クリアソン新宿は大丈夫か?〜クリアソン新宿vsYSCC(5/17)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□大都会ダービー
この特別シーズン、クリアソン新宿の試合を見るのは2試合目。対してYSCCの試合を見るのは3試合目です。今年に入ってからは近年あまり訪ねてなかったスタジアムと、我が心のホームスタジアム西が丘を中心に観戦していたのですが、その結果、こういうことになった。何の因果が、YSCCを2試合もアウェイで見るとは……。逆に見る機会がなかったのは千葉勢と青森、沼津。市原については久々に臨海で観戦したいという思いもあったのですが、やっぱ遠い。
さて新宿も横浜も大都会です。なんせ新宿には都庁がある。眺望だけならスカイツリーとか行って高い料金を払わなくても都庁からで十分に楽しめる。他方で横浜にはランドマークタワーがある。ここの展望台は有料だったはず。とはいえ文字通りランドマークの役割を果たしてます。他にも新宿には新宿中央公園がある。さまざま種類の人々がここを愛している。他方の横浜には港の見える丘公園がある。オフコースがここを愛している。

□大都会に生まれたことを後悔せよ
さて、山手か石川町かから京浜東北線に乗り、赤羽からは国際興業バスで乗り込んできた?YSCCですが、特別シーズンの成績は2勝4敗で6位。珍しくPK決着は未経験のようです。ちなみに東エリアの順位は青森→いわて→沼津→市原→浦安、でYSCCの下に武蔵野→新宿。綺麗に都心から遠い順に上の順位にいる。つまりこの特別シーズンでは勝ち点を積み重ねれば積み重ねるほど田舎者扱いをされてしまうということです。
そうなると迎え撃つ大都会新宿なクリアソンの順位は下位ということになる。都会に生まれたことを後悔するしかない。クリアソンの成績は1勝5敗で8位、つまりは最下位。そのうちPKで1勝3敗、普通のフォーマットならば0勝4分2敗ということになります。繰り返しになりますが、それもこれも大都会に生まれたのがいけない、せめてクリアソン八王子とかならばもう少し上位の成績だったのに。

□攻撃では吉、守備では凶
というわけでピッチに目を移します。まずはYSCCですが、例によって中盤逆三角形の352。キーマンは左ISHの14番田原でしょうか。というのも、YSCCの中盤は14番田原の他が7番と28番。つまり14÷2と14×2なんですね。完全に14番田原が基準になっている。さらに2トップは5番と9番。そうです5+9=14なんですよ。このチームの攻撃陣を牛耳っているのは完全に14番田原です。
一方のクリアソンですが中山と澤井をダブルボランチに置く442です。前に見たときは中山が0トップ気味のCFでしたが、このかたちの方が攻撃については良いかもしれません。プレースタイル的に中山が最前線だと縦への迫力という部分が少し出づらい。この日は突貫系の2トップを起用することで、縦に速い攻撃が可能になっていました。ただし、その分だけ守備がやや不安定になっていたかもしれません。
ともあれ前半の攻防ですが、YSCCが「これぞポジショナル!」みたいな、高い位置で奪って息つく暇を与えずシュート作戦成功で先制します。次に点を取ったのもYSCC。シンプルなクロスからの流れで決めきったものですがで、シンプルなクロスで崩れてしまうくらいクリアソンのペナルティエリア内での守備が怪しかったともいえる。さしあたりクリアソンは澤井をはっきりアンカーに置くことで、多少は守備を安定させました。

□グダグダの後半
後半はクリアソンも主に攻撃面で良いところを見せます。具体的には左SHの88番村越が何度となく1対1の場面を作りましたが、縦への突破力という部分で決定打に欠く。すかさずクリアソンの北嶋監督は中山雄登から中山仁斗へとスイッチ。出てくる面子の名前だけ見れば豪華なんですけどね、クリアソン。なかなかそれがかたちにならない。というか中山仁斗も現在はクリアソン所属だったのか。
攻め込まれる時間帯が続いたYSCCですが、クリアソンとは対照的に押し込まれてからが崩れない。もともと相手を引きこんでからひっくり返そうというチームですから、自陣での振る舞いは堂に入っている。そして、まさにおあつらえ向きの“引きこんでからひっくり返す”によってWBの比嘉が勝負を決定づける3点目を決めました。「何をしたいかわからない」と言われがちなポジショナルは、何かしているようには見えないまま点を取るのですね。
さらにYSCCは4点目も決める。グランダーからのクロスを押し込んだものですけど、このときのクリアソンの守備はグダグダだった。みんながみんなボールウォッチャーになっていた。なんだかミシャが長期間に渡って率いたチームにありがちな末期症状を見せられているような気分だった。兄貴肌で選手の信望を集めたタイプのコーチがそのまま監督として成功するかというと、なかなか微妙なことも多いですけど、北嶋監督もそのパターンにあたってしまう可能性もあるかもしれません。

岩清水梓の大団円〜日テレ東京ヴェルディベレーザvsアルビレックス新潟レディース(5/16)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□集団就職ダービー
世の中、町中華ブームですね。きっかけになったのはBS-TBSの例の番組でしょうか。確かに町中華ってとても便利。昼に定食を食べるのも良いですが、それ以上に夜にちょい飲みするのにとても入りやすい。予約とかいらないし、地元酒場ほど常連の圧もないですし。例のBS-TBSを見て知ったのは、そんな町中華を担ってきたのは集団就職で上京してきた金の卵たちだったんですね。
ちなみにワタクシ、30代の頃には赤羽に住んでおりまして、その頃の赤羽にはまだまだ小料理屋さんみたいな店が存在感を示していたのですが、そういう昭和な小料理屋さんの多くは東北や北陸の郷土料理を謳っていた。つまり雪国からの金の卵たちは東京の北の玄関口、上野よりも北な玄関口に多く住んでいたということなのでしょう。新潟と東京は、そうやって高度成長期を支えてきた繋がりがあるのでございます。

□不可よりの可
さて、季節外れのムーンライトえちごを復活させて乗り込んできた?新潟Lですが、公式戦ここ5試合の成績は1勝3分1敗で6位。引き分けという概念に出会ったのは、ちょいと久しぶり。ちなみに6位という数字が合格点なのかどうかを判断すべく、Weリーグ(面倒な「.」は省略)発足以降の成績を調べると順位的には5→7→5→4と推移している。ってことは、ぎりぎり及第点なのかしら?
迎え撃つベレーザの成績は、公式戦ここ5試合で2勝0分3敗、リーグ戦の順位は3位です。ベレーザとしては不本意でしょうね。優勝したINACの独走を許してしまいましたし、何より順位そのもの以上に負け数が多すぎるようにも思われる。特に浦和Lのお家騒動に端を発するあれこれにコミットして、衆人注視で新シーズンを迎えた結果としては、忸怩たる思いがあることでしょう。

□日差しの影響?
というわけでピッチに目を移します。まずは新潟Lですが、3バックだったでしょうか。リトリートした時に5バックになりきらず、WBの1枚が1列高めにいたりもしたので、4バックに見えなくもなかったですが。有吉が右CBだったのかな。右WBの19番が長身でしたが、あえての有吉CB。というか有吉、まだ現役で先発できるコンディションなんですね。ちなみに新潟のベンチには川澄・上尾野辺・川村も控えていた。先頭でアップする川澄がなんだか長友みたい。
一方のベレーザは惜別の岩清水先発。システムははっきりとした3421で、岩清水は3バックの中央。全体的に来シーズンを見据えた起用だったんですかね?若い選手が多くピッチに立っていましたし。そんなベレーザは特に左サイドの攻防で苦戦を強いられていました。1対1で負けていたというより、そちら側にスペースを与えてしまっていたという感じ。全体にベレーザの左、新潟の右がホットスポットになっていたかと思われます。日差しの影響だったかもです。
ともあれ前半の攻防ですが、最近のサッカーボールがスーパー高性能素材で作られているからなのか、単なるお洒落なのか、表面がサイバーなんで、この試合くらい日差しが強いとボールの表面が照り返して大変ですね。そんな影響もあるのかないのか、前半は中盤での奪い合いを新潟が制しました。とはいえベレーザはベレーザでロングカウンターから決定機を作っていたので、さほど困っていなかったのかもしれません。スコアレスでハーフタイムを迎えました。

□PKのキッカーは岩清水
後半が始まると、突如としてスコアが動く。ベレーザ左サイドからのクロスが、90年代用語でいうシュータリングになり、それを新潟GKかキャッチミス。こぼれ球に反応した新城のシュートが決まってベレーザが先制します。しかし新潟もこれくらいでは引き下がらない、なんとなく繋がったボールを滝川が決めて追いつきます。「なんとなく繋がった」と書きましたが、日差しにやられて見る側も集中力が散漫になっており、しっかり把握できてないのです。
後半は前半と変わってベレーザが中盤での優位を作ります。塩越がボランチに下がったことの効果だったのかもしれません。塩越は試合から消えませんからね。しっかり中盤でボールを引き出します。結果、ベレーザが何度も新潟ゴール前を強襲する。その中で新潟守備陣が痛恨のPK献上。そしてドラマが生まれる。キッカーは引退試合の岩清水ですよ。そのPKをしっかりと決めるのが世界の頂点に立った女。千両役者です。
追いつきたい新潟は川澄・上尾野辺・川村というベテランを一挙に投入。ただ、これは追いつくためであると同時に、途中交代で退く岩清水を花道で送り出すための演出の一部であったかもしれません。少し前に宇津木も投入されていましたし。もうね、これぞ大団円。素晴らし結末だったと思います。もちろん新潟も最後まで同点を目指しましたが、結果的にドラマの引き立て役を引き受けることとなりました。ちなみに新潟の川村も現役ラストマッチだったぽいです。試合後、岩清水と同じように両チームの選手が花道を作って送り出していました。

 

 

数的優位になるとグルージャは自滅するらしい〜YSCC横浜vsいわてグルージャ盛岡(5/2)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□2試合目ダービー
今年半期のJFLカップ、YSCCの試合を見るのは早くも2試合目です。この前、ムサリクで横河との試合を観戦したところです。横浜本牧を拠点にするクラブですから1シーズンで複数試合見るというのも、そこまで珍しくない。一方で、ここ20年くらいのワタクシのルーティンとして珍しいのは、グルージャの試合を1シーズンで2試合見るということ。しかも2節続けてですからね。この前、平日の西が丘で見たところです。
そんなわけで、ワタクシの個人的な偶発性として“(今シーズン観戦が)2試合目ダービー”なわけですが、それにしても保土ヶ谷に来るのは久々やねえ。1回だけ来たことがあるはず。女子サッカーのシーガルズ戦じゃなかったかな。確か、相手はオルガ鴨川で、当時売り出し中だった中嶋淑乃がいたんだよな。一目で目を奪われた。プレーにというより、ビジュアルに。そんな保土ヶ谷決戦です。

□ミヒャエルvs(‘jjj’)/
さて、“じぇじぇじぇ”のリズムで乗り込んできた?グルージャ。……いまの大学生とかは“じぇじぇじぇ”って知ってるんですかね?俺たちの、いや、オレの能年玲奈、この度あらためて能年玲奈になった能年玲奈。彼女による往年の流行語が“じぇじぇじぇ”。ちなみにワタクシのスマホの変換ソフトでは「じぇじぇじぇ」と入力すると「(‘jjj’)/」と変換されます。さすがはATOK、ジャストシステムなだけのことはある。そんなグルージャは前の試合、PKでクリアソンに劇勝して2位です。
迎え撃つYSCCは不調。ここ5試合の成績は1勝0分4敗でビリです。しかも目下3連敗のオマケ付き。もうね、「頑張れ三枝(監督)!」としか言いようがない。公式HPで調べたらレバークーゼンで研修したキャリアがあるらしいぞ。レバークーゼンといえばミヒャエル・バラック。そういえばバラック、現在は何をしているのかと調べてみたら、解説とかそういう仕事をしているらしい。せっかくならYSCCの監督をすればよいのに。

□互いの構図
というわけでピッチに目を移します。まずはグルージャですが、オーソドックスな442です。2トップが10番と11番ってのはポイントが高い。それから西が丘のクリアソン戦で印象に残った7番の新玉も元気に先発。なんせエレガント、遠目にはプリンス。若い頃の沙木を遠目から見てるよう。……この試合では、さほどプリンスぶりは発揮できずに人混みに埋没してましたが。
一方のYSCCは3421とも352とも見える布陣。たぶん352なんですが両ISHが縦になったりするので3421にも見えてしまう。しかも、たぶん2トップの一角に入っていた平野の背番号が5番だから、余計に頭の中がバグる。バグると言えば3バック右に入っていた鈴木の背番号は7番。しかも、だからといってめっちゃ攻撃参加しまくる感じでもない。バグって仕方ない。


□試合展開
前半はスコアレスだったのですが、後半がジェットコースター過ぎるのよ。先手を取ったのはグルージャ。カウンターのチャンスに相手GKが飛び出す。飛び出しながら処理できない。まんまと10番の町田が流し込みました。しかしYSCCもすぐにやり返す。何度か攻略に成功していた左サイドを突破。ポケットを取ると、その折り返しに28番の嵯峨が飛び込んで同点に追いつきます。YSCCはポジショナルなんで縦にとても速い。
ところが好事魔多し、YSCCは4番の武田が2枚目のイエローで退場してしまいます。それでもYSCCは慌てない。慌ててかもしれませんが、すぐに体勢を作り直す。左WBに入っていた比嘉が右SBにスライドして432あるいは441で構えます。それにしても比嘉、WBなら左でSBなら右って、シントトロイデンの畑大雅かよ。ジャパネットさんのBSで見てたら、そんなこと言ってたぞ。
ともあれYSCCは後ろの枚数こそ変更したものの、やり方は変えない。441でもポジショナルは続ける。ただでさえ危なっかしい最終ラインでのボール回しも続行。いつグルージャのストーミングの餌食になるのやらと見ていたら、ポジショナルをやり切った。引き付けたのか、モタついた結果として引き付いたのか、そもそも1人少ないのでグルージャが勝手に総攻撃モードになっていただけなのか、ともあれ最終ラインがクサビを入れて、そこからの一発裏抜けから18番の落合が勝ち越しゴールを決めてみせました。
逆にグルージャは数的優位を受けて選手交代によって3バックにしたものの、その途端に勝ち越されて4バックに戻すというチグハグ。特にSBとSHという関係性で右サイドを蹂躙していた77番と84番のコンビが右CBと右SBという関係性になってしまった影響は大きい。なんか、勝手にガタガタでグダグダになっていったんですよね、1人多いのに。結局、後半ロスタイムにさらに失点を喫し、終了間際にそれまで荒いだけのプレーを繰り返していた66番が意地のゴールで追いすがったものの、そこでタイムアップ。数的優位になったのをきっかけにグルージャが崩れるという、摩訶不思議な一戦でございましたとさ。

クリアソンが躍動して、グルージャが勝つ〜クリアソン新宿vsいわてグルージャ盛岡(4/21)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□オーソドックスでないダービー
平日の18時キックオフですってよ。19時キックオフでも一般的な定時退社だと全く間に合わないってのに、18時キックオフをわざわざ見に行くんだから、我ながら道楽者と言わざるを得ない。念のため言いますが、隠居して悠々と年金生活を送っているわけではない。時間給で働いているわけでもございません。お月給を頂戴しながら雇われ人をしているものです、ワタクシ。まあ、タイミングが良いと可能なんですね、こういうことも。皺寄せは自分でかぶるだけですし。
そんな、世間的には決してオーソドックスではないワタクシですが、この日の西が丘でマッチアップした両チームもあまりオーソドックスではない。クリアソンは「地域の特性を鑑みて」という意味がわかるのかわからないのか謎の理由でライセンスを交付されてますし、グルージャに至ってはノヴァが入って秋田が入ってノヴァが抜けて秋田も抜けて、元の木阿弥なのか、元の木阿弥にも戻れてないのか、何が何やらわけがわからない状態。両クラブとも、どこかでリスタート地点を固めた方が良さそう。それが最も難しいのでしょうけど。

□元Jリーガー監督同士
さて、東北新幹線で乗り込んできた?グルージャですが、PK勝ちとかそういうのを無視すると3勝1分0敗で3位です。監督は菊地利三が再登板しているらしい。さほど特筆すべき成績を収めてきた指導者ではないですけど、足下グラッグラッなクラブには、こういう歴戦の熟練がいてくれた方がピッチ内外において安定感が出る。地域の信頼を改めて積み上げたいというフェーズにおいては、これ以上ない適任者なようにも思われます。
迎え撃つクリアソンはPK勝ちとかそういうのを無視すると1勝0分3敗で8位。完全にビリ、東海地方で言うところのドベ。率いるのは北嶋秀朗監督なのか。そうか北嶋か。リーダーシップはある選手でしたけどね。コーチとしても兄貴分。監督してはどうでしょうか。選手のラインナップを見る限り元Jリーガー路線ですが、JFLって元Jリーガー路線が苦戦する印象もある。鍵は走れるコンディションにある選手がどれだけいるかってところでしょうか。

□“いかにも”っていうスコアの動き
というわけでピッチに目を移します。まずはグルージャですが、守備時は442になります。攻撃時に442なのか4231なのか4123なのかはよくわかりません。西が丘のバックスタンドですから。スタイルとしては今なお00年代のサッカー選手を象徴する髪型を堅持する牟田率いる最新ラインから裏抜けの低弾道ロングパスを出せれば出したい感じ。ポジショナルといってよいかどうかは怪しいですが、見る人によっては「何がやりたいか見えない(怒)」ってわめき散らすような、欧州トレンド風です。
一方のクリアソンも守備時は442です。攻撃時はワントップなのかゼロトップなのかともあれ上手すぎる中山がフリーマンっぽい感じでしょうか。スタイルはボランチが持つサッカー。ジャパニーズスタイルというか、日本の育成で叩き込まれるのであろうやり方。奪ってからはドリブルで持ち上がって、そのままシュートというより、相手SBにスルーパスを出すシーンが多かったかと。
ともあれ前半の攻防ですが、個人技に勝るクリアソンが、より多くの決定機を築いていましたが、先制したのはFKからの流れを確実にモノにしたグルージャ。よく“決定力の差”という言葉が用いられますが、個人的にあまりその表現が好きでなく、シンプルに“決まったか、決まらなかったかの差”と表現しておきたいと思います。決まらないのは個のシュート技術というより、チーム全体のバイオリズムだと思うんですよね。

□しっかり繋ぐのアリ地獄
それにしてもクリアソンはテクニシャン揃いです。中でも「島田―菊谷―中山」のセンターラインはえげつない。ただし、足下があるだけに逆に負のスパイラルに陥ってるような印象も無きにしもあらず。手数への意識がグルージャとは好対照でした。クリアソンは繋げるだけにパスの数が増える。そうしている間に相手守備陣が組織としての間合いのようなものが作れてしまうんだと思うんですよね。だから崩しているようで最後は決めさせてもらえない。逆にグルージャは持ったら打つ。追加的もハイプレスから相手のミスを誘発して、そこから一人でシュートですもん。
クリアソンは反撃に出るべく澤井を投入したのですが、ヴェルディユースの10番が加わったのだから、そりゃ、さらにパス交換が増える。余計に繋ぎ倒すのアリ地獄。「こりゃあかん」のパターンでしたが、 岡本の投入が転機となりました。岡本は最初の数プレーで、とにかくシュートへの意識を見せた。思いっきり足を滑らせたミスシュートが味方に繋がってゴールが生まれる。示唆に富むプレーだったと言わざるを得ない。そして、その示唆に後押しされたのか、クリアソンは雑なクロスから同点ヘッドを叩き込みます。そうなんですよ、しっかり繋ぐと攻めのリズムと守りのリズムが共鳴して点が入らないし、雑に攻めると向こうの守りの間合いが整ってないからあっさり決まったりもするんですよ。試合はPK合戦の末、グルージャが勝利を収めましたが、クリアソンとしても得るものがあったのではないでしょうか。

横河の完勝〜横河武蔵野FCvsY.S.C.C.横浜(4/18)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□JFL版オールドクラシック
JFLの観戦は久々だなあ。そんな久々のJFL観戦のカードが横河とYSCCか。なんというか、JFLのオールドクラシック。その前に“オールドクラシック”って言葉は存在するのか?と思いAIに聞いたらファッション業界にあるんだそうだ。ともかく、この2チームの対決は、かつての“古き良きあるべきJFL”像を彷彿とさせてくれます。関東の古豪対決とも言えます。
あれからいろいろ変化はありましたけどね。武蔵野はJリーグ入りを急ぐどこぞの意識高い系集団に乗っ取られ、そして乗っ取られ損なったり。横河電機的には持て余しながらも、最後は可愛いわが子なのでしょう。YSCCはYSCCで、地道にJFLを戦っていたら、なぜか当局のマジックにより、Jリーグに参加することになっていて、もともと身の丈を超えたことを他律的にやらせられていただけなのに、若いサッカーファンには“分不相応だ”と揶揄されたり。ともあれJFLらしいオールドクラシックに戻ってまいりました。

□6位と8位
さて、YSCCは三鷹に来るに際して湘南新宿ラインの遅延に巻き込まれたのでしょうか?ワタクシは巻き込まれましたよ。所用があって午前中に浦和に行ったら、戻ってこれないでやんの。そんな?YSCCはここまで1勝0分3敗でJFLカップ東地区の6位。ちなみに上位にいるのは盛岡と青森。ガチでJリーグ参入あるいは復帰を目指しているクラブが上位に来るというのは健全な順位表。
迎え撃つ武蔵野は勝敗だけなら1勝0分3敗でYSCCと同じですが、順位は8位。順位の違いはそれぞれの1勝の中身の相違。YSCCが90分勝ちであったのに対し、横河はPK戦勝ち、そこの勝ち点1の差が順位の差になっている。というか、そうか、JFLカップって、まるまるJリーグ特別シーズンのフォーマットにならっているのか。なんにせよ両チームとも好調ではないということです。


□横河的にはお誂え向き
というわけでピッチに目を移します。まずはYSCCですが、伝統の532と言って良いのかな。伝統かどうかはわかりませんが、ワタクシが比較的多くの試合を見ていたシュタルフの頃のフォーメーションは532だった。532というより、厳密には5311だったような気もする。それにしてもしばらく見ないうちにYSCCからはシュタルフの頃、すなわちJ3にいた頃のメンバーがガチで一人もいなくなっていた。
一方の横河は442のツーラインサッカー。ちなみに監督さんは金守です。四中工出身の横河レジェンドですね。志向するサッカーはハイプレス&ショートカウンター。YSCCがポジショナル志向で、かつポジショナルでありながら出しどころが全く見つけられないパターンということもあり、横河としては、とても良い噛み合わせ。ハイプレスとかセカンド争いがめっちゃ楽しそう。なんせYSCCが低い位置でモタモタしてくれたので。
そんなわけで前半の攻防は、総じて横河が優勢でした。YSCCが低い位置でモタつき、それを横河のハイプレスが奪い、奪ってからはショートカウンター。最短距離の中央突破が目立ってましたが、スコアが動いたのはサイドからのクロスを合わせたヘディングシュート。サイドにふるまでは中央突破だったように思いますが。YSCCはアンカーを置く逆三角形でしたから、バイタルがスカスカになりがちでした。

□YSCCの袋小路
成績こそ振るわないものの、横河のサッカーはなかなかハイレベルなことをやろうとしていたように感じます。端的にまとめると、奪ってから高速中央突破を仕掛け、そのまま打てれば打つ。打てなければ相手がバランスを崩したスペースを突いていく。相手の出方を前提にしたリアクションスタイルで、相手が嫌がることをやっていくというサッカー脳高めのスタイルです。セットプレーから追加点を上げたところも、“頭を使え”の延長上にあるかと思われます。
逆にYSCCは、昨今のトレンドで、かつ、事前準備=サッカー脳を必要とするポジショナルを志向しながらも、どうも上手くいかない。ポジショナルの場合、最初の裏抜けはギャンブル的な割り切りが求められると思うのですが、そこの率を上げることに固執して袋小路に陥っている印象を受けました。2トップが苦しそうならば、いっそうのこと両ワイドが馬鹿みたいに走りまくれば良かったのに。
終盤はYSCCも4231っぽくしたのかな?後ろは3枚のままにも見えましたが、とにかく前線が4枚いて、そのうち2枚はワイド。そのワイドをフォローするWBだかSBもいたので、サイドに2枚以上がいるというバランスにした。で、それが奏功して押せ押せで攻めまくったのですが、決定力不足というか、まあ横河GKも良かったですね。本領発揮なのか、たまたま上手いこといったのかみたいなファインプレーも含めて、GKの個人技が防いだ点が何点かありました。横河の完勝だったと思われます。

46歳荒川理恵、頑張ってます〜日テレ・東京ヴェルディベレーザvsちふれASエルフェン埼玉(4/5)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□戦後に産声ダービー
ちふれって歴史が長いんですね、創業が1947年だそうだ。まだまだ闇市で食料を手に入れていた時代ですよ。そんな時代であっても女性の美への意識は本能的なもの。そんな渇望に寄り添ってきたのがちふれなのでしょう。なお創業当時は「アゼリア」だったそうです。なんだかゼルビアっぽいな。あるいはあざみ野っぽいな。ちなみに「ちふれ」というのは、「全地婦連」から来たんだとか。「総評」とかの時代感が漂ってくるな……
一方の日テレの創業は1952年。5大紙系テレビ局としては後発に属す?そうでもない?ともあれ、ちふれより歴史が浅いのですよ。そして仁義なきナベツネー川淵闘争の結果、男子サッカーからは撤退した影響で、読売の看板を一身に背負ってきたのがベレーザ。そんなベレーザは、今シーズンここまで3位。11位に低迷するエルフェンから見れば、完全なる格上、草葉の陰のナベツネも思わずニンマリしていることでしょう。

□荒川理恵と岩清水梓
さて、川越線で赤羽まで乗り込んできた?エルフェンですが、3月だけで4敗を喫するなど奮いません。とはいえ救いもあって、リーグ戦に限れば1敗しかしていない。なんせ3試合がカップ戦でしたから。つまり3月の成績は0勝0分4敗です。それでも、ただ指をくわえて立ち尽くすようなこともあるまい。なんせボンバー荒川理恵がベンチ入りしているんですから。46歳ですってよ。おそらくカズと違って純粋にピッチ上における価値での現役でしょうから凄いです。
迎え撃つベレーザはベレーザで、岩清水梓がベンチ入りしてました。こちらは39歳。ただし出産を経験している。こちらはこちらで尊敬しかない。ちなみにベレーザの成績は、3月に限るともろもろあって4勝1分0敗。エルフェンより一試合多いのはアジアでの戦いがあるから。それも含めて無敗で花粉症の季節を乗り越えました。INAC&浦和&ベレーザは3強といって良いと思いますが、その一角に恥じない風格です。

□実は拮抗?
というわけでピッチに目を移します。まずはエルフェンですけど、システムは4231だったですかね。4ー4の2ラインを敷いて、前線が2枚というやり方。最前線には27番の生田が入っていましたが、この選手、どことなく猶本に似た雰囲気だったような。ええ、ええ、見た目の話ですよ。HPなどの画像だとそうでもないんですけどね。この選手が裏やスペースに走り回りながらポジトラを繋げていきたいというサッカーだったでしょうか。
一方のベレーザは3421。注目すべきは塩越がボランチだったこと。浦和でもそういう使われ方をされたりしてましたしね、体幹的な安定感があるので、この選手がドンと構えていてくれるとチームが落ち着く。もう一人注目するなら北村。シャドーではなくワイドでの起用。ここ数年は男子みたいな体脂肪の顔立ちになりました。若い頃はアイドル然としていましたが、すっかり360度のアスリートです。
ともあれ前半の攻防ですが、両チームの成績をそのまま反映したような明確な構図。つまりはベレーザが攻めて、エルフェンが跳ね返すという繰り返しで試合が進んでいきます。とはいえエルフェンもちゃんと刃を隠している。スコア的には動きのなかった前半戦でしたが、ベレーザはポスト直撃のシュートを撃って、エルフェンはバー直撃のシュートを撃つ。エルフェンが「カウンターからまんまと…」となっても不思議じゃない流れでハーフタイムを迎えました。

□カウンターからまんまと…
後半に入ると、喝を入れられたのか、作戦通りなのか、俄然、エルフェンが高い位置で勝負するようになりました。前半からそうでしたが、エルフェンは劣勢でも陣地を回復する手段がある。それはワントップに入った生田の裏抜けです。そして生田の裏抜けは陣地回復だけに留まらず、ゴールにまで結びつきます。エルフェンの先制ゴールは美しかった。出しての縦パスも完璧なら、抜け出してGKとの1対1を制した生田も完璧。
そしてエルフェンが素晴らしかったのは、ここから。順位が下のチームが先制すると、途端に守備的になりすぎて、結果として余裕をなくして自らの首を絞めがちなのですが、そこは歴戦の樋口靖洋が率いるチームだけあって、淡々としのいでいきます。退きすぎることも、焦りすぎることも、力みすぎることもない。というか樋口さん、いまはエルフェンの監督だったのか。ハイトーンなので声も若々しいですし、まだまだ存在感を示してくれてます。
苦しくなったベレーザは次から次へと攻撃のカードを切って、システムも3バックを4バックへと変える。宇津木が入ると左WBの北村が右SBにスライド。メインスタンドのワタクシに近づいてきたんで、「オレのことを好きなのか?」と思わず照れてしまったり、そんなことをしていたら、今度はエルフェンが荒川を投入される。逃げ切れというハッキリとしたメッセージですね。選手たちはそんな樋口監督の指示を遂行し、エルフェンが大きな大きな1勝をあげたんだとさ。

広島の新スタに行って来たよ〜サンフレッチェ広島レジーナvsRB大宮アルディージャWOMEN(2/28)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□エディオンピースウイング広島
去年の11月以来の試合観戦、訪ねた先はエディオンピースウイング広島、エディオンピースウイングスタジアム広島じゃないんですね。初見参です。ビッグアーチも1回しか行ったことないですけど。ともあれ男子チームではなく女子チームの観戦、だって男子チームの試合はチケット争奪戦状態で買えないんだもの。スタジアム探訪という意味では女子サッカーは良いですね、普段はなかなか縁のないスタジアムにも行けますし。
広島という都市を訪れたのは2〜3年ぶりかな。その時は世界遺産航路で宮島から原爆ドームまで乗船したような。その時と変わった最大のポイントは路面電車乗り場。JRの駅と直結してしまったよ。でもワタクシはバスで広島バスセンターに向かうのです。というのも、観光客の大多数は路面電車を使う一方で、広島駅のバス停7番乗り場から出るバスにはほとんど地元の人しか乗らない。つまりすいているんですよ。

□6位と7位の対決
さて、大宮から東北新幹線に乗り、東京で東海道新幹線、さらには新大阪で始発の九州新幹線に乗り継いできた?アルディージャWですが、率いているのは柳井監督、30代の女性監督です。素晴らしい。まあ若い女性を抜擢すると「女ってだけで優遇されてる」って陰口をたたく人も出てきますけど、いや心配するなと、お前は男とか女とか以前の段階で優遇されてる人に負けてるから、と。ともあれレッドブルグループですし、柳井監督には和製ナーゲルスマンを目指してもらいましょう。
迎え撃つレジーナですが、リーグ戦の順位でいうとアルディージャWの1つ上、6位みたいです。率いているのは赤井監督。赤井さんって、愛媛FCにいた赤井さんですよね、青野&赤井で青赤コンビって一部で呼ばれていた。そうか、愛媛と広島はお隣ですもんね。そういえば、前回、世界遺産航路に乗った旅行では道後温泉からフェリーで広島に渡ったのでした。青野さんは無念の退任をしましたが、赤井さんは頑張ってほしいですね。

□ともに縦速
というわけでピッチに目を移します。両チームとも442のような4231のようなってシステム。アルディージャWの場合、アジリティ系の20番が前で、大型の17番斎藤が後ろという形で固定化されていたのかしら?ここ10年くらい増えてますよね、フォルランみたく一列低い位置でターゲットになる役割。ちなみに17番の斎藤、フルネームは斎藤夕眞というらしい。初代と3代目のスケバン刑事か?と。麻宮サキに限定すれば3代目は唯ですが、スケバン刑事でいうと結花も由真も3代目。
一方のレジーナは前線の9番上野と17番神谷はけっこう前後関係が流動的でしたかね。どちらかを最前線の基本にするのではなく、横並び扱いだけで、攻撃の際には適宜で縦関係になるというか。注目の中嶋淑乃は左のSH。中嶋といえば3トップのウイングというイメージも強いのですが、442だと必然的にSHになる。アルディージャWの仲田歩夢がベンチスタートだったので、いろいろ共通点のある両者のしばきあいが見られず、そこは少し残念。
ともあれ前半の攻防ですが、フォーメーションだけでなく、基本的なスタイルも似ているような気がする。縦に速い、男子のトレンドをそのまま取り入れている印象です。違いといえばアルディージャWはボランチ経由の中央突破も多かった一方で、レジーナは中嶋という明確な武器を持つからか、奪ったらサイドというパターンが多かったこと。左の中嶋だけでなく、14番松本と38番嶋田による右のコンビネーションも良かったですね。

□盛り上がったのか、そうでもなかったのか
後半に入るといきなりスコアが動きます。アルディージャWの高橋美紀がスーパーロングシュートを決めてみせます。女子の場合、GKの背の高さやジャンプ力の影響で、スーパーロングシュートが決まりがち。これも女子サッカーの醍醐味。となれば目には目を歯には歯を、スーパーロングにはスーパーロングでレジーナも対抗しましたが、こちらはバーに弾き返される。それでもレジーナはめげずに猛攻、PKを獲得しました。しましたが、今度はアルディージャWのGKがスーパー横っ跳びでセーブしてみせました。
それくらいの時間から直射日光が猛威を振るう。よく見えない。とりあえずレジーナはサイドを起点に攻めるものの最後は崩しきれず、逆にアルディージャWのイヤ〜なカウンターに腰を引かされるって攻防が続く。レジーナ的には少し厳しいのかな?ってなってきたのですが、そこは飛び道具。それまで存在感こそ示しつつもどことなく不発気味だった中嶋淑乃が突如として覚醒。三笘ライクないつもの突破で同点ゴールを決めました。
ただ、これで試合が完全に落ち着いてしまった。イニシアチブはレジーナが握り続けるものの、どうにもサイドからの折り返しにワクワク感を欠く。受けて大きなカウンターのアルディージャWもやっぱり淡白。同点のままタイムアップとなり、クラシエカップの規定によりPK戦に突入。そこからはPKが決まらない。GKも素晴らしかったんですけど、なんともグダグダ。とりあえずホームの声援を得たレジーナが勝利を収めることに成功しましたとさ。

それでもサッカーは続いていくのだ〜湘南ベルマーレvsアルビレックス新潟(11/8)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□逆湘北ダービー
ワタクシ、節分前に年間スケジュールが発表されると、しばらくそれとにらめっこしながら年間観戦予定を組み立てます。シーズンが始まると2月の時点で立てた予定を粛々と履行していく感じ。それにしても、想像力が欠如していた。予定を組み立てた時点で、まさか降格が決まったチーム同士になっているとは、全く想定できず。予算規模を踏まえれば可能性として十分にありえたはずなんですけどね。近年の健闘ぶりに油断してしまった。
別に野次馬として見に行くわけではないですよ。厳密には、ワタクシの場合、特定のクラブを贔屓にすることもなく、20年以上にわたって毎年Jリーグ全チームを見るってミッションを趣味としてきたものでして、この試合に限らず、全ての試合が野次馬とも言える。ともあれ、こうなってしまえば、逆湘北状態になってもらいたい。凄い試合をしてスーパー大殊勲のあとにあっさり負けた湘北の逆、あっさり負けた後に凄い試合をしてくれ。

□監督を代えたチームと代えなかったチーム
さて、高崎から湘南新宿ラインで乗り込んできた?アルビレックス。降格の影響は避けられず、新幹線など使わせてもらえてない、使わせてもらえたとしても越後湯沢までしか使わせてもらえてないに違いないのです。そんなアルビレックスのここ5試合は0勝3分2敗。勝ち点は23でビリ。東海地方出身者的にはドベ。とはいえ、5試合で見れば負け数を引き分け数が上回っているのか。愛媛もそうですけど、しっかり後釜を用意せずにシーズン途中に内部昇格させるのは、監督交代をしないこと以上にリスクなのかも。
迎え撃つベルマーレのここ5試合は0勝1分4敗。勝ち点は26でブービーパーマンの仲間。ここ数年はちょいちょいネットの掲示板とかも見てしまっていたのですが、さすがに疲れてきた。予算規模を考えれば山口監督は大奮闘してきた。また、やってるサッカーもポジショナル方向の、現代のトレンドに沿ったスタイリッシュなサッカーをやっている。けれども、いまだにポジショナル脳ではなくポゼッション脳のまま「ポゼッションは時代遅れ」とか言いだしてる手合いに批判されている。ポゼッションを評価軸にしている時点でもはや前時代的なのですが、そういう価値観であれこれ言われる山口監督に同情を禁じ得ない。

□サバンナの朝は早い、新潟のアクチャルは長い
というわけでピッチに目を移します。まずはアルビレックスですが、事前の評判と寸分違わないショートパスサッカー。良くも悪くも白井と長谷川というボランチコンビの“止める”“蹴る”が際立つスタイルです。相手のラインなりブロックが整ったら割り切ってシュートかクロスで終わるってやり方が支配的になりつつある昨今、ショートパスを後ろに戻してやり直すサッカーです。結果、アクチャルプレーイングタイムが超長い。新潟が持つとプレーが途切れない。別に褒めてはない。
一方のベルマーレはキックオフ直後は松村のところがもどかしかった。裏返しのパスを出さないんですよね。「鈴木淳之介との差かな?」とも思われましたが、左はWBのところで作って、右はWBを走らせるというカタチなんでしょうかね。右の太田は走りまくっていましたし。全体的には5レーンではあるけどポジショナルではないのかも。ストーミング&裏返しというより、ストーミング&足下崩しって感じもありました。
ともあれ前半の攻防ですが、ベルマーレにとっては、想定しうる最高の45分でした。2点も取ったんだから。先制点は低い位置でこねくりまわす新潟の習性を突いてフォアプレス。引っ掛けてショートカウンター鈴木章人が決めました。文字通りのおあつらえ向き。さらにボールを持つと人数を前線にかけまくる新潟の習性を突いて二田がカウンターで爆走。一気に相手を裏返すと最後は平岡が決めました。新潟サポーターのブーイングに包まれながらハーフタイムを迎えます。

□湘南イケイケ
さて後半ですが、しばらくはなぜかリードしている側のベルマーレがむしろポゼッションするという謎の展開。別にこれはアルビレックスが敢えて相手にボールを持たせたとか、そういうことではないらしい。その証拠にベルマーレが追加点を奪ってしまう。狙い澄ました小野瀬のファインショットが、横っ跳びした新潟GK田代をあざ笑うかのようにネットに吸い込まれました。ここで試合の大勢は決します。ゲームから緊張感が失われました。
それでもどうにかしようとアルビレックス入江監督は56分に魂の3枚替えを敢行。前半のうちに島村からモラエスへのスイッチもしていたので60分までに4枚のカードを切った。これで長谷川と白井が縦関係になって、少し攻撃に迫力が増します。それでもどうにも長谷川の孤軍奮闘感を否めない。そんな中でベルマーレに4点目。鈴木章人の2点目が決まります。この時間帯のベルマーレは何をやっても上手くいくモード。
象徴的だったのはベルマーレの5目ですね。直前に投入されたばかりの奥野がスーパーミドルを叩き込みました。もうね、余裕綽々なものだから、肩に全く力が入らない綺麗なフォームから、それはそれはビューティフルなシュートが決まりましたよ。逆に新潟は選手交代の度に烏合の衆のようになっていった。個人での打開とか、出し手と受け手の2人によるコンビネーションは悪くなくて、実際に一矢どころか二矢報いたわけですけど、それでも、いわゆる“3人目の動き”みたいなものは見られなかったように思います。湘南がホームで圧縮しましたとさ。

大人になった?シュタルフ〜SC相模原vs松本山雅(10/19)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□蕎麦ダービー?
SC相模原松本山雅、、、もう緑ですよね、チームカラーが。その時点でダービー、四の五の要らない。緑といえば、自然豊かな部分でも両クラブのホームタウンは似ています。松本は言わずと知れた北アルプス。ローカル線とバスを乗り継げば、そこには上高地がある。途中でY字に折れていけば乗鞍岳もある。対する相模原もナメてはいけない。なんせ陣馬山があるのですから。京王グループが総力を結集して開発したハイキングコース、それが陣馬山です。
松本市ではないですが、長野市を中心とした北信に対して松本市を中心とする南信には諏訪湖もありますよね。子どもの頃に両親に連れて行ってもらった記憶があります。しかし相模原市もやっぱり黙っちゃいない。相模原市には泣く子も黙る相模湖があります。ついでにSPLこと相模原ピクニックランド(旧称)もある。ちなみに高尾山を南西に下山した先が相模湖。その相模湖周辺にも高尾山にも蕎麦屋が多い。そういう意味では誰が何と言おうと蕎麦ダービーでもあるのです。

□こんなところで6ポインターしてる場合か
さて、8時ちょうどのあずさ2号で乗り込んできたに違いない山雅は、ここ5試合の成績が1勝1分3敗で、順位としては15位。どう考えても期待を裏切るシーズンになっております。率いるのは横浜FCのレジェンドこと早川知伸。それにしても山雅は転げ落ちましたね、坂道を。坂道コロコロです。のちの坂道コロンブスです。ほぼ反町さんの独力でJ1の座まで登りつめたということを、その後の歴史が証明してしまっております。
迎え撃つ相模原も、逆の意味で負けていない。ここ5試合の成績は0勝1分4敗で、順位は14位。つまりこの試合、14位と15位の6ポインターなのですよ。こんなところで6ポインターしてる場合か。まだ日本にポジショナルが珍しく、対応策もフォーマット化されていなかった頃のシュタルフは名将でしたが、それはYSCCがシュタルフの社会性なき振る舞いを許容していたからとも言える。日本のルールを守らなければならないクラブでは良さが出ないのかもしれませんね。

□一気呵成をしのいだ先
というわけでピッチに目を移します。まずは山雅ですが、ボランチが安永と山本康裕のコンビなのか。実力者を揃えたな。ボランチコンビの脇には小川大貴も控えている。ほのかおるジュビロ臭。前線にはエスパルス出身の滝。ほのかおる静岡臭。長野県と静岡県、もはやそれはフォッサマグナですやん。ここを境に自然の生態系も微妙に違ってきて、それらを背景に歴史的な文化も違うのか?
一方の相模原ですがシュタルフ得意の352ではなく3421、山雅とはミラーゲーム状態です。スタメンの顔ぶれを見ていると、、、うーん、加藤大育かな。J2に上がって、J3に降格しているうちにすっかり面子が変わりましたので、ずっと相模原にいる選手って、この選手くらい?現状のMr.相模原と言って良いでしょう。この試合ではロングスローの投げ手として何度も何度もタオルでボールを拭いておりました。
ともあれ前半の攻防ですが、キックオフ直後は山雅が一気呵成。最初の10分の支配率は90%くらいあったのではあるまいか。その後は徐々に平穏を取り戻し、前半の45分をトータルで見れば決定機は相模原に多かったかもしれません。構図としては、山雅はボールを持ちたい感じですね、ポゼッションスタイル。対する相模原は、というかシュタルフはポジショナル風味の裏抜け最小手数サッカー。なので、決定機が相模原に多いのも、よくある構図ともいえる。

□ワンソーラーズ陥落
後半に入ると間もなくスコアが動きました。カウンターのチャンスで杉本が抜け出すとアウトサイドでゴール前に流す。一見ミスキックに見えましたが、狙い澄ましたスーパーアシストだったらしく、中山がダイレクトで悠々と合わせます。先取点は相模原。こういう裏返しはシュタルフの本領発揮。メインスタンドから久々に間近のシュタルフを眺めていたのですが、知らないうちに大人になったじゃないか、シュタルフ。フォースオフィシャルに悪態をつかなくなっていた。
追いかける展開となった山雅の早川監督は後半の19分に2枚替え。合わせてCBを1枚減らして4バックとしました。ファイアーするには少し早かったかな、早川だけに。これ以降、中央突破の攻め急ぎが目立つようになりました。なまじ山本康裕のパスが通るばかりに中央突破偏重が止まらない。そして、さらにそこに相模原GKのバウマンが立ちはだかる。バウマンは最後までゴールマウスを守り切り、相模原が逃げ切りに成功しました。
ちなみに、この試合の観客入場数は3200人ほど。相模原の動員力としてはこれくらいなのですが、相手が松本だとアウェイ客がもっと入って数字が跳ね上がる印象もあります。さしもの松本山雅も、J3での足踏みが続く中、動員力に翳りが見えてきたのでしょうか。心なしかキックオフ直前のワンソウルのボリュームの小さくなっていたような。山雅には再び松本ワンソーラーズとしてJリーグを賑わせて欲しいですね。

再現性のある逃げ切り勝利〜大宮アルディージャvs藤枝MYFC(10/18)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□セキュリティ意識高そうダービー
藤枝と大宮か、静岡県と埼玉県という括りならば、サッカーどころという共通点がありますね。とはいえ藤枝はともかく、さいたま市大宮区という響きからはあまりサッカーどころ感はない。お隣の、さいたま市浦和区が埼玉県のサッカーどころ感を代表している。お隣さんの方が…ということなら、藤枝も、藤枝市よりは磐田市の方がサッカーチームのホームタウン感は強い。そういう意味では“サッカーどころのお隣さん”ダービーなのか?
っていうのでは余りにも失礼なので他にも共通点を探す。藤枝にはMYFCができる前、中央防犯ブルックスがありましたね。紆余曲折あってアビスパ福岡になってしまいましたけど。それに対してアルディージャはついこの前までNTT東日本サッカー部だった。どちらもセキュリティ意識が高そうですよね。藤枝については物理的な防犯意識、アルディージャについてはネットセキュリティ。という側面を強調して“防犯意識高そう”ダービーということにしておきましょう。

□サイクルの開始と終盤
さて、浜松からの高速バスで乗り込んできた?藤枝ですが、ここ5試合の成績は1勝1分3敗、順位としては降格圏も視野に入ってしまう15位。予算規模的にはJ3に停滞してもおかしくないクラブをJ2に引き上げた名将須藤ですが、正直、そろそろ1つのサイクルが終わりつつあるなかな?とも思えたりします。少しフロンターレ末期の鬼木さんと近い雰囲気がないでもない。サッカーの場合、長くて5〜6年で一周期とされますしね。
迎え撃つアルディージャのここ5試合は2勝0分3敗。順位は再びプレーオフ進出圏に上がってきて6位。長澤さんの最後3試合が3連敗だったのに対して宮沢悠生新監督が就任してからは連勝です。宮沢悠生名将説が早くも唱えられつつあるのかどうかは知りませんが、息を吹き返そうとしています。長澤さん時代とスタメンの顔ぶれそのものは大きくは変わってないですが、並びが変わったんですかね?注目したいところです。

アルディージャが先制
というわけでピッチに目を移します。まずは藤枝ですが、一瞬、「うん?浅倉が右ワイドにコンバートされたの?」と思ってしまった。そして榊原がシャドーで出ているのかと思ってしまった。というのも、浅倉といえば金髪じゃないですか?金髪が浅倉で、黒髪が榊原なのかと思いきや、浅倉は黒髪で榊原が金髪だったよ。ゆえに実際は浅倉がシャドーで、榊原が右ワイドだったわけですが。榊原は前々から金髪だったのかしら?
一方の大宮ですが、中盤ダイヤモンドの442なんですね。小島がアンカー。シルバがボランチの位置に落ちたりするし、泉は高い位置のアウトに張っているので、谷内田をトップ下とする4213みたいになる時間帯も多かった。とはいえ、基本は2トップ+トップ下ですから、もはや4ー4の2ラインでブロックは作りま宣言。ポジショナル全盛の現在において、特に前半は2ラインを作る機会なんてそもそもないですしね。
ともあれ前半の攻防ですが、なかなかのヒートアップ。ヒートアップの発信源はたいていにおいてアルトゥールシルバ。須藤監督が煽ってる感もありましたけど、とにもかくにもアルトゥールシルバがヒートアップ。でもシルバがそれくらいの方がアルディージャ的には良いらしい。小島がボールを運んで泉がクロス、サンデーが折り返して豊川が決めるという最高の形でアルディージャが先制し、ハーフタイムを迎えました。

アルディージャが逃げ切り
藤枝は後半の開始とともに金子から杉田にスイッチしました。ハードワーカー金子が、自らが先鞭を付けて走り回る、自分発信型の選手であるのに対し、杉田は周りが動いてから自分の動き方を調整するバランサータイプ。どっちが良いとか悪いとかって話ではないですが、この日の藤枝には杉田タイプが必要だったらしい。がぜんボールの回りが良くなります。
とはいえ大宮の堅守は崩れない。中心にいたのはGKの笠原。この選手は経験豊富ですね。守備陣を盛り立てるのがとても上手。味方の選手が、お世辞にも流麗とはいえない方法でクリアしたりしても、すぐさま全力の拍手で労をねぎらう。味方の守備陣ものってくるという話です。逆に藤枝としては何度も何度もコーナーキックを得ながらも、どうしてもゴールラインを割れない。ちなみに藤枝のコーナーキックではCFの矢村がコーナー外で構えていて、そこは少し特徴的かもしれません。
割り切って逃げ切りモードになった宮沢監督はトップ下にベテランの和田さんを投入する。これは妙手。高い位置でのバランスを整えることでボールを自陣から遠ざける。素晴らしい采配でしたね。そして、もう一つ特筆すべきは試合終盤になってもアルディージャの中盤におけるポジショニングが乱れなかったこと。攻め急ぐ藤枝の中央突破縦パスを「飛んで火に入る夏の虫♪」と言わんばかりにパスカットするシーンが多く見られました。アルディージャが再現性のある逃げ切り勝ちを収めたと言えるでしょう。