勝因は名波采配!(結果論かもしれませんが)〜横浜FCvs磐田(4月5日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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雨でしたね。水曜日のヴェルディ戦も雨でした。

 

■前半

 

知性派な印象のある名波監督が率いるジュビロのフォーメーションは4231。2010年代におけるオーソドックスなのですが、少し面白い部分があって、攻撃に移ったときには343っぽくなるのですね。SBの選手に高い位置を取らせる感じ。サイドの選手の高さを変えることで全体のフォーメーションに変化が出るのは、ミシャスタイルに通底する部分もある。まあ、ボランチがCBの間に落ちるというのは、トレンドっちゃトレンドですけど。

 

 

ただ、名波ジュビロで興味深いのは、必ずしもボランチがCB間に落ちるパターンに限らないところ。もちろん田中や宮崎がそういう動きをすることもあるんですけど、普通にSBの片方がスライドしたり、なんならWボランチの両方が最終ラインに落ちたりもする。というか、CBの開き方がえげつない。また、ボランチがウイングっぽく開いてSBが絞ったりすることもあれば、トップ下の小林が343の「3」になったり、「4」になったり、いろいろする。

 

 

対する横浜FCは新監督のルスさんが率います。東欧の方みたいですが、やっているサッカーはイメージ的にブラジルのサッカーに近い。まず、基本的にボールは相手に持たせる。相手に持たせながら、試合をコントロールしようとする。できてるかどうかはともかく、しようとしている、ように見えた。で、自陣に相手を引き寄せ、そこから一気に縦突破。ゆえに前線には小池や小野瀬といった突破力のある選手、大久保のような突進力のある選手が起用され、バランスを整えるべく、戦術眼の高いカズが重宝される。良いように言えば、個の特性を生かすサッカーですね。で、ちなみに前半は2ー1横浜FCリードで折り返します。

 

 

■後半

 

後述する小池の活躍とカズの千両役者ぶりで、一時は2点のビハインドを負ったジュビロ。でも、全体としては前半からジュビロが優勢に試合を進めていたのですよ。ただし、どうもあと一歩足りない感が拭えない。その要因として、コンダクターたる小林祐希のリズムが宜しくなかったことが挙げられます。結果的に前半終了間際のブレ球スーパーフリーキックと、後半の「あれ、クロスがそのまま入っちゃった」ゴールで帳尻を合わせましたけど、序盤の小林祐希は、とにかくボールが足についていなかった。ボールをちゃんとトラップして回転を順接にできないまま、無理やりコントロールしているようなプレーが目立っておりました。

 

 

パスはそれでも良いのですよ、ヘンな回転のままでも受け手に届けば、あとは受け手の責任ですから。でも、ピタッピタッと足下にくっつかないから、どうにもボールが収まった感が出ないというか、チーム前半が落ち着かないのです。そこで、後半開始から名波監督は動きます。ボランチの位置にテクニックに優れた川辺を入れることで、ボール回しを滑らかにし、ストレスレスなビルドアップを実現させます。これは、非常に的確な対処法でした。

 

 

しかも、名波監督、持ってますね。この川辺が、リンクマン(=潤滑油)としての仕事だけでなく、決定的な仕事までやってしまうのですから。後半も40分に近い時間帯、やはり途中出場を果たした松浦が流れのなかで「オラオラオラ〜」っとペナルティエリアに突っ込んでいき、ラストパスをキッチリ決めたのですが、たぶん、そのラストパスを出したのが川辺ですよね。ちゃんとは見えなかったのですが、ゴールが決まった後、周囲の選手にベシベシっと手荒く祝福されていましたし。だとしたら、途中出場選手2人のコンビネーションでの決勝点ですから、名波監督、持ってます。

 

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

小池純輝

□推薦理由

すっかり後半はジュビロに持っていかれてしまいましたけど、前半のハイライトは間違いなくキングカズのヘディングシュート。生カズダンスを見てしまいました。いや、興奮の余り、よそ見してしまった! ともあれ、勝っていればカズが主役だったはず。ただ、見逃してはいけないのは、そこにクロスを上げた小池の突破ですね。対面するのはご存知、日本代表歴戦の駒野友一。その駒野との1対1を制してクロスを上げたんですから、大したものです。

 

 

また、追加点のゴールも素晴らしかった。やはり右サイドを突破しペナルティエリアに侵入すると、対応に追いかけてきたジュビロの宮崎を深い切り返しで完全にすってんころりんさせると、フォローに入った田中まで置き去りにして(宮崎と田中は逆かも)、シュートをねじ込んでしまった。もともと突破力には定評があった選手ですけど、移籍を繰り返しながら、着実にレベルアップしてますね。代表にまで到達できるかどうかはさておき、まだまだ伸びしろはありそうです。