「ナンノこれしきっ!」と再び立ち上がるしかない〜栃木SCvsモンテディオ山形(3/3)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□近くで遠いのかも

栃木と山形というのは、地理的に見れば福島県を間に置いた北と南ですよね。「一つの県を挟んでの両サイドで、かつ、新幹線が通っているのだから、山形的にも実質はホームみたいなもんじゃん⁈」とか思って調べてみたんですけど、……山形―宇都宮間、山形新幹線を使っても2時間とかかかるんですね。

うーん、、、実はあんまり共通点ない?栃木といえば日光、ならば山形といえば山寺とか出羽三山……弱い、共通点として弱すぎる。栃木といえばカンピョウ、ならば山形といえば紅花……やっぱり弱い。栃木といえばU字工事、ならば山形といえばダニエルカール。うん、そうか、方言がきつい、けれども首都圏の人間にも聞いてギリギリ理解できるキャッチーさがあるという意味では、まあまあ共通しているかな。

 

□クレバー系DF出身監督対決

山形は去年の途中から業界きってのイケメンこと渡邊晋さんが引き続き監督。そういう意味では継続路線ですが、もう少し巨視的に見れば、ここ数年間、モンテディオのエンジンとして君臨してきた南&藤田コンビが昨シーズン途中に解体されたので、転換期といえば転換期。ちなみに正式に離れ離れになった南&藤田に対して、熊本でラブラブだった坂本&杉山がここで再結成されたことにも注目。このまま小屋松&仙頭みたいになっていくのでしょうか。

ホームで迎え撃つ栃木は田中誠新監督。それを監督の師匠にあたる柳下正明ヘッドコーチが支える、なかなか珍しい体制。ところで田中誠さんは、現役時代から〝クレバー〟という評価の高かった監督さん。宮本恒靖とか戸田和幸とか、古くは井原正巳の系譜。ということは「結果は出してるのになぜか評価されない」というパターンにならないかしら。ちなみにワタクシに同姓同名の知り合いがおりますけど、そいつは、むしろちゃかり周囲から評価されちゃってるパターンです。なんにせよ成功を祈りましょう。

 

□中央突破の栃木とサイドを縦突破の山形

田中誠率いる栃木のシステムはアンカーを置く352。ですが、守るときは大森が1列前に残る4312っぽくなることも多いですね。攻撃は前線にいる矢野と1列下にいる小堀の推進力&キープ力を生かしつつ、繋がったときには奥田がエスプリを利かしていくようなイメージ。序盤はそれでチャンスを作れていた。ただ、逆に言えば小堀と矢野がロングボールの競り合いで頑張ってくれることを前提にしているので、個人任せといえば個人任せ。

一方の山形は去年から引き続きの4213。確かに攻撃時は4213ですが、守備時は両WGが引くのに対し、トップ下は相手のアンカー(この試合では佐藤祥)をマークするので442にも4411にも見える、ことがある。スタイルはいわゆるポジショナルで低い位置で回しながら両WGのフリーを作っていく。左WGの気田はいかにも〝サイドの10番〟というアジリティ&テクニック。吉田とのコンビで小刻みに崩す。逆にイサカの右はダイナミック。ワイドで起点となった後は、ガンガンとゴール前に入っていく感じですね。

試合は前半から激しく動く。均衡を破ったのは栃木。CKからのこぼれ球に奥田が反応して先制ゴールを奪い取ります。鮮やかな先制攻撃でしたねえ。しかし、山形も落ち着きを失うことなく、平常心のままイサカが右を崩す。そして、そこから栃木DFをチンチンにして最後はオウンゴール。振り出しに戻りました。

 

□栃木の苦杯

前半のうちにまだまだ試合は動きまくる。例によってロングキックに抜け出した矢野がPKを獲得。しかし、それが止められてしまう。まあ、そもそもオフサイドくさかったので、ある意味では帳尻があったわけですけど。逆に山形は前半から〝個〟を見せつけていた右から栃木守備陣を完全に崩して、インナーラップしていたイサカが決めて勝ち越し。イサカ劇場はまだまだ終わらない。PA内の空中戦を完全に制したイサカがヘッドで折り返すと、CFの高橋が抜け目なく決めてリードを2点に広げます。

この時間帯の栃木の守備は宜しくなかったですね。相手にボールを持たれると不用意に食いついてしまう。そして交わされる。交わされた後はリトリートするのですが、金魚の糞状態で、人数は揃っていても、秩序がない。ボールウォッチャーになったり、動きが重なってしまったり。そういうところの整理整頓が監督のお仕事だと思いますよ、田中さん。

山形にも後藤が前半で退かざるをえなくなるというアクシデントはあったのですが、禍を転じて福となす。途中出場の加藤がフリーマン的な動きで次から次へとインテンシティ強く攻守をコネクトしてました。逆に栃木は選手交代で流れを変えられなかった。宮崎と南野が同時投入されましたが、サイズを生かしたプレーができていた宮崎はともかく、南野は見せ場が少なかった。一度、決定的なシュートを強引に放ちましたが決められず。もっとも南野については、これくらいのことは〝ナンノこれしきっ!〟と払拭して、次に切り替えてほしいですね、南野だけに。

そんなこんなで山形が3―1で勝利を収めました。