□ 県庁ある方とない方ダービー
まあ、この組み合わせは誰がどう見てもオレンジダービーなわけです。同色ダービーのなかでもなぜかオレンジだけは特筆される傾向にあり、「オレンジ互助会」なんて言葉があったり、なかったり。加えて北陸新幹線ダービーでもあります。間に挟まるのは実質的に高崎だけ。熊谷や上田はともかく本庄早稲田って何だ?安中榛名とか更に何だ?なんか佐久平は許せる気がする。
ってことはさておき、長野市も旧大宮市も、県内にダービー相手のライバルクラブ、というかライバル都市があるところも共通している。長野市には松本市、旧大宮市には旧浦和市というライバル都市があり、それぞれ松本山雅、浦和レッズというライバルクラブがあります。とはいえ、長野市と旧大宮市には相違もあって、長野県の県庁所在地は長野市ですが、埼玉県の県庁所在地は旧浦和市であって、旧大宮市ではない。ってなわけで、この試合は 県庁ある方とない方ダービーといえるのです。
□好調同士
さて、ほぼ確実に北陸新幹線で乗り込んできたに違いないパルセイロですが、ここ5試合は4勝1分。めっちゃ絶好調。にもかかわらず順位が9位ってのは、どういうこと??スタートダッシュにおける出遅れが半端なかったということでしょうか。ともあれ高木理己監督は、それなりの定評を確立している手練れの指揮官ですから、上昇曲線を今後も維持していく期待を抱かせます。
迎え撃つ大宮は5試合で4勝1敗、首位を堅持しています。大宮に唯一黒星を付けたのが松本山雅。こういうところもパルセイロの発奮材料になるかもしれません。それにしても今シーズンの大宮サポは楽しそう。「けーんゆっ♪」っていう矢沢永吉の「 止まらないHa~Ha~」に合わせた杉本健勇のチャントでタオルをイエーッい!ってやる姿もすっかり様になってきました。きっと永ちゃんのコンサートでも、そういう所作が作法化しているのでしょう。
□スコア的には五分五分
というわけでピッチに目を移します。まず長野ですが、一言で表現するならば“地上戦”ですね。ショートパスばかりではありませんが、総じてミドルレンジも含めてパスはグランダー。ワンタッチでリズミカルにつないで4〜5手で最前線に届けたいイメージですかね。基点はWBの位置で作るのですが、実際にWBの位置でボールに触っているのはWBではなくてシャドーやボランチ。左で言うと忽那や西村or古賀が流れてきてゲームメイクする感じです。
一方の大宮は、もはや「健勇をターゲットにすると見せかけて、実はターゲットは藤井で、セカンドボールを健勇に預けて“さあ、どうぞ”作戦」がしっかりと定着してきました。これまでと少し違うように見えたのは、いつになく石川俊輝の追い越す動きが目立つというか、ハイプレスの兼ね合いもあったのでしょうが、なんか、ISHの位置取りが異様に高かったような。その分、ネガティブトラジションでは中盤がスカスカでしたが。
ともあれ前半からスコアが動く。先手を取ったのは大宮。サイドからのクロスが跳ね返されたところを、ボランチが拾ってミドルを突き刺すという、往年のテレビゲームのような展開で小島幹敏がミドルシュートを決めました。そこからは比較的大宮がペースを握っていたというか、長野のキックオフアタックが一段落して、なんだかダルダルっぽい雰囲気も漂い始めたのですが、そのダルダルな雰囲気の中のセットプレーで浮田がヘディングシュート。それが決まって同点でハーフタイムを迎えました。
□ノリノリアルトゥール
後半、あっという間にイニシアチブを完全掌握したのは大宮。鮮やかなポジトラから泉が広大なスペースを爆走。クロスを最後は石川俊輝が押し込みました。ISHの相棒のゴールにアルトゥールシルバもうれしそう。大はしゃぎ。そして、次はそんなアルトゥールシルバ。藤井と健勇が作った展開からシルバがダメ押しゴールを叩き込みました。今度は石川がシルバに対して盛大なセレブレーション。ベンチも総出で祝福します。
まあ、ゴールがなくてもシルバの働きは大きかったですよね。先に述べたように、長野は(特に左の)WBのところに起点を作っていて、大宮も最初は少し対応に苦慮していたのですが、シルバがそこに出張して潰すようにして、一気に問題を片付けてしまった。その時点でシルバはMOM級の貢献。もちろんバランスは崩れるわけですが、そこは相棒が石川俊輝。彼の個人戦術で、そういう問題はスイープしてしまうわけです。
こうなってくると、のりのりまさのりばりにノリノリアルトゥール。メッチャ変態なロングシュートで長野の息の根を止めてしまいました。もうね、ノリノリになったブラジル人選手が決めた変態シュートとしか表現のしようがない、そんなスーパーゴール。こうなると長野も押し黙るしかなくなります。高木監督もどうにか打開を図るべく交代カードを矢継ぎ早にきりますが、一度傾いた流れを引き戻すことはできず、そのまま大宮が4ー1で綺麗に勝ちきりました。