NACK5スタジアムは料金が高いのが玉に瑕。
■前半
陣容を見ていると、福岡って、それなりに戦力が整っていますね。特に中盤。かつて福岡を出ていった生え抜きの若者たちが大人の男となって戻ってきて、そして、スタメンを張っている。中村北斗と鈴木淳ですね。中村北斗はFC東京でも大宮でも、なかなかトップフォームで活躍できませんでしたし、鈴木淳はヴェルディの厳しい外的環境のなかで悶え苦しんでいましたけど、古巣に戻って、井原さんが上手に使いこなしているよう。
福岡には他にも、いまや完全にバンディエラ化したエース城後もいますし、鈴木淳の相方である末吉も実績十分な実力派。亀川も昨シーズンJ2を独走した湘南でそれなりに出番を与えられた選手ですから、侮れない面々が揃っています。
対する大宮がタレント軍団であることは、今さら言を重ねるまでもないですけど、注目されたのは、知らないうちにガンバ色が濃くなっていること。近年の大宮は家長のワンマンチームと言っても過言でない状態ではありましたけど、そこに横谷が移籍してきてガッチリとレギュラーの座に収まった。加えて、最近の試合では播戸がムルジャを差し置いてスタメンで出続けてますもんね。ガンバ色が濃い。
そんな戦力が整った両チームですけど、決して個々のタレントに依存するようなサッカーはしていませんでした。共にコンビネーションが十全に成熟している。特に大宮。いやぁ、序盤からワンタッチとワンツーを繰り返しまくりながら、福岡で圧倒していましたね。他方で福岡も押し込まれることは先刻承知の上とばかりに粘り強く応戦。隙あらば高性能なロングカウンターを繰り出す。数は少ないものの、カウンターのチャンスでは、ほぼ毎回胸アツにしてくれました。
両チームに共通するのはワンツーやワンタッチなどのダイレクトプレーが多いということで、それらのパス交換が成り立つということは、それだけシステマティックな約束事があって、意図が共有されているということ。見ていて爽快な前半戦でした。
■後半
後半はどういうわけだか、一転して福岡のペースになりましたね。家長とかヘロヘロになっていたので、大宮が攻め疲れしたのかもしれませんし、そもそもアビスパがそういうゲームプランだったのかはわかりませんが、とにかく前半とは打って変わって、大宮陣内にボールのあることが多かった。
福岡の攻勢を牽引したのはボランチの鈴木淳。前半の大宮を下支えしていたカルリーニョスのアジリティー(小刻みなのか大味なのか微妙なドリブルやら、振りの小さな強烈なキック)も素晴らしかったですが、鈴木淳の視野の広さ、正確なロングキックによる展開力も素敵です。
とはいえ、スコアは硬直したまま。必然的に選手交代で打開を図ることになります。まず、福岡の井原監督ですが、イエローを1枚貰っているハードディフェンス系の末吉に代えて、ポゼッション向きの中原を投入。さらに運動量が落ちて裏のスペースを攻略されかけていた中村北斗に代えて阿部を左に入れます(亀川を右に回す)。対処療法としては、まこと理に適っている。適切なカードの切り方だったと思います。
対する大宮は難しかった。本当なら代えるべきはガソリンの切れた家長なんですけど、フリーランニングとかはできなくなっても、ボールを持てばミラクルを起こせる選手ですから、代えるに代えられない。そこで、前線4枚のうち、家長以外の3枚を順次交代させていったのですが、特に清水が全くボールを貰えてなかった。貰えてもバックパスを繰り返すばかり。
渋谷監督的には大誤算と思ったかもしれませんが、サッカーとはわからないもので、ヘロヘロ家長のスーパースルーパスに、途中出場のムルジャが抜け出し、その折り返しに、件の清水が反応して決勝点を決めてしまう。また、ムルジャはだめ押しゴールも決めた。勝負事は論より証拠。結果として「渋谷采配がズバリ!」ということになって、大宮が首位の座を堅持いたしました。
■日本代表への推薦状
□推薦者
・酒井宣福
□推薦理由
言わずと知れた酒井3兄弟の末弟ですね(4番目以下もいたらスイマセン)。酒井高徳の弟ってことは、お母さんはドイツ人。つまりハーフ。必然的にバタ臭い顔になります。今の若い人にバタ臭いと言ってもわからないと思いますので、「ソース顔か醤油顔かでいえばソース顔」と言っておきましょう。余計にわからないですね。
そんな顔の濃い酒井宣福、髪型が金髪(地の色なのか染めているのかは不明)で肩くらいまでの長さ。そして癖毛なのかパーマなのか、ともあれソバージュな感じ(ソバージュも使わないんでしたっけ?)。そして筋トレが好きらしく隆々とした胸板をしている。プレースタイルも、上半身の強さを前面に押し出してオラオラと突進する系。・・・フォルランやん。荒削りなところも魅力ですが、そこにフォルランばりの洗練さが加われば、代表も見えてくる!