最後は経験値の合計値の差〜WEリーグカップ決勝(10/1)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□WEリーグを中間評価する

これまで「なでしこリーグ」として歴史を積み重ねてきた女子サッカートップリーグ。ここにきて、おそらく世間的には「突如として」プロ化へと舵を切ることになって、そして、1年が経とうとしております。それとともに、この新しいリーグ戦は秋春制だというところにも特徴があります。

ただ、プロ化にしても秋春制にしても、正直、理念先行ですよね。1993年にJリーグが発足したときは、一強のプロ野球に付加すべきプロスポーツが社会的要望として求められていた。簡単にいうと「野球の次はサッカー、サッカーもプロを目指しても良いんじゃない?」という社会意識みたいなものがあったように記憶しておりますが、そういう世の中的な後押しが果たして女子サッカーのプロ化にもあったかどうか。どうも、サッカー協会の偉い人が、「社会がそれを望んでいるから」ではなく、「我々はそれを理想とするから」という理由で見切り発車してしまった感が今なお拭いきれないというのが正直な印象です。

 

□喪失感

まあ、確かに世界的に女子サッカーの地位を向上させようという意識高い系ムーブメントがあるのは確かで、男子同様、トッププレーヤーが渡欧するという流れも加速している。その嚆矢ともいえる存在が浦和Lの安藤と猶本ですよね。二人とも貴重な経験を積み重ね、それを還元するかのように、ここ数年の浦和Lを牽引しております。

一方、トッププレーヤー渡欧の潮流に目まぐるしく翻弄されているのがベレーザであり、ワタクシ。いやあ、清水梨紗、イングランドに行っちゃったよ。原菜摘子が可愛いというルッキズム全開でベレーザの試合を、当時の自宅に近かった西が丘とかに見に行くようになったワタクシ。その原ちゃん引退の喪失感を埋めてくれたのが当時10代の清水梨紗だったわけですよ。清水梨紗が既におっさんだったワタクシの青春なんてものでは決してないですが、清水梨紗の青春がワタクシの女子サッカー観戦の歩みではある。いやあ、喪失感。

 

ベレーザが圧倒した前半

さてチームを再構築しなければならなくなったベレーザですが、システムは433。CFに植木、アンカーが三浦、CBは村松と岩清水のコンビなんでセンターラインは盤石。清水梨紗が抜けた右SBには西川彩華が入っておりました。ジェフLにいた西川は、浦和Lに移ったはずなんですが、今シーズンはベレーザなのね。そういう意味ではこの試合は西川彩華ダービーなのか。

対する浦和Lは塩越がボランチにコンバートされらしい。で、左のSHには安藤。去年ならば安藤がボランチで塩越は不動の左SHだったので、テレコになったということですね。柴田と塩越のボランチコンビだと、特に前半は横並びになりすぎる雰囲気もありましたけど、これから成熟させていくのでしょう。それから元FWでSBにコンバートした清家が1列上がって右SHに。J2ジェフの米倉が右SHをやっているようなものなので、こちらには違和感がない。

試合はベレーザが先手を打ちます。右からの折り返しが流れたものの追いついた北村のクロスに、少し集中力を切らした浦和守備陣が対応しきれず植木に決めきられてしまいました。さらに前半のうちに浦和Lは続けざまに失点。序盤から怪しかった最終ラインのつなぎでミスが発生。植木にボールも2点目もプレゼントしてしまいました。前半の2失点に関しては浦和最終ラインの「なんやかんやでどうにか処理してしまう」力が足りませんでした。

 

□浦和の逆襲

後半になってもしばらくは前半と同じ構図。浦和がいろいろ試行錯誤するのだけど、ベレーザのポジショナルにやられてしまうという繰り返し。そんな展開に変化が起きたのは猶本を右SHにスライドして、菅澤・清家の2トップにしてから。猶本のトップ下はそれはそれで持ち前のスペース察知能力を発揮していたのですが、決定打に欠いており、状況を打開できないままセットプレーからダメ押しの3点目をきめられてしまうことに。

しかし、追いつめられたことで2トップにしてからの浦和は違った。ベレーザの即時奪還をアバウトなボールでかわすと、清家がスペースを謳歌して鋭いカウンターを発動させる。左に流れてからカットインして追撃弾を決めると、続けざまに清家的ドリブルを発動。コーナーに逃げられたとはいえ、そのCKを猶本が蹴ると、バー直撃シュートの跳ね返りを最後は安藤が押し込んで1点差とします。猶本のCKって、無駄にじらさず、さっさとリズミカルに蹴るのが良いですね。後半40分頃には、そのリズミカルCKからベレーザ守備陣のハンドを誘発し、PKをエースの菅澤が確実に決めて、ついに同点としました。

ベレーザは四苦八苦しながらどうにか前後半90分をしのぎましたが、延長戦のないPK戦では勢いそのままにベレーザを飲み込んで、浦和Lが初代カップ戦チャンピオンとなりました。ベレーザ宇津木瑠美しか流れを変えられるような、経験のある選手がいなかったのが響きましたかね。昨シーズンから続く「代表クラスと10代しかいない」という歪な構成は改善しないといけないと思われます。

 

群馬が見せた熟練のゲームコントロール〜ブラウブリッツ秋田vsザスパクサツ群馬(9/18)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

 

□バスのトラブル

そういえば秋田、やらかしましたよね。厳密にはブラウブリッツが契約したバス会社がやらかしたんですけど。なんと、スタジアムからのシャトルバスを発車すると告知しておきながら実際には配車しなかったとか。これは公共交通ユーザーのワタクシには由々しき問題であります。

この日はデーゲームなので路線バスで十分に賄えるらしく臨時便はないようですが、もう一つ問題がありましてね。昼の時間帯はドル箱路線というか、駅に向かって集約されて同一ルートになるということでしょうか、多くの路線が利用できます。逆に言うと、秋田駅からの乗り場があれこれ分散していて、何番の乗り場に行けば良いか、イチイチその都度調べないといけない。要するに三ツ沢に行くときの横浜駅状態です。三ツ沢ならば岡野町まで歩いてから乗れば解決するんですけど、秋田の場合、千秋公園入口で乗れば解決するのかどうか。念のため、ちゃんと乗り場を調べて秋田駅前からバスに乗りました。

 

 

□一本気と侠気

さて、ここ数シーズンの秋田は安定しております。なんせ吉田監督が明確なコンセプトで着実なチーム作りをしている。吉田監督を端的にあらわす言葉、それは「一本気!」ということになりましょう。ブレない。そして熱い。あっという間に秋田をJ2にまで引き上げて、そして今シーズンもここまで貫禄の残留圏キープです。まだまだ油断のできる状況ではありませんが。

対する群馬は、今シーズンから組長こと大槻さんが率いておりますが、吉田さんが「一本気!」だったのに対し、大槻さんの場合「侠気」でしょうか。いや、それは「組長」との異称からくる単なる連想ゲームか。そんな大槻さんは、浦和での最初の監督代行は良かったですけど、それ以降は正直パッとしない。今シーズンも、それまでのザスパを劇的に浮上させるには至っておらず、ザスパ的には定位置になりつつ降格圏でのサバイバルに巻き込まれております。

 

□似てるぞ

この試合の秋田は、2トップが斎藤と青木という組み合わせ。秋田はCFタイプというか前線でカラダを張れる選手が多い。先発の二人に加えて武と吉田の4枚で2トップを回してますが、他にも中村と井上もCF起用可能。その次に才藤なんですかね。ただ才藤はアスリート能力が高いですからね、勿体ないのでSBで起用されています。というか彼のロングスローを生かすためにはSBってのは適材適所だったりする。

対する群馬は、まずGKの山田。試合前に秋田ベンチへと挨拶に来ていた。調べてみたら、沼津のU15に所属していたようなので、吉田監督が沼津のトップチームを率いていた頃に重なっているんですかね?

そんなことよりも、ですよ、なんか群馬のサッカー、秋田のスタイルに似てません?大槻さんも吹っ切ったのか、そもそもシーズン当初よりこのスタイルだったのか、とにかく縦に蹴ってスピード&パワー、ラン&ガンで仕留めにかかる。ボランチがテクニカルな風間でなくパワフル系の岩上なのがその象徴かもしれません。ただ、秋田との違いは、その中にも田中稔也という足下系を入れていること。そして、その田中がスコアを動かしました。もっとも攻撃の形は左の小島がシンプルに入れて、鈴木か川本がゴール前で頑張って、そのこぼれたところで田中が決めるというものだったのですが、とにもかくにも前半のキーマンは田中稔也でした。

 

□似てるがゆえに

後半になっても試合の流れはさほど変わらない。後半の最初の方と試合終了間際に秋田の波状攻撃があって、前半にもあった1回を加えて計3回「あとは押し込むだけ」というスーパーチャンスが秋田にはあったのですが、群馬はカラダを投げ出した人海ディフェンスでことごとく相手のシュートを受けきり、掻き出す。そういう守り方ができたのは、一にも二にも試合を通じて群馬のリズムが良かったからこそなのでしょう。

なんせ似たもの同士ですから、秋田のリズムは群馬のリズムなわけで、秋田が自分たちのスタイルで攻めれば攻めるほど、群馬の守備陣もノってくるという皮肉な構造がありました。それから細貝の存在感もあるのかもしれませんね。彼はいついかなるときも危機察知センサーを働かせて誰よりも早い出足を見せるし、かつ、悠然としている。彼がボールに触ると途端にチーム全体が落ち着きを取り戻すってのがスタンドからでも見て取れました。

もちろん、それは細貝一人の個人戦術などではなく、大槻さんが時間をかけて丁寧にチームに叩き込んできたものだと思われます。ロスタイムを含めて、慌てず騒がず時計の針を粛々と進めていきましたし、城和と風間を投入して532としてからのゲームコントロールには惚れ惚れしてしまうような泰然さがあった。比例して秋田サポーターの溜め息が漏れる回数が増えていく。ひょっとしたら秋田サポを最も湧かせたのはハーフタイムにワッキーとヒデさんが披露した鉄板営業ネタだったかもしれません。群馬が残留に向けて大きな勝ち点3を死守しました。

 

八戸は思っていたより良いチームだった〜ヴァンラーレ八戸vsFC岐阜(9/17)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□ローカル線の危機

せっかく八戸まで来たものだから、観光もしなきゃと思って種差海岸に出掛けました、JRナントカ線で。いやぁ、ローカル線、厳しいですね。この日はバケーション日和でしたから、それなりに乗客はいましたが、乗ってるお客さんがワンマン運転の電車の乗降方法がわかっていないのですよ。

地方出身のワタクシにとっては幼い頃から慣れ親しんでいる「前の車両の後ろの扉が乗って、運転手そさんのチェックを受けて降りる」という方法。それを、見るからに地元の方と思しき乗客がわかっていないときたもんだ。これが都会からきた旅行者がわからないのなら問題はない。しかし地元民がわかっていないということは、地元民が普段はほとんど利用していないということの裏返しであって、これはなかなか厳しいのではあるまいか。

 

□スーパーエリート風vsギャラクティコ

そんなJRナントカ線を憂いつつ、八戸の現況についても憂わずにいられない。現在、ブービーの17位ですからね。というようなこともあってシーズン途中で監督を交代。志垣良さんが就任いたしました。ちなみに志垣さん、Wikipediaで調べたら、東福岡出身で、宮原・金古・千代反田と同期だそうだ。最強時代の東福岡を彩っていたのですね。しかも、大学卒業後はいち早く海を渡って、選手としても指導者としても海外修行を積み重ねてきてる。なんか、履歴書だけなら、めっちゃ凄い。

一方の岐阜もシーズン途中に監督を解任したチーム。新たに横山さんが率いるようになっても、どうにもこうにも波に乗れないですね。シーズン開幕前は“J3版ギャラクティコ”などともてはやされましたが、よくよく考えるとネームバリューのあるベテランだからといって、別にギャラクティコっていうほどのこともないような。とはいえ柏木と庄司のボランチにはロマンがあるので期待していたのですが、残念ながら本日はベンチ外でございました。

 

 

□ロングボールの質

岐阜って3バックのイメージを勝手に持っていたのですが442でしたね。で、八戸も442だったのでミラーゲーム状態。岐阜の442はすぐにわかりましたけど、八戸は少しわかりづらかった。ともあれボランチは2枚で、その1人が宮尾孝一ですよ、YS横浜にいた。しかも早くもキャプテンマークを巻いているし、選手紹介の際のキャッチコピーが「至高のプレースキッカー」とか言っちゃってる。

そんなホームの八戸が、たぶん期間限定の3rdということだと思いますが、緑ではなくゴールドのユニフォーム。となると白系統との見分けが微妙になるということでしょう、岐阜がホームユニフォームの緑を着る。アウェイチームがホームチームカラーのユニフォームっていう矛盾。…まあ、そんなことは良いでしょう、それより左SBで先発した生地ですよ。安間さんがかつての教え子を引き入れたコネ入社疑惑をワタクシ的には抱いておりましたが、ちゃんと戦力になっているんですね。邪推による疑惑は払拭されました。

序盤から単純な各選手の技量的には岐阜に分があるような展開でしたが、唯一、八戸にアドバンテージがあったのはロングボールの質。岐阜はンドカにロングボールを入れておけばそれなりにどうにかなるはずなんですけど、全然ロングボールが繋がらない。逆に八戸は一撃必殺的なロングボールが繋がる。先制点も長めのアーリークロスに逆サイドのSBである小牧がダイビングヘッドでジャストミートしたゴール。前半の早い時間にも、カウンターでハーフラインあたりからアーリークロスを入れたら、決まらなかったものの一人だけ走り込んでいた選手のヘッドに届いたってシーンがありましたし、八戸としてはイメージ通りの前半戦だったかもしれません。

 

□必然の決着

後半に入っても八戸は守ります。攻められているというより、攻めさせている、という感じではありましたが。良いのですよ、八戸のディフェンス。規律とインテンシティに溢れている。前線が走りまくって、リトリートすればしっかりブロックを作る。その外から強引に来られたら後ろが弾きだす。ちゃんとオーソライズされた守備は見ていて楽しい。

しかし、そうなっても岐阜には飛び道具がある。柏木のFKで八戸の組織を崩すと最後は藤岡が押し込んで同点に追いつきます。八戸としては宮尾から山田尚幸にスイッチして逃げ切りのサインを出してしまっていましたし、しかも追いつかれてからも防戦一方でしたので少し厳しくなったたかと思われましたが、防戦一方は八戸にとっては悪いリズムではなかった模様。

先制点と同じように数少ない攻撃の機会を生かします。野瀬が巧みな肩トラップから、そのままの勢いでミドルシュートを突き刺しました。攻撃の機会では可能性の多寡にはこだわらずシュートを打ち切る姿勢を徹底していた八戸の方程式が見事までに花開きました。終盤にはオシムが率いるチームと見まごうばかりに選手が次々に湧き出てきて、佐藤碧が3点目をもぎ取ります。このゴールに至る崩しは美しかった。岐阜は柏木FKとか田中順也のヘッドとかの惜しい決定機もありましたが、どうにも攻撃のリズムが出てこない。おそらく3人目の動きをどうやって有機的に生み出していくかの整理ができていないのではあるまいか。それでは八戸を守備を乗り越えられない。いわば必然のスコアで八戸が岐阜を下しました。

もはやフォギーニョが似非9番〜栃木vs仙台(9/14)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□宇都宮へ

カンセキスタジアムに向かうべく、珍しく新幹線に乗りました。ワタクシ、「東京に出るためには、まず名古屋へ」っていう地域で生まれ育ったので東海道新幹線にはそれなりに乗るのですが、北に向かう新幹線ってあんまり乗らないんですよね。だから、なんか、いろいろパニック。

まず、当たり前ですが北に向かう新幹線はJR東日本が管轄している。なので、駅ホームの自動販売機川のラインナップがいつものヤツなんですよね。普段、東海道新幹線に乗るときはJR東海プライベートブランドの、決して美味しいとはいえない缶コーヒーを飲むことを常としているのですが、今回はその喜びがない。パニックはもう一つあって、「なすの」に乗ったのですが、指定席がありゃせん。そら、パニックですよ。「自由席とグリーン車グランクラス」しかない新幹線だったんですね、なすの。「こだま」みたいなものと思えば理解できましたが、プチパニックにはなりました。

 

 

□監督評価の難解さ

さて、栃木ですが、いまだに前監督である田坂さんの印象が強い。昔から田坂さんといえば「攻めダルマ」って形容したくなる。元祖である蔦文也については水野雄仁さんが「池田高校ってのは、蔦文也が気合と根性で作り上げたチーム」と評した記事を読んだことがありますが、去年までの栃木って田坂さんが気合と根性で作り上げたチームでしたよね。それを引き継いだのが時崎さん。今シーズンについては「可もなく不可もなく」って感じですけど、前任者のイメージを上書きする個性を発揮してもらいたいところ。

一方の仙台は原崎さんを更迭しました。ネットとかで反応を眺めると、確かに停滞感はあったのかも。成績の割にあっさり解任ってなるパターンとして、選手たちからの求心力が低下していたってこともありますが、そういうことかもしれません。指導者として、選手のメンタルコントロールも含めた引き出しがまだ不十分だったのかもしれませんね。そういう部分も含めて捲土重来を期待しましょう。

 

□ミラーゲームのリアクション対決

さてピッチ上の栃木を眺めると、何人か存じ上げない、あるいはイメージが朧気な選手もいたのですが、なかでも初見に近いのは吉田朋恭。調べてみたら、福島から移ってきた時崎チルドレンなんですね。そんな時崎サッカーの特徴は、ヨーロッパのプロビンチャに多い「確実性よりも機会損失を妨げる」という考え方。速攻の際には、確率は低くとも打てるときには必ずシュートを打って終わるというサッカーでした。

対する仙台は栃木と同じ3421で臨みます。仙台といえば、鹿島や大宮ばりに伝統的として442を採用することの多いチームですから、このあたりは伊藤新監督の独自性ですかね。特に遠藤と中島からなる2シャドーは適材適所感に溢れていた。あと、若狭の「3CBの右」も適材適所。とはいえ、適材適所に選手を配置したからといっても、それはポゼッションの量を増やすためというより、鋭いカウンターにおける一撃必殺の質を上げるためという雰囲気でした。

そんなこんなのミラーゲーム状態。しかも、両チームともどちらかといえばリアクション指向。ボールを握るというより、引き付けてから最小手数のカウンターを仕掛け合う攻防を繰り返げられました。その中で、よりリアクション色が強いというか、あまり攻撃に人数をかけたりしない、アタッキングサードでのパスやシュートらしいシュートの回数が少なかったのは仙台だったのですが、それでもワンチャンスを生かし、左サイドからのクロスに中山が合わせて先制します。このあたりは個のクオリティ。試合は仙台の1点リードで折り返します。

 

□高萩への道

先制点の時もそうだったのですが、仙台の攻撃が迫力を持つのは、フォギーニョが攻撃参加した時ですね。尤も、機を見て攻撃参加するというより、高い位置を取りっ放しなのがフォギーニョなんですが。カウンターの際には誰よりも早く相手ゴール前に突撃しますし、守備の際のファーストディフェンスもフォギーニョ。もはや似非9番状態です。

なので相方にはバランスを取ってスペースを埋める役割が求められることになって、ならば中島ではない、ということもあって松下だったんですかね。似非9番とスペース管理人のWボランチとなると、他に誰かが組み立てを手助けしないといけなくなりますが、そこは遠藤が気を利かせます。必然的にしばしばインに絞りますので、残った中島に求められるのはサイドで幅をとる役割となるわけですが、そうなるとなかなか中島の良さが出しづらかったのかもしれません。

良さが出しづらいという意味では栃木の高萩も同様。もちろん高萩がボールを持てば、メッセージ付きのパスでシュートまでの経路が一気に開かれるのですが、じゃあ、どうやって高萩までボールを届けるのかってところが問題になる。もちろん低い位置まで貰いにいけば触れるんでしょうけど、それだと怖さが半減する。このあたりは栃木が解決すべき課題の一つかもしれません。試合はウノゼロで仙台が久々の勝利を収めました。

千葉の術中にはまったのか、それとも単に金沢が虚無だったのか〜千葉vs金沢(9/10)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

 

□次期監督予想ダービー

千葉はユンジョンファン監督の今季限りでの退任が発表されましたね。まあ、仮に続投させるという判断だとしても、あるいは今回の決定のように満了という判断だとしても、どちらでも納得できる状況ですよね。早めに発表したのはユンさんの就活への気づかいかな?ともあれ、次の監督が注目されるところ。個人的にはロティーナあたりが宜しそう。ロティーナ、セレッソエスパルスヴィッセルではそれなりのサラリーだったと思いますけど、日本でのスタートがヴェルディなので基本価格はそこまで高額ではなさそうだし。

ただ、同じく守備の整備に定評があるとはいえ、ユンさんとロティーナでは中身は違いますよね。ロティーナはポジショナル系。ユンさんはどちらかといえば古式ゆかしい堅守速攻的カテナチオ。そういう意味ではロティーナよりもマッシモの方が継続性は出そうですけど、マッシモは所属したほぼほぼ全てのクラブにおいてギャラ交渉で揉めてるからなぁ。コロナ禍の影響をモロに受けて青息吐息のJR東日本が首を縦には振らなさそう。

 

□来期予想ダービー

視点を変えて、ユンジョンファン監督の再就職先の予想をすると、どうですかね。パッと思い浮かぶのはアルディージャあたりなんですが、これまでのクラブカラーとして相馬さんを切る可能性は切らない可能性よりも低い気もするし。ただし、伝統的に堅守速攻で躍進することの多かったクラブですし、状況的に時間も与えられるだろうし、現在の大宮とユンさんはマッチしそうにも思われたりします。

他方の金沢ですが、ヤンツーさんが率いるようになって何年目ですかね?一貫してヤンツーさんは組織としての体裁が崩れないチームを作ってくる。基礎を叩き込むからの底力であり、あくまで基礎の徹底を追求するがゆえの限界が明確ともいえる。そろそろ金沢としても次のサイクルに入るべき頃合という考え方もありますが、代えて良くなる可能性よりも悪くなる可能性のが高そう。けっこうシビアな判断が求められるタイミングなのかもしれませんね。

 

□ラッキーポロリを生かせない

さてオンザピッチ。千葉はいつもの3421。2シャドーが見木と高木俊幸だったのですが、高木が右で見木が左なんですね。高木俊幸といえば左ワイドからのカットインという印象が強かったので少し意外。それから芝の状態が微妙でしたね。フクアリの芝に生育不良のイメージはなかったので、こちらも少し意外。

対する金沢は、442の両SHに入るかと思われた大石と嶋田が同じサイドにいたりする  ???  よくよく観察すると珍しく3バックでしたかね。松本大弥がボランチで藤村と並んでいたのか、ISHで嶋田と並んでいたのかが微妙。前者なら3412、後者なら352ということになるんだと思われます。

試合はそれなりに動きのある前半45分に。まず見木につっかけられた松本大輔が、そのまま負傷交代を余儀なくされます。それほど危険なファールには見えなかったですし、その後の松本大輔の歩き方から判断する限り捻挫ですかね。まあ、ファールをした見木がいけないのですが、運も悪かった。とはいえ金沢は運に助けられた部分もあって、序盤からGKの白井が往年の大磯でのアイドル水泳大会ばりに、ちょいちょいポロリするなどリズムが悪いシーンがあったり、ジェフ側の積極的なシュートがゴールをかすめたりしたのですが、なんやかんやで失点には結びつかなかった。金沢的には運が良いのか悪いのかわからないような前半の戦いでした。

 

□千葉の完勝?快勝ではあった。

この試合はなかなか不思議で、ポゼッションで圧倒し、かつ、結果的に決定的なシュートを連発していたジェフですが、だからといって「攻めまくっているのにゴールだけが決まらない」感は全く漂ってこなかったんですよね。ということもあって、逆にゴールが決まらなくても嫌な流れにもならなかった。って中で田口が中盤をチンチンに掌握して金沢守備陣をペンペンにすると、そういう流れから見木が先制ゴールを決めました。

となるの金沢も攻めないといけないわけですが、如何せん、パスが2本以上繋がらない。急造のシステムが影響したんですかね?まあ、一応、金沢がボールを握った時間帯もあったんですよ。ただ、それはリードしたチームの常としてジェフが引きすぎた結果として3バックのところでボールを持たせてもらえただけ。得点の匂いが仄かに香ったシーンも皆無ではなかったものの、総じて金沢は厳しかった。

勝った千葉に注目すると、まずは櫻川ソロモン。ハイボールでの競り合いでは強さを見せていました。けっこう競り勝つ、あるいはイーブンまで持っていける。ただ、そこから収めるって部分がまだまだ足りないかもしれません。もう一人、西久保。この選手はタイミングの良いフリーランニングでオーバーラップして、シンプルにクロスを入れて颯爽と帰っていく。なんだか女子サッカーの清水梨沙みたいで好印象です。自信をつけるとこねくりまわすようになるかもしれませんが、今日の試合では爽快さを感じさせてくたので良かったです。そんなこんなで試合はそのまま1ー0で千葉が勝利を収めました。

 

長野のポジショナルと藤川虎太郎のポジション〜AC長野パルセイロvsギラヴァンツ北九州(8/28)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

上高地

初めて行ったんですよね、上高地。有名な登山家が「なぜ山に登るのかって?そこに山があるからだよ」って答えたそうですが、少し、その気持ちがわかるかも。ワタクシもこう尋ねられたら、こう答えます、そう「なぜバスに乗るのかって?それは目的地まで直通してくれるバスがあるからだよ」と。

一応、上高地にも熊は出るらしいので、あんまりヘンなことは言えないですけど、あれだけ整備されていて、明らかに大量の人間がコンスタントに往来する遊歩道で熊鈴付けてる人を見ると、少し微妙な、、、いや、「念には念って大切だよな」って気分になります。ちなみにワタクシはタウンユースとしてモンベルを愛用していて、この日もモンベル多めの服装だったので、高尾山でさえ文明の力を全開に借りるにもかかわらず、全身から「いや、オレは、普段から山に親しんでるから」感が漂っていたに違いない。

 

□リヒャルトとの邂逅

「ほわーい、じゃぱにーずぴーぽー」こと厚切りリヒャルト監督と、久々の邂逅ですよ。YS横浜時代は、何度もスタンドから後頭部(フサフサ)を拝んでいたわけですが、お元気でしょうか。名前だけから判断するに、おそらく多少は日本人の遺伝子も含まれていて、日本で育てられた年数もそれなりにあるのではないかと想像するのですが、日本文化を全くリスペクトせず、欧米式の「自己主張こそ絶対の正義」というスタンスで審判に絡みつづけることでお馴染みの厚切りリヒャルト、少しはおとなしくなったのかな⁇

北九州は天野賢一さんが率いておりますが、、、知らん……。すんまへん。シーズン当初は大苦戦でしたけど、じりっじりっと順位を上げて、まあ、それても12位ですけど、上位以外には簡単には負けなくなってきた、、、はずが、8月最初の試合でYS横浜に敗れてしまいました。ということは、ここで厚切りリヒャルト率いる長野を撃破することでリベンジ達成ということにもなる(なるのか?)、頑張ってもらいましょう。

 

□圧倒的パルセイロペース

そんなリヒャルト率いる長野、システムは昨シーズンのYS横浜と同じで、わかりやすく概念的に図示すれば中盤ダイヤの541ですね。アンカーを置いた352なんだけど2トップが縦関係というか。で、そのアンカーなんですが、どうした、宮阪⁈ いや、元々あんこ体型ではあったけれども、もはや、ラガーマンというか、現役晩年の阿部慎之助じゃないか。それで動けるなら良いんだけど。

ともあれ、リヒャルト仕込みのポジショナルプレーに北九州は四苦八苦です。ポジショナルの肝の一つである“即時奪還”がえげつなくて、北九州はなかなかマイボールにできない。特に中盤での攻防、ハーフウェーあたりのイーブンボールで強度的にも数的有利不利的にも長野が圧倒。となると北九州としては西村あたりに頑張ってもらいたいところですけど、いやあ、西村、ジャニーズみたいな金髪じゃないですか、サラサラで。……サラサラ髪は将来的にいろいろ若めの段階で苦労する傾向にあるけど、金髪にして髪をいじめて大丈夫か、西村⁇

ともあれ、前半は長野が圧倒しました。北九州のラインがめちゃくちゃ高いってのもあるのですが、奪ってからゴールに向かって最小手数と最短距離で一直線という長野のアタッキングが冴え渡りました。ただ、いかんせん、ゴールだけが入らない。きっとリヒャルトも「ほわーいじゃぱにーずぴーぽー、ゆー達はなぜ決定力不足なんですかー」ってなっていたに違いない。

 

□藤川虎太郎問題

全く攻撃の形を作れなかった北九州は、後半の頭から永野をボランチに投入。すると永野のモビリティで攻撃の幅が広がり、得点の匂いもわずかながら漂いはじめます。漂い始めたのですが、イニシアチブを握りかえすまでには至らず。やはり攻撃の数はパルセイロが多い。そして何度目の決定機の後の二次攻撃でデュークがペナルティエリアを蹂躙。そのクロスを山本が頭でねじ込んでパルセイロがようやく先制しました。

ちなみにこの後、YS横浜で培ったモンスタークレイマーっぷりでブチ切れるリヒャルトに主審が注意を与えるという、いつもながらの光景があって、その際にパルセイロサポーターは拍手。あれは「監督も戦ったいて素晴らしい」の拍手だったのか、「審判、リヒャルトを黙らせてくれてありがとう」の拍手だったのか。後者であることを祈る。

さて、追いかける北九州ですが、セカンドトップに入った藤川虎太郎が今ひとつでしたね。なかなかボールを引き出せない、オフザボールでの工夫も伝わってこない。たまにボールに触ってもポジティブな状況を作り出せない。そんな中、天野っち監督は途中出場させたFW登録の中山を左SBにスライドさせるファイヤーモードを発動。付随して藤川は左SHに移ったのですが、藤川、少しスペースのあるポジションの方が良いような。左SHに入ってからは、がぜん、動きがリズミカルになって決定的なシュートも打ちましたし。ちょいと悔いを感じさせながら、そのまま1ー0のスコアが動くことはなくタイムアップとなりました。

ルカオの謎の圧力〜松本山雅vsカマタマーレ讃岐(8/27)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□非効率的

久々に松本です。学生にとっての夏休み期間ですし、避暑地へ。今回はいろいろあって、松本空港行きの飛行機で現地入り。別に松本のサポーターでも讃岐のサポーターでもないので、観光に行くわけです。せっかくの信州ですから。スタジアムに入るのは直前で十分。っていうわけで、いったん松本駅に行く。……そうですよね、アルウィン松本空港のすぐ隣。わざわざアルウィンから遠ざかって、そして後ほど改めてスタジアムに向かうという非効率。まあ仕方ない。

非効率的といえば、観光は大王わさび農場に行ったわけですよ。ええ、めっちゃ楽しかったですよ、はいはい。問題は戻りの電車。ダイヤ的に特急に乗ったのですが運賃が330円に対して特急料金は660円。これを非効率的と言わずして、何を非効率的と言うのか。わが故郷の近鉄特急は、だいたい運賃と特急料金が同じくらい。小田急ロマンスカーは、もっと安い。……JRの特急料金って高いですよね。なんとかならないものか。実に非効率的だ。

 

名波浩への愛を語る

さて松本ですけど、調子が良いのかそうでもないのか、非常に微妙なところ。個人的には名波さんが好きなんで応援したい。1990年代の半ばは、中田英寿名波浩が二大アイコンだったわけですが、ともにそれまでのスポ根的世界観とは一線を画すクールさを漂わせていた。その中でも、中田英寿は、言うならば「ムキになってクールであろうとしている」という雰囲気があった。それに対して名波さんは自然体のクールだったので、ホントに格好よかったのですよ。

話を戻してアウェイの讃岐。監督は西村俊寛さん。……知らん。すんまへん。名前だけから判断すると、密談がバレて最果ての地に島流しに遭いそうですけど大丈夫でしょうか。ついでに言えば、一緒に島流しになった他の面々が許されているのに自分だけは許されず絶望しそうですけど、大丈夫でしょうか?とにもかくにも健闘をお祈り申し上げます。

 

□序盤は讃岐優勢?

オンザピッチに目を移すと松本は3421というより352でスタートしましたかね。たぶん横山とルカオが2トップ。なんで中盤は逆三角形でアンカーがパウリーニョ。そうか、パウリーニョ、動き回る系のプレースタイルから構える系のプレースタイルにモデルチェンジしてたのか。で、松本の攻撃は横山の突破力であるとかルカオのポストワークであるとか、2トップを生かす感じ。

対する讃岐は8番の渡辺が左のWBで、10番の川崎が右のWB。なんか、乾が左で楠神が右のWBだった伝説の野洲高校を思い起こさせます。実際に、両WBが攻撃の組み立て所になっていましたし。ついでに最終ラインを見ると西野が左のCBを務めていました。若い頃にガンバでプチブレイクしてから坂道コロコロ状態のイメージだったのですが、ここにきてコンディションが安定してきたんでしょうかね。プレーや動きも滑らかでしたし、なんだか少し嬉しいぞ。

なお、試合は序盤、けっこう讃岐が圧倒してました。中村駿太と青戸翔の2シャドーがアンカー脇とかWB裏とか定石通りのスペースで自由を謳歌する。というか、松本のロマン先行系3CBが彼らを捕まえられない。松本守備陣って、決して球際が弱いってわけではないんでしょうが、なんというか、球際の腰が高い。なので捕まえた!ってところでスルリと逃げ出されてしまう。川とかで魚の掴み取りをしたらこうなる、みたいな感じで苦労していました。

 

□松本の底力

スコアは前半のうちに動きます。わりと雑に出した縦へのボールに反応した横山がアジリティを見せつけるように抜け出して、相手GKをふわりとかわしたループがそのままゴールネットに吸い込まれました。尤も、この先制点で注目すべきは横山の個人技だけでなく、セレブレーションの時間を使って選手たちが話し合っていたところ。おそらく、このタイミングを機に佐藤とパウリーニョがWボランチ気味にスペースを埋めて、菊井を守備の鉄砲玉として走り回らせるというやり方に微調整したものと思われ、それ以降、松本の守備がグッと安定しました。

追いつきたい讃岐は下川太陽から鯰田太陽へとスイッチ。鯰田という名字も珍しいですね。太陽という名前はそこまで珍しくないですけど、太陽から太陽へのスイッチというのは珍しいかも。また、選手交代を繰り返すなかで10番の川崎が右CBにスライド。CB対応可能の10番か。……ミシャ案件ですやん。来シーズンは札幌に個人昇格しているかもしれません。

松本は時間とともに防戦一方に。ルカオを下げたのが影響しましたかね。ルカオって実はなかなか献身的。守備では2列目の守備位置まで下がったりしますし、相手GKにプレッシャーをかけたりもする。決して守備が上手いわけではないのかもしれませんが、あの謎の圧力が前線から失われた影響は少なくないでしょう。それでも松本守備陣は崩れない。腰が高い分、弾き返す部分ではストロングが止まらないロマン先行CB陣が、ゴール前での強さを発揮する。何度かピンチを迎えながらも比較的淡々としのぎ続けて松本が虎の子の一点を守り切りました。

連続足痙攣事件〜湘南ベルマーレvs鹿島アントラーズ(8/21)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□鹿島の蹉跌

我々が若い頃というのは、バブル崩壊からの長期不景気の真っ只中で、就職氷河期時代。企業の業績が悪いというより、いわゆる“団塊の世代”の人口が多すぎて、年功序列型給与体系の矛盾が思いっきり表出していたわけです。っていう状況を受けて、当時は盛んに「“成果主義”の給与体系に!」ってことが叫ばれておりました。…あれから20年、“成果主義”は浸透しましたかね。“能力主義”については「年齢も能力である」と年功序列を正当化する論理へと様相を変えました。

つまり、日本人社会の組織を生産的に機能させるためには、これまで日本という国が歩んできた道のりを適切に踏まえた上での評価慣習が必要だということなのですが、鹿島がバイラー監督を実質的に更迭した理由を説明する記事を読んで、そういうことを思い起こしました。ヴィッセルがいつまで経っても安定的な成績を収められないのも、まあ、同じ原因ですよね。

 

□我慢の湘南とリフレッシュした鹿島

監督人事を見る限り、湘南って20年くらい、なんなら上田栄治監督とかの時代から、ずっと我慢強いというか、あまり頻繁に交代しませんよね。もちろんそれは反町康治やらチョウキジェといった名将とめぐりあえたという僥倖的要素が強いからなのでしょうが、その我慢強さは現在の山口監督に対しても変わらず、そして、このままいけばその我慢強さが実を結びそうな雰囲気も出てきています。

対する鹿島についてはすでに触れた通り。もはや関心は、現役時代から“頭でっかち”感を否めなかった岩政監督が、どれくらい臨機応変さを発揮できるかってところに、ワタクシ的にはあります。岩政って学芸大ですよね。どういう入試方式で合格したのかは存じませんが、学歴的には頭が良さそう。ただ、単に頭が良いだけでは指導者キャリアスタートアップ期の相馬さんみたく、なかなか本領発揮とはいかないこともありえますので、柔軟さとか快活さが問われてくるんだろうとは思われます。

 

□湘南の優位

さて湘南ですが、浮嶋体制の象徴でもあった石原の最終ライン起用はやめたんですね。右のWBで使われてました。とはいえそれは背が低いという部分を考慮してというより、彼のストロングを生かすためでしょう。なぜならば同じような身長体重の舘は最終ラインだったから。やってるサッカーは悪くなかったですよ、ハードワークしてましたし、「クサビや縦パスが入ったらそこで潰す」という奪いどころも明確でしたし、攻撃もカウンターからラストパスまでの手順は整理されていました。

一方の鹿島ですが、海外帰りの鈴木優磨の存在感がえげつない。小笠原の系譜というか、海外で様々な経験をしたことで貫禄がついて、チームリーダーとしての資質が花開いた感じ。また家長昭博の系譜とも言えて、海外から帰ってくるや、キープ力とか、あたりの強さとか、落ち着きとかが、えげつなくなっている。名実ともに鹿島の看板を背負う選手となりましたね。

ただ、存在感が圧倒的ゆえ、むしろ狙いどころになってしまっていた感もなくはない。鹿島はマイボールにすると、何はともあれ鈴木優磨にボールを入れる、特に前半はファーストチョイスというより、絶対の選択肢でしたから、湘南としては、どこを潰せば良いかのメリハリが付けやすかったかもしれません。そんなこともあってか、前半に関してはシュートチャンスだけみれば湘南の方が鹿島より優位に立っていたと思われます。

 

□鹿島が先制して、湘南が追いつく。

岩政監督も前半の戦い劣勢と見たのでしょう、後半開始とともに魂の3枚替えを敢行します。中盤でのイニシアチブ争い強化において、それぞれ意味のある交代でしたが、中でも効果的だったのは、地味に和泉の投入だったでしょうか。前半から広瀬がビルドアップの逃げ道だったのですが、その先もう一つの逃げ道がなかった。和泉が1列前に入ったことで、ビルドアップで困ったらまずは広瀬に逃げて、さらに広瀬が和泉に逃げるというルートが作られたかと思われます。

ってゆうテコ入れもあって試合の流れがおおむねイーブンになったところで、鹿島が一刺し。安西と鈴木のコンビプレーで左サイドを攻略すると、最後はエヴェラウドが決めて先制に成功しました。そして、このゴールを境に鹿島のリズムが良くなり、逆に湘南は小気味よさを失ってしまったので、「湘南はちょっと厳しい感じかなぁ」と見ていたのですが、そこはサッカー、何が起きるかわかりません。コーナーキックピンボール状態で瀬川の頭にあたって値千金の同点ゴールとなりました。

こうなると、試合は膠着します。高温高湿度の環境下、エヴェラウドの投入後、よりフリーマン化して広範囲に動き回り続けた鈴木優磨もさすがに燃料切れ。湘南は右WBの石原を下げて左から右にスライドした畑が足を攣る。そこでCBに福島を投入して岡本を1列上げたら、今度は岡本が足を攣る。そういう消耗戦。ロスタイムは6分ありましたけど、どちらも一丸となってゴールに走り込むチームとしてのHPは残っておらず、そのまま1ー1のドローとなりました。

渡辺皓太の意地(贔屓目)〜横浜FMvsサンフレッチェ広島(8/10)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□フライデーナイトJリーグとハッピーマンデー

ヤマザキナビスコカップ”が“ルヴァンカップ”に看板を改めて何年目になるんですかね?同じヤマザキなんで、ついつい“ルヴァン”の“ヴァン”と、“朝はパン♪パン、パ、パン〜♪”の“パン”がダブルイメージになって、“朝はヴァン♪ヴァン、ヴァ、ヴァン〜♪”と口ずさんでしまう今日この頃、皆様におきましては、ご健勝にお暮らしでしょうか?母さん、ボクは元気です。

そんな、独り暮らしをして初めての夏を迎える大学生みたいなメッセージを垂れ流しておりますが、明日は山の日ですね。つーことで、今夜の試合はさしずめフライデーナイトJリーグみたいなものです。それにしても海の日とか、山の日とか、知らないうちに休日が増えてます。山の日とか、もはや由来がなんのこっちゃわからない休日なわけですが、反対に日本の休日の中で最も由来の明確な体育の日が真っ先にハッピーマンデーとなったも皮肉なものです。

 

□調子が良いのか、悪いのか

ここまでリーグ戦では首位を快走している横浜FMですが、ここのところの成績だけ見ていると、あまり颯爽としてないですね。イジワルなところに線を引くと、リーグ戦はここ4試合で1勝2分1敗ですし、ルヴァンを含めたい5試合では1勝2分2敗で、かつ、連敗中ということになります。とはいえ、そこはマリノス、そこまでガタッとくることはなさそうな気もしますが、どうなるものでしょうか。

対する広島はルヴァンの1stラウンドで先勝を果たしました。ってところを見ると調子が良さそうにも感じますが、こちらも夏場になってジリジリと順位を後退させております。スキッベ監督も日本ではファーストシーズンですから、日本の夏の暑さにどう対応するかって部分に、やや至らなさがあるってことかしら?とにもかくにも、シーズントータルでは好調であるものの、直近の成績が怪しめなチーム同士の対決となりました。

 

 

マリノスの自滅

さて横浜FMですが、渡辺皓太と藤田譲瑠チマのWボランチでしたね。ヴェルディコンビ。この2人と小林祐希と三竿がいたら、今頃ヴェルディボランチはチョイスに嬉しい悲鳴だったのですが、神様は残酷です。ついで言えば畠中もヴェルディ出身なのですが、そんな畠中のケアレスミスからベンカリファに先制点を奪われてしまいました。

さらに元ヴェルディの“もってなさ”は続く。畠中とコンビを組んでいたCBの角田がドグゾで一発退場。角田が抜けたところは譲瑠がCBとして奮闘しましたが、程なくして実藤との交代を余儀なくされる。チマ的にもマリノス的にも踏んだり蹴ったり。とはいえ、マリノスは諦めない。前半15分で諦めている場合ではない。吉尾のドリブルからの横パスをマルコスがワンタッチで流して、受けた水沼がラストパスを送り、最後はレオセアラが決めました。ワントップと2列目3人の全員が絡んだ綺麗なゴールでした。

しかし、やはり1人少ないのは厳しい。広島は左を崩して最後は野上が決めて前半のうちに勝ち越します。ラインズがオフサイドの旗をあげたのですがVARの結果、ゴールが認められました。広島としては良いことだらけの前半に、、、はならず、勝ち越しのタイミングで多分、足に違和感があったのでしょうか、塩谷が交代してピッチを退いていきました。

 

□1200万パワー

早々に相手が1人少なくなるという特殊状況だったからかもしれませんが、スキッベ戦術は無闇に縦に早いという感じではないですね。ブンデスリーガでいうと、下位の戦術ではなく、中位とか、あるいはライプツィヒみたいなチームの戦術に近くて、低い位置でボールを回しつつ、縦に入れたら、後は少ない手数でシュートやラストパスまで持っていくという感じ。ティキタカとの違いは“攻め直さない”ということでしょうか。それから、おそらくこれはディテールを日本ナイズした結果だと思いますが、サイドチェンジ以外はグランダーのパスが圧倒的に多い。欧州みたいにワンタッチでレーザービームパスを送る感じではない。ミドルパスは日本人が苦手とするところですから、グランダー重視は正解だと思います。

マリノスに視点を移すと、1人少ない上にリードを許している。初戦も負けている。この試合に限っても、2戦合計でも、いろいろと現実的でない状況になったところでマスカット監督は主力のレオセアラやベテランの水沼に替えて特別指定の村上や、若手の山根にスイッチ。こういうところは外国人監督らしい合理主義ですよね。

そんな敗色濃厚の中で光っていたのが、前出の渡辺皓太。角田がいなくなってからはワンボランチになったのですが、Wボランチの仕事を一人で担うという、1人Wボランチとして攻守に奮闘しておりました。例えて言うなら、いつもは片方の手にしか付けない爪型武器を両手に装着し、いつもの2倍のジャンプをし、そして、いつもの3倍の回転で強大な敵に立ち向かっていた、ダース・ベイダーもどきのアイツのようでした。残念ながらチームを勝ちや引き分けに押し上げることはできませんでしたが、「渡辺皓太ここにあり」って意地は見せられたかと思われます。

清水、ちゃんとサッカーしております〜FC東京vs清水エスパルス(8/7)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□18時キックオフ

いつも思うのですが、18時キックオフの試合って、ご飯を食べるのがものすごく難しくないですか?例えば味スタの場合だと17時30分過ぎには飛田給に到着したいとして、調布で食事をするにしても17時15分前には食べ終わってなければならない。じゃあ、試合後かってなったとき、飲んで帰るならそれでも良いですが、純粋に「食事」ってなると、調布でも20時30分。夕食としては遅いですよね。

そうなるとスタグルなわけですが、スタグルはスタグルで何かとソロ客には難しいところがある。場所取りをしてくれる相方がいないと、先に食べ物を買って、それを見ておいてもらってビールを買いに行くみたいなことがしづらいですからねぇ。スタンドで食べるにも、何度も他の人の前を通るのは気が引けるし。とにもかくにも腕が2本では足りないってことになるのですよ。

 

□まあこんなもんvs絶賛苦闘対策

さてFC東京ですが、現在のところ7位。個人的な感想としては「まあ、こんなもん」。だいたいFC東京って、こういう順位じゃないですか。アルベル監督についても、新潟時代以来、サポーターへの訴求力は素晴らしかったですが、順位だけみれば「ロケットスタートからの停滞」ってのがデフォルトですし。最近はご時世柄の理由か、あるいは純粋に序列を上げたのか、三田が先発で出るようになってますね。そこには注目したい。

他方の清水、こちらはここ数年のマイナストレンドを払拭することができず、絶賛苦闘中ですね。オシムがジェフの監督になったとき「このチームはここのところずっと低迷していて、そして、その低迷しているチームに最も長く在籍しているのはお前なのだから、お前が最も責任を感じなければならない」と突きつけられたという江尻さんのエピソードを聞いたとしたら、大榎さんはどのように感じるのでしょうか?

 

FC東京が押してるようにも見えた

ともあれ、ピッチに目を向けると、FC東京はいつもの4123。注目すべきは三田が右でなく左のWGだったことでしょうか。飲水タイムくらいに左右が入れ替わりましたが、カットイン系の両WGを順脚のサイドに置いたところに、幅を広く取ろうという狙いが透けて見えます。で、その三田はWGというより、さながらISHのようにリンクマンとしての役割を果たしておりました。その分、安倍がワイドに開いてバランスを取る。そして、ガッツリと乾を封じにいく、みたいな。

翻って清水は442のような4231のようなって感じではありますが、ビルドアップではFWの一角であるカルリーニョス・ジュニオが下がるとともに、Wボランチの一角である白崎が上がって中盤が逆三角形になる。そして乾とピカチュウがワイドで高く張って、4123になります。要するにヴェルディ式ですね。

前半の戦いは、清水の前線がプレスをあまりかけなかったこともあり、FC東京は森重がゆっくりじっくり相手の隙を窺いつつレーザービームでビルドアップしていく。逆に清水はボールを奪うと素早くチアゴサンタナに長いボールを当てていく。ハーフカウンターか、サンタナ任せのロングボールという少ない手数で攻撃を完結させるのが今の清水のスタイルなのかもしれません。で、そういう展開ですので、ボールを持って攻めている時間はFC東京の方が長くなる。長くなりつつも、清水としては想定通りでしょうから、それなりに対応できていて、決定機の数でいえば前半はイーブンに近かった印象があります。

 

□清水が快勝

清水って、ブラジル人監督になったのだから、「あまりポジショナルとか、そういう感じではないのかな」とも思ったのですが、しっかりとした5レーンサッカーをやっておりますね。役割分担もわかりやすくて、とりあえずサンタナがターゲットになる。ほぼ負けないのがえげつない。で、そこから白崎・乾・松岡の日本人選手が状況を作って、で、ブラジル人が仕留める、みたいな。実際にカルリーニョス・ジュニオの先制点はそういうパターン。

先制してからのゼ・ロベルト監督の動きも速い。早々に北川とホナウドを投入します。前線で追いかけまわせる北川を入れてファアチェックを強化するとともに、Wボランチには守備に特長のある2枚を並べる。狙いは明確です。もちろんFC東京のアルベル監督も動く。三田からレアンドロへのスイッチ。三田がいるときは彼がビルドアップのスパイスになって複雑なバリエーションが発生していたのですが、そこをレアンドロに替えることによって、ビルドアップが極めて単純化する。

それはそれで健太トーキョーの頃からの武器なので迫力はありましたが、結果として立田・鈴木を中心とする清水守備陣を崩すには至らず。逆にセットプレーの流れからサンタナにダメ押しのとなる2点目を奪われてしまい、勝負あり。清水としては立田と鈴木のコンビでCBを固定できれば相当大きいですので(ヴァウドが悪いわけではない)、そういう意味でも大きな完封勝利だったのではないでしょうか。