健勇と美馬がイチャつく〜大宮アルディージャvsFC大阪(4/6)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□「新旧3交代制の町」ダービー

朧気な記憶ですが、G大阪とC大阪では“大阪”の意味合いが違って、ガンバの“大阪”は「大阪府」であって、セレッソの“大阪”は「大阪市」みたいなことがあったように思いますが、ではFC大阪はどうなるのか?というより、FC大阪の場合、大阪というか東大阪ですよね。関西の友人に聞いたところ、東大阪というのは“郊外”という印象があり、かつ、町工場が多い的な話でした。「つまり大田区みたいなこと?」と聞いたら、「方向性的にはそんな感じ」と聞かされました。

それをいえば四半世紀前の大宮だって、たぶん似ていて、現在の鉄道博物館はJRの車両基地か何かで、そこで働く工場労働者の皆さんで賑わっていたらしい。例えば大宮で知る人ぞ知る「伯爵邸」という24時間営業の喫茶店がありますけど、それは、3交代制で働く方々に来てもらうために24時間営業を始めたとかなんとか。要するに、この対決は「新旧3交代制の町」ダービーということです。

 

□両チームの現状

さて、東京駅から上越新幹線か何かに乗り換えて乗り込んできたFC大阪ですが、目下、好調。3勝4分の無敗で3位です。率いるのは大嶽直人さん。女子サッカーくノ一を率いた名将ですね。鹿児島でも初年度は良かった。2年目は途中解任されて、新監督のもとでJ2に昇格したので、ついついネガティブな印象を持ちがちですが、2年目もそこまで悪い成績じゃないんですよね。なかなか評価が難しいところです。

迎え撃つアルディージャは4勝2分で、1試合消化が少ないながらの2位です。前節では順位がだいぶ下の北九州に引き分けでしたので、開幕ダッシュ的な部分は一段落しつつあるのかもしれませんが、杉本のトップ下、攻撃のタクトで躍動する小島など、適材適所を合理的に履行する長澤徹監督の手腕は、これまでのところ見事です。

 

□ピッチ上の両チームと前半

というわけでピッチに目を移します。まずFC大阪ですけど、木匠がフリーマン気味にうまくビルドアップの縦パスを引き出しますね。ちなみに木匠、「きつい」と読むそうです。初見殺し、そりゃキツい。ついつい「たくみ」って読みたくなりません?浅野内匠頭の内匠みたいな。ともあれ、FC大阪はボールを前に運べるってターンになると、5レーンのポジショニングが整理されているのか、4バックと3バックの噛み合わせによるものか、巧みにペナ近くでフリーの選手を作りながら雪崩込むようにボールを縦に運びます。そういう時は、なかなか迫力満点。

それに対してアルディージャはこれまでの4231ではなく3バック。スポナビアプリの予想では3421でしたが、アンカーに小島を置き、ISHに石川とAシルバを並べる352。たぶん、長澤徹監督的にはもともと志向があったんでしょうね。それにしても、そうか、Aシルバはボランチか。確かにFC東京時代はそういう触れ込みだったような気がする。アルディージャは去年までのボランチ過剰から一転してボランチ不足なラインナップかと思っていたら、なるほど、Aシルバはボランチの頭数だったのか。

試合はキックオフ直後はFC大阪が一気呵成に攻めたてる。そのファーストアタックを凌ぐと、大宮が地力で押し戻しますが、まだまだ352は未成熟ですね。選手が同じ画を描けていないというか、各選手の皮膚感覚に浸透していないというか、大きなミスはないのに

何故か微妙にチグハグした前半の戦いに、大宮的にはなってしまいました。

 

□サイドの攻防

FC大阪の両SBはなかなかキャラクターがありました。まずは右SBの美馬。わりとヤンチャというか、いかにも部活をやってるヤツって感じで、健勇とやり合ってましたね。やり合っているうちに、不思議と二人はむしろイチャつき出した。まあ、部活でやり合っているヤツらって、そういう感じでしたよね。一方、左の舘野はヴェルディ産ですから、エレガントです。SBではありながら、どこか司令塔っぽく振る舞う。左足は言うまでもなく、右足でインナーからスルーパスを出せるのが、いかにもヴェルディ産。

ワイドの選手ならば大宮も負けてません。特に下口。右WBとして先発して、途中、貫の投入とともに左WBに移る。そして、切り札の泉がピッチに送り込まれると左のISHに移りました。泉が左WB。スクランブル状態になったわけですが、その直後のCKで健勇のゴールに見せかけたオウンゴールで大宮が先制します。健勇の「当然、自分のゴールですけど、何か?」という立ち居振る舞いはさすがです。それくらいでないと、競技の世界では生き残れません。

ともあれ、大宮が先制したわけですが、逆にこれで大宮は少し難しくなった。泉の入った左WBのポジションに守備の不安がある。リードした以上、どうしても重心が下がる。重心が下がると守備不安はより強くなる。対処法は泉をできるだけ高い位置でプレーさせること。ということでシステムをWボランチにした上で清水を投入して、フォアプレスに走らせ続けるという策を長澤監督は講じました。そして、この策が見事に奏功して、大宮はFC大阪の猛攻を凌ぎきることに成功。僅差ながら大宮が安定の強さを発揮した一戦だったと思います。