□東京駅のあっちとこっちダービー
いやあ、ついに大宮レッドブルズが爆誕することに、あいなりましたね。「爆誕する、爆誕する」とは聞いていたが、まさか本当に爆誕するとは。レッドブルグループのお作法に則ってチームカラーも変えちゃうんですかね?たぶんそんな強硬策は採らないんじゃないかと期待しますけど、なんせ外資ですから、「その辺は空気を読んで!」が通じないかもしれない。そうなれば、浦和とは仁義なき“赤”戦争です。赤いヘルメットとかかぶり出さないことを祈るのみ。
一応、三菱からは独立した組織になっているんですよね、レッズって。とはいえ旧財閥的カルチャーは残っているでしょうから、まさにレッドブルズとはイデオロギー闘争。かつてサッカー界では三菱(レッズ)、古河(ジェフ)、日立(レイソル)が“丸ノ内御三家”と称されていたと聞きますし。「そう考えると、ヤンマーもそうじゃん?」とか思いましたが、かつては格安高速バス乗り場、近年は最新鋭オシャレビルとなったヤンマービルは丸ノ内ではなく八重洲側でした。
□中位対決
さて、ディーゼルエンジンの動かす力で乗り込んできた?セレッソですが、ここ5試合の成績は2勝1敗2分で、順位は9位。可もなく不可もなくって雰囲気。とはいえ直近3試合に限定すれば2勝1分。リーグも終盤を迎えたところで再び上昇気流に乗ってきたということでしょうか。最近のスタメン情報をチラッと見たら、「必殺!6人の日本人選手が汗をかいて、4人の外国籍選手で点を取る!!」作戦はやめたらしい。
迎え撃つレッズですが、ここ5試合は1勝2分2敗で順位は13位。ヘグモさんからスコルジャさんに監督交代しましたけど、それだけで急上昇するほど甘くはないってことでしょう。ヘグモさんも成績だけみれば途中解任するほどではなかったですよね。勝手なイメージですけど、なんとなく日本人には近づきがたいオーラを漂わせていた印象があります。結局そういうところが求心力に影響したのかな?監督が途中解任されるかどうかって、外野からでは判断できない、“選手からの求心力”って部分がまあまあ大きそうですし。
□レッズの低調
というわけでピッチに目を移します。まず、セレッソですが、マテウスがいましたよ、ローター・マテウスが。ピンクのチームに、ローターが。リベロ=3CB中央で10番を背負う選手。田中駿汰が3CB中央での起用だったんですよね。チーム全体としてのスタイルはポジショナルというより日本古来から伝わるボランチが縦パスを入れていくサッカー。田中が3CB中央に構えることで5バックで5レーンに対応しつつ、第3のボランチとしてボールを回していくという狙いでしょうか。
一方のレッズはセンターハーフが原口・渡邉凌磨・安居という3人。なんか誰がボランチで誰がトップ下でも変わりがなさそうだし、正三角形でも逆三角形でも、どちらでもいけそう。スタイルとしてはポジショナルなのですが、せっかく相手を剥がして縦に入れたり、あるいはストーミングでボールを奪っても、そこからもたつきます。ポジショナルでそれはけっこう致命的。スコルジャになってからサンタナではなくリンセンが使われていた理由はそういうところにあるのかな?サンタナはセレッソみたいなサッカーの方が合いそう。
ともあれ前半の攻防ですが、序盤はレッズが押し込んでいたんですけどねえ。少しずつセレッソに対応されるようになると、コーナーキックを為田に足で合わされてしまって失点です。で、それからは、どちらかというとセレッソが相手陣内で試合を進めるようになる。レッズのチャンスが全くないわけではなく、セレッソも「これが浪速のいてこましじゃ!」ってモードに持ち込めていたわけでもないのですが、総じて相対的にレッズがより低調な前半となりました。
□セレッソ逃げ切り
後半になるとレッズは息を吹き返す。息を吹き返すって程ではないてすが、おそらくスコルジャが選手にやらせたいのであろう動きを、選手が実行するようになる。簡単にいうと、ボールを受けた選手が、「このパターンのときはそこを相手が空けているはず」というレーンに向き直す動きするようになった。ただ、それでもポジショナルな必殺フィードは出ない。思うに、佐藤&井上の両CBのフィード力の問題かもしれません。彼らは各駅停車のパスに終始していましたので。
受けに回ったセレッソは前線でレオセアラが孤軍奮闘。どれくらい孤軍奮闘していたかというと、勢い余ってラインズマンにぶつかって倒れかけてしまうくらいに孤軍奮闘。本当はCFが孤軍奮闘しているように見えているようじゃダメなんですよね。正直、前後半を通じて、セレッソにこれといった連動性は、ほとんど見られませんでした。「こういう攻撃を再現性高く繰り返したいのだな」ってのが伝わってこなかったです。
追いつかなければならないレッズは、大量にベンチ入りしていたアタッカー陣を矢継ぎ早に投入。なかでも中島が入ったことの影響は、それなりにあったように思います。彼はポジションを時に捨てるので、その分だけ相手のマークがズレる。結果として右サイドにスペースが作れていましたが、セレッソの堅守を崩すには至らない。逆にセレッソは時間稼ぎキープが上手かった。これだけは連動していた。最終盤はレッズも攻め手を失い、セレッソが逃げ切りを成功させましたとさ。