浪花節の大渋滞〜天皇杯決勝(12/19)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□ボクたちのナショスタを取り返す!

いやあ、何年ぶりですかね、国立競技場。別名「霞ヶ丘競技場」。20世紀の何かのサッカーゲームにそういう表記があったような。英語にすればナショナルスタジアムですが、ワタクシくらいになると「ナショスタ」って呼びますね(呼んだことはない)。もう何年前でしょうか、改修工事に突入したのは。確か、工事に突入したシーズンの前半だけは、Jリーグも使用できて、「国立ラストスリー」みたいな盛り上げ方をして、キャップやらTシャツやらをもらった記憶があります。甲府のロゴ入りキャップが家にあるので、間違いなくヴァンフォーレがJ1にいた頃の話ですねぇ。うちの近所もそうなんですけど、オリンピック(=高齢権力者のエゴ)によって奪われたボクたちの憩いの場が、ようやくポツポツ返ってきましたね。

 

□恩返し対決

図らずも恩返ししたいチーム同士のマッチアップとなった決勝戦。大分はJ3降格というドン底から、期待の何倍ものスピードでひのき舞台に戻してくれた片野坂さんの退任が決定。この恩は、仮にトリニータサポが鶴であったとしても返しきれないでしょう。ちなみに、もし大分が勝っていたら、リアルガチで大分はJ2を戦いながらACLにも挑戦することになっていたのか? それ以上に、装い新たな(?)富士フイルムスーパーカップに出ることになっていたのか?

対する浦和は、同じくドン底にあったチームを強豪に引き戻してくれたゼリコじゃない方のペトロヴィッチ時代の主力選手=ミシャチルドレンが軒並みクラブを離れることになって、特に阿部に引退の花道を飾らせようと一致団結となっていますね。一部の浦和サポーター(を称する人々)は、いまだに槙野アンチもいないわけではない雰囲気もありますけど、多分、自分自身が中高時代に運動系の部分をやってた人なら、基本的には槙野のことを肯定的に捉えているのではあるまいか。チームに何人もいると鬱陶しいけど、0人より1人いてくれた方が、確実にありがたい存在です。次のクラブでも頑張っとくれ。

 

□ダイヤvs左SH小泉

ピッチに視線を映しますと、大分は準決勝で採用した中盤ダイヤモンドの442を継続。ただ、特に攻撃に際してはアンカーの小林裕紀が2CBの間に落ちて、右MFの下田がボランチに。その右MFにはFWの小林成豪がスライドして中盤ダイヤを維持した541(3151)っぽくなります。

一方、浦和は阿部がベンチ外でしたね。タイトルのかかった試合ですから、勝負に徹した判断となります。逆に温情をかけられてベンチ入りとかさせてもらっても、阿部としては不本意でしょうしね。で、ピッチ上では江坂・小泉・ユンカーを共存させる配置を採用してきました。ユンカーがトップで江坂がトップ下、小泉が左のSH。なので左で作って引き付けて、スペースのできた右を関根が縦に突破していく、というイメージでしたかね。

 

□浦和の先手と大分の修正

試合は早い時間帯に動きます。日産スタジアムレベルで見づらい新国立だけあって背番号の判別ができなかったのですが、多分、関根か誰かが縦に突破。その折り返しに江坂が反応して、大分守備陣を作ってしまっていたシュートコースをうまく狙い撃って、浦和が先制しました。ゲームプランが狂った大分も、追い付くべく反撃。前半の攻撃回数では浦和を上回っていたと思いますが、伊藤・柴戸という守備で存在感を示すボランチコンビを中心に、しっかりと跳ね返し続けてハースタイムを迎えます。

で、後半、片野坂さんは持ち前の策士ぶりを発揮します。渡邊新太を右SH、町田を左SHとするボックス442にシステムを変えてきます。オーソドックスの442ですから、ここでこそ、普段の練習の練度が試されるのですが、素晴らしかったですねぇ。最初からこれで良かったんじゃないかと思わせる、流れるようなパスワークで浦和守備陣を揺さぶりました。

 

□大団円!

大分のパスワークに苦闘しながらも、それなりに如才なく受け流していた浦和。ゴール前でスルーパスを通されても西川が処理し、自分たちの絶好機で江坂が外したり、その後のCKからのゴールがオフサイドだったりしても浦和守備陣の集中力は途切れない。そして、リカルド・ロドリゲス監督は、宇賀神と槙野の花道を用意し、逃げ切りを図ります。ただ、重心を落とすと往々にしてはまるパターンとして相手セットプレーから失点を喫してしまいました。ペレイラが魂で押し込みました。ミラクル大分、ミラクル片野坂です。片野坂さんを手ぶらで帰すわけにはいかないのです。

しかし、しかしですよ、「目には目を、歯には歯を、魂には魂を」で槙野のスーパーヘディング決勝ゴール。もうね、浪花節が大渋滞なのですよ。花道を用意したリカ将も浪花節、片野坂体制の集大成として最後まで意地を見せた大分も浪花節、そして槙野は槙野で浪花節。それを5万7千人が見届けたわけで、こんな大団円ないじゃないですか!あとは「緊急にPCR検査してください」という連絡が舞い込んでこないことを祈るのみでございます。