□瓜ダービー
おじさん世代にとって栃木といえば、そりゃもうU字工事なわけです。最近はロケの達人とか、キラリと光る個性派ベテランみたいなポジションですけど、そもそもネタ、漫才が抜群に面白いと思うんですよね。とはいえ芸人という意味では沖縄も負けていない。なんせ、あの?大自然を輩出したのが沖縄県、と思いきや大自然のうちの片方だけが沖縄なんですね。
ともあれU字工事による功績の最大のものとして挙げられるのは、栃木がかんぴょうの名産地であることを知らしめたこと。ちなみにかんぴょうを画像検索すると、瓢箪型の瓜が出てくる。そして瓜といえば沖縄は絶対に黙ってない。沖縄が本土復帰して暫くしてから日本中に広めた?文化、それは瓜を玉子と一緒に炒めるという荒技。1980年代後半にうちの母親がゴーヤチャンプルというもの食卓に出したときはたまげました。母親の実家が農家で、試みにゴーヤを育ててみたらしい。というわけで、この一戦は瓜ダービーです。
□3勝0分2敗対決
さて、マルエーフェリーで鹿児島に移動し、桜島号で福岡まで高速バス移動、さらに博多から東京まで“キング・オブ・夜行バス”を乗り継ぎ、最後は東京から佐野プレミアムアウトレット行きの高速バスで乗り込んできた?琉球は、ここ5試合3勝0分2敗。順位は16位と低空飛行ですが、勝ち点獲得ペースは少しずつ良化していそうですね。指導者としては新人の平川さんもようよう監督らしくなってきたということでしょうか。
迎え撃つ栃木シティも、ここ5試合、3勝0分2敗。順位は2位と大健闘ですが、現在の水戸みたいな、「おいおい、どこが止めるんだ?」という勢いは一段落ちつこうとしているかもしれません。負けた相手が鳥取と奈良。どちらも復調傾向とはいえ、今シーズンどちらかというと苦戦しているチームですから、いわゆる“下位にとりこぼし”ってやつ。ってことは、ある程度対策が共有されつつあるということなのかもしれません。
□前半は同点
というわけでピッチに目を移します。まずは琉球ですが、基本的には相手最終ライン裏のスペースで追いかけっこをするサッカー。だからといってポジショナルかって言われたら、そんなことはなさそうな雰囲気。引き込んで裏返すというか、押し込まれた結果できたスペースに蹴っていったり、あるいは個人のドリブルでボールを運ぶイメージ。押し込まれまくってましたけど、ブロックを作って最後はCBが跳ね返すっていう割り切りは徹底されていたように思われます。
一方の栃木は琉球のブロック外からシンプルなハイクロスをどんどんと入れていく。必然的にコーナーキックが増える。ものすごく多かった。とはいえ琉球の3CBがしっかり跳ね返す。ハイテンションに攻めたてる続けた栃木ですが、相当なカロリーを消費してしまったらしく、前半の給水タイムの時点でまあまあスタミナ切れを起こしていたのかな?給水タイムの指示で琉球の守備が対応を共有したのかな?
ともあれ前半の攻防ですが、先手を取ったのは琉球。まるで引き込んで、5レーンを作って、最少手数でシュートを狙ってやっているかのような崩しから高木大輔が決めました。追いかける栃木は琉球ゴール裏のラモスがプリントされたフラッグに睨まれたカエルになったのか、シュートが続々と明後日の方向に飛んでいきましたが、前半の終盤に平岡がカラダを張ったヘディングで同点に追いついてみせました。
□選手交代の明暗
後半になるとエンドが替わるわけですので、もう栃木シティはラモスに睨まれない。ゴール前での決定力が蘇る。CKからCB佐藤が押し込んで栃木シティが勝ち越しに成功します。しかしサッカーというのは不思議なもので、点が入ると次の点も入りやすくなる。琉球の平松がスーパーミドルなゴラッソを叩き込んで試合は再び振り出しに。いやあ、凄いゴールでしたね〜〜。
それにしても琉球はドリブルが好きですね。平川忠亮って静学だっけか?と調べてみたら平川さんは静学ではなく清商なのですが、静学出身としか思えないようなドリブル戦術。そんな平川監督は60分を過ぎたあたりで魂の3枚替えを敢行、勝負に出ます。しかし栃木シティのナウアロー監督も負けてません。森・吉田を魂の同時投入し、すぐあとには魂のウタカをピッチに送り込む。ここまでは両監督の動きは早かった。
明暗を分けたのは4枚目5枚目の使い方。ナウアロー今矢監督が75分頃に最後の2枚を思い切って投入したのに対し、平川監督は動かない。その結果、前線で一人だけピッチに残っていた岩本が足を攣って動けなくなる。そこでプレーが切れない。プレーを切れないまま栃木シティの決勝ゴールを許してしまいました。痛恨です。直後に岩本を下げても時既に遅し。5枚目のカードに至っては89分ですからね。しかもパワープレー要員ではない永長。選手が足を攣りやすい気候のもとでは、今矢監督のやり方の方が合理的だと認識させられましたとさ。