大どんでん返し〜千葉vs徳島(2月28日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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今シーズン最初の観戦は寒い寒いフクアリにて。

■前半

前半の戦い方やら、フォーメーションやらは、両チームともよく似ていましたね。まずフォーメーション。徳島は渡がMF登録だったので451と思わせながら、ごくオーソドックスな442。千葉は登録上もピッチ上も442。戦い方も似ていて、近年のトレンドである「縦に速い」ってスタイル。もっとも徳島はとりあえず2トップを走らせるって感じなのに対して、千葉の場合は3人くらいがクロスに反応してペナルティーエリアに走り込んでいくこともあって、そこは少し違いましたけど。でも、トータルで見れば、よく似ていた。

 

 

両チームの類似点は、人の配置においてもイロイロありました。例えば、両チームともSBのうちの一枚はCBタイプだったというところが共通していた(千葉の右SBは多々良で、徳島の左SBは富田大介)。それからSHについても、徳島は木村と大崎で、千葉は井出と小池。組み合わせとしては、一方はMFっぽいMFで、もう一方がFW兼用MF。スタイルが似ると、人の配置も共通してくるらしい。

 

 

前半のホットスポットはジェフからみて左サイドでしたかね。ジェフの攻撃は、「左で作って、右で仕留める」という、往年のザックジャパンを彷彿とさせるもの。新加入のエウトンがそれなりにポストワークをこなせるので、ここを起点に、そこから井出に出す感じ。井出が前を向いてボールを持てたら、船山がフォローに入ったり、阿部がオーバーラップしたりするなどして、相手守備陣をきりきり舞いにしておりました。

 

 

そうやって押し込まれていたからなのか、あるいはもともとそういうプレースタイルなのかは存じませんが、徳島右SBの広瀬は、あまり積極的に上がっていくってシーンは多くなかった。といっても、守備では後手にまわるものの、攻撃ぼ場面では一転して存在感を示していましたが。広瀬って典型的なSBというよりも、ラームっぽいスタイルで、隠れ司令塔的なプレーをしますね。CBからのパスを受けに行ってクサビのパスを直接FWに入れたり、オーバーラップの時も中に絞っていってましたし。ともあれ、前半はスコアレス。

 

 

 

■後半

前半は両チームとも「縦に速い」、つまり、リスクを冒さないクールな戦い方でしたけど、後半に入ると様相が変わります。まず、ヒートアップするシーンが見受けられるようになった。後半の10分くらいでしたか、ジェフの船山と徳島の山崎(?)が揉み合い寸前になってました。それから、もう一つ変わったのは、パスをテンポよく繋いでいくって攻撃シーンが徳島に散見するようになったこと。前半の様子見気分から一転、ガチモードとなりました。

 

 

試合が動いたのも、そのようなガチモードとなったがゆえ。熱さを抑えきれなかったのはジェフのエウトン。そこまで危険ではなかったですが、後方からアフター気味にタックルしてしまい、イエローカードを頂戴してしまう。そして、そのセットプレーからの流れで伏兵の富田に先制ゴールを奪われてしまいました。この選手は息が長いですね。攻撃に物足りなさのあるイメージですけど、こうやって意外性のあるゴールを決めたりしますし。

 

 

スコアが動けばベンチも動く。両クラブとも、一応の責任企業を持ってますから、J2としてはベンチメンバーも豪華。ここから出るは出るはの切り札たち。まず、徳島は2トップを入れ替える。それ自体はごく普通の選択。ただ、代わりに出てくるのが佐藤晃大長谷川悠なのですよ。J2ならバリバリにレギュラーを張れるはずの実力の持ち主で、かつ、プレースタイル的にも、ボールをキープしたり、前線のチェイシングを頑張れたりっていう、逃げ切るにはもってこいの選手たち。3枚目の藤原広太郎も含めて、贅沢です。

 

 

対するジェフは吉田眞紀人、長澤和輝、山本真希を投入。中でも目玉は長澤和輝なわけですが、長澤については、あまり試合に参加できていなかった。「攻め急ぐジェフと大きくクリアする徳島」という構図では、二列目の選手は厳しい。でも、その長澤が試合を決めるのだからサッカーは面白い。後半もロスタイムになって吉田眞紀人が同点ゴール、そして、50分を過ぎてから長澤が決勝ゴール。結果的に「関塚采配ズバリ!」となりました。

 

 

 

■日本代表への推薦状

 

□推薦者

・岩尾憲

 

□推薦理由

去年、2回ほど見て、2回とも感銘を受けた西ヶ谷さん率いる水戸のサッカー。その中心にいたのが、この選手です。岩尾の良いところ、それは「消えない」ところ。特にボランチの選手にとって、とても重要。そういう意味も含めて水戸の王様でした。今年は徳島に移籍。おそらく、クラブの財力を踏まえれば多少なりとも金銭的な待遇も良くなっているでしょうし、「キャリアアップ」と言って良いですよね。やはり、違いの作れる選手は、相応に恵まれなければならない。健全な移籍です。

 

 

この選手の良さは、長短のパスの正確性。誉めすぎになることを恐れず言えば、(あくまでプレースタイル的には)ロングパスも得意とする遠藤保仁って感じ。常に冷静沈着。相手のプレッシャーにも慌てない。正確なトラップから成功率の高いパスの選択肢を確実に選んでいく。そこにロングパスも含まれる。敢えて「日本のシャビアロンソ」という表現が相応しい選手を探すとするならば、この選手を措いて他にないでしょう。