妥当な引き分け〜栃木シティvs福島ユナイテッド(4/6)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□じゃないダービー

この対戦は隣県同士のぶつかり合いですからね、ダービー要素なんぞ探すまでもないってところではあるのですが、なんとなくピンと来ない。ピンと来ない理由は、、、どちらも、なんか“じゃない”感が強い。まず福島ですが、まあ、ホームタウンの一番上に来るのは福島市ですよね、たぶん。でも福島市って“福島”という県名を背負った県庁所在地なのに、福島県で人口3番目の都市なんですよね。なんとも“じゃない”。

対する栃木シティはもっとややこしい。栃木シティのホームタウンは栃木市。栃木県の“栃木”を背負ってる。背負ってるんだけど、そもそも県庁所在地でないという不可思議。“じゃない”としか言いようがない。しかも栃木市役所があるのは東武線の栃木駅新栃木駅の中間付近なのですが、スタジアムがあるのは両毛線沿線ですからね、もはや1mmも“蔵の町”感がない。巴波川の風景からは完全な別世界。全くもって“じゃない”のです。

 

□実は上位対決

さて、東北本線を白河だか新白河だかと黒磯乗り換えで乗り込んできた?福島ですが、今シーズンここまで3勝1分2敗の8位。予算規模を考えれば悪くないですし、おそらくここからさらに良くなっていくような期待感もある。自分自慢なのですが、去年の3月のルヴァン(極寒の平日福島開催ナイター)で寺田サッカーを見て、「これは凄い!」って感動して、シーズンの躍進を予見したのです、ワタクシ。実際に福島史上でも相当に上位な成績だってので、自分の見立ての正しさに己惚れを止められない。

迎え撃つ栃木シティは、絶好調。4勝2分1敗でキックオフ時点では3位ですが、結果次第では暫定首位に立つ可能性さえある。チーム編成についてはピーター・ウタカの加入がニュースになりました。FW不足なのかとチェックしたら、ウタカでFWは11人目。いや、多すぎるやろ。ブラウブリッツ秋田かよ。まあ、3トップなので田中パウロみたいなサイドの選手がMFではなくFWで登録されているからということだと思いますけど。

 

□栃木シティが先手

というわけでピッチに目を移します。まずは福島ですが、針谷がアンカーで王様をやっているんですね。低い位置でボールを受けて左右に振って攻撃の起点となる役割。それにしても針谷と、それからGKの吉丸は90分間ひたすら緊張感ですね。コテコテのポジショナルで、低い位置で相手をひっくり返すことに命をかけるようなスタイル。針谷と吉丸は少しでもボールの扱いを誤ると失点に直結しかねない場所で難しい役割を繰り返す。ヒリつくでしょうね〜〜。

一方そのまんま「栃木シティがんばれ」っていうメッセージ性に溢れるチャントを背に奮闘していた栃木シティには鈴木隆雅がいるのか。この選手もデビューが早かっただけに、年齢の割に“まだ現役だったの?”感がハンパない。SBではなく左のWG。ちなみに鈴木隆雅の後ろの左SBはイーニョ奥井。この選手も現役なのか〜。逆サイドの右のWGは田中パウロ。この選手も息が長いとはいえ、なんか彼の場合は永遠の若大将(ガキ大将?)。

そんな若大将(ガキ大将?)がスコアを動かします。前半の攻防は、大局的にイーブン。ポジショナルという意味では似たり寄ったり同士ですしね。違いといえば前プレでハメたい栃木シティに対して、前プレをおびき寄せてひっくり返したい福島ユナイテッドという、なんとも凸と凹が噛み合った応酬。その中でゴールを決めたのが若大将(ガキ大将?)田中パウロでした。問答無用のドッカンミドル、貴重な先制点を奪った栃木シティリードで折り返します。

 

□追いつき、突き放し、また追いつく

栃木シティのホームゲームって観客全員の脱帽起立が必須状況で君が代が流れるんですね。なんか、10年以上前に水戸のサポーターが高速で君が代チャントを唄っていたのを思い出す。チームカラーもスタジアムも黒でまとまっていて、「めっちゃお洒落でシックやん!」って思ったのですが、実はそういうことではなくって、君が代に映えるように黒がチョイスされたのか?野外で君が代といえば黒(い車)という印象が強かったりするし。

そんなことはおいといて、追いかける福島は何度も何度も左サイドを森が爆走する。ビルドアップでは中央に絞りがちな森もカウンターでは大外を爆走する。とはいえブロックに風穴を開けるには至らない。そこで寺田監督がテコ入れとして選んだのは、最終ラインのうちの2枚を代えるというもの。それが奏功したかどうかはわかりませんが、2列目から抜け出した城定がアーリークロスにヘッドで合わせて、福島が追いついてみせました。

しかし、好事魔多し。ヒリヒリポジションの針谷がやらかします。まるで梶山陽平のような凡横パスミスをしてしまう。余裕があると余所見をして、まんまとボーンヘッド。致命的な場所でボールをプレゼントすると、そのまま栃木シティの藤原に決められてしまいます。こうなると栃木シティのゴール前中央は堅牢。縦パス横パス斜めパス。なんでもござれで跳ね返す。って中でも福島は諦めない。兄とはポジションは同じでもキャラは違ってスーパーな運動量でハイレベルな黒子を演じきる安在達弥が同点ゴールを決める。ドロー決着。内容的にもフェアな結果になったのではないでしょうか。