大人な勝ち方〜ジェフ千葉vs徳島ヴォルティス(6/16)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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クリスタルガイザーvs養老渓谷

ジェフとヴォルティスと聞けば、真っ先に「ああ、親会社が強いところね」って印象が頭に思い浮かびます。言わずと知れたJR東日本様と大塚製薬様です。ちなみに去年までのフクアリでは何かと「 acure(アキュア)」にまみれました。JR東日本のグループ企業の製品。そういう意味では、大塚製薬も黙っておりません。「クリスタルガイザー」ですよ。クリスタルでいて、それでいてガイザーであるミネラルウォーターがアキュアを迎え撃ちます。

徳島県と千葉県という括りで行くと、徳島の観光地で訪れたことがあるところといえば「眉山」です。徳島市の真ん中にありますし。では千葉県が眉山の前に押し黙るしかないかと言えば、決してそんなことはない。必殺「鋸山」で対抗です。となれば徳島県はさらなる攻勢をしかける。「千葉県よ、お前らに大歩危小歩危はあるのか⁈」と。いや、千葉県は負けませんよ。千葉の最終兵器こと養老渓谷を思い知れ!……なダービーです。

 

□ともに回復の途中

さて、フェリーでお台場の横(有明)に着き、そこからりんかい線京葉線を乗り継いで乗り込んできた?徳島ですが、リーグ戦ここ5試合で2勝1分2敗。まさに勝ったり負けたり。順位は15位。一時の絶望的な状況からは、多少なりとも良くなってきた。それと反比例するように柿谷の出番が減ってきたことには、一抹の寂しさを禁じえないところでもありますが。もう一花ぜひ頑張れよ。

迎え撃つジェフは、リーグ戦ここ5試合で3勝1分1敗で、順位も7位まで上げてきました。とはいえ、リーグ戦序盤の躓きをリカバーするには至っておりません。結局、ジェフは調子が良いのか、悪いのか。ついつい栃木相手に8点取ったり、愛媛相手に7点取ったりした印象で捉えてしまいますが、今シーズンは上位が崩れなさそうな雰囲気を漂わせているので、さしあたりはプレーオフ狙いですかね。

 

□ジェフが攻めていたことは間違いない

というわけでピッチに目を移します。まず徳島ですけど、相変わらずエウシーニョが時々びっくりするほどフリーマンになります。向こうサイドのボランチの位置にいたりしますもん。ボールを持ちたがるので、チェックの狙い所といえば狙い所なのですが、キープ力があるので、結局は奪いきれない。それと、エウシーニョの1列前にいるチアゴアウベスも効いていました。エウシーニョとチアゴアウベスに代わる代わる襲いかかられた日高はとても大変そう。

一方のジェフは、インナーラップする日高を組み入れた複雑な5レーン(“W”の形)を作るイメージもあったのですが、この試合では田口が左前に上がるだけのシンプル5レーンでした。で、徳島がジェフ最終ラインへのハイプレスを完全に封印していたこともあって、フィード力のある佐々木が自由を謳歌。狙い澄ましたロングパスを次から次へと繰り出していたのですが、だからといって簡単にはそれがゴールに繋がらない。

前半の攻防については、なので、ジェフが攻めまくります。特に先発に抜擢された高木の円熟味が良かった。日高とのコンビネーションも極めて良好。逆の右サイドは田中の飛び道具。ドリブル突破というより、ロングスローという飛び道具。おそらくジェフとしてはこういう感じが通常運転。しかし徳島的にはどうだったんですかね?そこまで困っていたかどうか。攻められていたのか、おびき寄せていたのか。何度か前掛かりのジェフを裏返しかけたシーンもありましたし。そんな前半戦でございました。

 

□アダルティジェフ

監督が代わってからのヴォルティスは明らかに守備に力を入れているらしい。とにかくタイトです。ハードというかタイト。ちょっぴりダーティ。方向性的にはゼルビアっぽい守備。そのちょっぴりダーティなタイトさにジェフは攻守のリズムを狂わされる。とはいえ、クール&クレバーな小林慶行監督の薫陶を受けているのでしょう、ジェフには“審判とは闘わない”ってのが徹底している。本人は抗議をしない。抗議をするとすれば近くの他の選手がする。

リズムを狂わされているようで、正気を失うことはなかったジェフは、選手交代に際してほんの僅かに出来た徳島のエアポケットを見逃しません。あれは誰だったんですかね?佐々木だったのかな?のロングシュートを小森が押し込んで先制に成功。総じて小森はさほど良くなかった。どこが悪いってことじゃなく、一つ一つはちゃんとできてるけど、なんか上手くいかないというか、特にポストワークとかはバイオリズムが悪いとしか言いようがない感じだったのですが、それを払拭するゴールだったですね。

この試合、小林監督の隠れたファインプレーは、途中で田中和樹の左右を入れ替えたことでしょうか。どうも田中和樹、橋本とマッチアップすると、いろいろ相手の思うつぼ状態になってしまう。逆に相手がカイケに代わると、アジリティで揺さぶることができるようになった。で、橋本当番には岡庭を投入。SBのイメージも強くて、2度追いも余裕でできる岡庭が入ることで橋本をフリーにすることが減りました。そのあたりのマネジメントも含めて、ジェフが大人な勝利を収めましたとさ。