「クリロナ、踏んだり蹴ったり」ってな試合【ポルトガルvsオーストリア】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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ポルトガル 0 vs 0 オーストリア[EURO 06月19日]

なんだか、デジャブな感覚に襲われた一戦。どういうところにデジャブを感じたかというと、ポルトガルが攻め倦ねているところ。その攻め倦ね方。なんとなくポゼッションはしているし、なんとなくラストパスは出しているのだけれど、どうにも「狙いとアイデアを持って、次々と相手の急所を突いていく」という爽快感がない。「で、どうやって崩したいの?」という切歯扼腕状態になってしまう感じ。・・・、アジア二次予選とかの日本代表の姿とかぶるのです。

 

 

ポルトガルが日本代表だとするならば、オーストリアはどこになるのか。基本的には守備に徹している。ムリに繋ごうとしない。とりあえず大きく蹴る。二次攻撃、三次攻撃と波状攻撃を仕掛けていくようなことは決してない。でも前線の選手はフィジカルに優れているし、少ない人数で攻めきることに対する決意もあるので、なんとなく驚異を与えられる。・・・、北朝鮮とかですかね。アジア予選で、日本と北朝鮮が対戦したら、こういう雰囲気の試合になります、ってな試合。

 

 

攻め倦ねるとなれば、そこを突き破るためには、なんらかのスーパープレー、「・・・ハンパない。普通、そんなんできひんやん」ってプレーが必要になる。そして、ポルトガルには、それが出来る選手がいる。クリスティアーノ・ロナウドですね。でも、クリロナって、けっこう、お膳立てが必要な選手ですよね。ゴール近くでのオンザボールに特化したスタイルですから。序盤は、相手のチェックもハードで、ポルトガルは、なかなか十分なお膳立てが出来ないまま、時間を浪費していきました。

 

 

後半に入ると、少しずつオーストリアの運動量も落ちてくる。寄せるスピードも緩くなる。ということもあり、前半の終盤以降、いくつかクリロナさんの「すっげぇ」ていう威力のシュートが飛び交うようになる。ただ、クリロナさんのシュートとオーストリアGKアルマの波長があってしまっていたのか、ことごとく防がれてしまう。あるいは解説の中西さんが言っていたように、実はコースが制限されていて、見た目ほど困難なコースでもなかったのかも。

 

 

そして、運動量が落ちてしまうのは、何も守っている側のオーストリアに限ったことではない。攻めているポルトガルも疲れるわけです。そうなると、ますます周囲はクリロナへのお膳立てに割く余力を失っていく。仕方ないので、クリロナさんは少し引き気味にポジショニングする機会も増え、お膳立てしてもらう立場から、お膳立てして差し上げる立場のプレーも増える。そして、そういうときの方が、パス交換などに瞬間的なリズムが発生する皮肉。

 

 

ともあれ、「上手くいかないなぁ」って感じのクリロナさん。「こうなりゃ、飛び道具のプレースキックだ!」ってことになる。・・・のですが、フリーキックは宇宙開発、遠目から岩本輝雄よろしくな長距離ドッカンを狙ったら、壁のど真ん中へとまっしぐら。挙げ句の果てには、ようやく奪ったPKをポストに直撃させてしまう。ネットを揺らしたと思いきやオフサイドだったり、故阿藤快さんを髣髴とさせる「なんだかなぁ」状態。試合はそのままスコアレスドローとなりました。