どう考えたってズルい〜栃木シティvsギラヴァンツ北九州(6/8)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□木ダービー

栃木市北九州市(=小倉)。どちらも“県ナンバー2”都市ですね。福岡県ナンバー1といえば言わずと知れた福岡市(博多&福岡)、小倉はそれに次ぐナンバー2。他方、栃木県ナンバー1といえば、これまた言わずと知れた宇都宮、栃木市はナンバー2で良いのかな?(ナンバー2はどうやら小山市らしい)。ともあれ、他に共通点と言えば木材でしょうか。北九州といえば我々世代には“北九州工業地帯”、官営八幡製鉄所です。製鉄所ですから、かつては石炭に加えてたぶん木炭もそれなりに燃やしていたことでしょう。

栃木市は江戸の材木問屋が羽振りをきかせまくった商業都市。川越よろしくなオールドストリートには、往時を偲ばせる蔵屋敷が連なっていて、資料館として開放されているお屋敷の梁とかがあまりにも豪壮で度肝を抜かれたものです。かたや富国強兵を支えた工業都市、かたや江戸の熟覧したバブル経済を回した商業都市。主人公の職種こそ違いますが、この一戦は“木ダービー”です。

 

□好調同士

さて、スターフライヤーで乗り込んできた?ギラヴァンツですが、今シーズンここまで7勝3分4敗で5位。このチームの歴史を踏まえるとJ3で5位はもの足りませんが、直近数シーズンの成績と比較すれば健闘していると評価して差し支えないでしょう。そこは鳥取でけっこうな勝ち点取得率を残した増本さん。信頼と実績です。小林さんのGM時代に監督が増本さんだったら、もっとワクワクしただろうに。

迎え撃つ栃木シティは今シーズンここまで8勝4分2敗で2位。泣く子も黙る絶好調。4月に福島戦を観戦したのですが、そこからだと5勝1分で無敗。圧倒的に優勝してしまう成績です。そこにウタさんまで加わっている。マテイ・ヨニッチとピーター・ウタカって、、、。これらベテラン勢は暑くなってきてどうなのか不安がなくもないですが、脇を若手で固めてますからね、そうそう簡単には失速しないかも。

 

□ガードを固めるより他ない

というわけでピッチに目を移します。まずはギラヴァンツですが、そうか、喜山がいるのか。おそらく本職ってことで良いはずのボランチで元気に先発出場。それから樺山諒乃介もいる。こちらはトップ下。トップ下とボランチにユース年代に輝いたタレントを入れているように、基本的に北九州のサッカーはポジショナルではなく保持して崩すサッカー。ゴール前でより確実な選択肢を探しているうちにコースがなくなっていくパターンのヤツです。

一方の栃木シティですがISHの加藤丈がなんだかアルゼンチン人みたい。主にフォルムの面ですけど。角刈りで小柄なガテン系の風体ですから。プレースタイル的にもテクニシャンというより刈り取り屋さんぽいっし。そういう目で見ていると奥井も同じように見えてくるな。ってなことを考えながら眺めていた、その向こう側。貴公子然とした10番が華麗にゲームメイクしているじゃないですか。岡庭がイケメンすぎるぞ。

ともあれ前半の攻防ですが、前半の早いうちに北九州の井澤が交代を余儀なくされボランチには高柳が下りる。で、このあたりから試合は落ち着かないというか、ヒートアップというか。追いかけていた相手選手が倒れたときに避けきれず、(たぶん意図的ではないと思うけど)辻岡が踏み付けてしまって退場処分。もともと押し込まれていたギラヴァンツとしては泣きっ面にハチ。一人少なくなったギラヴァンツは喜山をCBとしてスクランブル器用して、なんとか得点を許さずハーフタイムを迎えました。

 

□、、、そこでウタカ⁈

後半の開始とともにギラヴァンツはシステムを再設定。CBの長谷川を投入します。喜山をボランチに戻すというパターンもありえましたが、喜山はそのままCB、システムを531にした模様(シティフットボールステーションはスタンドからの目線の高さがほぼピッチレベルなのでよくわからない)。そりゃハーフコートになりますよ、だって、「ハーフコート上等!しっかり守りきる‼」ってことにしたわけですから。ちなみに喜山ですけど、相手のシュートをスライディングでブロックするのが上手いですね。目視で確認できただけでも3回あったような。ギラヴァンツは集中力を切らさず、割り切ってしのぎます。

そこで栃木シティは奥の手を繰り出す。ウタカの投入です。、、、ズルい。どう考えたって、こんなんズルい。一人少ない相手の足が止まりかけたところでウタカは、誰が何と言おうとズルい。果たして決勝点を決めたのもウタカ。ピッチに投入されてしばらくは年齢相応に動きが緩慢な印象もありましたけど、シュートを決めたシーンはキレッキレ。この選手は前々から、自分のパターンというか、シュートへの道が見えると一瞬で15歳くらい若返りますよね。こうなるとギラヴァンツはしんどい。練度の高いセットプレーからあわやの場面も僅かに作りましたが、まずは危なげなく栃木シティが勝ちきりましたとさ。