完成度が高かったのはYS横浜、勝ったのはFC岐阜〜YS横浜vsFC岐阜(6/15)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□地域no.2ダービー

ローカルな話題ですが、東海地方(いわゆる東海3県)において、三重県岐阜県というのは宿命のライバルです。愛知県というか、名古屋市が東海3県no.1であることはあまりにも明瞭。では残りの三重県岐阜県とでは、どちらがno.2なのか。公式には決着はついてません。というか公式に東海地方no.2を決めるってどういうことだ?ってのは置いといて、実態としてはどう考えても岐阜県が圧倒的no.2です。三重県に生まれて、18歳まで三重県で育ったワタクシが言うのだから間違いない。

それに対して関東地方、北関東を除いた南関東4県では埼玉県と千葉県が熾烈なno.3争いを繰り広げていますが、まあ、千葉ですかね。埼玉県の田舎部はただの田舎ですけど、千葉県の田舎部は観光地的要素を帯びて、行楽地としてのブランドを有していますから。ただ、それはあくまでno.3争い。東京をno.1としたときのno.2は間違いなく圧倒的に神奈川県、というか横浜市。というわけで、この対決は「地域圧倒的no.2」ダービーなのです。

 

□12位と15位

さて、岐阜羽島駅からこだまでで乗り込んできた?FC岐阜ですが、調子が悪いです。リーグ戦に限れば、ここ5試合で0勝1分4敗。順位は12位。ここ5試合の成績がこれで、それでも順位が12位だということは、一時はもっと順位が高かったということですね。……それにしても岐阜、15年くらいずっと低迷しています。大旦那が付いても低迷、ラモスが乗り込んできたら目も当てられない焼け野原。結局、松永英機さんが監督をしていた頃が一番よかったのかも。

迎え撃つYS横浜は、リーグ戦ここ5試合で1勝1分3敗で、順位は15位。まあ、予算規模的にはこんなところ。むしろ健闘の部類。今シーズンのYS横浜は、ヴァンイヤーデン・ショーンとオニエ・オゴチュクウがレギュラー格っぽいのですが、この試合ではどちらも先発から外れておりました。まあ、「 ヴァンイヤーデン・ショーン」とか「 オニエ・オゴチュクウ」って言いたいだけなんですけどね。

 

□YS横浜の方がコレクティブ

というわけでピッチに目を移します。まずFC岐阜ですが、ボランチコンビが北と生地。背番号は6番と14番。いや、試合の日付が6月14日だったってだけの話ですけれども。システムは442ですが、ビルドアップの際は藤岡が下がって生地が上がることで433になって5レーンを作る。とはいえ、基本的にパスはCB→SB→DHを各駅停車で移動していき、かつ、途中でミスが起きる。カウンターでは一撃必殺技ワンタッチパスを出したりしますが、相手にバレバレで敢えなくカットされる感じです。

一方のYS横浜は中里が左CBに入ってるんですね。横浜FCにおける福森の役割。そこからわかるように、最終ラインからのロングボールを重視していて、いわゆる似非カウンターってヤツ。引き付けて奪って、そこからは一目散に相手ゴールへとレッツらゴー!みたいな。しかも、なかなか様になっている。前半から何度も何度もチャンスを量産していましたし。いかんせんシュート精度って話ではありましたが。

そんなわけで前半の攻防は、なかなかシュートを打てないFC岐阜と、なかなかシュートが枠に飛ばないYS横浜という構図になりました。その中で目立っていたのは、ピーターゼン世穏のポストワークですかね。J3水準ではカラダが強くて、上半身の使い方が上手い。胸トラップが成功すると、一気にチャンスが広がります。それから、競り合いのなかで入れ替わって抜け出す、みたいなこともできたりする。良かったと思います。

 

□サッカーの真理

それにしてもFC岐阜、パスはするんですけど、“剥がす”とか“裏返す”とかっていう発想が感じられないんですよね。どちらかというと2010年前後に流行した“繋ぎ倒す”というイメージに近いパスワーク。で、だったらそれをとことんやった方が良くって、実際、そういう繋ぎ倒しから田口がファインゴールを決めました。あまり良いカタチではなかったんですけど、決めた以上、それが正義なわけです。

追いかける立場になったYS横浜は柳と萱沼を入れて、中里をボランチに上げる。持てる柳、預かれる萱沼を入れて、捌ける中里をフィールド中央に配したのですから、つまりポゼッションに舵を切ったということ。それが奏功したのかどうか、判断する間もなく、YS横浜は菊谷のドッカンミドルで追いつきました。先発した脇坂が足を攣って、緊急投入された菊谷のゴール、まさにリアル“怪我の功名”です。

振り出しに戻った試合は、両チームとも最後まで勝ち点3を目指します。試合の構図とか、それぞれの攻撃スタイルとかは、さほど前半から変わりません。ただ、両チームのテンションが爆上がった。まさに“総力戦のしばき合い”って感じ。そして、そのしばき合いを制し、勝ち点3をたぐり寄せたのはFC岐阜でした。途中出場のイヨンジェが個で頑張った崩しから波状攻撃、最後はやはり途中出場の粟飯原が決め込みました。YS横浜の方が完成度の高かったにもかかわらず、勝ったのはFC岐阜。サッカーの真理が表現された一戦となりましたとさ。