ノジマステラ神奈川相模原といえば、今も昔も、看板選手は田中陽子。あの夏(だったっけ?)のヤングなでしこたちの輝きは、いまでも鮮烈ですからね。知名度という意味では、あの夏(だったっけ?)のピッチに立っていた面々が抜きん出ている。彼女たちの中では、猶本光とか田中美南とかが代表の常連となっていますが、最近になって地味にブレイクしかけているのは、実は仲田步夢だという噂もあったりなかったり。
対するジェフレディースは、ええっと、つい先日、ジェフvs徳島の帰り道に立ち寄って観戦したばっかりですね。そのときは、それまで使っていたiPhone用ワープロソフトに対する怒りが爆発していて、あまり記憶がないのですが、確か6番の西川彩華が印象に残ったような。もちろん、オヤジですから、印象に残った理由はルックスということになるのですが。ほんわか色白が魅力的なお嬢さんって印象だったような。1試合で10キロとか平気で走る人たちに“お嬢さん”ってのも失礼かもしれませんが。
■前半
この試合のキックオフは正午でございました。朝早めに動き出せば、それでも多少の観光やら散策やらはできたのかもしれませんが、この前々日は朝の10時から夜の10時までずっと飲み歩いておりまして、必然的に前日は自宅近くでグダグダ。飲み疲れてグダグダしているのに、自宅にいるものだから、ついついさらに飲んでしまう。というようなゴールデンウイークを過ごしていますから、そんなもん、朝早めに動き出すとか、無理な相談。
とりあえず、かなり早めのお昼ご飯をロマンスカーの中で食べていくことに。ええ、独身貴族は平気でロマンスカーとかに乗っちゃうんです。清水の舞台から飛び降りる覚悟で410円とか払っちゃうのです。そして、駅の売店で購入した「創作寿司 牛カルビのお重 わさび醤油仕立て」とかを食べるのですよ。牛カルビ弁当の酢飯バージョン。説明するまでもなく美味しかったでございます。
さて、ピッチ内。まずはノジマステラですが、移籍してからいうもの、着実に人気先行から実力先行へと脱皮を遂げてきた田中陽子がトップ下に君臨してきます。サッカーのスタイルとしても、いわゆるトップ下を置くサッカーです。簡単に言うと、コンビネーションとポゼッションで相手守備陣をメッタメタにしてしまおうじゃないか、という哲学。ザックジャパン時代に苦杯をなめたことで、必要以上にネガティブに捉えられるスタイルですが、たぶん、日本人の皮膚感覚にフィットするスタイルでもあると思います。
対するジェフレディースは、FC東京が好調ななかで、長谷川監督が多用する概念として、プチ流行語になりつつある“ファストブレイク”を志向するようなイメージですね。ボールを引っ掛けて、奪って、そして攻める、という、言葉にしてしまえば、当たり前すぎてなんの説明にもなってない気もしますが、ミソとしては、奪った後は、とりあえず「奪ったら、最初の選手は独力で1枚剥がせ!」ってところが特徴かもしれません。
■後半
スタイルの相違を反映するように、前半からイニシアチブを掌握していたのはノジマステラでした。後半になると、その傾向がいっそう顕著に。背景にあるのは、選手交代なども絡めつつ、大野忍が右のウイングから左にスライドしたことでしょうか。後半は圧倒的にノジマが攻めたてる展開に。
ただ、その一方で受けるジェフにも耐性が付いてきますから、なんだかんだで膠着した展開にもなります。で、この膠着がガチガチになっていくと、むしろ攻める側にとって難しい状況になってしまったりもするのですが、そんな暗雲を追い散らしたのは南野のファインゴール。トラップからシュートまでが、ホント、美しかった。そして、終盤にはお手本のようなカウンターから再び南野が押し込んで、勝負あり。ノジマステラの完勝となりました。
それにしても、ノジマ、懐かしい。20年ほど前、初めての独り暮らしを多摩ニュータウンで始めたとき、気の利いた電気屋といえば、ノジマでした。安いディスカウントストアはラブラブ。以降、着実にビジネスの規模を拡大していったとはいえ、言っても多摩から神奈川北部を拠点とするローカル企業。それが、女子サッカートップリーグのクラブを支えているのだから。こういう規模の企業がスポンサードするというのは、とても良いことだと思います。なでしこジャパンが世界制覇をしたことによるバブルは弾けましたが、かえって身の丈に合ったあり方が定着しつつある。こういう地に足着いた定着こそ、女子サッカーの日常化であり、それを格好よく表現すると「女子サッカーを文化に」ということになるんだと思います。ということで、宮間、元気か?