キーワードは“適材適所”大宮アルディージャvs清水エスパルス(9月27日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

                                  にほんブログ村 サッカーブログへ
にほんブログ村

残留争いに足を突っ込みかけているオレンジなチーム同士の対決。

 

 

■前半

トレンディードラマ華やかなりし頃、2人の女性との三角関係に陥ってしまい、でも、優柔不断でどちらかに選びきれないような役柄をさせたら緒形直人の右に出る人はいませんでした。恋において“どっちつかず”ってのは、罪なのですね。で、“どっちつかず”が罪なのはサッカーでも同じ。この日のエスパルスの343システムは、そんな感じでした。守備に軸足を置きたいのであれば、5バックにするべきでしたし、5バックにしないわりには攻撃的な印象もなく。

 

 

そういう割り切りのない3バックだと、サイドで人数が足りないという弱点ばかりが目立ってしまう。果たせるかな、何度も何度も清水のサイドは大宮に崩され、左サイドを攻略した中村北斗のクロスからズラタンの先制ゴールを許してしまいました。その後は、少しずつ清水も盛り返すことに成功し、大宮を押し込む時間帯も増えましたが、河井のシュートが宇宙開発になったり、キーパー真正面だったりするなどしてなかなか得点には結びつきません。

 

 

対するホームの大宮。この日はムルジャがおりませんでした。ということで代役に橋本を抜擢。2トップではなく、橋本がトップ下に入る4231だったでしょうか。ちなみに確か橋本は高校時代、本田圭佑のチームメイトだったはず。背番号が「4」なのは、本田を意識してのことなのでしょう。それに加えて4231のトップ下なんかに入ったら、まんま、本田圭佑とモロかぶりなのですが、それは本人としても望むところなのかどうなのか。

 

 

ともあれ、無理に442にするのではなく、セントラルミッドフィルダー属性の強い橋本を、そのままトップ下に入れるというのは、一言で言うと、“適材適所”。思えば大熊さんの時代は、そのへん、めちゃめちゃ錯綜してましたものね。フィジカルの強いSBである今井をCBで、攻撃参加の得意なCBである高橋をSBで先発させたり、もうね、北枕を避けられるようにベッドの位置を決めたらエアコン直撃で血流が悪くなって早死にしそうになったワタクシくらい錯綜していた。渋谷監督になって、そこが改善された模様。

 

 

■後半

後半に入ると、清水が追いつきます。大宮の先制点と同じように崩しは左から。そのクロスにノバコビッチが競り勝ち、それを本田拓也がダイレクトボレー。これはなかなかのファインゴールでした。というか、本田拓也って、こんなに動き回る系のボランチでしたっけ。なんとなくアンカーの位置でドンと構える潰し屋ってイメージだったんですけど、この試合では積極的に何度も攻撃参加を繰り返すなど、運動量豊富でアグレッシブなプレースタイルでした。

 

 

ただ、相方の六平も、どちらかといえば前のめりなポジションをとる傾向にあったので、Wボランチの両方が、ディフェンスとオフェンスのスイッチポイントからいなくなってしまい、パス回しが思うに任せなくなるって時間帯もありました。アンカーを置かず、かつ、今後もこういう関係性でやっていくとするならば、そのあたりのポジショニングのバランスが清水の命運を左右しそうな気がします。上手くいってるときのパス回しは、なかなか見事でしたし。

 

 

さて、本田のシュートで追いつかれた大宮でしたが、「ダイレクトボレーでやられたらダイレクトボレーでやり返す!」とばかりにコーナーキック家長昭博が豪快に蹴り込んで勝ち越します。このゴールの少し前に、橋本から渡邊大剛へと選手交代があって、それに伴って家長はFWというかフリーマンへとスライドしていたのですが、そのポジションチェンジを機会に明らかに大宮のリズムが良くなっていたので、そのあたりことがスーパーゴールの伏線になっていたのかもしれません。

 

 

なんてことをいうと「じゃあ、最初からフリーマンで起用すれば良いじゃないか!」って意見もありそうですけど、スタートからフリーマンだと、家長の場合、敢然と完全に消えてしまいそうですからね。スタートは中盤で正解。この使い方が家長の“適材適所”でしょう。また渡邊大剛をボランチとかセントラルで使うのではなく、サイドのMFとして起用したのも“適材適所”。やはり大宮が調子を取り戻しつつあることのキーワードは“適材適所”のようです。

 

 

■日本代表への推薦状

 

□推薦者

大前元紀

 

□推薦理由

この試合で一番目立っていたのは泉澤と中村北斗からなる大宮の左サイドコンビだと思いますが、泉澤の場合、プレースタイル的に斎藤学とか乾とか原口とか武藤とか、そういった選手にかなり近いので、わざわざ推薦するほどってこともない。同じように中村北斗も、重心が低くてぶつかり合いに強いSBという意味では、ほぼほぼ長友と差違がないので、やはり推薦しづらい。やはり、他の選手とはキャラクターの違う選手が適当。

 

 

となってくると、大前なんかが宜しいのではないかと。この選手、良いですよ。スピードとかアジリティーに優れていますし、パサーに回れるだけのテクニックもある。中村北斗や長友みたく重心が低いのでぶつかり合いにも強いですし、運動量豊富にハードワークもできる。イメージ的には清武に近いですかね。ただ、清武よりはストライカー属性が強いので、清武と宇佐美を足して2で割ったようなスタイルといえばそれっぽいでしょうか。ともあれ、アギーレジャパンにも普通に絡んでくるはずです。