大熊仕込み〜テゲバジャーロ宮崎vsガイナーレ鳥取(4/12)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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陸の孤島ダービー

宮崎にしても鳥取にしても、まじで飛行機以外でどうやって行くんだ?ってのが第一印象。しかも飛行機も羽田とか大阪とかにしか飛んでなさそう。調べてみたら宮崎空港からは名古屋や福岡にも飛んでるらしい。鳥取鳥取空港にせよ、米子空港にせよ羽田便のみ。ってことは鳥取県民はどこに行くにも、いったん羽田を目指してからのトランジットなのか?まあ、岡山に出るんでしょうけど。

宮崎も鹿児島はともあれ、逆隣の大分が遠いですよね、イメージ的に。そういや、かつて高千穂に行ったときは、熊本から福岡空港に向かうリムジンバスに乗った記憶。とはいえ高千穂からは延岡には行けども宮崎市街の直通便はなかったような。鳥取も島根とはスカイラブハリケーンレベルのコンビネーションを感じさせますが、逆隣の兵庫は遠いなあ、イメージ的に。そもそも兵庫県瀬戸内側から兵庫県日本海側が遠いし。ってなわけで、よそ者からすれば陸の孤島に見えるダービーです。

 

□PKイズムvsモチベーター

さて、乗り換えサイトで調べてみたら小倉から「にちりんシーガイア号」ってので宮崎に行けるらしい。ってことは「スーパーおき→(一部の)のぞみ→にちりんシーガイア」で乗り込んできた?ガイナーレは、今シーズンここまで1勝3分4敗で驚き桃の木の20位。大苦戦の真っ只中。いや、がんばれよ、林健太郎。現役時代はあんなにPKが上手だったじゃないか。あのPKイズムでガイナーレを上位に導くんだ!

迎え撃つテゲバジャーロは今シーズンここまで3勝3分2敗の6位。悪くないぞ。さすがに倉石さんが率いていた頃のようにはいきませんが、現在の今治の躍進を見ても、倉石さんレベルの指導者なんてそうそう転がっておりません。モチベーターとしては定評のある大熊さんですが、そのあたりの才能が遺憾なく発揮されているということですかね。スタジアムを包むノンビリとした雰囲気も素敵ですし、頑張っていただきたい。

 

□不思議な同点折り返し

というわけでピッチに目を移します。まずはガイナーレですが、アンカーを置いた352。となれば5レーン&ポジショナルかと思いきや、そういう雰囲気ではない。大外で優位性を作りたいってのはありそうなんですが、なんというか繋ぐための5レーンなんですよね。裏返すためのポジショナルではなく。要は奪ってからが遅い。各駅停車。保持率を上げて、ボールを失われたくないからショートパス。だったり4バック&2ボランチのが良いのでは感を否めない。

一方のテゲバジャーロは、ユース年代を長くい指導した大熊さんらしく、ジャパニーズオールドファッション。ボランチがリズムを作っていくスタイルで、ゆえにWボランチが河合と安田というテクニシャンコンビ。中でも河合は良いですね。小柄の中でも特にまあまあ小柄な部類に入りますが、テクニックとアジリティは出色。両SHに突破力のある選手を置き、最前線にはサイズのあるターゲットをワントップとして配する。とにもかくにもオーソドックスです。

ともあれ前半の攻防ですが、クロスに長身ワントップ橋本が合わせてテゲバジャーロが先手を打ちます。井上はその後もポスト直撃シュートを見せるなどのハイパフォーマンス。しかし追加点を奪うには至らない。という中でガイナーレが反撃。リスタートから三木が押し込んで同点に追いつきました。セットプレーに強いところは林健太郎のPKイズムなのでしょうか。というようなこともありつつ、同点のままハーフタイムを迎えました。

 

□必然の結果

鳥取は中央突破が多かったのですが、その際には技術的な不足も散見した。とはいえ、その中盤には普光院とかいて、彼は技術だけならJ3でも上位だろうから、それでも技術が足りないとなれば、そもそもJ3では無理なやり方なのではないかと思えてきた。逆に吉田伊吹を目がけたロングボールの方が可能性を感じさせた。やはり吉田謙仕込みのポストワークは伊達ではない。途中から半田も出てきて、どこのブラウブリッツだよ状態になったりもして。

しかしテゲバジャーロの秩序は乱れない。そこは大熊仕込み。前半からイエローをもらっただけでなく、他にもヒートアップする場面があった江川をハーフタイムで交代させるなど、毅然とした采配を振るう。後半にファールを犯した後に悪態をついた井上もすぐ代えたし、そのあたりは育成畑出身の指導者だけある。そのようにして醸成された一体感がチームを前に進める。交代させる前の井上が蹴ったコーナーに橋本が再び頭で合わせて勝ち越しゴールを奪い取ります。

もちろん鳥取も諦めません。途中出場の常安が何度か単騎突破で見せ場を作るなど、ファイティングポーズをとりつづける。しかし、テゲバジャーロはそれでも乱れない。90分間尽きないハードワークでガイナーレを押し込みます。くどいようですが、こういうところが大熊仕込み。それでいて熱くなりすぎないのも良かった。具体的には下川。彼は清々しいまでに「要所を押さえればいいんでしょ!」っていうプレーをしますね。のらりくらりといいますか。というよなこともあって、テゲバジャーロがしっかりと勝ち点3を獲得しましたとさ。