FC東京らしさ全開についてアレやコレや褒めちぎってみる【FC東京vs柏】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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■FC東京 4 vs 0 柏レイソル[J1第26節 09月27日]

守備が安定しているチームというのは、往々にして最初の一発で得点を奪って、そのまま逃げ切ってしまいますが、最近のFC東京は、そういうことができるらしい。キックオフ直後だというのに徳永が謎のオラオラオーバーラップを仕掛けると、そのクロスにカラダごと飛び込んだ武藤が膝で押し込んで先制点。3分とか、そういう時間帯。“ラッキーパンチ”ではなく、“かまし”ってやつですね。それが上手くいった、と。すっかり試合巧者ですね。

 

 

こうなると、「“攻める柏”と“受け流すFC東京”」という構図が固定化されたまま時計の針は進んでいきます。前半のうちから、相手がポゼッションしだしたら、高橋秀人なんかは躊躇なくCBの間に落ちて3(5)バックに移行しますもんね。こういうところの徹底、意思疎通は、ブレずにチームを作ってきたからこそ。柏はいたずらに支配率を上げるだけで、決定機どころか、シュートチャンスさえ作れませんでした。さしものネルシーニョも退任発表で神通力を失ったのでしょうか。

 

 

FC東京の真骨頂は前半のロスタイム。一番良い時間帯に追加点を奪った。しかも守備意識向上が著しい河野がパスカットして、その持ち上がりからのスルーパスに武藤が反応したもの。こういう得点のタイミングが、いまの好調ぶりを遺憾なく象徴している。前半の開始直後、そしてロスタイム、それに続いて、後半の開始直後にもゴールを上げてしまうんですから。武藤のパスカットから河野がワンタッチでラストパス。抜け出したエドゥが決めました。

 

 

後半も時間が経過するとFC東京の中盤の選手が“人間臭さ”を発揮し出します。まずはこのチームのキーマンである高橋秀人。後半から投入された柏のドゥドゥと熱いマッチアップを繰り返していました。温厚な高橋がブチ切れてまくってました。それから米本ですね。しっかり守っていながら、シュートまでいけそうなときはいくのが羽生と米本なんですけど、米本、2回くらい続けざまに決定的なチャンスが転がり込んできて、2回とも外しちゃいましたね。米本、人間臭いぞ。

 

 

3点差になったところでFC東京は梶山を投入。そして、東京のだめ押しゴールは、その梶山から。しかもパスミスから。梶山のパスがレイソルに奪われそうになって、そこを高橋と米本が挟み込んで奪い返す。で、外に開いた太田に展開すると、そのクロスにエドゥが見事に合わせました。こういう、パスミスが得点の起点となるところが、いかにも梶山らしい。東京らしさ全開。こうなると、柏は手も足も出なくなる。そのまま40で試合終了となりました。

 

 

というわけでワンサイドゲームとなった試合ですが、フォーメンション上のマッチアップは少し興味深かったです。4312と3421の組み合わせですから、例えばサイドが1対2になる。レイソルの両WBはFC東京の中盤とSBの間の位置で一瞬だけフリーになれる。また、アンカーの高橋が最終ラインに下りて、かつ、羽生と米本が前に取りに出たタイミングなんかでは高山のフリーランニングで起点を作られそうになった。ギャップは間違いなく存在していたと思います。

 

 

ただ、FC東京の守備組織が秀逸なのは、ギャップでワンタッチされたとしても、次のプレーにつながせないところ。レイソルの橋本や藤田が一旦はキープできても、次のプレーの選択肢が事実上、すべて奪われてしまっているのですね。また、多少、レイソルにパスを繋がれたとしても、ブロックに水漏れを起こすことがない。デンと構えた、その手前で回させているだけなので、裏をとられたり、スペースを許したりすることがない。いやぁ、強固ですよ、FC東京の守備組織。