風間さんの試行錯誤と、がんばれ小宮山〜川崎vs仙台(6月3日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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新装開店した等々力のメインスタンドデビューを果たしてきました。

 

■前半

 

当初から、「川崎が攻めて、仙台が守る」という構図は容易に予想できましたよね。戦力的な問題もありますけど、それ以上に両チームが志向するサッカーの方向性が、「ボールを繋ぐ」と「しっかり守る」ですから、必然的に明瞭なコントラストがピッチに示されます。しかも川崎が大久保も憲剛もレナトも休ませず使ってきたのに対し、仙台はいかにもナビスコチックな布陣でしたし。

  

 

で、こういう展開になるとお約束のように、押し込まれた側のチームが乾坤一擲をぶちかます。仙台右SBの蜂須賀が目の覚めるようなロングシュートを川崎ゴールに突き刺しました。

 

 

尤も、だからといって川崎が押せ押せモードでリスクマネージメントを疎かにしていたかというと、思いの外、ちゃんとしてました。序盤は3バックのWB裏を定石通りに突かれていたのですが、3バックと森谷が慎重なポジショニングを取り、早めに全体がリトリートすることで、そのあたりを改善します。その分、高めの位置がフリーになって、蜂須賀の得点に結びつくんですけど、そこは蜂須賀を誉めましょう。

 

 

なお川崎は前半のうちに同点に追いつきます。憲剛から船山に出されたスルーパスが抜けたかと思いきや、船山の背後に潜んでいた忍者大久保君のゴール。

 

 

■後半

後半の頭から川崎の風間監督は最終ラインの武岡に代えて杉本健勇を投入し、442へとシステムを変更します。DFアウトでFWインですから、2トップへの攻撃的なチェンジにも見えますが、むしろ4バックにして、カウンターの危険性を減少させる狙いがあったように思います。

 

 

システム上の噛み合わせが良くなったことで、川崎のボール保持率は前半以上に向上します。前半の時点ですでにハーフコートゲームだったのに、さらにもう一段のギアアップ。ただ、システム上の噛み合わせが良くなったことは、必ずしも川崎だけに利したわけでもなさそうです。

 

 

というのは、ミラーゲーム化したことによって互いにギャップがなくなり、紛れがなくなった分だけ、川崎からすれば、「パスは繋がるが、決定的なラストパスは通らない」という状況になったからです。おそらく普段からボールを持たされることへの耐性が身についているであろう仙台からしてみれば、かえって対処しやすくなったかもしれません。

 

 

風間さんとしては、あくまで勝利を目指し、最終的には再びシステムをいじり、エウシーニョを最終ライン、レナトと船山を中盤ワイドに配置する超攻撃的な343へとシステムを変更させますが、功を奏さないまま、タイムアップを迎えました。

 

 

最後に、この試合で気になった点を1つ。それは小宮山尊信ですね。かつてはフル代表にも絡んだようにポテンシャル的には十分な選手ですけど、風間体制になってからは、まさに鳴かず飛ばず状態。それがこの試合では先発出場していたので、注目して観察していたんですけど、ダメでしたね〜。

 

 

基本的にスペースありきのプレースタイルであることはすぐに理解できました。というのも縦に出すパスのファーストチョイスはスペースへのロビング(それを大久保に叱られていた)、ワンツーとかでパス&ゴーをするときも、足下ではなく、スペースに出してもらいたいような走り方をする。確かに風間サッカーとはスタイルが違うので、序列が低くなるのも頷ける。

 

 

でも、ですね、どうも終盤の動きとか、交代のときの所作とかが宜しくないのですよ。試合勘の問題でガス欠になったということだとは思いますけど、なんとなく、ふてくれているように見えるのです。パスを貰いに行かなかったり、前の選手を追い越す動きも放棄してましたし、スローインさえレナト任せ。

 

 

こういう苦境のときこそ、普段以上に「やる気はあります!せめて、やれることは一生懸命やります!!」みたいなオーラを演出的にでも表現しないと、ジャパニーズ社会人としては失格でございますよ。

 

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

蜂須賀孝治

□推薦理由

昔、茶野隆行って選手がいたんですよ。ジェフでデビューし、10代でレギュラーの座を確保すると、息の長い活躍で、東欧路線で輝いていたジェフやら、黄金期を過ぎながらも強豪としての地位を維持していたジュビロの守備を支えていたんですけど、この茶野、ジーコ時代に一時期、代表にも呼ばれていたんですね。

 

 

なぜ、茶野が代表からお呼びがかかったか、それはジーコの御前試合で、たまたまロングシュートを突き刺したから。確か国立での試合で、ワタクシも現地観戦していたような。日々の安定的守備パフォーマンスではなく、偶発的なロングシュートで代表に選ばれてしまう。それが茶野の愛すべきキャラクターであり、ジーコクオリティ。

 

 

いや、この試合の蜂須賀のミドルシュートを見て、そんなことを思い出してしまったのですよ。ハリルさんも右SBの人選には頭を悩ましているようですし、ここはサッカーの神様の御利益も期待しつつ、どうでしょう、ミドルシュートなDFとして蜂須賀選出というのは?