ベンチメンバーの差〜柏vs神戸(4月30日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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ゴールデンウィーク観戦初日は柏でございます。

■前半

まずは両チームのフォーメーションを確認する。メンバー表を見たときの予想では、左SBが中山、中谷・鎌田のCB、右SBに伊東で山中がSHかと思ったのですが、実際には山中が左SB、中山・中谷にCBコンビで鎌田が右SB、伊東が右SHという並びでしたね。そうか、鎌田がサイドバックか。そういえば、『エルゴラッソ』にはそれらしきことが書いてあったような記憶がなくもない。伊東は前節もハーフでゴラッソしてましたね。

 

 

対する神戸も、ワタクシ的に並びを予想したときは、4バックの前に、藤田と三原のWボランチ、左SHに渡邊千真、右SHに前田、で、ペドロジュニオールレアンドロが2トップかと踏んだのですが、実際は三原がアンカー、藤田と前田がインサイドハーフで、前線に左から千真、レアンドロ、ペドロジュニオールが並ぶ433でした。なるほどね。確かに、そうした方が、渡邊千真の得点感覚を有効利用できそう。

 

 

そんな両チームの対決を一言で表現するならば、「どちらもテンポ感が良いな〜」ということになります。いやあ、なかなか見ていて爽快でしたよ、レイソルヴィッセルも。やっぱり、よく訓練されたチームというのは、この“テンポ感”が共有されているんだと思います。ショートパスサッカーだろうと、縦に速いスタイルだろうと、「パスが繋がること」そのものではなく、「テンポよく繋がること」が重要で、いくらショートパスを繋ぎ倒そうとも、リズミカルでなければ「良いからシュート撃てよ」って気分になる。

 

 

そういう意味では、この試合は見ている側としてもストレスフリーでした。ちなみに、両チームの相違についても簡単に言及すると、ヴィッセルは、けっこうしっかりと横幅を使うサッカーを展開してました。攻め詰まったら、ボランチなり最終ラインに戻してサイドを変えていくスタイル。それに対しレイソルは、ディエゴオリベイラにクサビを入れて、一気に中央突破で仕留めようという感じでした。

 

 

 

■後半

試合は山中の絶妙なフリーキックで柏が先制してハーフタイムを迎えます。神戸から見れば、事故っちゃ事故な失点。それでもリードされたことには変わりませんから、後半に入ると神戸が前のめりに攻めます。そして、中盤がスカスカになったところで、カウンターを許して追加点を献上。これも、守備陣の対応に難がなくもなかったとはいえ、まあ、事故ですよね。これらの失点は切り替えるしかない。

 

 

でも、ヴィッセルには、悔やむにも悔やめない事故が他にも起きます。それは、後半のスタートから投入した松下が、僅か10分程度で負傷交代してしまったこと。ネルシーニョは早くも2枚目のカードを切らざるをえなくなった。松村を投入するとともに、システムを442とします。ヴィッセルのベンチメンバーを眺めたとき、おそらく切り札となりうるのは、この松村だけでしたので、そのジョーカーを受動的な理由で使わなければならないのはキツい。

 

 

それにしても、この日の神戸のベンチメンバーは、いささか迫力不足でしたね。怪我人が多いんですかね。小川が離脱していることは存じ上げてますが、石津もケガですか? そんな苦しい台所事情のネルシーニョが最後に切ったカードが左SBの交換。相馬から東にスイッチしたのですが、これが大失敗。前半から相馬は何度もオーバーラップからクロスを入れて得点の予感を漂わせていたのに対し、東は大ブレーキ。リーグ戦初出場とかですかね。抜擢には残念ながら全く応えられませんでした。

 

 

逆に柏のベンチメンバーは豪華だった。まず、最初のカードとして登場したのが大谷。ピッチに入るや、キャプテンマークを手渡される。そして、次に送り出されたのが田中順也。欧州帰りの元日本代表。そして、最後にクローザーとして出てきたのが大津。これまた欧州帰り。そしてロンドン五輪のヒーロー。もうね、どれだけ選手層が厚いんだ、と。そりゃ、エデルソンの出る幕じゃないわね。前例上、使わないとクビになるから、監督さんとしては使わざるをえないんだろうけど。。。

ともあれ、柏の完勝でございました。

 

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

・神戸の最終ライン

□推薦理由

この試合ではあえなく複数失点してしまいましたが、神戸の最終ラインには役者が揃ってますね。まず、岩波と伊野波の“い・い”コンビが良い。2人とも攻撃の起点になれる。足元の技術と、守備での強さをハイレベルで両立できる選手が2枚いるって、なかなか凄いこと。本論でも簡単に触れましたが、神戸の攻撃はボランチなり両CBなりが起点になって横幅を広く使う。それが可能なのは、この2人が揃っているからでしょう。

 

 

そして両SB。高橋峻岐と相馬ですけど、この2人は若い頃からずっとスペシャリストとしてやってきた、生粋のSBですよね。そりゃあ外連身がないですよ。ありとあらゆる場面で「SBは、そういう動き、そういう選択をしますよね」というプレーをする。まさに職人。ブラジル代表を挙げるまでもなく、チームが強いときには、必ず職人的SBがいるもの。近年の神戸は過多なくらいSBを補強してますけど、そこに関しては決して間違ってないと思います。