ダービーの周辺をウロウロと…2013年シーズンのJリーグを振り返る

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■里帰りダービー[千葉vs水戸(8月4日)]

 

千葉と水戸の共通点を探してみると、まず思い浮かぶのが、木山さん。ジェフをあと一歩で昇格というところまで導きながらも無念の更迭となった元指揮官が監督デビューを果たしたのは水戸でした。逆に、かつてジェフに所属していながら、その後、ホーリーホックに加入したのが、ご存知、鈴木隆行。多くの人にとっては意外な事実かもしれませんが、鈴木隆行って、地味に一瞬だけジェフに在籍していたのですね。

 

 

当時は、まだ市原臨海競技場をホームスタジアムにしていて、しかも古河の影響力が強かったりってこともあり、半ば‘Jのお荷物’的存在と揶揄されかねないチーム状況のなかレンタル移籍。何かと足りない部分の多いクラブに対して、若かりし鈴木隆行が跡を濁して発っていったみたいなことがあったような、なかったような。ちなみに鈴木隆行茨城県出身。てなわけで水戸入りには里帰り的要素もあったのですが、この試合、他にも両チームには、里帰り的要素を持つ選手が出ていました。水戸の富田大介選手と、ジェフの山口智選手ですね。

 

 

両選手とも、それぞれ水戸とジェフでプロキャリアをスタートさせ、その後、活躍が認められ上位クラブに移籍。移籍先でも十分に存在感を示した上で、キャリアの晩年に戻ってきた。しかも、2人とも真ん中のDFとして守備陣を統率しているところまで一致する。富田選手については大宮のイメージが強く、山口智は西野ガンバで数多くのタイトルを獲得してきた選手ですが、そういう経験を里帰りで還元するというのは、良いサイクルだな、と。

 

 

 

南関東ダービー[ベレーザvs浦和L(8月18日)]

ベレーザと浦和L。ワタクシ的には、なんとなく似ている印象を持ってます。最も類似しているのは、それぞれヴェルディとレッズという男子トップチームを有するクラブの一員であるということ。しかもヴェルディは1990年代前半におけるJリーグの盟主的存在ですし、浦和は2000年代後半における盟主的存在。昔なヴェルディにはACLを制した頃のレッズ並みに動員力があったのですな(遠い目)

 

 

ついでにいえば、それぞれ東京とさいたま市をホームタウンにしていながら、あまり都会派っぽくないところも似ている。ヴェルディのホームスタジアムは味スタですが、このクラブの場合、よみうりランドの方が印象に強い。ちなみに、よみうりランドは東京都稲城市。そして稲城市は、知る人ぞ知る梨の産地だったりします。一方の浦和。レディースだと、駒場とかを使うんでしょうが、レッズの場合、浦和美園がホームスタジアム。浦和美園って、ある意味、歴史的景観が残っているというか、さいたま市内のラストフロンティアというか、そんな土地柄。それこそ梨の栽培とかしていそう。

 

 

共通点は、‘首都圏’というより、‘武蔵国’ってイメージが強いこと。稲城市南武線が通っていますが、南武線の「武」は武蔵の「武」。一方、浦和には武蔵浦和って駅があるくらいですから、超‘武蔵’。ちなみに武蔵浦和駅近辺の地名は‘武蔵’という。つまり、もともと‘武蔵’国だから、‘武蔵浦和’という駅名が付けられ、その‘武蔵浦和’という駅名が定着するにしたがい、「ムサシ(ウラワ)」駅との音が皮膚感覚になじみ、‘武蔵浦和’駅周辺を“武蔵’という新地名で呼ぶようになったのでしょう。奥ゆかしきかな、地名の世界。

 

 

 

■牧場ダービー[千葉vs群馬(8月21日)]

千葉と群馬の因縁といえば、やはり青木孝太選手ですかね。セクシーな世界からやってきたストライカーは、将来を嘱望され続け、プチブレイク気味にはなりつつも、結局はブレイクしきれず、活躍の場を外に移しました。それでも千葉サポの愛情が薄れることはないらしく、選手紹介のときは万雷の拍手。とはいえ、今やザスパの青木選手なわけですが、ぶっちゃけた話、ザスパ的には、どうせ青木なら前橋育英出身の青木拓矢のほうが欲しいのかもしれません。なんてことを言ったら、確実に叱られるんでしょうが、言ってしまったもんは仕方ない。

 

 

ともあれ、群馬県と千葉県の共通点を探すのですよ。ワタクシの貧しい知識を総動員したところ、群馬には榛名乳業というのがあったはず。乳業ってくらいだから牧場があるのでしょう。そして、牧場となれば千葉県には世界に誇るマザー牧場があります。そういう意味では牧場ダービーと言えなくもない。

 

 

ただし、この時ワタクシは気づいてしまったのですよ。もう一つの共通点に。そう、マザー牧場といえば、セットのように取り上げられるのが東京ドイツ村。舞浜ネズミーランドに東京を冠して以降、どうも千葉県の事業者は千葉の施設に「東京」と称することが公認されていると考えているらしい。

 

 

それはともあれ、ワタクシは知っているのです。数年前、それこそ草津とかを旅行して、ロマンチックであり、それでいて街道的な道を走らせていたときに、ドイツ村があることを発見してしまったのですね。Wikipediaで調べたところ、どうやら正式名称を‘赤城高原牧場クローネンベルク・ドイツ村’というらしい。そんなわけで、ジェフvsザスパはドイツ村ダービーと言えるわけです。