結果オーライ?〜横浜FCvsセレッソ大阪(8/20)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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都道府県より市が強いダービー

大阪にせよ横浜にせよ、県庁所在都市が都道府県より強いですね。そうするとどうしても二重行政的な要素が出てくる。わかりやすいのが大学です。セレッソのホーム長居は、長居駅より鶴ヶ丘駅の方が近いという初見殺しトラップがあるのですが、長居駅の二駅隣の杉本町駅大阪市大があって、さらに南に行った堺に大阪府大があった。噂によると統合されて大阪公立大学になったらしい。

横浜もちょっと似ていて、一応、ニッパツ三ツ沢球技場から気合を入れれば歩けなくもないところに横浜国立大学があって、横浜市的には最果ての、ほとんど横須賀みたいなところに横浜市立大学がある。とはいえ、大阪の場合は府と市の重複ですが、こちらは国と市の重複なので、少し事情が違うか。ちなみに「神奈川県立大学ってあるのか?」と入力していたら〝神奈川県立保健福祉大学〟って予測変換された。ともあれ、市が強いと二重行政っぽくなるダービーです。

 

□7位と17位だが、セレッソのが不調?

最近の横浜FCは、ここ5試合で1勝2分2敗。順位としては17位。四方田さんに実権が戻されてから持ち直したかのように見えましたが、結局、実権は戻されてないのですかね。とにかく金も出すけど口も出すオーナーがチームを良くしたことなどないのに、ビジネスの成功者たるワンマンオーナーたちにはその法則が永遠に理解できないらしい。そのうち「やっぱりピッチにカズが必要だーが!」って言い出しかねないぞ。

一方のセレッソはここ5試合で1勝1分3敗。順位としては7位。実はここのところのセレッソ天皇杯やら見世物興行やらに忙しくって、リーグ戦の5試合前は6月末まで遡らなければならない。で、2カ月弱かけて5試合やってきての成績が1勝1分3敗。地味に絶不調ですやん。出ている選手のラインナップを眺めていても、少し小粒な印象も否めないというか、日本代表も射程に入る選手が毎熊くらいなのかな?喜田や舩木とかにも期待したいですが。

 

横浜FCの弱者化

さてセレッソのスタメンなのですが、言わずと知れた難読選手が〝上門知樹〟。〝上門〟を「うえじょう」ってなかなか読めません。でもね、もっと大変なのは〝知樹〟なんですよ。そりゃ「ともき」じゃないですか。平知盛は「たいらのとももり」なのであって。それを「さとき」と読めって、そんな殺生な。なんてことはおいといて、香川のボランチが良いですね。てっきり自分で持ち上がる系のボランチになっているかと思いきや、スルスルとフリーになって、リズム良くワンタッチかツータッチで左右に展開していく。もはや浦和の岩尾ですよ。そうか、香川も遂に岩尾の域に達しつつあるのか。

ボランチといえば横浜FCの井上潮音も、すっかり逞しさを増しましたね。一発で逆サイドに展開する視野の広さはこれまでも認められていましたけど、貫禄がついたというか、威風堂々とプレーしてるように見えます。惜しむらくは、前半はチーム全体としてセーフティファーストで、裏抜けを狙う3トップめがけて3バックが雑に蹴りまくるって攻撃ばかりだったので、あまりボールがボランチを経由しなかったこと。

横浜FCがすっかり〝弱者のサッカー〟に縮こまったこともあって、前半はほぼほぼセレッソがボールを握り続ける。最終ラインの進藤あたりも「いけるやろ!」って感じでどんどんラインを上げていきましたもんね。山下あたりに走られると面倒なのですが、件の進藤もそうですし、毎熊とか、スピード面でも山下に付いていけてたセレッソ守備陣。まあ、前半はセレッソのワンサイドだったかな。スコアレスでしたけど。

 

□まずは危なげなく

前半はポジショナルでもなんでもない縦ポンサッカーだった横浜FCですが、後半は繋ぐようになりました。ミシャのもとで修行したのでミシャ式3421かと思いきや、5レーン3421なんですね、四方田さん。特に近藤を右WBとして投入して以後は右の大外をとれるようになって、攻撃にもリズムが生まれてきました。442の守備を横の広さで攻略していくのが5レーン。その狙いは、あらあらながらも表現できていたようにも思われる。

ただですね、ある程度、横浜FCがボールを繋ぐようになると、セレッソ的には前半と違って流れをぶった切られるってことも少なくなったもいうことであって、要するにセレッソのリズムと横浜FCのリズムが共鳴するようになった。横浜FCのリズムが良くなればなるほど、セレッソのリズムも良くなるという、サッカーでは時々見られる現象が発生してしまいます。そういう意味ではレオセアラの決勝ゴールも必然だったのかもしれません。

試合はそのままセレッソが総体的には危なげなく逃げ切ったのですが、小菊采配には若干の疑問がなくもない。というのは、試合途中で鈴木徳真を入れて3ボランチにしたんですけど、あれの意図は?その後にマテイヨニッチを入れて2ボランチ3バックとしてのは、まあ、相手とミラーにしたのだから理解しやすい。……だったら最初から3421すりゃ良かったのに。僅か10分程度だけ433にした意味がわからん。それに試合最終盤のコーナーキックで、上がるのを自重しようとしたヨニッチに上がらせた意味もわからん。守り切りたいのか、追加点を取りに行くのか、なんか、腹が括り切れてない印象が残りました。勝ったから結果オーライなんでしょうけど。