そりゃアビスパの方が有利よね〜柏レイソルvsアビスパ福岡(6/2)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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井原正巳ダービー

この対戦を心待ちにしているアビスパサポも少なくなかったんじゃないでしょうか。というのもレイソルを率いているのは、かつてアビスパをJ1に導いた井原正巳ですからね。そりゃもう井原ダービー。井原さんも複雑ですよね。元々はミスターマリノスなのに。マリノスでの指導経験がないという。

「他にも古巣対決がいるなかな?」と、いったん思い浮かんだのがウエリントン。なんか、レイソルに所属経験がありそうじゃないですか。でも、よくよく思い起こしてみると所属していない。なんとなくウエリントンとドウグラスが頭の中でゴッチャになっている。頭の中がゴッチャになるといえば、なんとなくレアンドロ・ドミンゲスアビスパに所属してそう。だけど、実際には所属してない。なんせ、あのビスコンティが所属していたアビスパなんで、レアンドロ・ドミンゲスの一人や二人、所属していたことがありそうに思えてくる。そう考えてみると、思いのほか、両チームを経験している選手って少ないのかもしれない。

 

□名将対決のはず

さて、成田空港便のLCCで乗り込んできた?アビスパですが、正直、羽田から柏に行くより、成田からの方がリラックスできそうなわけで、そんなことはともかく、ここ5試合で2勝1分2敗の10位。安定の長谷部さん。10年に1度だけJ1に上がって、1年間で降格するというループからチームを抜け出させて、タイトルまで取って、今年も降格ゾーンからは多少の余裕を持たせている。見事です。

迎え撃つレイソルはここ5試合で2勝2分1敗の11位。順位はアビスパの一つ下、直近の成績では上回ってさえいる。井原さんも過小評価されがちですよね。その守備的なスタイルを忌み嫌うクラスターが一定数いるのと、J2でも5位くらい、J1とトータルすると25位くらいの予算(=実力)のクラブをJ1に昇格させて、「さすがにその予算では厳しいよね」って状況下で苦戦して凡将扱いされてしまう、損なパターンずっぽしな印象です。

 

□雨中の明暗

というわけでピッチに目を移します。まず、アビスパですが、そりゃもう徹底してますよ。まずはリトリート。マイボールになったら一目散に相手SB裏にロングボール。紺野とか走りまくり。それ以外のことはしない。やるとしたらロングアーリークロス。で、そのロングアーリークロスから柏のオウンゴールを誘発。交錯のなかで犬飼は負傷交代となってしまいました。ちなみに、ほぼ同じ角度からのFKで前半のうちに追加点もあげてしまいました。

一方のレイソルですが、最終ラインで外に逃がして、縦にロングパス。SHというよりツートップが斜め外へと走り込んでからクロスを入れる。跳ね返りを拾ってクサビを打ち込み、相手陣内に押し込んでいくというやり方です。……なんか中味のない、「一般にサッカーの攻撃ってそういうものですよね」っていう当たり前のことを書いてるだけのような気もしてきた。何というか、要するに日本人のサッカーです。リズミカルなパス交換を大切にするパターンのヤツ。繋がるととても小気味よい。

ともあれ前半の攻防ですが、序盤は福岡サポが「シャ、シャ、シャ、シャーシャシャッシャ、むらかーみ」っていうチャントを繰り返したようにレイソルが相手ゴール前でセットプレーのチャンスを量産しましたが、どんどんとピッチが水たまりになっていくなかで、地上戦のレイソルは空中戦のアビスパより、水たまりピッチの負の影響を強く受けるようになり、どうにもこうにもボールが前に送れなくなります。福岡が2点リードでハーフタイムを迎えました。

 

□土俵への慣れ

レイソルは前半で土屋を引っ込めました。確かに土屋、水たまりピッチに全く順応できていませんでしたよね。逆にアビスパの紺野は、ほとんど苦にしないかのような小刻みなステップ。パサーに比べてドリブラーの方が順応しやすいのかもしれませんが、それ以上に、実は小柄な選手の方が苦にしない傾向にあるんですかね?レイソルで言うと戸嶋や島村はわりといつも通りやれていたような。

アビスパではもう一人、松岡が重馬場を気にせずパスを通せていたような。レイソルのサヴィオジエゴも、そこまで手も足も出ない状態でなかったということは、ストリートで鍛えられたブラジリアンは、こういうところが逞しいのかも。で、そんなブラジルリーグで揉まれまくった松岡も、これくらいの悪条件ごとき気にしない強さを身につけたのかも。だとしたら、ブラジル修行も、まんざら悪いものではなかったということになりそう。

話をゲームに戻すと井原監督も木下を投入して空中戦に活路を見出そうとしたと思われますが、やはり米のことは米屋、レイソルは「なんでもかんでもアーリークロス」大作戦にこなれていない。アーリークロスに中の選手が間に合ってなかった。むしろ、アビスパが得意とする土俵に自ら登ってしまったような感もある。まあ、それしか土俵がなかったのだから仕方ないんですけどね。とにもかくにも、こうなるとアビスパが有利。レイソルとしても決定的なチャンスがなかったわけでもないのですが、そのままアビスパに寄り倒されるという一戦になったとさ。