問答無用の実力差〜ヴァンフォーレ甲府vsヴィッセル神戸(8/2)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□VKダービー

ヴァンフォーレ甲府には名将と過ごした日々があります。1人目の名将は大木武で、もう1人の名将が城福浩です。どちらも鮮烈な記憶として残っておりますが、ここでは城福浩との日々を強調したい。なんせVFKがJFKと過ごした日々ですからね。ヴァンフォーレ甲府って自らを「VFK」ってイニシャル化するんですよね。

とはいえ「ヴァンフォーレ」と「甲府」なのだから「VK」で十分なわけですよ。にもかかわらず、なぜ「ヴァン」と「フォーレ」と「甲府」に細分化するのか?おそらく「VK」だと、他のクラブと重複するからではないか。そして、重複するもう一つのクラブが他でもないヴィッセル神戸ですね。「ヴィッセル」と「神戸」で「VK」。ってことはヴィッセルも「ヴィッ」と「セル」と「神戸」で「VSK」を名乗るべきではないのか?

 

天皇杯の王者そろい踏み

この試合は天皇杯だったわけですが、甲府は言わずと知れた現タイトルホルダー。王者として今大会に臨んでいるわけです。当然ながら、ここ1年以上、天皇杯では負け知らず。この後にACLも控えていますしね。「甲府から世界へ」。いや、甲府から世界に行くのって大変そう。なんせ、近くに空港がない。1番ストレスフリーで着けそうな松本空港は国内線のみ。たぶん、成田に出るんですよねえ。その時点で一苦労。

天皇杯王者といえば、もちろん神戸も負けていません。2019年の王者が神戸です。確か、スーパーカップ埼スタで生観戦したんだよな。おそらくあれがコロナ前最後の生観戦。PKにまでもつれ込んで、そのPK戦で10人近くが外し続けるという珍しい光景を目の当たりにした。ちなみに2020年の天皇杯は、コロナ厳戒モードにつき、Jリーグからの参加が4チームだけだったのですが、喉元過ぎればなんとやらで、奇麗にそんなことは忘れておりましたよ。

 

□前半はやや甲府

すっかり4ー3ー3が堂に入ってきた神戸ですが、この日は斉藤未月・山口蛍・川崎修平の3センターハーフ。アンカーが斉藤未月で、ISHは川崎がやや前、山口蛍がやや後ろという役割分担なので山口蛍と斉藤未月のダブルボランチにも見えた。また、攻撃でビルドアップするときは右SBの酒井高徳が高く上がって、左SBの初瀬がステイする関係性になります。

要するにスリーバックっぽくなるわけですが、その分、初瀬を加えた3DFの脇にはスペースができる。ということで甲府はそこのスペースを上手に使っていきます。甲府最終ラインから一発で裏返すフィードが繰り出され、前線4枚がそこに走り込んでいきます。尤も、甲府がわざと相手を引きこんで裏返しているかというと、多分そうではなくって、ストーミングな神戸との噛み合わせが良かったものと思われます。

そんなわけなんで、ポゼッション率はともかく全体のペースは、どちらかというと甲府にあった。甲府の選手の方が自分たちのリズムでプレーできていたと思われます。その流れから、先制点も甲府。ものの見事にドンピシャなオウンゴールが決まったように見えましたが宮崎のゴールとアナウンスされました。FKのキッカーが宮崎だった?それとも神戸の大柄なCBの前に入り込んだことにより、メインスタンドからは完全に宮崎が隠れるかたちになっていたのかしら?ともあれメリハリのあるプレスで神戸にリズムを作らせなかった甲府のリードで折り返します。

 

□後半は完全に神戸

後半の頭から神戸の吉田監督は魂の3枚替えを敢行します。いや、そんな勝負手を打ったのではなく、単にローテーションでの交代だったかもしれない。ともあれ大迫と武藤が入ると、神戸はまるで別のチームになりますね。前半からフルスロットルで走りまくっていた甲府が落ちたという要素もありますけど、もう、圧倒的に神戸のペース。そして縦横無尽に起点となりまくっていた大迫が開いてクロス。オウンゴールを誘発します。最後はオウンゴールでしたけど、必然の同点ゴールでしたね。

その後も神戸がリズムに乗り続ける。それでも甲府は宮崎の突破や、中盤での強度でどうにか対抗していましたが、その中盤でのしばきあいも神戸が完全に制するようになる。武藤の勝ち越しゴールは、まさにそういうかたちから。武藤のゴールは佐々木のシュートのこぼれ球でしたね。佐々木も大迫の投入で息を吹き返していて、真ん中に構えた大迫が開いたり引いたりして空いたCFのスペースで上手に振る舞ってました。似非9番タイプなんですかね、佐々木?

甲府としてはミラクルを起こさないと試合の趨勢は変わらないということで山本英臣を投入。武藤に四苦八苦していたマンシャ、尻上がりに高い位置に上がるようになった初瀬への対応が苦しくなった右サイドをフォローする目的だったと思いますが、それでも神戸は手を緩めない。大迫とパトリッキがダメ押しの3点目と4点目を決めます。この2点に象徴されるように、最終的に選手の個人能力の合計値の差がゴールの数の差としてあらわれた試合だったと思います。