すっかり強豪の勝ち方〜柏レイソルvsヴィッセル神戸(5/31)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□政商ダービー

レイソルヴィッセル、なんかイメージがかぶるんですよね。いろいろ思い起こすと、例えば西野朗。西野さんといえばガンバの名将というイメージも強いですが、もともとは現役時代から日立の至宝だった人。指導者キャリアとして最初の大成功を収めたのがレイソル。この両チームに関してもう一人想起されるのがネルシーニョネルシーニョレイソルヴィッセルレイソルという遍歴ですので、もはや柏と神戸の架け橋と称して過言でない。

西野さんもネルシーニョヴィッセルに招聘されたのはブランド人材大好き三木谷ちゃんのご意向だったとか。そんなヴィッセルも、ブランド大好きオーナーのワンマンクラブになる前は川崎製鉄水島サッカー部だった。ルーツは川崎重工。戦前からの国策関連企業。レイソルの親会社である日立もそういうイメージ。そんなところも両チームは似ている。三井三菱古河ほどの財閥感はないとはいえ、政商ダービーとネーミングすることは許されるでしょう。

 

□六本木での鈴木一郎

さて、スカイマークで乗り込んできた?ヴィッセルですが今シーズンここまで8勝3分6敗で暫定6位。ばらつきのある試合数のなかで消化数が少ない側なので実質的にはもう少し高い順位なのかな。ともあれ三木谷イズムではクビになる順位。とはいえ永井秀樹石井一久みたいな子飼いの寵童はどこまでも厚遇されるのも三木谷イズム。さて吉田さんはどちら側の位置づけなんでしょうか?夜の六本木における付き合いの良さが問われます。

迎え撃つレイソルは9勝7分2敗で2位。絶好調ですね。去年までの井原さんも悪くなかったと思いますが、リカルド・ロドリゲスが手腕を発揮しています。それにしてもリカルド・ロドリゲスって、ラテン的にベタな名字とベタな名前ですよね。日本人でいうと“鈴木一郎”とか“田中陽子”みたいな感じなのでしょうか。そして日本の場合、ベタな名字とベタな名前の組み合わせってのは、実は逆に珍しい。リカ将の母国ではそのへんどうなんですかね?

 

□ゲーゲンプレスとポゼッション

というわけでピッチに目を移します。まずヴィッセルですが、一言で表現すると“ゲーゲンプレス型ポジショナル”という感じですかね、まずはボールを前に送って、そのままシュートを狙いつつ、本命は跳ね返された後の奪い返しショートカウンター。その戦略のキーパーソンはパトリッキなのかな?要所要所で陣地を前進させるというか、ボールを前に運ぶ役割を果たしつつ、南米の選手らしく「おいしい」と思ったときは目覚めたかのようにフォアプレスをかける。

一方のレイソルも大筋では似たような感じ。ポジショナルです。ただしゲーゲンプレス型というよりポゼッション型ともいうべきポジショナルスタイル。よりボールを握って、ボランチが攻撃をコーディネートをしていく。コーディネートはこーでねーと。これ、ボランチが熊坂だとどうなるですかね?この日のボランチは白井(と山田)。白井は遠藤保仁型ショートパサーですからね、引き付けて一撃必殺技ロングパスってことにはならない。白井に合わせてのポゼッションだったのでしょうか⁇

ともあれ前半の攻防ですが、先手を打ったのは神戸。ゴール前の混戦からトゥーレルが滞空時間の長いヘディングシュートを決めます。とはいえレイソルも引き下がらない。3バックゆえに“プラス1”が作れるCBの原田がスルスルとゴール前に進入し、ファインショットを蹴り込む。しかししかしファインショットくらいじゃ神戸は意気消沈しない。ゴラッソとしか言いようのないスーパーゴールを扇原が突き刺して、神戸リードで折り返しました。

 

□ウイニングメンタリティ

巻き返しを図るリカルド・ロドリゲス監督は後半開始とともに魂の2枚替えを敢行し、垣田と手塚を投入します。ロングパスに定評のある手塚を入れて、大型CFの垣田を細谷と組ませて2トップにしたのだから、要するにヴィッセル同様に裏返して奪い返してショートカウンターというゲーゲンプレス型ポジショナルに作戦を変更したのだと思われ、実質的にはミラーゲームに持ち込んだようなかたちになりました。もちろんスターティングポジションの配置は違いますけど。

とはいえ、それでヴィッセルが崩れるようなことはない。とにかく強度が強い。イーブンのボール争いでレイソルを圧倒的する。そしてゴール前が固い。攻め込まれてもPAの幅に5〜6人が必ず構えている。そして、ゲーゲンプレスはすれどもリスキーなライン設定をするわけではないので、裏のスペースを使わせるということもない。強いっすよ。レイソルとしては活路はサイドということになって、小屋松がしかけまくるものの、どっこいそこには酒井高徳。いやはや。

細谷&垣田ではアジリティという意味で、なかなか相手の組織をかき乱せない。そこで仲間を投入する。逆足の小屋松ではサイドで一手間かかってしまうので、ならば順足のジエゴを入れる。それでもヴィッセルは動じない。挙げ句の果てには佐々木のカウンターショットでダメを押す。これぞウイニングメンタリティってヤツですかね。ヴィッセルが3ー1でレイソルを下したとさ。