□東京オリンピック幻想
え〜と、今週末も九州に滞在しているわけですが、西九州新幹線ができるですね!……ってことなんですが、区間は「武雄温泉〜長崎」らしいですよ、、、。博多から武雄温泉まではどうするの?そして、無事開通しちゃったら在来線は常に廃線と隣り合わせのローカル線になりますけど、良いのですか?
別に地元に対してどうのこうの言うつもりはないですし、そういう立場でもないのですけど、例えば「東京オリンピックでメダルラッシュが起これば自分の支持率も上がる」と勘違いしていた某総理大臣なんかに典型的な、《高度経済成長を想起させる「ときどきオトン」的なモノは今なお無条件に日本人をハッピーにさせる》という幻想、そろそろ捨てません?もし博多と武雄温泉が新幹線で繋がったら、博多の人たち、宿泊せずに日帰り入浴だけしにくるようになるかもしれませんよ。
□ともに正念場
さて長崎ですけど、『エルゴラッソ』なんかを読んでいても、けっこう圧倒的な昇格候補として評価されていますよね。ってことを考えると、お世辞にもスタートダッシュに成功したとは言えない。しかし、冷静に考えると、そこまで圧倒的な昇格候補なのか?と。確かに抜けた選手の数は多くないのですが、抜けたのが毎熊と名倉ですよ。替えが利かない毎熊と、変化を付けられる名倉。類似タイプが見つけづらい2人だけに、まあまあな戦力ダウンですよね。それから、ベテランの玉田が抜けたことの影響も考えなきゃいけない。この試合を落とすようなことがあればズルズルいきかねませんし、早くも正念場と言えなくもない。
対する甲府については、長崎以上に正念場。ヴァンフォーレ甲府というクラブが正念場というより、吉田達磨がリアル正念場。Jリーグの監督としてのラストチャンスとさえ言える。な、わりに勝利の女神様とも相性の悪さを露呈したようなシーズントップになってしまっておりますが、本節はどうなりますかね?
□じぇじぇじぇ
今シーズンの長崎はクリスティアーノが加入したことで、エジ・セザ・クリスのブラジリアントライアングルが相手の脅威となっています。中でもカイオ・セザールはこの試合でJリーグ通算100試合なんだそうだ。すっかりV・ファーレンの顔。綺麗な奥さんが花束を贈呈しておりました。
長崎がブラジリアントライアングルなら、甲府は、山田陸(やまりく)・野澤陸(のざりく)・飯島陸(めしりく)の、りくジリアントライアングルですね。陸が三人なんでもはや三陸海岸。じぇじぇじぇなわけですよ。甲府の選手たちは、「いつやるの?」と問われれば「今でしょ!」って答えるでしょうし、試合で悔しい思いをしたら次の試合で「倍返しだ!」ってなるでしょう。クラブとしてはホームに相手サポーターが遠征してくれたなら「お・も・て・な・し」をするに違いないのです。全て「じぇ・じぇ・じぇ」と同じ年の流行語です。
□前半は同点
試合内容としては、長崎は最終ラインとボランチが丁寧にボールを出し入れしつつ、ツートップにをクサビを入れる機会をうかがい、クサビが入ったら中央突破&オーバーラップを使うみたいな攻め方。そして、そんな長崎が先制します。右サイドでクリスティアーノが強さを見せつけクロス。都倉がしっかりと決めました。新加入のクリスティアーノもすっかり馴染んでますね。というか奥井が上手くクリスティアーノの良さを引き出していた。
対する甲府は中盤のパスワークで左右に揺にさぶり、サイドからはどんどんクロスを入れていく。長崎のCBコンビが小柄であることを踏まえてなのか、ともあれ、クロスの雨霰。そうやって押し込みながら、長谷川が技ありのシュートを転がし込んで同点に追いつきます。1ー1でハーフタイムを迎えました。
□甲府の方が強かった
後半に入ると、甲府は攻撃への姿勢をいっそう強める。横パスが多かった前半に比べて、縦パスが増えたとは言いませんが、パスの基調は斜め前方向になった。そうやってタイマン状態に持ち込むと、システムの噛み合わせ上、甲府の方が中盤では数的に優位。それを生かしてルーズボールの回収率で圧倒的に上回ると、さらに、やはりシステムの噛み合わせにより幅が広くとれますので、WBがボールの落ち着け所として機能しまくりでした。そうやって作った流れの中で、セットプレーから飯島陸(めしりく)が決めて勝ち越します。
苦しくなったのは長崎。2ラインの442とは、いわば攻略法が徹底的に研究され尽くされたシステムですし、経験豊富な山本英臣にオーガナイズされた甲府守備陣が、長崎のパスコースを消し続けました。長崎の選手個々の出来が極端に悪かったとは思いませんが、甲府の守備網を打開する術がクリスティアーノの反則級個人技くらいしかないのでは厳しい。いまや長崎は追いかけられる立場なので相手に研究されるわけで、それでもなお442で相手を上回るためには、もう一工夫が求められるように思います。そのためにクリスティアーノの個人技を導入したということかもしれませんが、名将である松田さんには、もう一段階チームをステップアップさせてもらいところですね。