「ボランチと選手交代と、そして総力戦。」ってな試合【CS準決】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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■浦和 1 vs 2 ガンバ[チャンピオンシップ準決勝 11月28日]

ワタクシ個人としては、埼スタでのこの対決は、何度か現地観戦してきたところ(ガンバサポがレッズサポに取り囲まれた試合とかも見ていた)。ともにACLを制したクラブ同士だけあって、なんだか、ライバル感が強いですよね。ただし、10年前と異なるのは、かつては“自分たちのパスサッカーを追求西野ガンバ”と“中身よりも結果なギド浦和”だったのが、いまや“ゲームをコントロールする長谷川ガンバ”と“自分たちの3421スタイルを追求するミシャ浦和”となっていることろ。“イニシアティブ”と“試合巧者”の構図が、いわば真逆になりました。

 

 

とはいえ、ガンバも、“受け流す”を発動させながらつつ、“受け身”にはなりすぎないって感じでしたね。このあたりは、およそ一ヶ月前、同じスタジアム、レッズと同じユニ色のチーム相手に苦渋を舐めさせられたことの反省を踏まえて、修正してきましたね。コンディションも向上しているのかもしれませんが、特にサイドにおける攻防で、押し下げられすぎるってことはなく、効果的なカウンターで、相手の重心を後ろにも残さざるえないような状況が作れていました。

 

 

それにしても、ナビスコ決勝は“遠藤vs小笠原”のマッチアップが注目されましたけど、この試合はこの試合で“極上のボランチ対決”が実現しましたね。日本サッカー史に残るマエストロ遠藤と、遠藤の後継者的な存在感を代表でも残すようになってきた柏木の対決。そして、何よりも“今野vs阿部勇樹”というアテネ世代の実力派ボランチ対決ですよ。このマッチアップにテンションが上がるかどうかで、その人がどれくらい日本サッカーを愛しているかが判断できるんじゃないかと。そんな今野の“ここぞってときのまさかの一発”で試合が動き、ガンバが先制。こういう意外性は、もはや今野の名人芸です。

 

 

リードされた浦和は、2枚替え。今野とのアテネ対決を繰り広げていた阿部が最終ラインに入り、ボランチに青木が投入される。攻撃の時にはNHKのアナさんが思わず「ボランチ3枚!」と発したように、青木、阿部、柏木というロングパサーが最終ラインに残るという思い切った布陣に。そして、そのような指揮官の積極的な姿勢がピッチに届いたのか、青木と同時投入されたズラタンが同点ゴールを叩き込みます。ガンバからすれば宇佐美を下げて逃げ切りモードに移行した直後の失点だっただけに、なかなか痛い。

 

 

ここからは凄い“しばきあい”になりましたね。総力戦というか消耗戦というか、気持ちと気持ち、ハードワークとハードワークが正面からバシバシとぶつかり合うような展開。単なるリーグ戦の1試合では決して見られないような緊迫感。だからといって2ステージ制やらチャンピオンシップを美化しようとは思いませんけど、“運命の一戦”には“運命の一戦”にしか発露しないリアルガチがある。試合は、ものすごいシーソーな藤春のゴールでガンバが制しましたが、見応えの溢れまくる素晴らしい準決勝だったと思います。