スコルジャ采配!〜浦和レッズvsガンバ大阪(5/14)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

                                  にほんブログ村 サッカーブログへ
にほんブログ村

□ACL王者対決

現在でも〝ワニナレナニワ〟ってやってるんですかね?その昔、ガンバがレッズを埼スタで下したあと、センターサークルで〝ワニナレナニワ〟をやったら、スタンドでは暴動寸前になってしまったってことがありましたね。浦和の好敵手っていうと幾つかのクラブが想起されますが、西野時代のガンバは紛れもなく東西の両横綱としてしのぎを削っていました。

なんせ両クラブともにACL王者になっています。大会が誕生して以来、「テレビで見てるサポーターにとっては罰ゲーム、厳しいアウェイであってもスタジアムで後押しすることに生きがいを感じる熱烈サポーターにとっては最高のステージ」とされているACLですが、今のフォーマットになって20年余り、日本のクラブが制したのは5回だけ。チーム数に至っては浦和、G大阪、鹿島の3クラブのみですから、そりゃ好敵手です。

 

□勝って兜の緒を締め損なった浦和と、兜の緒を失いかけてるG大阪

ACL王者の経験がある3クラブの中で、複数回を制しているのは浦和だけ。かつ最新のチャンピオンです。そりゃ強いはずなんですけど、王者になってからの初戦となる前節は負けちゃいましたね。リーグで今ひとつ波に乗り切れない要素としては、外国籍選手がどうにも帯に短し襷に長しだというのもあると思われます。というか、浦和の外国籍選手って西野時代のガンバにおける外国籍選手に印象が近い。特に攻撃の選手。もちろんマグノ・アウベスみたいなスーパーな選手もいましたけど、わりと帯に短し襷に長し感が強かったような。チキ・アルセとか。

そんなG大阪ですが、西野さんが退任して以降、波瀾が万丈してますね。直近だと片野坂さんを招聘したはいいが、「うぉーい!片野坂〜‼」状態になってしまい、なぜかフロントが「今後はこんな人を監督にしません」と言ってるに等しい謎声明を発するなんて無茶をしてポヤトスさんを招き入れた。そうしたところ、現在のところ「うぉーい!ポヤト〜ス‼」になってしまっておりますけど、片野坂さんの心中は如何に?

 

□前半は概ね互角でした

そんなこんなでキックオフ。のっけから浦和ゴール裏は、さながら応援力誇示大会を大開催。「浦和のゴール裏は凄い!」って褒められたACLの直後で、わかりやすくテンションが高揚しているということでしょうか。サッカーの内容としては、前半途中から小泉が右に張って、関根がトップ下に絞り、リンセンがPA待機みたいな動きで左を開けていたのは狙いなのだろうか?そこに興梠が開いて岩尾がフォローして荻原が追い越していく、みたいな。

対するG大阪は実質的に4231でしたね。ダワンと山本理仁がWボランチで宇佐美がトップ下。一応、4123としてローテーション的流動性を確保していたようにも見えましたが、ワンボランチで上手くいかないチームがWボランチにした途端に安定するってことは、少なくともJリーグにおいては往々にして見られることなので、これはこれで良いように思われます。

さて試合は序盤からまさに一進一退って感じ。ポジショナル同士なんで、「攻めきって、ターン終了」の繰り返しですよね。どちらに転んでもおかしくないって流れを最初に制したのはG大阪。ちょうど良いところでボールを受けたジュバリが一撃で仕留めました。それに対して浦和はストレスフルな時間帯を余儀なくされましたが、VARで認められたハンドによるPKをショルツが決めて追いつきました。DFがPKを蹴るのか。なんだか林健太郎みたいだぞ。

 

□後半は明確な差が出ました

後半の頭から浦和は動きます。リンセンと小泉を下げて大久保と伊藤を投入するとともに安居をトップ下に上げます。これで4231のポジションを各人が遵守するようになる。それとともに、伊藤が岩尾の後ろを、安居が岩尾の前をマネジメントすることで、岩尾がセンターサークル付近から出張しなくて良いようにもなりました。やっぱりセンターサークル付近から動くことなくサイドチェンジを繰り返してこその岩尾ですからね。

そんなスコルジャ采配は全体のオーガナイズ面だけでなく、スコアブック面においてもドンピシャで当たる。コーナーキックからの流れで途中投入の大久保が勝ち越しゴールを決めたかと思えば、フォアチェックから相手のボールを奪ったダメ押し弾はハイプレス用に1列上がった安居が決めたもの。ここまで采配が当たると、当のスコルジャ本人が最も驚いてしまっていたのではなかろうか。

これで攻めざるを得なくなったG大阪も、失点直後はハーフコートに攻めたてます。パスもつながります。ただ、相手が受けに回れば回せるんですよ。あの時間帯に回せるのは当たり前で、あの時間帯で決めきったり、流れが良いわけではない時間帯でも回せたりしないとなかなか勝ち点は転がってこない。逆に浦和はピンチで繰り返された西川の恒例ナイスセーブと、カウンターで安居が汗を流して陣地を回復したことで苦しい時間帯を凌ぐと、そこからは余裕のパス回しで時計の針を進めます。しかもガンバは宇佐美と山本理仁を下げてしまった。こうなるとチーム状況がそのままピッチに反映される。浦和が余裕の逃げ切りでG大阪に完勝した一戦となりました。