再現性のある逃げ切り勝利〜大宮アルディージャvs藤枝MYFC(10/18)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□セキュリティ意識高そうダービー
藤枝と大宮か、静岡県と埼玉県という括りならば、サッカーどころという共通点がありますね。とはいえ藤枝はともかく、さいたま市大宮区という響きからはあまりサッカーどころ感はない。お隣の、さいたま市浦和区が埼玉県のサッカーどころ感を代表している。お隣さんの方が…ということなら、藤枝も、藤枝市よりは磐田市の方がサッカーチームのホームタウン感は強い。そういう意味では“サッカーどころのお隣さん”ダービーなのか?
っていうのでは余りにも失礼なので他にも共通点を探す。藤枝にはMYFCができる前、中央防犯ブルックスがありましたね。紆余曲折あってアビスパ福岡になってしまいましたけど。それに対してアルディージャはついこの前までNTT東日本サッカー部だった。どちらもセキュリティ意識が高そうですよね。藤枝については物理的な防犯意識、アルディージャについてはネットセキュリティ。という側面を強調して“防犯意識高そう”ダービーということにしておきましょう。

□サイクルの開始と終盤
さて、浜松からの高速バスで乗り込んできた?藤枝ですが、ここ5試合の成績は1勝1分3敗、順位としては降格圏も視野に入ってしまう15位。予算規模的にはJ3に停滞してもおかしくないクラブをJ2に引き上げた名将須藤ですが、正直、そろそろ1つのサイクルが終わりつつあるなかな?とも思えたりします。少しフロンターレ末期の鬼木さんと近い雰囲気がないでもない。サッカーの場合、長くて5〜6年で一周期とされますしね。
迎え撃つアルディージャのここ5試合は2勝0分3敗。順位は再びプレーオフ進出圏に上がってきて6位。長澤さんの最後3試合が3連敗だったのに対して宮沢悠生新監督が就任してからは連勝です。宮沢悠生名将説が早くも唱えられつつあるのかどうかは知りませんが、息を吹き返そうとしています。長澤さん時代とスタメンの顔ぶれそのものは大きくは変わってないですが、並びが変わったんですかね?注目したいところです。

アルディージャが先制
というわけでピッチに目を移します。まずは藤枝ですが、一瞬、「うん?浅倉が右ワイドにコンバートされたの?」と思ってしまった。そして榊原がシャドーで出ているのかと思ってしまった。というのも、浅倉といえば金髪じゃないですか?金髪が浅倉で、黒髪が榊原なのかと思いきや、浅倉は黒髪で榊原が金髪だったよ。ゆえに実際は浅倉がシャドーで、榊原が右ワイドだったわけですが。榊原は前々から金髪だったのかしら?
一方の大宮ですが、中盤ダイヤモンドの442なんですね。小島がアンカー。シルバがボランチの位置に落ちたりするし、泉は高い位置のアウトに張っているので、谷内田をトップ下とする4213みたいになる時間帯も多かった。とはいえ、基本は2トップ+トップ下ですから、もはや4ー4の2ラインでブロックは作りま宣言。ポジショナル全盛の現在において、特に前半は2ラインを作る機会なんてそもそもないですしね。
ともあれ前半の攻防ですが、なかなかのヒートアップ。ヒートアップの発信源はたいていにおいてアルトゥールシルバ。須藤監督が煽ってる感もありましたけど、とにもかくにもアルトゥールシルバがヒートアップ。でもシルバがそれくらいの方がアルディージャ的には良いらしい。小島がボールを運んで泉がクロス、サンデーが折り返して豊川が決めるという最高の形でアルディージャが先制し、ハーフタイムを迎えました。

アルディージャが逃げ切り
藤枝は後半の開始とともに金子から杉田にスイッチしました。ハードワーカー金子が、自らが先鞭を付けて走り回る、自分発信型の選手であるのに対し、杉田は周りが動いてから自分の動き方を調整するバランサータイプ。どっちが良いとか悪いとかって話ではないですが、この日の藤枝には杉田タイプが必要だったらしい。がぜんボールの回りが良くなります。
とはいえ大宮の堅守は崩れない。中心にいたのはGKの笠原。この選手は経験豊富ですね。守備陣を盛り立てるのがとても上手。味方の選手が、お世辞にも流麗とはいえない方法でクリアしたりしても、すぐさま全力の拍手で労をねぎらう。味方の守備陣ものってくるという話です。逆に藤枝としては何度も何度もコーナーキックを得ながらも、どうしてもゴールラインを割れない。ちなみに藤枝のコーナーキックではCFの矢村がコーナー外で構えていて、そこは少し特徴的かもしれません。
割り切って逃げ切りモードになった宮沢監督はトップ下にベテランの和田さんを投入する。これは妙手。高い位置でのバランスを整えることでボールを自陣から遠ざける。素晴らしい采配でしたね。そして、もう一つ特筆すべきは試合終盤になってもアルディージャの中盤におけるポジショニングが乱れなかったこと。攻め急ぐ藤枝の中央突破縦パスを「飛んで火に入る夏の虫♪」と言わんばかりにパスカットするシーンが多く見られました。アルディージャが再現性のある逃げ切り勝ちを収めたと言えるでしょう。