抜擢すると「女ってだけで優遇されてる」って陰口をたたく人も出てきますけど、いや心配するなと、お前は男とか女とか以前の段階で優遇されてる人に負けてるから、と。ともあれレッドブルグループですし、柳井監督には和製ナーゲルスマンを目指してもらいましょう。
迎え撃つレジーナですが、リーグ戦の順位でいうとアルディージャWの1つ上、6位みたいです。率いているのは赤井監督。赤井さんって、愛媛FCにいた赤井さんですよね、青野&赤井で青赤コンビって一部で呼ばれていた。そうか、愛媛と広島はお隣ですもんね。そういえば、前回、世界遺産航路に乗った旅行では道後温泉からフェリーで広島に渡ったのでした。青野さんは無念の退任をしましたが、赤井さんは頑張ってほしいですね。

□ともに縦速
というわけでピッチに目を移します。両チームとも442のような4231のようなってシステム。アルディージャWの場合、アジリティ系の20番が前で、大型の17番斎藤が後ろという形で固定化されていたのかしら?ここ10年くらい増えてますよね、フォルランみたく一列低い位置でターゲットになる役割。ちなみに17番の斎藤、フルネームは斎藤夕眞というらしい。初代と3代目のスケバン刑事か?と。麻宮サキに限定すれば3代目は唯ですが、スケバン刑事でいうと結花も由真も3代目。
一方のレジーナは前線の9番上野と17番神谷はけっこう前後関係が流動的でしたかね。どちらかを最前線の基本にするのではなく、横並び扱いだけで、攻撃の際には適宜で縦関係になるというか。注目の中嶋淑乃は左のSH。中嶋といえば3トップのウイングというイメージも強いのですが、442だと必然的にSHになる。アルディージャWの仲田歩夢がベンチスタートだったので、いろいろ共通点のある両者のしばきあいが見られず、そこは少し残念。
ともあれ前半の攻防ですが、フォーメーションだけでなく、基本的なスタイルも似ているような気がする。縦に速い、男子のトレンドをそのまま取り入れている印象です。違いといえばアルディージャWはボランチ経由の中央突破も多かった一方で、レジーナは中嶋という明確な武器を持つからか、奪ったらサイドというパターンが多かったこと。左の中嶋だけでなく、14番松本と38番嶋田による右のコンビネーションも良かったですね。

□盛り上がったのか、そうでもなかったのか
後半に入るといきなりスコアが動きます。アルディージャWの高橋美紀がスーパーロングシュートを決めてみせます。女子の場合、GKの背の高さやジャンプ力の影響で、スーパーロングシュートが決まりがち。これも女子サッカーの醍醐味。となれば目には目を歯には歯を、スーパーロングにはスーパーロングでレジーナも対抗しましたが、こちらはバーに弾き返される。それでもレジーナはめげずに猛攻、PKを獲得しました。しましたが、今度はアルディージャWのGKがスーパー横っ跳びでセーブしてみせました。
それくらいの時間から直射日光が猛威を振るう。よく見えない。とりあえずレジーナはサイドを起点に攻めるものの最後は崩しきれず、逆にアルディージャWのイヤ〜なカウンターに腰を引かされるって攻防が続く。レジーナ的には少し厳しいのかな?ってなってきたのですが、そこは飛び道具。それまで存在感こそ示しつつもどことなく不発気味だった中嶋淑乃が突如として覚醒。三笘ライクないつもの突破で同点ゴールを決めました。
ただ、これで試合が完全に落ち着いてしまった。イニシアチブはレジーナが握り続けるものの、どうにもサイドからの折り返しにワクワク感を欠く。受けて大きなカウンターのアルディージャWもやっぱり淡白。同点のままタイムアップとなり、クラシエカップの規定によりPK戦に突入。そこからはPKが決まらない。GKも素晴らしかったんですけど、なんともグダグダ。とりあえずホームの声援を得たレジーナが勝利を収めることに成功しましたとさ。

それでもサッカーは続いていくのだ〜湘南ベルマーレvsアルビレックス新潟(11/8)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□逆湘北ダービー
ワタクシ、節分前に年間スケジュールが発表されると、しばらくそれとにらめっこしながら年間観戦予定を組み立てます。シーズンが始まると2月の時点で立てた予定を粛々と履行していく感じ。それにしても、想像力が欠如していた。予定を組み立てた時点で、まさか降格が決まったチーム同士になっているとは、全く想定できず。予算規模を踏まえれば可能性として十分にありえたはずなんですけどね。近年の健闘ぶりに油断してしまった。
別に野次馬として見に行くわけではないですよ。厳密には、ワタクシの場合、特定のクラブを贔屓にすることもなく、20年以上にわたって毎年Jリーグ全チームを見るってミッションを趣味としてきたものでして、この試合に限らず、全ての試合が野次馬とも言える。ともあれ、こうなってしまえば、逆湘北状態になってもらいたい。凄い試合をしてスーパー大殊勲のあとにあっさり負けた湘北の逆、あっさり負けた後に凄い試合をしてくれ。

□監督を代えたチームと代えなかったチーム
さて、高崎から湘南新宿ラインで乗り込んできた?アルビレックス。降格の影響は避けられず、新幹線など使わせてもらえてない、使わせてもらえたとしても越後湯沢までしか使わせてもらえてないに違いないのです。そんなアルビレックスのここ5試合は0勝3分2敗。勝ち点は23でビリ。東海地方出身者的にはドベ。とはいえ、5試合で見れば負け数を引き分け数が上回っているのか。愛媛もそうですけど、しっかり後釜を用意せずにシーズン途中に内部昇格させるのは、監督交代をしないこと以上にリスクなのかも。
迎え撃つベルマーレのここ5試合は0勝1分4敗。勝ち点は26でブービーパーマンの仲間。ここ数年はちょいちょいネットの掲示板とかも見てしまっていたのですが、さすがに疲れてきた。予算規模を考えれば山口監督は大奮闘してきた。また、やってるサッカーもポジショナル方向の、現代のトレンドに沿ったスタイリッシュなサッカーをやっている。けれども、いまだにポジショナル脳ではなくポゼッション脳のまま「ポゼッションは時代遅れ」とか言いだしてる手合いに批判されている。ポゼッションを評価軸にしている時点でもはや前時代的なのですが、そういう価値観であれこれ言われる山口監督に同情を禁じ得ない。

□サバンナの朝は早い、新潟のアクチャルは長い
というわけでピッチに目を移します。まずはアルビレックスですが、事前の評判と寸分違わないショートパスサッカー。良くも悪くも白井と長谷川というボランチコンビの“止める”“蹴る”が際立つスタイルです。相手のラインなりブロックが整ったら割り切ってシュートかクロスで終わるってやり方が支配的になりつつある昨今、ショートパスを後ろに戻してやり直すサッカーです。結果、アクチャルプレーイングタイムが超長い。新潟が持つとプレーが途切れない。別に褒めてはない。
一方のベルマーレはキックオフ直後は松村のところがもどかしかった。裏返しのパスを出さないんですよね。「鈴木淳之介との差かな?」とも思われましたが、左はWBのところで作って、右はWBを走らせるというカタチなんでしょうかね。右の太田は走りまくっていましたし。全体的には5レーンではあるけどポジショナルではないのかも。ストーミング&裏返しというより、ストーミング&足下崩しって感じもありました。
ともあれ前半の攻防ですが、ベルマーレにとっては、想定しうる最高の45分でした。2点も取ったんだから。先制点は低い位置でこねくりまわす新潟の習性を突いてフォアプレス。引っ掛けてショートカウンター鈴木章人が決めました。文字通りのおあつらえ向き。さらにボールを持つと人数を前線にかけまくる新潟の習性を突いて二田がカウンターで爆走。一気に相手を裏返すと最後は平岡が決めました。新潟サポーターのブーイングに包まれながらハーフタイムを迎えます。

□湘南イケイケ
さて後半ですが、しばらくはなぜかリードしている側のベルマーレがむしろポゼッションするという謎の展開。別にこれはアルビレックスが敢えて相手にボールを持たせたとか、そういうことではないらしい。その証拠にベルマーレが追加点を奪ってしまう。狙い澄ました小野瀬のファインショットが、横っ跳びした新潟GK田代をあざ笑うかのようにネットに吸い込まれました。ここで試合の大勢は決します。ゲームから緊張感が失われました。
それでもどうにかしようとアルビレックス入江監督は56分に魂の3枚替えを敢行。前半のうちに島村からモラエスへのスイッチもしていたので60分までに4枚のカードを切った。これで長谷川と白井が縦関係になって、少し攻撃に迫力が増します。それでもどうにも長谷川の孤軍奮闘感を否めない。そんな中でベルマーレに4点目。鈴木章人の2点目が決まります。この時間帯のベルマーレは何をやっても上手くいくモード。
象徴的だったのはベルマーレの5目ですね。直前に投入されたばかりの奥野がスーパーミドルを叩き込みました。もうね、余裕綽々なものだから、肩に全く力が入らない綺麗なフォームから、それはそれはビューティフルなシュートが決まりましたよ。逆に新潟は選手交代の度に烏合の衆のようになっていった。個人での打開とか、出し手と受け手の2人によるコンビネーションは悪くなくて、実際に一矢どころか二矢報いたわけですけど、それでも、いわゆる“3人目の動き”みたいなものは見られなかったように思います。湘南がホームで圧縮しましたとさ。

大人になった?シュタルフ〜SC相模原vs松本山雅(10/19)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□蕎麦ダービー?
SC相模原松本山雅、、、もう緑ですよね、チームカラーが。その時点でダービー、四の五の要らない。緑といえば、自然豊かな部分でも両クラブのホームタウンは似ています。松本は言わずと知れた北アルプス。ローカル線とバスを乗り継げば、そこには上高地がある。途中でY字に折れていけば乗鞍岳もある。対する相模原もナメてはいけない。なんせ陣馬山があるのですから。京王グループが総力を結集して開発したハイキングコース、それが陣馬山です。
松本市ではないですが、長野市を中心とした北信に対して松本市を中心とする南信には諏訪湖もありますよね。子どもの頃に両親に連れて行ってもらった記憶があります。しかし相模原市もやっぱり黙っちゃいない。相模原市には泣く子も黙る相模湖があります。ついでにSPLこと相模原ピクニックランド(旧称)もある。ちなみに高尾山を南西に下山した先が相模湖。その相模湖周辺にも高尾山にも蕎麦屋が多い。そういう意味では誰が何と言おうと蕎麦ダービーでもあるのです。

□こんなところで6ポインターしてる場合か
さて、8時ちょうどのあずさ2号で乗り込んできたに違いない山雅は、ここ5試合の成績が1勝1分3敗で、順位としては15位。どう考えても期待を裏切るシーズンになっております。率いるのは横浜FCのレジェンドこと早川知伸。それにしても山雅は転げ落ちましたね、坂道を。坂道コロコロです。のちの坂道コロンブスです。ほぼ反町さんの独力でJ1の座まで登りつめたということを、その後の歴史が証明してしまっております。
迎え撃つ相模原も、逆の意味で負けていない。ここ5試合の成績は0勝1分4敗で、順位は14位。つまりこの試合、14位と15位の6ポインターなのですよ。こんなところで6ポインターしてる場合か。まだ日本にポジショナルが珍しく、対応策もフォーマット化されていなかった頃のシュタルフは名将でしたが、それはYSCCがシュタルフの社会性なき振る舞いを許容していたからとも言える。日本のルールを守らなければならないクラブでは良さが出ないのかもしれませんね。

□一気呵成をしのいだ先
というわけでピッチに目を移します。まずは山雅ですが、ボランチが安永と山本康裕のコンビなのか。実力者を揃えたな。ボランチコンビの脇には小川大貴も控えている。ほのかおるジュビロ臭。前線にはエスパルス出身の滝。ほのかおる静岡臭。長野県と静岡県、もはやそれはフォッサマグナですやん。ここを境に自然の生態系も微妙に違ってきて、それらを背景に歴史的な文化も違うのか?
一方の相模原ですがシュタルフ得意の352ではなく3421、山雅とはミラーゲーム状態です。スタメンの顔ぶれを見ていると、、、うーん、加藤大育かな。J2に上がって、J3に降格しているうちにすっかり面子が変わりましたので、ずっと相模原にいる選手って、この選手くらい?現状のMr.相模原と言って良いでしょう。この試合ではロングスローの投げ手として何度も何度もタオルでボールを拭いておりました。
ともあれ前半の攻防ですが、キックオフ直後は山雅が一気呵成。最初の10分の支配率は90%くらいあったのではあるまいか。その後は徐々に平穏を取り戻し、前半の45分をトータルで見れば決定機は相模原に多かったかもしれません。構図としては、山雅はボールを持ちたい感じですね、ポゼッションスタイル。対する相模原は、というかシュタルフはポジショナル風味の裏抜け最小手数サッカー。なので、決定機が相模原に多いのも、よくある構図ともいえる。

□ワンソーラーズ陥落
後半に入ると間もなくスコアが動きました。カウンターのチャンスで杉本が抜け出すとアウトサイドでゴール前に流す。一見ミスキックに見えましたが、狙い澄ましたスーパーアシストだったらしく、中山がダイレクトで悠々と合わせます。先取点は相模原。こういう裏返しはシュタルフの本領発揮。メインスタンドから久々に間近のシュタルフを眺めていたのですが、知らないうちに大人になったじゃないか、シュタルフ。フォースオフィシャルに悪態をつかなくなっていた。
追いかける展開となった山雅の早川監督は後半の19分に2枚替え。合わせてCBを1枚減らして4バックとしました。ファイアーするには少し早かったかな、早川だけに。これ以降、中央突破の攻め急ぎが目立つようになりました。なまじ山本康裕のパスが通るばかりに中央突破偏重が止まらない。そして、さらにそこに相模原GKのバウマンが立ちはだかる。バウマンは最後までゴールマウスを守り切り、相模原が逃げ切りに成功しました。
ちなみに、この試合の観客入場数は3200人ほど。相模原の動員力としてはこれくらいなのですが、相手が松本だとアウェイ客がもっと入って数字が跳ね上がる印象もあります。さしもの松本山雅も、J3での足踏みが続く中、動員力に翳りが見えてきたのでしょうか。心なしかキックオフ直前のワンソウルのボリュームの小さくなっていたような。山雅には再び松本ワンソーラーズとしてJリーグを賑わせて欲しいですね。

再現性のある逃げ切り勝利〜大宮アルディージャvs藤枝MYFC(10/18)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□セキュリティ意識高そうダービー
藤枝と大宮か、静岡県と埼玉県という括りならば、サッカーどころという共通点がありますね。とはいえ藤枝はともかく、さいたま市大宮区という響きからはあまりサッカーどころ感はない。お隣の、さいたま市浦和区が埼玉県のサッカーどころ感を代表している。お隣さんの方が…ということなら、藤枝も、藤枝市よりは磐田市の方がサッカーチームのホームタウン感は強い。そういう意味では“サッカーどころのお隣さん”ダービーなのか?
っていうのでは余りにも失礼なので他にも共通点を探す。藤枝にはMYFCができる前、中央防犯ブルックスがありましたね。紆余曲折あってアビスパ福岡になってしまいましたけど。それに対してアルディージャはついこの前までNTT東日本サッカー部だった。どちらもセキュリティ意識が高そうですよね。藤枝については物理的な防犯意識、アルディージャについてはネットセキュリティ。という側面を強調して“防犯意識高そう”ダービーということにしておきましょう。

□サイクルの開始と終盤
さて、浜松からの高速バスで乗り込んできた?藤枝ですが、ここ5試合の成績は1勝1分3敗、順位としては降格圏も視野に入ってしまう15位。予算規模的にはJ3に停滞してもおかしくないクラブをJ2に引き上げた名将須藤ですが、正直、そろそろ1つのサイクルが終わりつつあるなかな?とも思えたりします。少しフロンターレ末期の鬼木さんと近い雰囲気がないでもない。サッカーの場合、長くて5〜6年で一周期とされますしね。
迎え撃つアルディージャのここ5試合は2勝0分3敗。順位は再びプレーオフ進出圏に上がってきて6位。長澤さんの最後3試合が3連敗だったのに対して宮沢悠生新監督が就任してからは連勝です。宮沢悠生名将説が早くも唱えられつつあるのかどうかは知りませんが、息を吹き返そうとしています。長澤さん時代とスタメンの顔ぶれそのものは大きくは変わってないですが、並びが変わったんですかね?注目したいところです。

アルディージャが先制
というわけでピッチに目を移します。まずは藤枝ですが、一瞬、「うん?浅倉が右ワイドにコンバートされたの?」と思ってしまった。そして榊原がシャドーで出ているのかと思ってしまった。というのも、浅倉といえば金髪じゃないですか?金髪が浅倉で、黒髪が榊原なのかと思いきや、浅倉は黒髪で榊原が金髪だったよ。ゆえに実際は浅倉がシャドーで、榊原が右ワイドだったわけですが。榊原は前々から金髪だったのかしら?
一方の大宮ですが、中盤ダイヤモンドの442なんですね。小島がアンカー。シルバがボランチの位置に落ちたりするし、泉は高い位置のアウトに張っているので、谷内田をトップ下とする4213みたいになる時間帯も多かった。とはいえ、基本は2トップ+トップ下ですから、もはや4ー4の2ラインでブロックは作りま宣言。ポジショナル全盛の現在において、特に前半は2ラインを作る機会なんてそもそもないですしね。
ともあれ前半の攻防ですが、なかなかのヒートアップ。ヒートアップの発信源はたいていにおいてアルトゥールシルバ。須藤監督が煽ってる感もありましたけど、とにもかくにもアルトゥールシルバがヒートアップ。でもシルバがそれくらいの方がアルディージャ的には良いらしい。小島がボールを運んで泉がクロス、サンデーが折り返して豊川が決めるという最高の形でアルディージャが先制し、ハーフタイムを迎えました。

アルディージャが逃げ切り
藤枝は後半の開始とともに金子から杉田にスイッチしました。ハードワーカー金子が、自らが先鞭を付けて走り回る、自分発信型の選手であるのに対し、杉田は周りが動いてから自分の動き方を調整するバランサータイプ。どっちが良いとか悪いとかって話ではないですが、この日の藤枝には杉田タイプが必要だったらしい。がぜんボールの回りが良くなります。
とはいえ大宮の堅守は崩れない。中心にいたのはGKの笠原。この選手は経験豊富ですね。守備陣を盛り立てるのがとても上手。味方の選手が、お世辞にも流麗とはいえない方法でクリアしたりしても、すぐさま全力の拍手で労をねぎらう。味方の守備陣ものってくるという話です。逆に藤枝としては何度も何度もコーナーキックを得ながらも、どうしてもゴールラインを割れない。ちなみに藤枝のコーナーキックではCFの矢村がコーナー外で構えていて、そこは少し特徴的かもしれません。
割り切って逃げ切りモードになった宮沢監督はトップ下にベテランの和田さんを投入する。これは妙手。高い位置でのバランスを整えることでボールを自陣から遠ざける。素晴らしい采配でしたね。そして、もう一つ特筆すべきは試合終盤になってもアルディージャの中盤におけるポジショニングが乱れなかったこと。攻め急ぐ藤枝の中央突破縦パスを「飛んで火に入る夏の虫♪」と言わんばかりにパスカットするシーンが多く見られました。アルディージャが再現性のある逃げ切り勝ちを収めたと言えるでしょう。

残酷な現実〜ザスパ群馬vsヴァンラーレ八戸(10/12)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□新幹線ダービー

ワタクシが初めて八戸を訪れた時、青森新幹線は八戸止まりでした。なので未だに八戸といえば青森新幹線の終点というイメージ。厳密には青森新幹線といえば八戸行きというイメージ。対するザスパ、前橋という意味では両毛線オンリーですが、高崎には新幹線が止まりたい放題。とはいえ個人的には、北関東各クラブは夏休みか春休みに18きっぷを使って訪れる場所だったんですよね。それが18きっぷの仕様が変更されて、まあ、そういう使い方はできなくなりましたよね。逆に季節の制約を受けなくなったともいえますけど。

本日に関しては、そんなケチケチ旅行云々とは関係なく、堂々と朝寝坊。そら節約もクソもない。「はくたか」に飛び乗ります。東京駅はうっとうしいので、あえて上野駅まで行って、そこから「はくたか」に乗り込む。「はくたか」は何新幹線?上越新幹線長野新幹線北陸新幹線北陸新幹線かな。上野駅から高崎駅まで47分。料金は5000円いかないくらい。やっぱり新幹線って高いよなあ。っていう新幹線ダービーでございます。

 

□首位vs残留争い

さて、グランクラスで乗り込んできた?わけないヴァンラーレですが、ご存知の通り絶好調です。ここ5試合に限っても4勝0分1敗で首位を快速しています。特筆すべきは直近の8試合のスコアが勝つにせよ負けるにせよ引き分けるにせよ全てウノゼロかスコアレスであるという点。相変わらずオールコートプレス的な石崎サッカーが炸裂しているということでしょうか。それで夏場でも勝ち点上積みのペースが落ちないことが恐ろしい。

迎え撃つザスパは対照的。ここ5試合の成績も依然として低空飛行で、0勝1分4敗。順位は残留圏の18位ですが、得失点差でそうなっているだけで、勝ち点としては19位タイみたいなもの。ゴリゴリの降格危機。ちょっと岐阜と似た雰囲気を感じる。似た雰囲気というのは、1度フロントがグッチャグチャになると10年単位でクラブが浮上しないところ。細貝社長をはじめクラブに関わる人たちそれぞれは必死の努力をしているのですが、負のスパイラルに陥ったクラブは個の努力が組織の能力値の合計値になっていかない。組織って難しいですよね。

 

□前半で勝負あり

というわけでピッチに目を移します。まずはヴァンラーレですが、一般的にフォーメーションボード的には352と表記されます。352というか5122なわけですが、実際には5122というより5131に近そう。選手でいえば音泉が躍動していて嬉しい。YSCC時代に活躍してステップアップしてからが今ひとつでしたが、プレースタイル的には確かに石さんに合う。YSCC時代のシステムも5131でしたし。

一方のザスパですが、うーん、サッカーの教科書に書いてあるようなことはやってるんですけどねえ。最低限、教科書通りのことをして、その上で、どこで相手を上回るの?ってところですよね。ほぼ西村のワンマンチームっぽくなってるので、西村で勝つの?そのわりには西村を起点としたワンツーとかが決まらないんですよね。個のクオリティというより、個のクオリティが共鳴する仕組みの問題という気もします。

ともあれ前半の攻防ですが、ザスパは前半10分でキーマンたる青木が負傷退場してしまいます。その前後から八戸のインテンシティが前面に押し出されすぎていたこともあり、ザスパサポーターはヒートアップ。そんなザスパを後目にヴァンラーレはエース澤上が本領発揮。続けざまに2ゴールを決めます。さらに前半終了間際には白井も決めます。前半で3点差です。ザスパコーナーキックの攻防で悉く後手に回ってしまいました。

 

□午睡のうららかさ

劣勢のザスパは起死回生を図るべく、左WBに船橋を投入します。必然的に八戸右WB音泉とマッチアップします。船橋音泉、YSCCやなあ。胸が熱いよ。YSCCの安くて閑散とした三ツ沢メインスタンドでJ3を見るのが本当に好きだった(遠い目)。それはともかく船橋、相変わらず安定してますね。特別なスキルや突出した能力があるわけではないですが、重心の低い守備と運動量で、自分にできることは全てやっていく。尊敬です。

対する八戸は前半みたくオールコートプレスとかはしません。ミドルブロックを構えてからの高速カウンターに軸を移す。リードしてて相手が前がかりなのだから当たり前ですね。翻ってザスパは引いた八戸相手に無策。構えた相手に河田と西村が横並びだと、イメージからして機能しなさそう。いっそうのこと西村をアンカーとかにして縦関係にした方が、まだ機能するんじゃないかとも思われましたが、そういう準備はなかった模様。

後半は45分間を通じてまるで日曜午後のひとときのよう。いや、リアル日曜午後のひとときだったわけですが、なんというか、うららか。午睡を誘うといったら選手たちには叱られるでしょうけど、何も事件は起こらなさそうな穏やかな空気が時を刻む。あえて事件が起きたとするならば八戸がダメ押しゴールを決めたことくらいでしょうか。決めた佐々木がゴール裏に向かって一礼したのは麗しかった。というようなことで、首位八戸が貫禄を見せつける一戦になったとさ。

 

これを塩試合と言うなかれ〜FC町田ゼルビアvsファジアーノ岡山(9/27)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□〝○田の○田〟と〝○山の○山〟ダービー

ご存知の通り町田を率いているのは名将の誉れ高い黒田さん。アンチもとても多い人。どちらかというと熱心にスタジアムで観戦するサポーターよりも、ニュースでチェックするタイプのサポーターから目の敵にされてるイメージがあります。対する岡山を率いているのは、こちらも名将としてJリーグサポには知られている木山さん。こちらはあまりアンチはいない感じですかね。ニュースでチェックするだけタイプのサポーターからは認知されていない可能性がある。

このお二人の法則性、わかります?町田の黒田と岡山の木山。そう〝○田の○田〟と〝○山の○山〟なんですよね。これはつまり、エスパルスを鑓水さんが率いていたり、アビスパを高岡さんが率いていたり、名古屋を根古屋さんが率いていたり、鹿児島ユナイテッドを広島さんが率いていたり、ヴォルティスを鹿島さんが率いていたりするのと同じですね。それくらいしか思い浮かばなかったということですね。

 

□堅調対決

さて、東海道新幹線を新横浜で降りてから横浜線で乗り込んできた?ファジアーノですが、リーグ戦ここ5試合の成績は1勝1分3敗で少し負けがこんできました。それでも順位は12位。J1ルーキーとしては十分に快進撃といえる成績です。それほど大がかりな補強をしたわけではないですけど、現場とフロントがしっかり意思疎通しつつ、必要な補強を着実に積み重ねているということでしょう。そういうところは、J2の頃から岡山はずっとそう。

迎え撃つゼルビアのここ5試合は1勝3分1敗。順位は5位。こちらも成績的には優勝争いをしていて十分に及第点なのですが、J1ルーキーだった昨シーズンがあまりにも鮮烈だったため、調子が良いのかそうでもないのか、イマイチよくわからないまま今シーズンここまできてます。なかなかの大型補強を繰り返したなかでの停滞(と言って良いのかな?)ですから、ミョンヒさんが転出したことの影響もあるんですかね?

 

ターゲットマンサッカー同士

というわけでピッチに目を移します。まずはファジアーノですが、一言で述べれば「一美をめがけて蹴り出すサッカー」です。ノーリスクが最優先。ポジショナル的に相手を引きつけてスペースを意識的に作らせるようなことはしない。オールドクラシックな縦ポンスタイル。まあ、「えいやっ!」って雑に蹴るのではなく、一応、一美を狙っていることはわかるので、狙いのあるサッカーではある。それから最小手数でシュートまで行こうという意志も統一されている。

一方のゼルビアは序盤からデュークのポストワークがエレガント。特にロングボールをダイレクトにヒールで落とすプレーは、エンタメ性が高かった。あと彼はヘディングで左右につなげるプレーも好きなんですね、何回かありました。ということは、町田もターゲットマンを置くサッカーということです。とはいえ岡山に比べると自分たちの意図で相手を動かすというプレーも多かった。守備でのスペースの埋め方も、考え方はポジショナルなのかな?

ともあれ前半の攻防ですが、ゼルビアの方が多くチャンスを作っていた。印象的だったのは、サイドからのクロスが跳ね返ったところにボランチ(主に下田)が突っ込んでいくというプレーが複数回あったこと。ボランチでいえば岡山の側にはアクシデントが発生。田部井が前半のうちに負傷交代。神谷が投入されます。神谷が入ったことで、ボールを握る機会は増えましたが、それが吉とでるか凶と出るか。後半次第ですね。

 

□最後は地力の差

後半の開始とともにファジアーノはルカオを投入。一美の出来が悪かったという印象は受けませんでしたので、全体的に劣勢のなかで点を取るとすればパルプンテを起こすしかないという決断だったかもしれません。対するゼルビアもCFを入れ替え。オセフンが送り込まれます。デュークも個としては悪くなかったと思いますが、シャドーとの関係性という部分ですかね。たぶんオセフンとナサンホの意思疎通は円滑そうだし。

後半に入っても引き締まった良い試合でした。スコアやシュート数とは裏腹に、決して塩試合ではない。映像で見たら塩試合だったかもしれませんが、オフザボールの場面で両チームとも素敵だった。ファジアーノは気合と根性。とにかく走る。誰もサボらない。走るべき時に必ず走る姿が素敵。そしてゼルビアは全体のオーガナイズですね。こぼれ球は必ずゼルビアにこぼれる。つまり全員が正しくポジショニングしている。いるべき場所に必ずいる姿が素敵。

とはいえ、走りとポジショニングの戦いになると、当然、走らされる側が不利。ファジアーノは疲れます。脚を攣ります。それでもブローダーセンがスーパーセーブを連発してどうにかスコアレスを維持していましたが、最後の最後、ラストプレーで昌子の決勝ゴールを許してしまいました。これについては、直前に桑山を入れた黒田監督のファインプレー。長身選手がさらに増えたことで、いよいよ岡山は競りあえる選手の頭数が不足し、マークに突き切れなくなった。だから昌司がフリーになった。つまりは地力の差が表出した試合だったかもと言えるでしょう。

鹿島の原点回帰〜浦和レッズvs鹿島アントラーズ(9/20)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

伝統の一戦

チケット完売とのお話。年に何度か埼スタに来ますけど、チケット完売の試合はコロナ前のスーパーカップイニエスタとかも含めてPKをみんなが外し続けた試合以来かな。埼玉高速鉄道が混雑するんだろうなあ。そんな伝統の一戦。どちらもオリジナル10で、複数の優勝経験を持つ名門同士。特に埼スタができて驚異的なチケット収入を得るようになる中で一気に浦和がタイトルホルダーへと駆け上った二千00年代におけるライバル関係は盛り上がった。

なんせ鹿島の礎を築いたのはジーコで、選手としても監督としても浦和をワンランク上に押し上げたのはブッフバルト。『ダイヤモンドサッカー』なビッグネームで、かつ93〜94年のJリーグバブルが弾けて、大物外国人がすっと消えていった中で、バブルの華やかさを残してくれていた貴重な大物外国人選手だったわけです。ジーコは引退してましたけど。ある意味で、この2人が最後のJリーグ黎明期ともいえる。そんな色づけもある一戦です。

 

□チーム状態には若干の差

さて、普通にチームバスで乗り込んできたであろうアントラーズですが、ここ5試合の成績は3勝2分0敗、順位は2位。名将鬼木が早速爆裂してます。あるチームで長期政権を築いた後ってそれなりに難しいと思うんですけど、鬼木さんはどこ吹く風。なんかレイソルで一時代を築いてからガンバに移ったら、すぐさま黄金期を作り上げた西野朗を彷彿とさせる。そのうち協会に持っていかれやしないか?

迎え撃つレッズのここ5試合は1勝1分3敗で8位。お世辞にも好調とは言えない。再登板後は少し苦戦しているスコルジャですけど、成績以上に違和感を覚えるのが、堀之内さんだか誰だか強化部の人が、再任に際しては突如として「マチュイ監督」とファーストネームで呼び始めたこと。なんか、身内人事感をわざわざ強調して世間に表現しているようで、なかなかの違和感でした。それと現在の苦戦に因果関係はないでしょうけど。

 

□鹿島が先手

というわけでピッチに目を移します。まずはアントラーズですけど、よくよく考えたら鹿島のサッカーってそもそもの発想がポジショナルなんですよね。鹿島のサッカーというかジーコのサッカー。ジーコのサッカーというか90年代のブラジルのサッカーって。相手をおびき寄せてからの必殺のカウンター。相手の人数が少ないところで超絶技巧を過剰なまでに見せつける。そういう意味では鬼木スタイルは原点回帰ともいえるのかもしれません。

一方のレッズはCFに松尾を配されていることに象徴的ですが、ゴリゴリのポジショナル。引き付けて裏返す。最少手数と最短時間でシュートに持っていく。渡邉凌磨が復帰しましたね。復帰前と違ってスターティングポジションは渡邉が左でサヴィオが真ん中。流れの中でサヴィオが左に流れた時にチャンスが出来る感じではありましたが。キーマンはグスタフソンですかね。彼のスルーパスをどう活かすか。

ともあれ前半の攻防ですが、鹿島が先制します。フォアチェックで引っかけて、最後は鈴木優磨が押し込みました。浦和はなまじ西川の足技がストロングゆえに、低い位置でのパス回しが、かえってリスキーになってるかもしれません。とはいえ、前半を通じてチャンスを多く作っていたのは浦和だったのですが、なんというか画竜点睛を欠く。「シューターがゾーンに入ってれば決めてたね」ってシーンが続出しましたが、繰り返しになりますが、画竜点睛に欠いた。

 

□90年代のスペインとブラジル

先制しながらも押されっぱなしだった鹿島の鬼木監督は、後半の開始とともにボランチに知念を投入。詳しいメカニズムはわかりませんが、おそらく強度が高まったということでしょう、後半は鹿島がボールを握り直します。対するスコルジャ監督は追いかけなければならないということもあって、金子に替えて小森をピッチに送り込み、松尾との2トップにしましたが、劣勢を挽回するには至らず。むしろ中盤の支配力が弱まったようにも思われました。

となればスコルジャ監督に残された選択肢は“魂の3枚替え”しかありません。イサーク、関根、中島翔哉を同時投入します。松尾、サヴィオとともにグスタフソンが下がる。渡邉凌磨がボランチにスライド。渡邉凌磨は左WG→右SH→右DHの3変化。ただ、これは中盤の構成力をさらに弱めてしまったように思います。イサークを入れずに、松尾の位置に中島翔哉を入れれば良かったのに。

受ける鹿島は強かった。ファインセーブ連発の早川はもはや取り上げるまでもない。それをさておいても、チーム全体の帰陣が恐ろしく秩序立っていた。鈴木優磨が前線で時間を作れるのも大きい。終盤はなんだか90年代のスペインとかヨーロッパの強豪国とブラジルみたいな構図だった。組織と技術で実直に攻める浦和に対して、試合運びのクレバーさでヒラリヒラリと交わしていく鹿島。無敵艦隊と呼ばれながら全く勝てなかった頃のスペインって、こういう感じで南米のチームに負けていたような。そういう意味では鹿島にとっては原点回帰な勝ち方だったのかもしれません。