男城福の真髄〜東京Vvs岡山(10/23)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□後楽園と喜山康平

一般的に「日本三大○○」といえば、その3つ目は数合わせであって、それゆえ諸説が咲き乱れて一定しないというのが相場ですけど、日本三大名園については完璧に固定されていますよね。金沢の兼六園、水戸の偕楽園、そして岡山の後楽園。後楽園といえば後楽園ホールや、かつての後楽園球場からわかるように都内文京区にもございます。というわけでヴェルディの今シーズンラストマッチは後楽園ダービーとなりました。

この試合のダービー要素はもう一つあって、先日、岡山が喜山(ほか)の戦力外を公式リリースしましたね。喜山といえばもともとヴェルディの下部組織出身。いろんなタイミングが噛み合えば、ヨミウリ育ちらしい10番になっていたかもしれませんが、とにかくこの人はヴェルディとの巡り合わせが良くなかった。ともあれ、そんなこんなで、この試合は喜山康平ダービーでもあるのです。

 

□オトコ木山と男城福

ここにきて僅かに勢いが頓挫している感もなくはないですが、今シーズンの岡山は躍進しました。これまでいくつかのクラブを率いて悪くない成績を収めてきた木山監督ですが、いよいよ指導者としてブレイクスルーするチャンスです。オトコ木山の岐路とも言えます。「男木山」と書いて見たのですが、なんだか「男木島」みたいだし、「男体山」っぽくもある。それにしても木山(きやま)監督が喜山(きやま)康平を戦力外にしたのか……

ホームで迎え撃つヴェルディは、俄然ここにきて絶好調です。男城福の真骨頂というか、規律のある組織からアグレッシブに攻めにかかる。ただしアグレッシブな攻撃は今ひとつ視覚化されず、規律ある組織がクローズアップされがち。ゆえに、バルサを神格化しティキタカを信仰する欧州サッカーフリークからは、どうにも評価が微妙になってしまうわけですけど、前々任者とは違って、口だけ番長とはならずに足下の地盤をしっかり固めている印象です。

 

□左で作って右へ出す

岡山はシーズン後半ずっと3バックで戦ってきたのですが、この試合では4バックでした。プレーオフへの布石かしら?バイスがいなかったから?ともあれ中盤はダイヤです。尤もボックス442のボランチが1列上がったというより4123のCFがトップ下に引いた感じでしたので、中盤の左右はSHではなくISHに近い。ゆえに、攻撃での横幅が少し不足していたかもしれません。

対するヴェルディですが、山本理仁が移籍して本職のボランチが薄くなったと心配していたら、それまで2列目で活躍してきた森田と、4列目に食い込んでいた馬場というWボランチコンビで落ち着いたらしい。特に森田は完全にコンダクターとして君臨している。むしろ攻撃の組み立ては森田ありきになっていて、彼が絡まないと馬場から河村のロングパス(サイドチェンジ)くらいしかパターンがないような気もしなくはない。とはいえ馬場→河村みたいな、相手の注意を左に向けて右を使うというのは有効なカタチであったらしく、先制点も梶川だか加藤蓮だかが左から入れたクロスに、2トップの裏で隠れていた河村が合わせたゴールでした。

そんなこんなで先制された岡山ですが、もちろん気落ちなんてすることなく攻撃を続けます。他方、ヴェルディヴェルディでしっかりカラダを張って弾き返す。「なぜそこで誰もいかない⁈」ってシーンは、少なくとも体力に余裕のある前半には皆無に近かったと思いますので、そのあたりは城福さんの手腕なのではないでしょうか。

 

 

□らしい逃げ切り劇

後半の頭から岡山は成瀬に替えて永井龍を投入。佐野航大が右に移って、SBなのかWBなのか判断が難しいポジションを取り、たぶん352だけど守備の時は4枚っぽいシステムへと調整してきます。それにしてもこの日は暑かったですね〜。というか直射日光がえげつなかった。だったらメインスタンドのチケットを買えって話でもありますが、集中して観戦するには頗る不適合。

そんなワタクシの心の乱れに呼応するかのように、岡山守備陣の集中力も乱れます。イージーな横パスを佐藤凌我にかっさらわれて、そのまま決められてしまいました。それにしても佐藤凌我、決定力がありますね。GKと一対一になったとはいえ、必ずしも有利な態勢ではなかったですし、パターン的には8割方外してしまうシチュエーションだと思ったのですが、あれを決めるか〜。裏抜け決定力の佐藤凌我と、「とりあえずお前はそこにいろ」系の染野、悪くない組み合わせですよね。

お尻に火がついた岡山のオトコ木山は、既に切っていたジョーカーのデュークなど、積極的に手持ちのカードを投入していく。それに対して男城福も平を投入。平とンドカが真ん中、深澤と谷口が両SBで奈良輪が1列上がりましたかね。押された中では奈良輪が落ちて5バック状態にもなっていましたが、その後に奈良輪はバスケスバイロンと交代していたので4バックのままだったかと思われます。

終盤はバー直撃など岡山の攻勢の前にヒヤリとする場面も散見しましたし、オフサイドに助けられた幻のゴールもありましたが、まずは城福監督らしい、「先制したら、そうそう崩れない」ってな逃げ切り劇だったと思われます。