柿谷の一撃〜水戸vsC大阪(3月6日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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今シーズン2試合目の観戦ははるばる水戸まで出かけました。

■前半

シーズン序盤ですから、両チームのフォーメーションがよくわかっておりません。ゆえに試合開始しばらくは、そのチェック。どうやら水戸は442ないし4231。ロメロフランクがどこにいるかで変わる。で、4バックの右SBがジェフから移籍の佐藤祥で、左SBは名古屋から加入した佐藤和樹。2人の佐藤。両SBが同じ名字なんて、まるで安西と安在を擁するヴェルディみたいじゃありませんか。大昔のマリノスでも2人の鈴木がSBだったような。

 

 

対するセレッソは柿谷と杉本のポジションに注目。シーズン前の噂では大熊さんは柿谷にMF起用の方針を伝えたとかなんとかってことだったと思いますが、FWでしたね。トップ下ということかもしれませんが、リカルドサントスの相棒として衛星的に動いたのは柿谷。杉本は右のウイングだったと思います。メンバー表を見たときには、リカルドサントスと杉本の2トップで、柿谷とメネゲウがSHかと予想しましたが、なるほど、4231か。

 

 

ここ半年くらい、くどいくらいに繰り返しておりますが、ワタクシ、西ヶ谷さんのサッカーが好きです。ピタッピタッとトラップ&パスが決まっていく感じが心地よい。丁寧にトラップをするから、どうしても次のプレーに移るまでに時間がかかるんですが、その分、変なパスミスも少ないので、ストレスがない。そんな止める蹴るに正確なサッカーも、相手がセレッソだと、なかなか上手く機能しません。山下を中心に、セレッソ守備陣が要所要所を押さえておりました。

 

 

「どちらかといえば、ややセレッソが優勢かな」ってまま、最初の45分は過ぎたのですが、前半もロスタイムになって、まさかまさかの出来事が。ようやくセレッソの個に対応できるようになった水戸がチャンスからシュートに持ち込みます。が、そこからが問題。セレッソGKキムジンヒョンのゴールキックが、そのまま前線に残っていた柿谷にダイレクトでつながってしまい、それを柿谷が決めてしまった。水戸としては茫然自失。なんとも珍しいゴールでセレッソが先制します。

 

 

 

■後半

後半になると、ペースは水戸に。負けているチームが前に出ると、リードしているチームが受けに回るという、サッカーの絶対法則が発動します。後半も20分とかを過ぎてからならともかく、後半の頭からセレッソのチェックが利かなくなったのは、まさにサッカーの法則がなせる業でしょう。セレッソ守備陣が構えて守るようになった分、兵働が自由を謳歌するようになります。兵働のタクトが水戸の攻撃陣にリズムを与えました。

 

 

ただ、そんなリズムに多少の不協和音があったとするならばロメロフランクでしょうか。この選手は「自分が試合を決める!」という意識がとても強いですね。それはそれで素晴らしいことですし、水戸のサッカーも「繋ぐだけでシュートに持ち込めない」ってことになりがちなスタイルだけに、こういうスパイスは必要不可欠。でも、時にそれがスパイシー過ぎることもある。個で勝負しようとするあまり、チームのリズムを壊していた面も否めない。

 

 

そんなこともあって、西ヶ谷監督は次々に選手交代を繰り返し、状況の打開を図ります。まずは山村を入れて前線にスピードを出す。ただ、少し山村とロメロフランクにポジション的なバッティングが発生。次に万代をピッチに。それに伴い、船谷が左WB、内田が最終ライン、ロメロフランクがボランチに落ちて、システムは343に。そして最後は右WBにドリブラー湯沢を投入。リスクを冒してまでも同点を目指します。こういうところは勝負師です。

 

 

ちなみに、山村と交代したのは佐藤和弘、万代とスイッチしたのは佐藤和樹、そして湯沢投入によりピッチを出たのが佐藤祥でした。そう、水戸のスタメンには3人の佐藤がいたんですけど、その3人の佐藤が総とっかえされたのですね。しかし、3人の佐藤という犠牲を払っても、なお、セレッソ守備陣の牙城は崩せません。途中から関口やら田代やらが投入されるという盤石のベンチワークで、セレッソが逃げ切りに成功しました。

 

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

・ブルーノメネゲウ

□推薦理由

今年のセレッソは優良ブラジル人を引き当てた模様。しかも3人が3人とも当たり。まず、CFのリカルドサントスが良い。ちゃんと「ターゲットマンはそこにいろ!」ってところにいる。それ以外に目立つ働きがなかったような気がしなくもないですけど。それから、ボランチのソウザ。いわゆる「王国のボランチ」。ツボを押さえたポジショニングと、あたりの強さ、さらにブラジル人ですからなんだかんだで足下も上手い。そして、特筆すべきは司令塔のブルーノメネゲウ。良い選手ですよ。

 

 

ブラジル人なのに運動量がある。それからガンタンク体型から繰り出す重心の低い重戦車ドリブルが小気味よい。何より、中国でのプレー経験があるからか、東洋儒教社会の「お辞儀」なる所作を尊重しているのが良い。選手入場のあと、両チームの選手と審判がメインスタンドに向かって一列に並んで礼をしたとき、サポーターに向かってとか四方八方に、どことなく遠慮気味なお辞儀をしている姿が、なんとも愛らしかった。これくらい日本(=東アジア)文化を愛してくれているのだから、日本人に帰化して代表を目指してくれるのではないか!?