□〝○田の○田〟と〝○山の○山〟ダービー
ご存知の通り町田を率いているのは名将の誉れ高い黒田さん。アンチもとても多い人。どちらかというと熱心にスタジアムで観戦するサポーターよりも、ニュースでチェックするタイプのサポーターから目の敵にされてるイメージがあります。対する岡山を率いているのは、こちらも名将としてJリーグサポには知られている木山さん。こちらはあまりアンチはいない感じですかね。ニュースでチェックするだけタイプのサポーターからは認知されていない可能性がある。
このお二人の法則性、わかります?町田の黒田と岡山の木山。そう〝○田の○田〟と〝○山の○山〟なんですよね。これはつまり、エスパルスを鑓水さんが率いていたり、アビスパを高岡さんが率いていたり、名古屋を根古屋さんが率いていたり、鹿児島ユナイテッドを広島さんが率いていたり、ヴォルティスを鹿島さんが率いていたりするのと同じですね。それくらいしか思い浮かばなかったということですね。
□堅調対決
さて、東海道新幹線を新横浜で降りてから横浜線で乗り込んできた?ファジアーノですが、リーグ戦ここ5試合の成績は1勝1分3敗で少し負けがこんできました。それでも順位は12位。J1ルーキーとしては十分に快進撃といえる成績です。それほど大がかりな補強をしたわけではないですけど、現場とフロントがしっかり意思疎通しつつ、必要な補強を着実に積み重ねているということでしょう。そういうところは、J2の頃から岡山はずっとそう。
迎え撃つゼルビアのここ5試合は1勝3分1敗。順位は5位。こちらも成績的には優勝争いをしていて十分に及第点なのですが、J1ルーキーだった昨シーズンがあまりにも鮮烈だったため、調子が良いのかそうでもないのか、イマイチよくわからないまま今シーズンここまできてます。なかなかの大型補強を繰り返したなかでの停滞(と言って良いのかな?)ですから、ミョンヒさんが転出したことの影響もあるんですかね?
□ターゲットマンサッカー同士
というわけでピッチに目を移します。まずはファジアーノですが、一言で述べれば「一美をめがけて蹴り出すサッカー」です。ノーリスクが最優先。ポジショナル的に相手を引きつけてスペースを意識的に作らせるようなことはしない。オールドクラシックな縦ポンスタイル。まあ、「えいやっ!」って雑に蹴るのではなく、一応、一美を狙っていることはわかるので、狙いのあるサッカーではある。それから最小手数でシュートまで行こうという意志も統一されている。
一方のゼルビアは序盤からデュークのポストワークがエレガント。特にロングボールをダイレクトにヒールで落とすプレーは、エンタメ性が高かった。あと彼はヘディングで左右につなげるプレーも好きなんですね、何回かありました。ということは、町田もターゲットマンを置くサッカーということです。とはいえ岡山に比べると自分たちの意図で相手を動かすというプレーも多かった。守備でのスペースの埋め方も、考え方はポジショナルなのかな?
ともあれ前半の攻防ですが、ゼルビアの方が多くチャンスを作っていた。印象的だったのは、サイドからのクロスが跳ね返ったところにボランチ(主に下田)が突っ込んでいくというプレーが複数回あったこと。ボランチでいえば岡山の側にはアクシデントが発生。田部井が前半のうちに負傷交代。神谷が投入されます。神谷が入ったことで、ボールを握る機会は増えましたが、それが吉とでるか凶と出るか。後半次第ですね。
□最後は地力の差
後半の開始とともにファジアーノはルカオを投入。一美の出来が悪かったという印象は受けませんでしたので、全体的に劣勢のなかで点を取るとすればパルプンテを起こすしかないという決断だったかもしれません。対するゼルビアもCFを入れ替え。オセフンが送り込まれます。デュークも個としては悪くなかったと思いますが、シャドーとの関係性という部分ですかね。たぶんオセフンとナサンホの意思疎通は円滑そうだし。
後半に入っても引き締まった良い試合でした。スコアやシュート数とは裏腹に、決して塩試合ではない。映像で見たら塩試合だったかもしれませんが、オフザボールの場面で両チームとも素敵だった。ファジアーノは気合と根性。とにかく走る。誰もサボらない。走るべき時に必ず走る姿が素敵。そしてゼルビアは全体のオーガナイズですね。こぼれ球は必ずゼルビアにこぼれる。つまり全員が正しくポジショニングしている。いるべき場所に必ずいる姿が素敵。
とはいえ、走りとポジショニングの戦いになると、当然、走らされる側が不利。ファジアーノは疲れます。脚を攣ります。それでもブローダーセンがスーパーセーブを連発してどうにかスコアレスを維持していましたが、最後の最後、ラストプレーで昌子の決勝ゴールを許してしまいました。これについては、直前に桑山を入れた黒田監督のファインプレー。長身選手がさらに増えたことで、いよいよ岡山は競りあえる選手の頭数が不足し、マークに突き切れなくなった。だから昌司がフリーになった。つまりは地力の差が表出した試合だったかもと言えるでしょう。