エンリケ・トレヴィサンの対応を語るより宮代への賛辞を交わそう〜FC東京vsヴィセル神戸(3/9)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□聖地味スタ

味スタでやったんですよね、この試合。いや、FC東京のホームゲームだから当たり前なんですけど、なんとなく、いかにも国立でやりそうな雰囲気が漂ってません?新国立競技場に対して当初サッカー界は、かなり冷ややかに反応していたと記憶してますが、なんだかんだで芝のコンディションがとんでもないことになる程度には新国立競技場のヘビーユーザーになりましたね。

なんならJリーグ本体が補助金だったかチケット買い取りだったかの支援することもあるんでしたっけ?こういう状況に対してゲスの勘ぐりをすると、あるいは、国立競技場の側(=つまり日本の国のお偉いさん&その威を借りる既得権益層)から泣きつかれたのではないかと想像してしまう。まあ、それなりそれで良いんですけどね、〝国立〟を冠する施設が札幌ドームみたいになっても格好悪いですし。

 

□二重の勘違い

さて、味スタに乗り込んできた神戸ですが、J1クラブ相手の公式戦を振り返ると、スーパーカップで川崎に負け、リーグ開幕戦では磐田に勝ったものの、前節では柏の軍門にくだりました。まあ、ロケットスタートとはいきませんでしたね。ただ長いリーグ戦を考えると、神戸的には前の試合で汰木と佐々木が負傷交代したことの方が痛いかもしれませんね。

……ところで汰木と佐々木って、「え?一文字違い?」って勘違いしてしまいそうじゃありません?ちなみに、この勘違いって、二重の勘違いなんですよね。まず「汰木」って「ゆるき」だよっていう勘違い。そして「汰」は「沙汰」の「沙」ではなく「汰」だから、読むとしたら「たき」であって、「さき」ではないよ、という二重の勘違い。

なんてことはどうでも良くって、迎え撃つホームのFC東京セレッソサンフレッチェに続けて引き分け。無敗街道まっしぐらの14位です。新戦力のうち、小柏と高はここまでベンチに入っていませんが、ケガしたのかな?小柏はこの試合でベンチ入りしましたけど。ついでに言えば、なんだかんだで最終的には東慶悟がポジションを奪い返してからチームが本調子を取り戻す、みたいなことになりそうな雰囲気を感じなくもない。

 

□神戸がFC東京を圧倒

というわけで、ピッチに目を移すと神戸は、いつもの4123ではなかったかもしれません。山口蛍と扇原が並んだダブルボランチ風。宮代と大迫は縦関係でしたが、実質的に442だったと把握しておけばイメージしやすい。武藤と広瀬の関係については、広瀬が右かと思いきや武藤が右で広瀬が左。汰木の位置にそのまま広瀬が入ったということで良さそう。で、いつもと少しずつ事情が異なるとはいえ、さすがの完成度、キックオフから相手を押し込み、奪われても即回収するというポジショナルの真髄を見せつけ、FC東京を蟻地獄に引きずり込みました。

一方、FC東京はなかなか厳しかった。全体が押し上げられないから、3トップもそうそう相手最終ラインにチェイスをかけられない。山川とトゥーヘルへの制限が利かないもんだから、あっという間に陣地を戻されてしまう。ってなことを繰り返していました。前半途中からは荒木とか仲川とかが、タメを作ったり、相手を剥がしたりってことが少しずつできるようになったので、どうにかこうにかそれっぽくはなりかけましたけど。

そんなわけなので、前半は神戸が圧倒的に攻めたてる。せっかく獲得したPKで大迫が思いっきりけっつまずいても、神戸が圧倒的に攻めたてる。もしFC東京が「ある程度は持たせる」という作戦だったなら良いのですが、そういう作戦でなければ、両チームの明確な差を認めざるをえないような前半45分になりました。

 

 

□宮代爆発

後半になって風向きが変わりましたね、試合の風向きではなく、実際の天候としての風向き。で、急激に〝さぶっ!〟ってなった、気温が。体感で5℃くらい。そんな冷え切ったスタンドのボルテージを一気に上げたのがFC東京の先制点。コーナーキックのこぼれ球を小泉が丁寧にシュート。相手DFに当たってコースが変わったことも幸いしてネットを揺らしました。この時間帯はFC東京の選手一人一人が攻守において粘り強くプレーできていた印象です。

しかし、そんな束の間の安息は神戸の勝負強さによって、一瞬で吹き飛ばされます。武藤のスルーパスに反応した広瀬が正確なクロスを上げると、宮代がものの見事なヘディングシュートを叩き込みました。後半途中からの神戸の中央突破は凄かったです。大迫と宮代に武藤まで加勢していく感じで、バイタル中央をガンガン縦抜けしていっていた。中でも出色だったのが同点ゴールの宮代。ポストワーク、ターゲットとしての競り合い、オン及びオフでの突破力、使う側使われる側両方での活動量、全てが秀逸でした。やっぱり前線セントラルの選手なんですねえ。

そんな宮代のハイライトが後半25分。エンリケトレヴィサンをやっつけます。鋭い突破に思わずファール。決定的な得点機を潰したということで、一発レッドでトレヴィサンは退場。しかもそのフリーキックを大迫が決めきる。無慈悲です。その上、パトリッキとか井手口とか投入してくるのも無慈悲です。さすがに勝負あり。7分のロスタイムも含めて、神戸が悠々と勝ちきりました。