快勝発進〜大宮アルディージャvsヴァンラーレ八戸(2/24)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記捕食

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東北新幹線の北と南

今年もJリーグの季節がやってきました。今シーズン最初の観戦はナクスタの八戸戦。青森のクラブですね。青森といえば今をときめく王林さんが奏でる津軽弁なわけですが、津軽地方(日本海側)に対し、八戸のある南部地方(太平洋側)は、さほど方言がキツくないことでお馴染み。東北新幹線が延伸して東京と直結した影響だったりするんですかね?

新幹線の前の青森といえば青函連絡船の発着地。上野発の夜行列車を降りるのが青森県。北へ向かう人の群は誰も無口だったはずが、いまや北海道新幹線が開通してからは、みんなおしゃべりなのでしょう。ちなみに東北新幹線は、かつて大宮発着だったんですよね。北は盛岡発着でしたが、少し伸びて八戸発着の時代もあった。それが函館と東京が直結したことで、どちらもただの通過駅となりました。そういう意味では、このマッチアップは「かつては東北新幹線の発着駅だったけど、いまではただの通過駅」ダービーと言えるのです。

 

□祝、開幕!

何はともあれホームの大宮ですよ。史上初のJ3降格ときたもんだ。さしあたり長澤徹監督を招聘して出直しを図ります。場合によっては、ピッチ上だけでなく、クラブ全体が、より大がかりな出直しとなるかもしれませんけど。実際に大宮のゴール裏には早くもオレンジ地に「BULES」の横断幕が掲げられていましたし。翼が授けられて、RB大宮アルディージャみたいなチーム名になったりするのかしら?

一方の八戸は引き続き歴戦の石崎ノブリンがチームを預かります。昨シーズンの八戸が既に例に漏れなかったように、ノブリンが率いる以上、間違いなくハイプレス、流行の言葉に直すとストーミングでやってくるはずです。一にも二にもハードワークなチームなのでしょう。姫野がいなくなって、伝道師的存在がいなくなるところに一抹の不安を覚えなくもないですけど、こういうベテラン監督が意気軒昂ってのはJリーグの発展においても重要ですね。

 

杉本健勇の天職?

さて、新生大宮ですが、ビッグトピックは杉本健勇のトップ下起用ですかね。もちろん2トップの一角という見方もできるのですが、そうであったとしても縦関係の下の位置。よく言われるように杉本健勇は1トップタイプではない。サイズがあるので1トップで使われてしまうだけで。敢えて近い選手を探すならフォルラン。往年のスアレスフォルランの関係でいえば確実にフォルラン。決してスアレスではない。ましてやスアレスフォルランではありやしない。アジリティは足りないですが、点取り屋の下で構えるのが最適のポジション。そういう意味では長澤監督の英断と言えるかもしれません。

対する八戸はノブリン続投ですから引き続きの5122(一般的には352あるいは3322と表記されることが多い)。ただ、この試合のメンツだと5122というより5131に近かったかもしれません。オリオラサンデーの下に右から⑧⑦⑨が並ぶイメージというか。頂点に君臨するオリオラサンデーは、一見、おもしろビックリフィジカル枠かと思われたりしますが、実は堅実派。特にポストワークはめちゃくちゃ堅実です。

試合は大宮が泉柊椰のゴールで先制しました。しかも中盤の強度に命を賭けているノブリン率いるチーム相手に、中盤で奪い合いを制して、そこからのショートカウンター。今シーズンの大宮を予祝するようなゴールだったと、シーズン終了時には振り返るかもしれない、そういうゴールになる可能性があります。

 

□大宮の快勝!

後半に入っても大宮のソリッドさは陰りを見せません。丁寧にラインを設定しながらのカウンター。リードしていたということもあるでしょうけど、そもそもそういう狙いのチームのような気もします。なぜなら、いったんカウンターを発動させると、一気に人数をかける。だから絶好のカウンターチャンスで猛然と多くの選手が前掛かりに走り出したタイミングでドリブルする杉本健勇が足をもつれさせると、俄然、大ピンチになる。だからといってカウンターに人数をかけることに腰が引けることはない。象徴的だったのが追加点。なんせ左SB下口の折り返しを、インナーラップしていた右SB茂木が押し込んだのだから。覚悟が伝わってきます。

もちろんリスクもあるんですけどね。この試合、唯一の失点はカウンターのチャンスで引っ掛けられてカウンター返しを許したところから始まる。オリオラサンデーの独走を許してしまいました。となると、多少なりとも嫌な空気が流れるわけですが、それを払拭したのは泉柊椰の個人技、素晴らしいミドルショットでした。失点直後のファインゴールで悪い空気を一掃します。それにしても泉柊椰、飛び道具ですね。さらに途中出場したルーキー藤井がアシストした中野誠也のゴールも加わり、勝負の大勢は決します。その後は、石川俊輝が退いてからの試合運びに若干の不安もありましたが、まあまあ、大宮としては上々の開幕戦となったのではないでしょうか。