□逆湘北ダービー
ワタクシ、節分前に年間スケジュールが発表されると、しばらくそれとにらめっこしながら年間観戦予定を組み立てます。シーズンが始まると2月の時点で立てた予定を粛々と履行していく感じ。それにしても、想像力が欠如していた。予定を組み立てた時点で、まさか降格が決まったチーム同士になっているとは、全く想定できず。予算規模を踏まえれば可能性として十分にありえたはずなんですけどね。近年の健闘ぶりに油断してしまった。
別に野次馬として見に行くわけではないですよ。厳密には、ワタクシの場合、特定のクラブを贔屓にすることもなく、20年以上にわたって毎年Jリーグ全チームを見るってミッションを趣味としてきたものでして、この試合に限らず、全ての試合が野次馬とも言える。ともあれ、こうなってしまえば、逆湘北状態になってもらいたい。凄い試合をしてスーパー大殊勲のあとにあっさり負けた湘北の逆、あっさり負けた後に凄い試合をしてくれ。
□監督を代えたチームと代えなかったチーム
さて、高崎から湘南新宿ラインで乗り込んできた?アルビレックス。降格の影響は避けられず、新幹線など使わせてもらえてない、使わせてもらえたとしても越後湯沢までしか使わせてもらえてないに違いないのです。そんなアルビレックスのここ5試合は0勝3分2敗。勝ち点は23でビリ。東海地方出身者的にはドベ。とはいえ、5試合で見れば負け数を引き分け数が上回っているのか。愛媛もそうですけど、しっかり後釜を用意せずにシーズン途中に内部昇格させるのは、監督交代をしないこと以上にリスクなのかも。
迎え撃つベルマーレのここ5試合は0勝1分4敗。勝ち点は26でブービー。パーマンの仲間。ここ数年はちょいちょいネットの掲示板とかも見てしまっていたのですが、さすがに疲れてきた。予算規模を考えれば山口監督は大奮闘してきた。また、やってるサッカーもポジショナル方向の、現代のトレンドに沿ったスタイリッシュなサッカーをやっている。けれども、いまだにポジショナル脳ではなくポゼッション脳のまま「ポゼッションは時代遅れ」とか言いだしてる手合いに批判されている。ポゼッションを評価軸にしている時点でもはや前時代的なのですが、そういう価値観であれこれ言われる山口監督に同情を禁じ得ない。
□サバンナの朝は早い、新潟のアクチャルは長い
というわけでピッチに目を移します。まずはアルビレックスですが、事前の評判と寸分違わないショートパスサッカー。良くも悪くも白井と長谷川というボランチコンビの“止める”“蹴る”が際立つスタイルです。相手のラインなりブロックが整ったら割り切ってシュートかクロスで終わるってやり方が支配的になりつつある昨今、ショートパスを後ろに戻してやり直すサッカーです。結果、アクチャルプレーイングタイムが超長い。新潟が持つとプレーが途切れない。別に褒めてはない。
一方のベルマーレはキックオフ直後は松村のところがもどかしかった。裏返しのパスを出さないんですよね。「鈴木淳之介との差かな?」とも思われましたが、左はWBのところで作って、右はWBを走らせるというカタチなんでしょうかね。右の太田は走りまくっていましたし。全体的には5レーンではあるけどポジショナルではないのかも。ストーミング&裏返しというより、ストーミング&足下崩しって感じもありました。
ともあれ前半の攻防ですが、ベルマーレにとっては、想定しうる最高の45分でした。2点も取ったんだから。先制点は低い位置でこねくりまわす新潟の習性を突いてフォアプレス。引っ掛けてショートカウンターを鈴木章人が決めました。文字通りのおあつらえ向き。さらにボールを持つと人数を前線にかけまくる新潟の習性を突いて二田がカウンターで爆走。一気に相手を裏返すと最後は平岡が決めました。新潟サポーターのブーイングに包まれながらハーフタイムを迎えます。
□湘南イケイケ
さて後半ですが、しばらくはなぜかリードしている側のベルマーレがむしろポゼッションするという謎の展開。別にこれはアルビレックスが敢えて相手にボールを持たせたとか、そういうことではないらしい。その証拠にベルマーレが追加点を奪ってしまう。狙い澄ました小野瀬のファインショットが、横っ跳びした新潟GK田代をあざ笑うかのようにネットに吸い込まれました。ここで試合の大勢は決します。ゲームから緊張感が失われました。
それでもどうにかしようとアルビレックス入江監督は56分に魂の3枚替えを敢行。前半のうちに島村からモラエスへのスイッチもしていたので60分までに4枚のカードを切った。これで長谷川と白井が縦関係になって、少し攻撃に迫力が増します。それでもどうにも長谷川の孤軍奮闘感を否めない。そんな中でベルマーレに4点目。鈴木章人の2点目が決まります。この時間帯のベルマーレは何をやっても上手くいくモード。
象徴的だったのはベルマーレの5目ですね。直前に投入されたばかりの奥野がスーパーミドルを叩き込みました。もうね、余裕綽々なものだから、肩に全く力が入らない綺麗なフォームから、それはそれはビューティフルなシュートが決まりましたよ。逆に新潟は選手交代の度に烏合の衆のようになっていった。個人での打開とか、出し手と受け手の2人によるコンビネーションは悪くなくて、実際に一矢どころか二矢報いたわけですけど、それでも、いわゆる“3人目の動き”みたいなものは見られなかったように思います。湘南がホームで圧縮しましたとさ。