押し込まれる局面での方法論〜SC相模原vsAC長野パルセイロ(9/6)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□ニアミスダービーではあるが

この対決は考えるまでもなくシュタルフダービーなのですが、このブログで粘着しまくりながら述べてきたように、ワタクシ、シュタルフが苦手です。試合中の立ち居振る舞いがあまりにも見苦しい。おそらく彼の母国では是とされるのかもしれませんが、日本ではそれは非とされる。試合中の見苦しさよりも、「郷に入っては郷に従え」という日本社会に対するリスペクトの無さが苦手なのかもしれません。

ということで他にダービー要素を調べてみる。なんか両クラブに所属歴がある選手は少なくなさそう、、、と思いきや、YSCCと長野の両方に所属した選手は多い。相模原と松本の両方に所属した選手も多い。けれども相模原と長野の両方に所属した選手はさほど多くない。現長野で相模原所属歴があるのは長谷川とか浮田とか、現相模原で長野所属歴があるのは常田とか高木彰人とか。そういう意味ではニアミスダービーということで良いでしょう。

 

□立ち位置にはそれなりの差

さて、「しなの」で松本まで移動し、「あずさ」に乗り換え八王子・橋本経由で横浜線・相模線を乗り継いで乗り込んできた?パルセイロですが、ここ5試合の成績は1勝1分3敗で、順位は18位。唯一勝ったのは松本とのダービー。信州勢の苦戦が示唆されます。監督は藤本主税。熊本から引き抜かれた形ですが、スポナビアプリによると大木さん仕込みの3313ではなく3421の模様。監督1年生、絶賛七転八倒中です。

迎え撃つ相模原はリーグ戦ここ5試合の成績は4勝0分1敗で9位まで順位を上げてきました。天皇杯での戦いぶりも記憶に新しいところ。つまりは絶好調。このブログで粘着しまくりながら述べてきてますが、ワタクシ、シュタルフの手腕は評価しているのです。いまだいろんな掲示板とかコメント欄とかで「ポゼッションか、そうでないか」みたいな軸で語られがちですが、もはやサッカー界に「ポゼッション」なんて軸はない。ポジショナルかストーミングかそれ以外かであって、その軸さえ陳腐化している。って中でYSCC時代からポジショナルを駆使してきたシュタルフ、相模原にもシュタルフ的ポジショナルが浸透しつつあるのでしょう。

 

□強風の一進一退

というわけでピッチに目を移します。まずはパルセイロですが、基本的にはワイドを裏返すか、CFにポストをさせるスタイル。相手陣内で攻撃のフェーズに入ると、結構グランダーのアーリーで中央にドンドン突き刺していきますね。サイドで作って真ん中で作り直して中央突破、みたいな。攻撃はそれなりに魅力的。守備はやや危ういのかな。前半はゼロで押さえましたが、アフター気味に抱きついていくディフェンスが目に付きました。イエローが前半だけで3枚も出たし。

一方の相模原は島川がアンカーですね。システム的には島川と徳永のダブルボランチってことになってるようですが、徳永と中山のISHコンビみたいな雰囲気になることも。そして相変わらずシュタルフのチームは陣地回復がうまい。気がつけば押し戻している。特にドリブルでの陣地回復が目立ちました。ドリブルのコースを見つけるのが上手い。というよりも、そのコースにドリブルできるよう、受ける前に確認してからトラップできているということなのかもしれません。

ともあれ前半の攻防ですが、トータルとして見れば一進一退でしたが、わりとピッチと平行に近い角度でしっかりめの風が吹いていたので、長野としては風上のうちにスコアを動かしたかったかも。という意味では相模原の方が優位に立ったと言えたかもしれません。ともあれスコアレスでハーフタイムを迎えます。

 

□積み上げてきたものの差かな?

後半になって、まあまあ早めの時間帯にスコアは動きました。右利きの右SBから逆足の左WBへとコンバートされた河野のクロスから右SB西久保がねじ込みました。いやあ、幅を使った見事な攻撃。追いかけなければならなくなった藤本監督は、すぐさまジョーカー(なのかな?)藤川虎太郎を投入。山中とのダブルムービングシャドーで打開を図ります。

ここからは長野が攻め立てる。リードされたら自動的にそういう展開になる。つまり長野が意図的に作れた流れではないのですが、それでも長谷川を中心に焦れないパスワークを披露します。左右に揺さぶりながら相手の隙を窺うと、相模原があげた先制点のサイド左右を入れ替えたようなクロスから、最後は進が押し込んで同点とします。ただ、長野はここからが悪かった。同点になったことで相模原が攻勢に出ると、防戦一方でそこから抜け出す方法論を持てなかった。

逆に相模原はシュタルフ魂の3枚替えで投入された福井が「サイドは同じく投入された高野に任せるぜ!」とばかりに中央でアクセントととして利きまくり。藤本監督もどうにか中央の強度を高めようと魂の2枚替えを仕掛けますが、これが裏目。なぜかパルセイロは一瞬だけ特攻モードになって、まんまと相模原に裏を攻略されました。高野が決めて勝ち越すと、すかさずシュタルフは田鎖を投入して守りきるためのメッセージを送る。同点になった後、押し込まれると手も足も出なくなったパルセイロとは好対照です。この試合の明暗を分けたのは、守らざるをえない局面での方法論を持ったか否かの差だったのではないかと思われます。

田村翔太が胸に熱い〜栃木SCvs奈良クラブ(8/30)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□JRと私鉄の駅の距離感が似ているダービー

栃木と奈良、、、どちらも海無し県ですね。必然的に山あいの土地柄。まだ栃木県は東京寄りの栃木市のみならず宇都宮市くらいまでは平野多めで、それより遠くが果てしない山間部ですけど、奈良の場合は最北端で京都大阪寄りの奈良市を越えると、もはや永遠に一生果てしない山間部。また、栃木の場合、果てしない山間部に観光都市・日光があるので、栃木の方が山奥感は薄いですかね。

そんな栃木県の県庁所在地は宇都宮市、宇都宮といえばJRの宇都宮駅東武宇都宮駅の距離が微妙に離れていて鬱陶しいことで全国に名を馳せてます。いや、馳せてはない。認識しているのは多くが地元民でしょう。ただ、実は県庁所在地のJR駅と私鉄駅の距離が微妙に離れているという点では奈良も同じなんですね。JR奈良駅から近鉄奈良駅って、まあまあ鬱陶しい。違いといえば、宇都宮はJR駅がメインなのに対し、奈良は近鉄駅がメインなことくらいでしょうか。

 

□直近悪くない対決

さて、近鉄特急で京都に出て、新幹線で東京、さらにはスペーシアで乗り込んできた?奈良クラブは、ここ5試合3勝1分1敗で順位は6位。上々ですかね。小田切さんに監督が代わってからは5勝2分3敗のようです。やはり上々。それにしても前監督の中田一三氏は残念ですねえ。ペルソナ時代から、どうにも自分の正義が前のめってしまう。四中工のレジェンドなので頑張ってもらいたい気持ちは山々なのですが。

迎え撃つ栃木SCの成績は、ここ5試合で3勝0分2敗で順位としては9位。降格組としては物足りないですが、J2経験チームは軒並み苦戦してますからね。そんな中で直近は3連勝。3連勝した相手は沼津、群馬、栃木シティ。今シーズン低空飛行の沼津はともかく、同じ北関東のライバルである群馬と栃木シティを破ったことは勢いに繋がるでしょう。しかも小林監督に加えて樹森さんという頼りになるコーチも獲得した。期待したいですね。

 

□(ほぼ)442対決

というわけでピッチに目を移します。まずは奈良クラブですが、最終ラインが鈴木大誠・澤田雄大・奥田雄大+ユイェチャンという並び。雄大と大誠と雄大、、、やっぱ名前に“大”ってあると、身長が高くなんですかね??なんてアホな感想は措いといて、システムは4231だったのかな?前線は百田と中島賢星のペアだったんですけど、相手が4バック&2ボランチだったこともあり、必然的に守備時は横並びになっていることが多かったんで442と言えなくもなかった。

一方の栃木SCは、すっかりJ3のチームになりましたね。何がJ3かというと先発の面々。おったまげるほど若い。太田・吉野・岩崎・大森が大卒ルーキー。ね、J3っぽいでしょ。しかも五十嵐は大卒ルーキーと同い年で青島と川名は大卒2年目。まさにJ3。システムはスポナビアプリでは3421予想だったんですけど、実際はコバさんの代名詞とも言える442。キックオフ当初は川名が最終ラインまで落ちることもあったような気がしないでもないですが、気がつけば442。

ともあれ前半の攻防ですが、川名のカットインゴラッソで栃木SCが先制します。WBではなくSHに配置したコバさん采配ズバリといったところでしょうか。追いかける奈良クラブは小田切的パスサッカー。もうねゴリゴリのパスサッカー。何度も鮮やかなパスワークが発揮されてましたよ。パスサッカーって響きだけで条件反射的に「プププ(笑)」ってなる人も増えてきた今日この頃ですが、でもやっぱりパスワークが発動すると爽快感がありますね。

 

□田村翔太vsオタボー&矢野貴章

後半も追いかける奈良クラブが攻めまくる。ハーフコート状態。ただ前半とは違って繋ぎ倒すというより、最少手数を意識しているような感じ。そんな中で光ったのがユイェチャンの左足。アーリークロスの球質が良かったかと思われます。あまりエグって折り返すという感じではなかったので、ってことは本来は守備軸足なのか?

ともあれ防戦一方の栃木SCは守備の耐久力を上げるという方策を選択。まずは攻撃型SBの福森に代えて守備職人の高橋を入れる。さらに苦し紛れのロングボールでも何かを起こせそうなオタボーを前線に投入しました。対する奈良クラブはそれと同じタイミングで田村翔太というカードを切ります。た、田村翔太⁈うそん、いつの間にかJリーガーに返り咲いていたのか。四中工が全国準優勝したときの、浅野・田村の田村ですよ。浅野は浅野拓磨。しかも高校時代と同じ17番(四中工のエースナンバー)を付けてる。これは熱い。そして、その田村翔太が同点ゴールを決めるんですよ。最終ラインとの駆け引きから一瞬のスピードで裏を取って流し込んだ、まさに浅野・田村なゴール。泣けてくる。調べてみたら今シーズン6点目(!)だらしい。知らないうちに完全復権じゃないか。

他方、今度は勝ち越しを目指さなくてはならなくなった栃木SCは気がつけばオタボー&矢野貴章という、なんだかワクワクする2トップになっていた。実際にいくつか良い形もあったんですけどスコアを動かすには至らず、同点のままタイムアップを迎えたとさ。

 

開始10分で終了〜FC東京vs京都サンガ(8/24)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□花の都ダービー

何年か前、喜寿を迎えようとする母が母方の親族と東京に来ることがありました。その時に案内して最も喜んでくれたのが赤坂迎賓館。いくつになってもやっぱり女性は華やかな光景が好き。で、迎賓館といえば京都にもあるんですよね、しかも京都御所の中に。いわゆる御所(土御門御所と言うらしい)の他に仙洞御所ってのがあって、それに加えて迎賓館がある。こちらの迎賓館は21世紀、とゅうぇにーわんせんちゅりーになってからできたそう。

なぜ京都と東京に迎賓館があるかというと、そりゃ外国の貴賓がたくさん来るから。貴であり賓である人を迎えるから迎賓館。いつかは自分に向かって使って欲しい言葉、それが“賓”。宝くじ一発で金持ちにはなれても、品格が備わる可能性は限りなくゼロなんで、決して自分に向かって使われないであろう言葉、それが“賓”。ともあれ、なぜ外国の賓客がたくさん来るかといえば、歴史上の伝統的な都と、現在の都(京)だから。死にたいくらいに憧れる花の都なのですね。つまりはこの一戦は花の都ダービーなのです。

 

□直近好調対決

さて、のぞみ一択で乗り込んできた?サンガですが、快調です。ここ5試合の成績は4勝1分0敗で今朝の暫定順位は6位ですが、前節終了時は首位でございました。毀誉褒貶あるチョウ・キジェ監督ですけど、まあ、「ある人にとって不快に感じたらそれはハラスメントだ」って言いだしたら、社会で生きていく上で、というか人と人とが関係性を持って生きていくのであれば、不快な思いをすることも、また、させることも、そんなことは日常茶飯事ですからね。そういうことですよね。

迎え撃つFC東京はここ5試合、2勝2分1敗。順位も少し上げて14位。シーズントータルでは決して良い成績ではありませんが、クラブも生き物、良いときもあれば、悪いときもある。新監督とチームとの擦り合わせに時間がかかることも、そりゃ当然あるわけで、「世の中そうそう良いことばかりじゃないわね」という人生経験を積んだ達人サポーターたちは、ある程度悟りの境地にあるのかもしれません。

 

□京都の大量リード

というわけでピッチに目を移します。まずはサンガですが、中盤は福岡アンカーに平戸と武田将平。なんとなくチョウ監督率いるサンガが好調のときは武田が先発できているときのような気もする。そんなチョウサッカーの真髄は「人ではなく場所にボールを出す」。考え方としてはポジショナルですが、綿密な配置ではなく気合と根性と運動量でスペースに出されたボールに追いつこうというのが日本のガラパゴス性でしょうか。

一方のFC東京は442で2列目に俵積田と野澤が入っている。FC東京のウイングってこんな若者中心のメンツでしたっけ?遠藤とか小柏とか佐藤ケインはどこに行った?というよりもけが人がめっちゃ多いのか?もちろん俵積田や野澤に文句があるわけでは決してないですけど。でも、多分けが人が多いですよね、室屋でなく長友が先発でしたし。442だと仲川がSHとして計算しづらいとかみたいな事情もあるんですかね?

ともあれ前半の攻防ですが、前半10分までに2回もPKを与えて、あっさり2点のリードを献上するってどういうこったい。1点目についてはバングーナガンデの個人的ミスですかね。落下点を見誤ってアフターでぶつかっていけば、そりゃPKだよ。2失点目は、その前のコーチングの段階で明らかに意思疎通がてきていなかったキム・スルギュとショルツのところのミス。こりゃアカン。前半ロスタイムには平戸のパーフェクトアーリークロスに鈴木が合わせて3点目。まさかの3ー0で折り返しました。

 

FC東京の大敗

さてハーフタイムがあけて後半開始となりますが京都の選手たちがなかなかピッチに戻ってこない。もはやこれも新手の時間稼ぎなんじゃないかというくらいの遅刻。FC東京サポーターからはブーイング。これは仕方ない。さすがのチョウ監督もペコペコします。そしてただでさえ遅れているなか、宮本はさらになかなかピッチに戻ってこない。これには主審のイバン・バルトンさんもブチ切れ。円陣を組むことを許しません。これも仕方ない。

ともあれ後半ももちろん追いかけるFC東京が攻めたてます。しかし、前半と同様に京都が固めるブロックの外周で躍らされている感じがしないでもない。ただ、FC東京もそれなりに立派なところはあって、ブロックの外周からのクロスでもなんだかんだで決定機を作るんですよね。おそらく、そういうトレーニングをしているんだと思います。ポゼッションでやる以上、最後はブロックをこじあけないといけない。その対策はしているということでしょう。

さらにFC東京には強力なWジョーカーもいる。マルセロ・ヒアンもマルコス・ギュレルメが登場します。投入直後は期待感も結構ぶち上がりました。しかしそれもやがて一段落すると、最後にもう一つの落とし穴。出しどころのない状況で無責任にボールを戻されたキム・スルギュが苦し紛れに東に出したところを奪われて、エリアスにハットトリックを許してしまいました。そりゃゾロゾロと観客も帰り出すわって話。というわけで、FC東京がコテンパンにやられたとさ。

サウザー発動せずも〜ジェフユナイテッド市原・千葉vs徳島ヴォルティス(8/16)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□打倒霧島ダービー

千葉と徳島、いやジェフとヴォルティス、それはJR東日本大塚製薬仁義なき戦い菅原文太松方弘樹はたまた梅宮辰夫も手に汗を握らずにはいられません。というのも今やJR東日本の小銭稼ぎに大きく貢献しているのが、キャップが本体にくっつき続けることでお馴染みのフロムアキュアです。ミネラルウォーターです。そしてミネラルウォーターとなれば大塚製薬の子会社である大塚食品も黙ってません。そうですね、クリスタルガイザーですね。

フロムアキュアとクリスタルガイザー、どっちが強い(つおい)のか。個人的には断然クリスタルガイザー。というのも、ワタクシ、日本人でありながら軟水が苦手という非国民なのです。味が苦手なのではありません。軟水を飲むと口の中のホッペの裏の筋肉が“キュッ”てなるんです。多少なりとも硬度が高ければその現象はなくなる。ゆえにフロムアキュアに比べて相対的に硬度が高いクリスタルガイザーがつおいのです。ちなみに、最強なのはファミマで売ってる2種類のミネラルウォーターのうちの緑の方、霧島の天然水です。

 

□2位3位のシックスポインター

さて、鳴門から高松まで移動し、ジェットスターで成田に降り立ったであろう?ヴォルティスは、ここ5試合で2勝2分1敗、順位は3位。昨シーズン後半以来、ヴォルティスといえばそのスーパー守備力。マジでスーパー。25節終了時の総失点が20チーム中唯一の10点台。しかもハイティーンではなくローティーンな13。中村あゆみであれば2人は出会った頃で、まだ初めてのキスも初めての朝も少しずつ溜息も覚えていない年齢です。

迎え撃つジェフのここ5試合は、2勝1分2敗。決して調子は良くない。お世辞にも昇格争いをするチームの勝ち点取得率ではない。にも関わらず順位は2位。25節終了時点の勝ち点が45で2位。要するにレベルが低い。とはいえ、ジェフ的にはありがたい状況。ここ2戦は連勝してます。日高の復帰が大きそう。そこにカルリーニョス・ジュニオが戻ってきて早速結果を出した。あとは田口がどれくらい先発で出続けるコンディションを維持できるかってところでしょうか。ともあれシックスポインターです。

 

ヴォルティスの術中?

というわけでピッチに目を移します。まずはヴォルティスですが、柳澤亘が左CBなんですね。柳澤といえば元ヴェルディの柳澤と同じ右SBで、柳澤という名字は右SBをやる決まりなのかと思ってましたが、左CBとかもできるのか。とはいえSBがCBする時の典型的パターンと違って、ガンガン上がったりは決してしない。もうね、ヴォルティス、見事なまでに“引き付けて裏返す”です。追い越す動きなんてするわけがない。

一方のジェフはレトロクラシックというか、なんというか。完全にポジショナルからは決別した模様。CBがボールを持つといったんDHに刺して戻して、少し上がったSBに逃がす。SBは少し持ち出してから大きくサイドチェンジ、みたいな。2トップは一方がカルリーニョスですから必然的に縦関係。縦関係というか、もはや4411どころか4231も通り越して4213にさえ見えた。カルリーニョスのフリーマンっぷりは効いていた。

ともあれ前半の攻防ですが、ジェフはWGのスピードずくで突破していく。相手が3バックなんでなおさらWG用のスペースがある。それらの刃が奏功して前半だけでヴォルティスDFは2枚のイエローを頂戴します。とはいえ高橋のシュートをヘッドで掻き出した山田が自チームサポに向けて咆哮したシーンに象徴されるようにクロスを上げさせてからのゴール前が堅い。そして前半終盤のジェフGKと1対1のシーンに象徴されるように虎視眈々力にも瞠目させられる。ある意味、ヴォルティスの術中にジェフがはまった前半45分だったかもしれません。

 

□ホセ劇場

後半に入ると、なぜか主審がコンタクトプレーに対して甘々になります。前半はそれなりに取ってたと思うのですが、後半は相手の裏抜けを肉弾ディフェンスで潰しても、ほぼ流されるようになった。そことの相性が悪かったジェフは徐々にリズムを乱す。逆にヴォルティスはバルセロスの個人技を起点として攻撃のスイッチが入ると、全体が湧き出るような波状攻撃を仕掛けたりするようになった。少しずつヴォルティスが優位に立つかと思われました。

しかし好事魔多しといいますか、ジェフとしてはビルドアップではなく珍しく早期回収からショートカウンターを発動させることに成功すると、そこからペナ内に進入すると、ショートレンジのクロス。この距離でのクロスはさすがに対応が難しく、ヴォルティスオウンゴールを献上してしまいます。こうなるとヴォルティスとしては攻撃をするしかない。とはいえ直前にヴォルティスの有馬監督はバルセロスと渡を交代させてたんですよね。それがどう出るか。

対するジェフの小林監督は田口とカルリーニョス・ジュニオを下げて品田と呉屋を投入する。特に守備を固める意図はなさそう。もはやサウザー、 退かぬ媚びぬ省みぬなのでしょう。ただし、そのメッセージがピッチで表現されたかというと決してそうではない。もう一方的なサンドバッグ。途中出場の選手が陣地回復に運動量を発揮するということもなく、ひたすらジェフGKホセ・スアレスのオンステージ状態。それでもフィールドプレーヤーがホセ・オンステージの助演を務めきり、ウノゼロでジェフがどうにか逃げ切ったとさ。

ヴァンフォーレの術中〜レノファ山口FCvsヴァンフォーレ甲府(8/11)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□散々な目に遭ったダービー

山口と甲府、というか山梨、そりゃもう「県名の最初が“山”で始まるダービー」以外ありえないわけです。ちなみに県名が“山”で始まるのは他に山形がある。ついでに県名に“山”が入っているという条件ならば富山・和歌山・岡山が入ってくる。それにしても山梨っておかしな県名ですよね。むしろ山しかないのに。

そんな甲府ですが、2〜3年前ですかね、小瀬で観戦した後に都内の自宅に帰れなくなったことがありました。国分寺の電気系統施設がどうのこうので中央線が止まってしまった。高尾←→東京間は走ってたんですよ。でも高尾←→甲府間が止まった。どういうこと?国分寺でのトラブルだのに。余計なホテル代をかからせやがって。そして今回ですよ、一昨日は今治、昨日は松山、で、フェリーに乗って本日は山口って予定だったのですが、線状降水帯の余波を受けてJRが止まってしまった。フェリー→徒歩45分→路線バス→新幹線→路線バスで維新に行くなんて想像だにしなかったよ。そういうダービーです。

 

□“君”

さて、おそらく羽田なり東京駅なりに出てから山口宇部空港なり新山口駅なりに乗り込んできたであろうヴァンフォーレは、ここ5試合の星取が2勝2分1敗で、順位は少し上がって11位。J1を2回も経験していることを踏まえると物足りなさもなくはないですが、実は予算規模相当の順位ということなのではあるまいか。そんなわけで大塚真司監督については毀誉褒貶の毀も誉褒も貶もない感じ。

迎え撃つレノファは不振が続く。ここ5試合をとっても0勝3分2敗で、順位も19位という低空飛行。緊急登板の中山元気監督も難しい舵取りを余儀なくされております。こうなれば、なかやまきんに君にあやかって、名前の最後に“君”をつけて“中山元気君”と名乗るしかあるまい。間違ってもスーパークレイジー君のように政治家に転身して、選挙活動としてなぜかダンスを踊るというパフォーマンスに走ることだけは避けていただきたいところですが。

 

甲府の乾坤一擲

というわけでピッチに目を移します。まずはヴァンフォーレですが、システムはいつもの3421。WBで荒木が先発すると、途端になんともヴァンフォーレ感。戦術的には特別これといった特徴はなかったですかね。引いて人数をかけて守って、個人のカウンター突破で活路を開く、みたいな感じです。前半の30分くらいまでは一方的に押し込まれて、しかし前掛かりの相手を裏返せずフォアプレスをくらうってのを繰り返してましてが、田中がボールをさばくと落ち着きを取り戻す。

一方のレノファは輪笠をアンカーにおいた352でしたかね。注目すべきはツートップの下に入った山本桜&野寄がISHというよりSHに近い動きをするということ。3421の中盤を逆三角形に変えたというより、442のファーストボランチを一つ落としたという感じ。ちなみに右WBに入った峰田は本来CBの選手らしい。だからといって守備専をワイドに置いたのではなく、長身のターゲットマンを開いた位置に欲しかったということのようです。

ともあれ前半の攻防ですが、前半の30分まではレノファが攻めたてる。輪笠より前の4人が4トップっぽく並ぶ。そこをめがけてWBがクロスをドンドンと入れていく。しかし甲府GK河田の牙城は崩せない。これといったファインセーブがあったわけではないですが、河田の守備範囲に向かってしかシュートを打てない。そんなこんなしているうちに、前半30分からは真逆の展開となり、ヴァンフォーレが押せ押せ。そして期待の内藤がゴールを決めます。ヴァンフォーレのリードで折り返しました。

 

□クロスをはね返す

さて、ハーフタイムには花火が上がりましたね。上がったんですけど、なんか全体的に高さが低かったような。バットを短く持って高速で素振りするみたいな花火。で、低いもんだから、煙も低いところばかりで発生する。しかも線状降水帯のあおりをうけた荒天後ってなわけで空気中の水分量が恐ろしい多い。つまり重い。だから煙が重たい空気に勝てず、しばらくずっとスタンドと同じくらいの高さを逍遙してました。ヨーロッパのスタジアムで発煙筒もっくもく的な。

試合は、河野かな?が脚を攣ったタイミングで中山元気君監督が魂の3枚替え。フィルミーノ・古川・成岡の投入です。成岡か、、、そろそろブレイクしないかね。古川もですけど。フィルミーノはおもしろフィジカル系?そんな雰囲気でもなかったかな。ともあれ、ヴァンフォーレは慌てない。前半からラインをしっかり低く設定し続ける。シュートを打ちたければ打てばいいさ。コースは全部塞いでますけど。ってな具合。

終盤には満を持してヘナト・アウグストを投入。ヘナト〜〜、久しぶり!完全なる逃げ切りモード。逆にレノファはクロスの雨あられ。クロスまでの再現性は高い。なので何もできないわけでは決してない。けれども今日に関してはヴァンフォーレの術中にハマりましたね。最大のチャンスは小林成豪の中央突破ドリブルからのシュートでした。逆にいうと、クロスに関してはヴァンフォーレ守備陣が対応できていた。レノファ的には「こうなると厳しいよね〜」という敗戦劇となりましとさ。

 

ウォータースライディングアタックコンテスト〜愛媛FCvsサガン鳥栖(8/10)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□名古屋方面に足を向けて寝られないダービー

愛媛と鳥栖の共通点か、、、なかなか難しいな。パッと思い浮かんだのは佐賀県が誇る嬉野温泉&武雄温泉と愛媛の大正義こと道後温泉という温泉ダービーですが、そもそも温泉が出ない都道府県なんて日本にはほとんど存在しないわけで、これを特に取り上げるのも憚られる。有明海を間に挟むと、「そういや愛媛県八幡浜にはちゃんぽんがあるなあ」とも思いましたが、まあ、ちゃんぽんは長崎ですよね、佐賀にもあるんでしょうけど。

選手に目を移すと、そうか、レジェンド的なストライカーがどちらのチームの歴史にも存在しますね。鳥栖のレジェンドストライカーといえば豊田陽平ですし、愛媛のレジェンドストライカーは福田健二。両者ともクラブの厳しい時代を支えました。そして、豊田陽平福田健二には、他にも共通点がありまして、二人ともプロデビューはグランパスだったりします。ゆえに両クラブともグランパスには頭が上がらないことでしょう。

 

□微妙と大苦戦

さて、大分まで陸路で移動してからフェリーで佐賀関を越えてきたサガンですが(ああ、そうか、佐賀県vs佐賀関のダービーとも言えるのか)、ここ5試合の成績は3勝1分1敗の7位。去年J1ということを考えれば、悪くはないけど物足りなくもある。今ひとつ名将なのか、それなりに過ぎないのかの評価が難しい小菊さんらしい順位と言えます。そういう意味では、今後の評価も含めて、小菊さんもサガンとしても勝負所といえるかもしれません。

迎え撃つ愛媛FCのここ5試合は1勝1分3敗で20位、つまり最下位。というか、今シーズンはずっと最下位。しかも直近は今治と徳島という四国のライバルに連敗してます。昨日訪ねた今治と比べたとき松山は圧倒的に都会なのですが、どうしてこんなに雲泥の差ができた?観光客の数や、観光客が気楽に入れる駅チカの店、さらには駅からの公共交通網、どこをとっても松山が今治に圧勝してるはずだのに、、、

 

□西澤健太の存在感

というわけでピッチに目を移します。まずはサガンですが3421のイメージでしたけど、ここのところは352なんですかね。櫻井がアンカーでスリヴカ&西澤がISHの。なんてことは関係ないんですよ、あんだけざんざんぶりになれば。ずっと雨脚は強いし、ピッチは田んぼだし。だからひたすら蹴りあい。幻に終わったものの長身長澤のボンバーヘッドサガンが先制しかけたのも、ある意味ではロジカルな帰結。

一方の愛媛FCはなぜかユニフォームが紫でしたね。それくらいしか印象に残ってない。あんだけ雨に打たれると、いくらレインスーツ上下で完全防備しても脳ミソが動かない。集中力なんて出てこない。とりあえず我らが四中工出身の田口が先発していなかったことだけは記憶にあるぞ。うーん、田口、監督が代わってからは『エルゴラッソ』の評点も低いしなあ。戦術にフィットしきれていないのかしら?

ともあれ前半の攻防ですが、サガンISHの西澤が良かったです。本人が決めた決勝ゴールももちろんですけど、あれは水しぶきがバッシャバシャしてるなかで気づけば決まっていたのでよくわからぬ。それよりも幻の先制点のときのプレースキックですよ。愛媛のFKキッカーがことごとく重いボールと水たまりにコントロールを失う中、西澤はちゃんと狙い通りであろうところに蹴っていた。パワーというより基礎技術なのかな?いずれにしても、さすがでございます。

 

□落ち着くべきところに落ち着いた

後半の開始とともに愛媛はダブルボランチの両方を下げて、ベンダンカンと我らが田口という両FWを投入します。ってことは何かい?システムは3ー0ー4ー3(あるいは5ー0ー2ー3)のノーボランチサッカーをするのかい?とか思ったのですが、3CBの一人をアンカー、前半の2シャドーをISHに落とし、前線を3枚にした。つまりは4123。あるいは佐藤がボランチで4231だったかもしれません。

なんてことを必死で観察していたら、いつまでも雨が止まないだけでなく風まで吹いてきた。隙間っていう隙間から水が浸入してきて、もうビチョビチョ。思春期なら興奮を抑えきれない“もうビチョビチョ”。ちなみにこの試合、後半でいうとサガン側のアタッキングサードの右側だけなぜかボールが転んだり跳ねたりしてましたね。そこを使おうという意識も垣間見られましたけど、そうそう簡単にはいかない。

終盤は疲れなのか、雨でバッシャバシャ滑るからなのか、両チームの選手ともにスライディングでボールを弾きだそうと、さながらフライングボディアタックのように滑りこんでいく。互いに波しぶきをあげながら、ぶつかり合う。もはやフライングボディアタックでさなくウォータースライディングアタック、互いにそれを競い合うコンテスト状態。すなわちウォータースライディングアタックコンテストの様相を示しながらも、なんやかんやで順位相応の決着となりましたとさ。

 

大木武の次なる一手は?〜FC今治vsロアッソ熊本(8/9)の周辺をウロウロと…

□海点々ダービー

今治と熊本、、、熊本と言えば加藤清正よね。ってことを踏まえれば今治藤堂高虎か。知名度でも残ってる部分の規模でも熊本城にはまるで及びませんが、藤堂高虎が造った(厳密には大工さんが造った)今治城も名城と評価されていますよね。なんでも屈指の海城なんだとか。現在は埋め立てられて海岸線から少し離れていますけど、前近代においては海に面したお城だったとか。今治といえば海。熊本も海ですね。ついつい水俣のイメージが前面に出ちゃいますけど。

今治の海にはサイクリンガーが多い。サイクリストではなくサイクリンガー。だってガチなんですもん、今治で自転車に乗ってる人。それもこれもしまなみ海道を自転車で渡るのは体力的に超苦行だから。そんなのサイクリストには無理、サイクリンガーじゃないと。海に点々とした島を結ぶ橋をいちいち下りたり上ったり、どんな罰ゲームだよと。ちなみに点々とした島を渡れば隣の県に着くという意味では熊本も少し似てますよね。天草を渡ると島原に着く。四郎もビックリ。

 

□倉石圭二の次なる一手

さて、九州新幹線を岡山で乗り換えて乗り込んできた?ロアッソですが、ここ5試合は2勝0分3敗の17位。毎年大卒ルーキーを起用してやりくりしている大木さん。近年はそこまでゴッソリ引き抜かれるということもないような気がしますが、毎年のように残留争いに巻き込まれる。とはいえ前節は首位の水戸を撃破するという殊勲、、、水戸に勝つと殊勲とされる、2025年はこれまでの歴史をひっくり返すシーズンとなっております。

迎え撃つ今治のここ5試合は2勝1分2敗で、順位は9位。倉石体制での快進撃も一段落ですかね。とはいえテゲバジャーロであれだけの実績を残した監督さんだけに第2エンジン、第3エンジンも用意していそう。5人のブラジル人の中から4人を選ぶという作業の中で多少のブレが出てしまうのかな?だとすればプロスポーツにおいて稀に発生する「戦力が充実すると、逆にチーム力が落ちる」現象なのかもしれません。

 

今治が先手

というわけでピッチに目を移します。まずはロアッソですが、監督が大木さんである以上システムは3313というか5131です。そして監督が大木さんである限り、ピッチ上できれいな5131がセットされることはありません。ポジションを乱して数的優位を作るクラシカルなポゼッションスタイル。例えば両WGの2人ともがワイドに張り出していることはありません。片方ないし両方が絞ります。そのスペースにWBとCBが上がっていく。

一方の今治は352の印象が強いのですが、この試合ではおそらく3421に近かったのかな、特に序盤は。中盤を厚くするためというより、前線を3枚にして熊本3バックにタイマン勝負を挑ませるための措置だったでしょうか。スタイルとしてはポジショナル寄りですかね。典型的なポジショナルではないですが、「どうすれば相手を裏返せて、奪った瞬間に湧き上がるように走り出せるか」 から逆算しているような感じ。あとは相手ペナ内での各人の距離感、ポジショニングが秀逸だったように思います。

ともあれ前半の攻防ですが、たぶん今治は熊本みたいなバランスを勝手に崩してくれる相手が大好き。ただでさえスペースのできるアンカー脇が、WBとCBのオーバーラップでスッカスカ。そこを横山が突く。最後は山田が決めて先制点。さらに相手3バックとのタイマンに勝利したマルクス・ヴィニシウスを基点にカウンターを発動させ梅木が爆走。その折り返しを狙ったマルクス・ヴィニシウスは決められませんでしたが、こぼれ球をデニスの方のヴィニシウスが押し込んでリードを広げる。今治2点リードで前半を折り返しました。

 

□ポジショナルの時代

それにしても熊本、ほんっとグランダーの各駅停車パスしか出さないですね。グランダー縛りの指示でも出ているのでしょうか。「これだけ手数をかけてダラダラ攻めても状況なんて打開できないでしょ⁈」って思ってたんですよね。それでもそのグランダーの各駅停車パスの流れから古長谷がゴールを決めてしまうのだから、まあ、そこは大木さん。オールドファッションドの意地ですな。まあ、流れの中で上村のロングパスが一発だけあったんですけどね。やっぱり頭上を越えて裏を取るパスがないと厳しい。

その点、今治は真逆。手数が少なければ少ないほど良いという哲学による、縦方向へのパスに特化したカウンターが炸裂します。縦に縦にハーフスペースを突破していきクロス。最後は逆サイドWBの弓場が押し込んだ。縦に突破して、最後は横幅。モダンサッカーの真髄です。それでも熊本は下を向かず、半代のゴールで追いすがりますが、スコア以上の差があったように思われます。

というのもシャビ&イニエスタ時代のバルセロナを頂点とするティキタカって、どこかで相手を完全に上回るシーンを作らないと点が入らない。技術を研磨すればそれが達成されるという、戦後日本の生真面目さとまことに相性の良い哲学でそれを追求してきたわけですが、個やグループの技術やコンビネーションで相手を上回らなくても点が入って、相手に点を入れさせないやり方(=ポジショナル)がここまで普及してしまうと、もはやファーストチョイスがグランダーというサッカーは厳しい。そういうサッカーを攻略するためのポジショナルなのだから。……さて大木武の次なる一手に期待するとしましょうか。

まるで強豪チーム〜横浜FMvs名古屋グランパス(7/20)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

鮎川財閥フォーエバーダービー

グランパスマリノス、共通点など探すまでもない。問題無用に自動車産業ダービーです。グランパスの親会社はトヨタマリノスの親会社は日産。カローラプリウスなどひたすら実用を追求してきたトヨタと、スカイラインフェアレディZなどひたすら美学を追求してきた日産。もはや自動車産業イデオロギー闘争なわけですが、21世紀に入る頃から、徐々に、しかしながら明確に闘争の結果があらわれるようになってきました。

トヨタはもはや日本のものづくりの一強として、“世界のトヨタ”たる隆盛を誇るのに対し、日産は長い長い坂道を転げ落ち続けている。ゴーンによって延命されて、延命と引き換えに魂とちょっとしたキャッシュが失われ、魂が失われた結果、技術も商品価値を失った。しかし日産は不死鳥フェニックス。南国の街路樹でありアンドロメダ瞬の兄なのです。戦後の鮎川財閥財閥解体の憂き目に遭ってもダットサンによって復活したじゃないか。フォーエバーですよ、フォーエバー。もっといえばファーエバー。

 

□一定の条件下では無敗のマリノス

さて、運転手付きのセンチュリーで乗り込んできた?グランパスですが、リーグ戦ここ5試合の成績は2勝2分1敗、順位はわずかに回復して14位。上位・中位・下位を7・7・6で配分すると中位ということになる。6・7・7で配分すると下位ですけど、そんなことは気にしない。中位なのですよ、中位。そして“中位”という響きほどグランパスに似つかわしいものはない。長谷川監督については毀誉褒貶がかまびすしいですが、グランパスのキャラ通りの成績だということです。

迎え撃つマリノスのリーグ戦ここ5試合は1勝1分3敗、順位は絶体絶命の20位。とはいえ、ここに良いデータもある。大島監督になってからナベコーこと渡辺皓太が先発した試合では無敗伝説継続中なのです。このデータを信用するならば、今後大島監督が渡辺皓太を先発で使い続けさえすればリーグ戦終了時にマリノスは勝ち点68になってる計算ですから、上位フィニッシュも夢ではない。今節試合前でいうと、谷村海那が出場した試合も負けたということがない。良いデータはジンクスとして信じましょう。

 

マリノスは吹いた風に乗るのがうまいのか?船乗りだけに、、、ってか?

というわけでピッチに目を移します。まずはグランパスですが、そこはもうハセケンですから、裏抜け至上主義ですよ。裏抜けからの最少手数でのシュート。ある意味ポジショナル的発想法ですけど、相手を引きつけはしないので、ポジショナルでは決してない。位置取りを意識的に作るってことはしないですけど、空いたスペースに対する認識が受け手と出し手でしっかり共有されているので、ちゃんと訓練はされている模様。「ただの縦ポン」という批判があるとしたら、ただの縦ポンを成立させるためにどれだけの準備が必要かが理解できていない証拠。

一方のマリノスは渡辺皓太が先発しませんでした。危うし?とも思いましたが、逆に「大島監督×渡辺皓太先発=不敗」の神話が自動的に継続されることにもなりました。ちなみにマリノスの基本形は3トップ+トップ下の4人で攻めて、4バック+ジャンクルードの5人で守り、その間で山根が汗をかくというスタイル。SBはリスクを負わない位置取り。突破は両ウイングにお任せします、みたいな。

そんなマリノスが前半のうちにスコアを動かします。まずCKから加入したての谷村海那が先制ゴール。VARが入りましたね。しかもオフサイドの確認が行われた後、引き続きオフェンスファウルの確認。ダブルVARとか、現地観戦では初めて見ましたよ。ともあれゴールは認められる。マリノスはさらに前半のうちに追加的。抜け出したヤンマテウスがもたついたのですが、それで逆にブラインドが作れた模様。マリノスに良い風が吹いた前半45分でした。

 

□足が攣り、功名が発生する

マリノスの大島監督ですけど、シューズが蛍光イエロー。あれはメーカー支給品なんですかね?それとも個人的趣味?個人的趣味だとしたら、なかなかですね。なかなか、なかなかなもんですよ。サッカーの監督で靴の色といえば西ヶ谷さんが白シューズで目立っていたのですが、蛍光イエローとなれば、それをも遥かに凌駕する。今後の動向から目が離せません。

そんな蛍光イエロー大島監督ですが、実践しているサッカーの内容はハッチンソンスタイルですかね。トップとトップ下はひたすら汗をかき、泥にまみれる役割。彼らのインテンシティで相手を引きつけることによって、両ウイングがフリーになる。このやり方であるならば強度マリノス代表の山根をトップ下に置いて潰し役をやってもらって、天野をアンカーっぽく使うとファンタジックになりそう。サカつく脳的な発想ですけど。

さて後半の攻防。高温多湿の消耗戦ですから、選手が次から次へと足を攣る。特にマリノス。やっぱりキャンプでの走りこみが足りなかったんでしょ?CBに松原が投入されたのもスクランブルでしょうけど、それ以上に宮市がSB、植中が最前線。スクランブル・オブ・スクランブルですよ。対するグランパスはジョーカーのキャスパーユンカーを投入。とはいえスクランブル投入された植中がダメ押しゴールを決めるのが人間社会の面白いところ。スコアの入り方だけみれば強豪チームみたいな勝ち方でマリノスが勝ち点3をもぎ取ったとさ。

日本化したポジショナル〜水戸ホーリーホックvsカターレ富山(7/12)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□特産物ダービー

カターレホーリーホック……共通点といえばチームカラーが青なところですかね。というのも富山県茨城県も海に面している。茨城なんかは海水浴やらサーフィンやらが思っている以上に盛ん。富山はどうなんでしょうか?富山の海はどちらかというと庶民が行楽するためというより、北前船の湊みたいな印象が強い。殿様と結託した御用商人のための海なのかななんて思ったりして。

庶民が行楽しようと、商人が一攫千金を狙おうと、そこに海があったら漁師は魚を釣る。富山湾では宝石が釣れる。言わずと知れたシロエビですね。しかし漁業的特産物なら茨城は一歩も引かない。アンコウでございます。漁業に限らず伝統産業的な特産物があるのも両県の特徴。江戸の昔より越中富山は薬を売る。薬を作って売る。対する水戸は納豆を売る。納豆のルーツはどこまで遡れるのか?なんにせよマニュファクチャって言葉と相性の良い時代からあるのでしょう。

 

□好調同士

さて、富山空港からANA便の札幌行きに乗り、トランジットしてスカイマーク便で茨城空に乗り込んできた?カターレですが、ここ5試合は2勝0分3敗で16位。順位としては昇格組としては、まあ、こんなもん。調子としては安達監督に代わってからも足踏みしているイメージでしたが、ここ2試合で急上昇。千葉と仙台を続けざまに撃破している。ってことは、その勢いでさらに水戸をストップさせても不思議ではない、ような気がしないてもない。

迎え撃つホーリーホックはご存知の通り。勝ち続けている。10連勝ですって、奥さん!負け無しでいうと14試合連続で負けていない。必然的にここ5試合は5勝0分0敗。“覚醒した”とかなんとか言われていますが、予算規模を考えると“狂い咲き”という表現の方が近い。しかもそれが人為的な狂い咲き。さすがは森監督。伊達にダンディではない。キザな感じが札幌フロント時代の野々村さんにちょっと似ているだけのことはある。

 

□前半はイーブン

というわけでピッチに目を移します。まずはカターレですが、2010年代にアンダー年代での実績も積みつつという安達監督ですから、オーソドックスな442サッカーです。あまりポジショナル要素はないですし、引き付けて裏返さすという指向性でもない。ボランチを中心にビルドアップしていくスタイルですので、必然的に密集ができる。ゆえに裏返されがちです。それでも瀬良が状況に適応してボールを引き出せるようになると裏返されなくなりました。

一方のホーリーホックは、広義のポジショナルかもしれませんが、そこまで極端に引き付けて裏返すとか変幻自在な入れ替わりで5レーンを作るって感じではない。むしろ特筆すべき点は帰陣の正確性ですかね。442の3ラインを極めて素早く如才なく作っていく。攻撃ではSHとかSBの位置取りが上手い。ほぼレーン遵守で横には動き回らないのですが、相手SBとSHの間であるとか、SBの裏にできたスペースに的確に位置取っていて感心しました。

ともあれ前半の攻防ですが、序盤は水戸のペース。塚川が加入し、寺沼が復帰したセンターラインは屈強。ここでボールを収めて、素早く逆サイドのスペースに展開。後はSBとSHが段差を作りながら自分のレーンを爆走していけ。前半の中盤以降は富山が押し返す。瀬良に加えて前線の松田が下りてくるセンターラインは機動性に富み、水戸のプレスを剥がせるようになると、ボールは富山が握るようになりました。とはいえスコアが動くことのないままハーフタイムを迎えました。

 

□桐光の俊輔

後半の開始とともにカターレの安達監督は2枚替え。前半から裏のスペースを突かれがちだった西矢を下げて大山を投入しSBの左右を入れ替える。さらに前線にカラダを張れる選手が一枚欲しいということでしょうか、キーマンの松田を下げて秋田印の井上をピッチに送り込みました。対照的にホーリーホックの森監督は動かない。ただし某かの魔法かなにかをかけたらしく“桐光学園の俊輔”が突如として覚醒します。

まずは相手の縦パスをカットすると、そのままもちあがって渡邊とワンツー、前が空いたところでミドルシュートを突き刺してみせました。勢いにのった斎藤俊輔は、2点目も決める。これはPA内での寺沼がポストワークがなかなかスーパーだったのですが、その戻しを1点目と同じようなところで受けてのゴールでした。やっぱり“桐光学園の俊輔”だけあって、逆足のSHに入るとファンタジーが炸裂するものです。

こうなるとホーリーホックは余裕の試合運び。盤石のままタイムアップを迎えたわけですが、その強さのメカニズムを言葉にするのはなかなか難しい。理念はポジショナルなんですよね。久保の3点目に象徴されるように、奪ったら最小手数でシュートに持っていくとか、どこにスペースができるかをロジカルに追求してそうとか。でも型は442なんですよ。しかもSHをSBが追い越す形で5レーンっちゃ5レーンを作る。そういう型の部分は日本的というか、日本の育成年代における基本の型。なので、水戸の強さは“日本化したポジショナル”と表現しておきたいと思います。

 

高温多湿の用兵術〜栃木シティvs琉球(7/5)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□瓜ダービー

おじさん世代にとって栃木といえば、そりゃもうU字工事なわけです。最近はロケの達人とか、キラリと光る個性派ベテランみたいなポジションですけど、そもそもネタ、漫才が抜群に面白いと思うんですよね。とはいえ芸人という意味では沖縄も負けていない。なんせ、あの?大自然を輩出したのが沖縄県、と思いきや大自然のうちの片方だけが沖縄なんですね。

ともあれU字工事による功績の最大のものとして挙げられるのは、栃木がかんぴょうの名産地であることを知らしめたこと。ちなみにかんぴょうを画像検索すると、瓢箪型の瓜が出てくる。そして瓜といえば沖縄は絶対に黙ってない。沖縄が本土復帰して暫くしてから日本中に広めた?文化、それは瓜を玉子と一緒に炒めるという荒技。1980年代後半にうちの母親がゴーヤチャンプルというもの食卓に出したときはたまげました。母親の実家が農家で、試みにゴーヤを育ててみたらしい。というわけで、この一戦は瓜ダービーです。

 

□3勝0分2敗対決

さて、マルエーフェリーで鹿児島に移動し、桜島号で福岡まで高速バス移動、さらに博多から東京まで“キング・オブ・夜行バス”を乗り継ぎ、最後は東京から佐野プレミアムアウトレット行きの高速バスで乗り込んできた?琉球は、ここ5試合3勝0分2敗。順位は16位と低空飛行ですが、勝ち点獲得ペースは少しずつ良化していそうですね。指導者としては新人の平川さんもようよう監督らしくなってきたということでしょうか。

迎え撃つ栃木シティも、ここ5試合、3勝0分2敗。順位は2位と大健闘ですが、現在の水戸みたいな、「おいおい、どこが止めるんだ?」という勢いは一段落ちつこうとしているかもしれません。負けた相手が鳥取と奈良。どちらも復調傾向とはいえ、今シーズンどちらかというと苦戦しているチームですから、いわゆる“下位にとりこぼし”ってやつ。ってことは、ある程度対策が共有されつつあるということなのかもしれません。

 

□前半は同点

というわけでピッチに目を移します。まずは琉球ですが、基本的には相手最終ライン裏のスペースで追いかけっこをするサッカー。だからといってポジショナルかって言われたら、そんなことはなさそうな雰囲気。引き込んで裏返すというか、押し込まれた結果できたスペースに蹴っていったり、あるいは個人のドリブルでボールを運ぶイメージ。押し込まれまくってましたけど、ブロックを作って最後はCBが跳ね返すっていう割り切りは徹底されていたように思われます。

一方の栃木は琉球のブロック外からシンプルなハイクロスをどんどんと入れていく。必然的にコーナーキックが増える。ものすごく多かった。とはいえ琉球の3CBがしっかり跳ね返す。ハイテンションに攻めたてる続けた栃木ですが、相当なカロリーを消費してしまったらしく、前半の給水タイムの時点でまあまあスタミナ切れを起こしていたのかな?給水タイムの指示で琉球の守備が対応を共有したのかな?

ともあれ前半の攻防ですが、先手を取ったのは琉球。まるで引き込んで、5レーンを作って、最少手数でシュートを狙ってやっているかのような崩しから高木大輔が決めました。追いかける栃木は琉球ゴール裏のラモスがプリントされたフラッグに睨まれたカエルになったのか、シュートが続々と明後日の方向に飛んでいきましたが、前半の終盤に平岡がカラダを張ったヘディングで同点に追いついてみせました。

 

□選手交代の明暗

後半になるとエンドが替わるわけですので、もう栃木シティはラモスに睨まれない。ゴール前での決定力が蘇る。CKからCB佐藤が押し込んで栃木シティが勝ち越しに成功します。しかしサッカーというのは不思議なもので、点が入ると次の点も入りやすくなる。琉球の平松がスーパーミドルなゴラッソを叩き込んで試合は再び振り出しに。いやあ、凄いゴールでしたね〜〜。

それにしても琉球はドリブルが好きですね。平川忠亮って静学だっけか?と調べてみたら平川さんは静学ではなく清商なのですが、静学出身としか思えないようなドリブル戦術。そんな平川監督は60分を過ぎたあたりで魂の3枚替えを敢行、勝負に出ます。しかし栃木シティのナウアロー監督も負けてません。森・吉田を魂の同時投入し、すぐあとには魂のウタカをピッチに送り込む。ここまでは両監督の動きは早かった。

明暗を分けたのは4枚目5枚目の使い方。ナウアロー今矢監督が75分頃に最後の2枚を思い切って投入したのに対し、平川監督は動かない。その結果、前線で一人だけピッチに残っていた岩本が足を攣って動けなくなる。そこでプレーが切れない。プレーを切れないまま栃木シティの決勝ゴールを許してしまいました。痛恨です。直後に岩本を下げても時既に遅し。5枚目のカードに至っては89分ですからね。しかもパワープレー要員ではない永長。選手が足を攣りやすい気候のもとでは、今矢監督のやり方の方が合理的だと認識させられましたとさ。