どちらも不本意かな?〜大分vsG大阪(3/2)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□地方と東京の差

ゆえあって、この1週間は九州におるのです。ということで今日は大分へ。ミッドウィークのナイトマッチ、しかもJ2なのにルヴァンカップでG大阪と対戦するというレアシチュエーション。

さてさて、1週間も地方にいると東京の異常さを再確認しますね。地方と東京の一番の相違って、電車で「7人掛けに7人座るかどうか」ってところにあると思うのです。都内の電車で、席の隣に荷物を置いたり、隣の人と少しスペースを空けて座ったら、今で言うとノーマスクで絶叫してる人みたいな目で見られる。社会の秩序を乱し、世間への迷惑を顧みない極悪アナーキスト扱いですよね。でも、地方だと9人掛けに6人くらいしか座らない。立ってる人も詰めるように主張しない(ちなみにシャトルバスの2人席も詰めずに座る。立ってる人も詰めさせようとはしない)。ど田舎出身のワタクシとしては、昔は「キッツキツに座るなんて…」ってな感覚だったのですが(いや、そもそも電車が身近じゃなかったかも)、上京して四半世紀、こういうところの感覚だけはすっかり東京人になったようです。

 

□下平vs片野坂

さて、レアシチュエーションで戦う大分ですけど、コロナ禍の影響を全力で受けてしまいましたね。特にオミクロンになってからは、なぜが罹病した本人よりも、濃厚接触者の方が悪者扱いを受ける倒錯状態。ヤレヤレですな。でもそこは名将下平、なんやかんやでマネージメントしてくるのではあるまいか。

対するG大阪を率いるのは、大分のレジェンドと言って差し支えない片野坂監督。ガンバに里帰りしたのですが、むしろ今回は大分に里帰りしてくるような印象さえある。レアシチュエーションだからこそ発生した互いに恩返しできるマッチアップです。そんなガンバ、初戦は不運なのか、神様のイタズラなのか、それも含めてサッカー的なことなのか、パトリックの退場が響いて敗戦。ルヴァンでも連敗。しかし前節は浦和の岩尾が退場したこともあって、片野坂体制初勝利を収めました。今シーズンはJリーグ全体として退場が多いんですけど、その酸いも甘いもかみ分けてしまっているのがG大阪です。

 

□序盤はG大阪

オンザピッチに目を移すと、大分のシステムは4123だったのですが、全体的に距離感が悪かったような。というのも中川と梅崎の両ISHが下がってボールを引き出すということをしない。アンカーの小林は「ボランチの一人はそこにいないといけない」というポジションから動けませんので、なかなか組み立てに参加できない。って中で最終ラインと一列前(小林を除く)が広く離れてしまってました。

対するG大阪は片野坂さんの代名詞ともいえる3421ではなく、4231でした。ボランチタイプが3枚いたんですけど、そのうちの山本がトップ下に入って、流動的な動きからなかなかのリンクマンっぷりを発揮。山見の爆走ドリブルなどを引き出していました。序盤は左サイドを攻略したG大阪のペース。

 

□なぜかG大阪は停滞

ただし、スコアを動かしたのは大分でした。コーナーキックから長沢が決めたもの。で、リードを奪われたこともあり、片野坂監督は石毛と山見の左右を入れ替えます。石毛と柳沢がノッキングしていると判断したのでしょうか。左利きの山見が右に入れば中に絞りますので柳沢が縦に仕掛けるスペースができるとか、そういう意図かな、と。

ただ、これは裏目だったかもしれません。繋げなくとも左サイドの山見に逃げとけば良かったのに、その選択肢がなくなってしまった。逃げ道がなくなったので、低い位置から手数をかけた繋ぎに固執せざるをえなくなった。そして、それは大分も同じ。途中から中川が繋ぎのフォローに落ちるようになりつつも、なかなかパスコースが作れず。モタモタしているうちに自陣低い位置でボールを奪われるや、あっさり奥野に決められてしまいました。直後に香川のクロスに佐藤がハンドを犯し、そのPKを長沢が決めたことで大分はリードで折り返しましたが、内容は褒められたものではなかったかと思われます。

 

□大分の粘り腰

後半開始とともにガンバは齊藤から福田にスイッチ。山本がボランチ、石毛がトップ下にスライドする。石毛は組み立てに下がるのでシステムとしては4213に近い感じになりました。また、ボランチに下がった山本は前半のトップ下の時と同様に圧倒的なゲームメイクを見せ、さらに石毛が倉田に代わったことで再びトップ下に移っても、やはり絶大な存在感。同点ゴールも山本のパスから右サイドを崩して、そのクロスをパトリックが決めたものでした。

逆に大分は後半になっても最終ラインからボールが前に運べない。その状況は増山・宇津元を屋敷・井上に入れ替えるまで続きました。この二人が入った終盤はボールが回りましたので、大分のビルドアップ不全の遠因は両WGにあったのかもしれません。特に増山は自分の間合いになると輝くのですが、パスコースを作るためにポジションを微調整したり、相手のパスコースを限定したりっていうオフザボールの部分では、今日のところは屋敷の方が良かったように思えました。試合は2ー2のドローです。