大分が隙を見せずに快勝〜藤枝MYFCvs大分トリニータ(3/10)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□ROROダービー

大分県の観光地といえば別府ですね。そんな観光王国別府を作ったのが油屋熊八さんで、駅前になかなか個性的な銅像が建てられています。で、別府の観光を支えたのが関西からのフェリー。これまた熊八さんが招致しただか、整備しただか、みたいなことらしいです。現在でもフェリーは圧倒的に九州―関西ですし、なかでも大分や別府発着のさんふらわあは、都市中心部へのアクセスがとても良い。

ワタクシ、まあまあフェリーに詳しい。なぜならフェリーに乗るのが好きだから。そんなフェリー好きのワタクシとしては、乗りたくても乗れない船がありまして、それがRORO船。簡単に言うと一般旅客を取り扱わないフェリー。長距離ドライバー専用フェリーといいましょうか。で、日本に数あるRORO船なのなかでも天下の商船三井が運行している路線に「追浜ー御前崎ー北九州ー大分」なんてものがあったりします。御前崎御前崎市であって藤枝市ではないのですが、だいたいで言えば、この試合はRORO船ダービーとすることができるでしょう。

 

□どちらもスウィーティー

さて、船か電車か飛行機かで瀬戸内を超えて乗り込んできた大分。開幕して2試合の戦績は2分。今朝の時点での順位はウォウウォウ夢見てるスイートシックスティーンの16位です。ここからの巻き返し、虹を撒き散らすことができるのでしょうか。なんていう、この胸のサムデイはともあれ、片野坂さん、噂によると第一次政権時代の擬似カウンタースタイルから一転して、ストーミングへと舵を切ったとか、切っていないとか。

迎え撃つホームの藤枝はルヴァンの敗戦も含めて含めて1分2敗。今朝の時点での順位はスイートスイートナインティーンブルースな19位。ちょっとやそっとのことで須藤監督が慌てふためきブレブレになることはないと思いますが、策士ですからね、チームとして誰も見たことのない顔を見せてくるかもしれないですし、いまはあくまで我慢の時で、ハードワーク&ポゼッションの、まるで毎日のようなスタイルからステップアップして、もうすぐ攻撃的ぶらずに守備的な武器も使える1番旬なときになるかもしれません。

 

□ゴボウしばき合い対決

というわけでピッチに目を移します。大分は、まあ、ストーミングっちゃストーミング、そういう要素がなくもないのですが、さほどそこに特化している感じではない。チームとして戦術的にストーミングしているというよりも、ひたすら中川が走りまくっているという感じだったでしょうか。むしろ、総じてオーソドックスなスタイル。日本のサッカーで古来展開してきた、〝中盤しばきあいスタイル〟ですよね。奪ってから縦に速いのは現代的ですけど。

一方の藤枝は大ケガから復帰した杉田が先発していましたね。横山とか久保が抜けた今や、藤枝らしさを感じさせる選手の一人。他には左WBの榎本なんかが藤枝のアイコンでしょうか。レジェンド枠の久富も先発。しかもWBなどの中盤ではなく3バックの一角。須藤さんらしいというか、ミシャが好みそうな用兵。ニューカマーとして注目されるのは浅倉廉。大分守備陣の2〜3列目にできるギャップで何度かフリーになってボールを受けてましたね。

試合は、なんだか似た者同士でした、藤枝と大分。多数派が日本人により構成されるチームらしく、ひたすらハイインテンシティ。結局は中盤勝負。で、大分同様に藤枝も縦に速いというモダニズム。前半トータルでは五分だったかと思いますが、狙いをより実現できていたのは、WB裏を繰り返し突っつき続けた大分だったでしょうか。とはいえ両チームとも決定機らしい決定機は作れないままハーフタイムを迎えます。

 

□謎の怪人も及ばず

後半早々にスコアが動きます。なんか、ヌルッと大分がボールを前に運んで、そしてヌルッと保田が抜け出して決めきりましたね。藤枝からすれば一瞬のエアポケット的な。となれば藤枝もやり返します。左サイドをほぼ完璧に攻略した榎本がお洒落感を漂わせながらクロスを中央に送ると、反応した矢村のシュートが相手ゴールネットを揺らします。揺らしたのですが、、、オフサイドでした。

試合のテンションが落ち着くと、大分の良さが尻上がりに際立っていきます。なんといっても保田―弓場―中川による正三角形のインテンシティですよね。保田と弓場の危機察知能力や2度追い3度追いする勤勉さもさることながら、中川のフォアチェックには感動すら覚える。そして、その正三角形の脇を野村・野嶽・香川といったサッカーIQの高い面々が締めていく。再現性を持ってこのパターンを発揮できれば、かなり強くなりそうですよ、トリニータ

劣勢を挽回したい藤枝の須藤監督は中島大嘉と、さらに謎の怪人ことウエンデルを投入してスクランブルアタックを仕掛けます。それに対して大分の片野坂監督はペレイラを投入して5バックにするとともに、ボランチを弓場からサイズのある小酒井にスイッチして、相手パワープレーに備える。万全の逃げ切りモードとなった大分を向こうに、なんとか同点を目指したい藤枝でしたが、陣地回復の勢いでそのまま突っ込む以上の形は作れず、シュートもミドルシュートなど単発に終わる。榎本に代わって投入された永田が見所を作ったりというのはありましたが、大分が盤石のウノゼロで勝ちきる、そういう試合となりました。