大局的には大宮の完勝〜大宮アルディージャvsテゲジャバーロ宮崎(3/23)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□古墳群ダービー

この一戦は大“宮”と“宮”崎ですから、そりゃ、“宮”対決なんですけど、それでは何も膨らまない。ということで、宮崎の思い出を探ってみると、去年だったか一昨年だったか、ユニリーバスタジアムに行きましたねえ。フェリーに乗りたくて。そのついでに佐土原の城下町を散策したのですが、江戸時代の城下町も現代では宮崎市郊外の駅から更にバスってところにあるものだから、微妙にムラ社会というか、散策しててもどこか地元の方々から監視されているような視線をずっと感じた記憶があります。

佐土原城下町からユニリーバスタジアムに行くために、一度、西都バスセンターに立ち寄ったのですが、さすがに様々な移動者が行き交うバスターミナルだけあって、よそ者への視線が柔らかくなった。どうにか少し落ち着いたわけですが、バスターミナルってだけでなく西都原古墳群という観光地があることも、“知らない顔”への耐性を強めているのかもしれません。そう、テゲジャバーロといえば“西都原古墳群”なのです。で、大宮といえば、言わずと知れた“さきたま古墳群”ですから、この一戦は“古墳群ダービー”と言って差し支えないでしょう。

 

□19グローイングアップvs圧倒的4位

さて長駆乗り込んできた宮崎ですが、今シーズンはここまで2分3敗の19位です。良くないですよね。というか、倉石さんがチームを去ってからずっと低空飛行。なので、この順位も通常運行といえば通常運行。しかし、いつまでも19のままさというわけにはいかない。予備校の湿っぽい廊下で運命の出会いを期待していてもしかたない。少しヤバい計画を立てでも、それぞれをトレジャーアイランドを一つずつ現実に変えていかねばならぬのです。

迎え撃つ大宮は好調です。3勝1分の圧倒的4位です。4位なのに圧倒的なのは消化試合が一つ少ないから。もし、この未消化分を勝ちとしてカウントすれば首位ですからね、圧倒的なのですよ。この3週間で岐阜に連勝してたりしますし。ルヴァンカップでJ3対決が実現したものだから、こういう不思議な現象が発生するらしい。

 

□圧倒的3得点

というわけでピッチに目を移します。まず宮崎ですが、アウェイユニは市松模様風なんですね。チームカラーがピンクなんで市松模様の桜柄。で、2トップがとてもガタイの良い11番橋本と、金髪でそれなりにガタイの良い41番の上野。市松模様+大型2トップとか……なんか、クロアチアっぽい。そんな宮崎ですが、志向するサッカーのスタイルは特に強烈なものは伝わってこず。まあ、大きなパスで大外のレーンを攻略したい感じですかね。いかんせん、ロングキックの精度が抜本的に不足していましたけど。あとは中盤でルーズボールを奪えたら阿野の孤軍奮闘アタッキングに賭けるとか、そういう感じでした。

対する大宮は、なんだかルヴァンカップとか天皇杯みたいなメンバー。例えば植田と種田は10代。さらに村上・清水・藤井など大卒ルーキートリオも元気に先発。とはいえ、彼らが実力で出番を勝ち取ったことも伝わってきた。サッカーのスタイルとしては、最終ラインとボランチで出し入れしつつ、ボールを横に動かしてから縦に行くという、いわゆる現代サッカー。縦のバリエーションが良いですね。ボランチからCFへのショートパス、最終ラインからウイングの縦抜けを促すロングパス、苦しいときに健勇のポストワークに頼るミドルパス、それぞれが高水準でした。

そんな調子ですから、必然的に大宮が宮崎を圧倒する。健勇のポストから茂木力也が決めたファインショット、右クロスに杉本健勇が強さを見せた2点目、そして、藤井が奪ったPKを杉本健勇が決めたゴール。前半だけで3点も入りました。

 

□わりと試合の流れの行き来はあった

過密日程も考慮してか、大宮はセーフティリードモードで後半開始に2枚替え。左のWGに泉、ボランチに石川を投入します。開幕戦とかのレギュラーメンバーなんで、真打ち登場とも言える。ってなこともあって、意図してか結果的か、後半の大宮は大人のサッカー、別名、受け身のサッカー。後半になって宮崎のセカンドボール回収率は確実に向上します。そして、比較的余裕を持ってボールをさばけたこともあって、宮崎が狙いとする右サイドからの攻撃とか、2トップにゴリゴリさせるシーンが目立つようになりました。で、そうやって、ある程度ボールに触れるようになると、橋本&上野の2トップが存在感を増す。この2トップ、どことなく相手の大宮で一時代を築いたノバコビッチズラタンを彷彿とさせるような。

ただ、このノバコビッチズラタンは後半の半ばに上野が交代したことで解体。宮崎は阿野も下げて、逆に大宮は下口を投入。この一連の選手交代で流れが大宮に戻ったように思われました。「大宮視点に立てば、WGでもあり似非ボランチでもあるように動く植田よりも、純然としたSBとして動く下口の方が、リードしているときの秩序は守れるってことなのかな?」なんて考えていたわけですが、そんなことを考えている横で、魚里のラストパスを橋本が決めて宮崎が一矢報いるのだから、サッカーは難しい。

大宮は健勇が交代してから、多少、押し込まれたときの守備に落ち着きがなくなりましたかね。健勇依存が進行するようだと危ないなと予感させたりしましたが、試合はそのまま3ー1でタイムアップ。大局的に見れば大宮が宮崎に完勝した試合だったと言えるのではないでしょうか。