鳥栖のプレスに圧倒される〜FC東京vsサガン鳥栖(5/8)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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京王線リニューアル

今回はシンプルに新宿から京王線で味スタに向かったんですけど、そういや京王の「準特急」がなくなったんですよね。風の噂では聞いていましたが、実際に乗ってみてそれを実感しました。だって特急に乗ったのに笹塚とか千歳烏山に停車するんですもん。実態としては準特急がなくなったのではなく、特急が廃止されて、玉突き的に準特急が「特急」を名乗るようになったということらしい。

ワタクシが京王線沿線に住んでいた90年代〜00年代はシンプルなもので「特急」「急行」「快速」「各停」の4種類で、特急は「新宿→明大前→調布→府中……」って停車だったんですけど、なんか、複雑になって、かつ、多くの駅に止まるようになりましたね。もはやJRの京浜東北線みたく、どこに止まって、どこが止まらないのかがわからない状態。なぜその駅には止まって、こっちには止まらないのかもわからない。それか少しシンプルなかたちに戻された格好のようです。

 

松木玖生vs川井監督

今シーズンここまでのFC東京は、まずは順調にアルベル新体制が発進した感じ。目玉としては松木玖生でしょうか。高卒ルーキーながら、しっかりレギュラーの座を掴み取っております。ちなみに松木玖生って、「玖生」で「くりゅう」ですよね。でも「玖」は「く」だし、「生」は「う」の部分を担当していると思われる。…「り」の要素はどこにあるんだ⁇

アウェイの鳥栖は下馬評を覆す健闘を見せてます。正直、ワタクシ、川井監督のことをあまり評価しておりませんでした。というのも愛媛の監督時代、『エルゴラッソ』の記者さんがえらい絶賛し続けていたのですが、その間の年間成績は18位とか、そのあたり。「いやいや、理念はともかくJ2の下位争いやん!」って思っていたのですが、その後の愛媛の凋落を見る限り、川井さんだったからどうにか愛媛はJ2に踏みとどまっていたのかと見る目が変わりました。厳しい下馬評を覆す鳥栖の奮闘を見ていて、さらにその思いを強くした次第。

 

□伸び悩んだ若者たちの再起の場

さて、ピッチに注目するとFC東京でキャプテンマークを巻いていたのは永井謙佑でしたね。そうか、永井がキャプテンか。そういうキャラの印象がないので、ちょいとニヤついてしまうぞ。それからCBが岡崎と木本。木本はともかく、岡崎は頑張らないとなぁ。U23に学徒動員されていた頃は将来を嘱望されていた選手。期待してるぞよ。

他方の鳥栖はFW登録の中野が左SB。それから同じくFW登録の小野は似非9番でしたかね。433のCFのように見えて、中盤ダイヤ442のトップ下のようにも見える、みたいな。その小野の左右に構えていたWGは岩崎と堀米。両者とも誰もが認めるポテンシャルに恵まれながら伸び悩みを否めない選手、川井監督はこういうタイプを生かすのが上手いのかしらん。

 

□心の余裕を失わないことが大切

前半の構図は、どちらかというと鳥栖が優勢でしたかね。オシム的な湧き出ていくスタイルでサイドを攻略して、ガンガンにクロスを差し込んでいく。FC東京も的確に跳ね返していましたが、そこからのカウンターの精度が今ひとつ。散発的にチャンスは作っていましたけど、鳥栖の素早いマイナストランジションに潰される場面が目立っていて、レアンドロはまだしも、永井や山下のところまでなかなかボールが届かないままハーフタイムを迎えました。

で、後半ですが、後半開始早々に面白い駆け引きがありましたね。バックパスの処理の乱れからFC東京PA内で鳥栖の間接FK。この時、繰り返し鳥栖のキッカーはフェイントでボールを触らないってことをやって、「こっちがボールに触る前にFC東京の選手が動くのはルール違反じゃないか!」ってのをやってた。こういうのを「サッカーにおけるオモロイ一コマ」として楽しめる心の余裕をこれからも失いたくないな、と。

 

□90分間尽きせぬプレッシング

ともあれ、FC東京の攻撃はどうにもうまくいかない。ってことで、アルベル監督は怒りの前線総とっかえを敢行し、左からアダイウトン、ディエゴ・オリベイラ、紺野の3トップに。中でも紺野がボールを持つと期待感を抱かせましたが、手詰まりになることも少なからず。中村帆高が特別に悪かったとは思いませんけど、左の小川ともども、両SBがもう少し攻撃にアクセントを付けたかったところです。

FC東京が攻めあぐむ一方で、鳥栖も後半はチャンスをあまり作れなかった。それでも、千載一遇で得たFKのチャンスを堀米が一撃で仕留める。いやあ、素晴らしかったですねぇ。何が素晴らしかったって、堀米のFKもそうですけど、それ以上にリードした後の鳥栖のプレッシングとブロック構築が素晴らしかった。特にプレッシングですよ、90分間尽きせぬ運動量とは、こういうことを言う。岩崎とか、残り10分になっても単騎で相手キーパーに向かって猛ダッシュ&プレスを敢行する。勝利に値する内容で鳥栖が勝った一戦と言って良いかと思われます。