1年生と2年生の違い〜SC相模原vsAC長野パルセイロ(4/15)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□夢の超特急ダービー

今から25年ほど前、長野オリンピックってのが開催されまして、スキージャンプの原田が「ふなきぃぃ〜」とか祈ったりしておりました。オリンピックだから民放各局がテーマソングを流すのですが、当時お台場に移転した直後だったことも相まって、フジテレビは「湾岸スキーヤー」という曲をテーマソングとした。秋元康が作詞で、歌っていたのは少年隊。現在でいうとV6が新曲を出す感じなので「今さら少年隊??」ってのにビビったわけですが、それ以上に「〝スキーヤー〟って言葉を使っていること以外、歌詞にオリンピック要素が皆無やないかい⁈」ってのに度肝を抜かれた。

このあたり、まだバブル気分が抜けてなかったトレンディテレビ局の〝時代に付いていけてない感〟を否定できなかったわけですが、ともあれ長野オリンピックに合わせて開通したのが長野新幹線です。で、相模原にはサグラダファミリアレベルにいつまで経っても完成しないリニアモーターカーの駅ができるらしいので、この対決は夢の超特急ダービーということになるのです。

 

□爆発力(希望的観測)と人懐っこさ

今シーズンここまでの相模原は戸田新監督の戦術が浸透している最中といった様相。3月4日の鳥取戦を観戦した印象では「ちゃんとルールをもって組織的にやっているが、成熟度は足りない」って雰囲気でした。DeNAサッカー部になってからビッグネームよりも動ける選手を多く揃えるようになったので、歯車が噛み合い出せば大化けする爆発力はあるかもしれません。

対する長野はシュタルフ監督(通称リヒャルト)が2年目のシーズンを率いています。どうなんですかね、リヒャルト、更生しました?相変わらずモンスタークレイマーとして口汚く審判を罵っているのでしょうか??YS横浜時代は人懐っこい船橋コミュ力でどうにか審判団や相手チームを宥めていましたけど、今でもその構図は不変なのか、それを確かめることも、この試合における密かなミッションの一つでした。

 

□相模原がわずかに優勢?

さて、オンザピッチ。相模原は安藤がワントップでしたね。で、トップ下が佐相。スペック的には逆っぽいですけど、全体の機能性を求めると、こうなるのかもしれません。ディフェンスは4枚で、全体としては4231だったと思いますが、守備時にはWボランチの片方がCBとSBの間のレーンに入るので5枚っぽくも見える。長野の5レーン対策でしょう。

一方の長野は宮阪をアンカーに置いたシステムで、5131と説明するのが最もわかりやすいでしょうか。西村恭史がトップ下というか前線というか。Wボランチの片方がアンカーで片方がトップ下にいる状態を常態化させたイメージです。西村は大成すればポクバとか、日本なら福西みたいなボックストゥボックスの選手になれそう。

試合展開としては長野がポゼッション系のポジショナルを志向してボールを大切にしながら全体を押し上げていく。同じくポジショナルな相模原は、それを虎視眈々とひっくり返していく。守備時の5レーン化といい、自らもポジショナルを探求しているであろう戸田監督的には「5レーンのポジショナルで攻めてくる相手には、こう対応すれば良い」ってのがある程度整理整頓されているかもしれません。総じて前半は長野(シュタルフ監督)より相模原(戸田監督)の方がストレスフリーな雰囲気でした。となれば必然的にリヒャルトは八つ当たり気味に審判に対してブチ切れ続けることになりますね、ええ、ええ。

 

□最後は長野が地力を見せつける

前半は僅かながら相模原ペースに思えたのですが、後半になって先制したのは、劣勢(ってほどではないにせよ)だった長野。まあ、後付けの説明になりますけど、確かにセットプレーについては、終始長野のクオリティが高かった。得点直前のFKとか。で、この得点を境に試合の構図が正反対になります。すなわち、相模原がボールを持って相手ゴールに迫り、長野がそれを裏返してカウンターを仕掛ける、という構図です。

追いかける展開となった相模原ですが、どうにも攻撃のギアが上がらない。見受けられた要因は二つ。一つは選手個々の頭と身体の体力消耗により、チームとしての機能性が低下したことですね。前半のようなオートマチズムというか、相手のパスをまんまとカットするという場面が減りました。二つ目はジョーカー的に投入したカルロスがジョーカーというよりもピエロ(とまで言ってしまうと失礼ですが)だった点。上手く試合に入れなかったというか、チームの連動性とシンクロできてませんでした。

総括的に述べるならば、相模原は言っても戸田革命(?)初年度の1年生だけあって、まだまだ考えながらプレーしていて、ポジショナルの動き方が血肉化していない。だから頭が疲弊するとガタンときますし、ギアアップも難しい。逆にモンスタークレイマーであることを除けば優秀な指導者であるリヒャルトに丸一年とちょっと仕込まれた長野は、戦術が血肉化している。だから試合後半になってもオーソライズやらバランスやらは乱れない。長野のコーチや佐藤はベンチで無駄にエキサイトしていましたが、試合そのものは長野が余裕で逃げ切った、そういう内容だったと思われます。