大分トリニータの停滞感〜ザスパクサツ群馬vs大分トリニータ(8/18)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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上毛三山

「夏だ!海だ!山だ!ハイキングだ!」ってわけにはいかない日々が始まって、2回目の夏がやってきました。何が不要不急かは個人で判断すれば良いと丸川さんも言ってたので、喫緊火急の要件として天皇杯を見に行く。せっかくの群馬なのだから、ここはひとつ上毛三山ですよ。といっても赤城山榛名山は去年の夏に登ってるんですよね〜、バスで。

残ったのは妙義山ですが、バスでは登れない。というか、上級者以外そもそも登れないのが妙義山。多分、年に何人も滑落していると思われる、そういうフォルムの山。そんなもん、ヘタレなワタクシが登るわけがない。なので妙義神社に参拝することでお茶を濁すことにした。しかし、これはこれで難易度が高い。バスがない。タクシー利用も考えましたが、「ジャパンタクシー」アプリの範囲外。いろいろ面倒になって、結局、徒歩で往復しましたよ、片道45分の道程を。その分のタクシー代を、延長までもつれ込んでしまって終電が怪しくなった(こういうところにもコロナの影響)スタジアムから前橋駅までの区間に使ったさ。

 

□悪戦苦闘

さて、中断前に監督交代というカードを切った群馬。久藤体制になって簡単には負けなくなった模様。しかし、勝ってもいない。勝ち点的には依然として低空飛行。思うに大前というスーパーなタレントを持て余しているのではなかろうか。普通にチーム作りをすれば、どうしてもワンマンチームになってしまいがちですが、こういう時は思い切って大前なしでも成り立つチームを作って、そこにスパイスとして大前をふりかけるくらいでちょうど良いのではあるまいか。

アウェイに乗り込んできた大分は、群馬以上にどう考えても悪い状況。引き分けさえできずに負けがかさんでいます。前回失敗したときのシャムスカのように、片野坂さんもチームを浮上させた功労者だけに、なかなか決断ができないという状況なのだと思いますが、デッドラインは確実に近づきつつある。格下のJ2相手に今後のきっかけとなるような勝ち方をすれば良いですが、思わぬ苦汁を舐めるようなことでもあれば、大きな決断も俄然、現実味を帯びてきますね。

 

□各駅停車vsシャドー走らせ

さて、両チームとも天皇杯仕様だったわけですが、群馬は青木翔太と北川のツートップ。先ほど述べた理屈で言えば、Jリーグでもこの2人のツートップでいけるところまで行って、で、大前を投入ってのも一つの考え方かと。ともあれ、群馬の攻撃は各駅停車のパス回しでなかなか厳しかった。ただ、大分に特徴的な、GKポープも加わる最終ラインからのビルドアップに対するハイプレスはそれなりに機能していたかな。前半途中から剥がされがちになりましたが。

対する大分は長谷川・弓場のWボランチに加えて最終ラインにはペレイラと羽田がいて、なんならボランチカルテット。上手くポジションチェンジしている場面もありました。途中からはペレイラが上がって、弓場が下がったりしてました。あと、藤本一輝って、昔トリニータにも所属していた林容平に後ろ姿の雰囲気が似てます? ともあれ攻撃についてはWBやボランチカルテットから出される、シャドーを走らせるスルーパスというか縦パスが時折機能的でした。

 

□灼熱の消耗戦

試合は格下群馬が先手を取りました。右SBで悪戦苦闘していた元アルディージャのプリンスこと吉永が前を向いてボールを持って、そこからのフィードを基点にサイドを攻略し、最後は白石が決めました。しかし、リードは長く続かず。他にもたくさんあったピンチに比べればなんてことのない右サイドからのクロスに群馬DFがハンドを犯してしまいます。大分の渡邊新太がPKをしっかり決めて、同点でハーフタイムとなります。

後半になると一転、スコアが動かない。両チームとも攻撃しては体力を失っていくという灼熱の消耗戦。飲水タイムの直前というか、この中断で飲水タイムになったという出来事は、両チームのワイドの選手同士が交錯してともに仲良く足を攣るというツイン足攣り事件。そんな消耗戦は延長戦にもつれ込み、両チームともヘロヘロな中、途中出場しながらも絶対仕掛けないマン化していた小出が初めて仕掛けた折り返しから小林が決勝点を押し込んで、辛くも大分が勝利を収めました。

 

□停滞する大分

先に小出をやり玉にあげましたが、絶対仕掛けないマン化していたのは小出だけでなく、出場全選手がそうなっていた。トリニータには「ドリブルで縦に仕掛けてはならない」というルールでもあるのでしょうか?あるいは「スピードに乗っていてもペナルティエリアの角では一度止まらないといけない」というルールでもあるのでしょうか??

おそらく「J1では個で勝負するのは厳しいから、個で仕掛けざるをえないような状況を避け、コンビネーションで数的優位を作ろう」というコンセプトにあるものかと思われますが、長い年月を経るうちに「個で仕掛けなくても良いように」が「個で仕掛けてはならない」という本末転倒になってしまっているように思えてならなかったのですよ。特にこの試合では仕掛けなくても剥がせてしまっていたものだから、急所を突くクサビも、一撃必殺の縦抜けロングボールも、そしてサイドでの仕掛けも、何一つなかった。メンバーがいつものメンバーではなかったことを差し引いても停滞感を感じずにはいられなかった次第であります。