ハイテンションな前半と知恵比べの後半〜柏vsガンバ(7月23日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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この日、柏の葉でJFLを見た後、日立台に向かい、レイソルvsG大阪を観戦しました。

■前半

ガンバといえば、長谷川監督が監督に就任して以来、「攻撃のガンバ」「パスサッカーのガンバ」というそれまでの印象を払拭し、“試合巧者”とか“メリハリ”とかといった概念がピッタリくるようなチームとなりました。この試合においても、「キックオフからフルスロットル!!」といったノリではなく、まずはジックリと様子見するような試合の入り方をします。「どんな出方をしてくるか、まずはお手並み拝見」とばかりの立ち上がり。

 

 

そんな、静かなスタートを志向するガンバをあざ笑うかのようにクリスティアーノがワンツーパンチをお見舞いします。“仁義なき経済戦争”によって甲府からレイソルに移ったクリスティアーノ。この選手の特長は問答無用の個人突破です。そのストロングを思いっきし見せつけた先制点。そして追加点。ドリブルから1人で決めてしまったり、横パスを常軌を逸するパンチ力で突き刺したり、ガンバとしては「そんな殺生な・・・」ってなワンツーパンチで2点のビハインドを負います。

 

 

それでも、ガンバは地力のあるチームですから、そのままズルズル勝ちを譲るようなことはしません。コーナーキックからアデミウソンが決めて反撃の狼煙を上げます。ちなみにアデミウソン、ゴールを決めたあとに柏サポーターを全開で挑発してイエローカードをもらってしまいました。ちなみにちなみに遠藤保仁は、その直前にコーナーキックを蹴るとき、日立台名物ともいえる“サポーターからの至近距離での煽り”を受けながらも、まるで何事も発生していないみたく、悠然とタラタラ歩いてコーナースポットに近づいていってました。

 

 

ともあれ、これで勢いづいたガンバ、そこから押せ押せの時間帯に入り、その波に飲み込まれたレイソルは中谷のオウンゴールで同点ゴールを献上してしまいました。それにしてもハイテンションでしたね。2対2で試合が振り出しに戻ったわけですが、まだ前半の25分ですからね。なんだか、1試合が終わったくらい分のカロリーを消費したような気がする。それだけ見応えがあったということです。

 

 

 

■後半

前半の25分からは同点のまま試合が落ち着きます。後半に入ってもしばらくはスコアも動かないのかな、なんて思っていたら、そんな静寂を打ち破る一撃が。打ち破った主役は、またまたクリスティアーノのです。これでハットトリック達成。スタンドから見る限り、東口がどうにかできそうなシュートだったんですけど、そうもいかないイロイロがあったのでしょう。レイソルとしては、この1試合だけで移籍金のモトが取れたのではなかろうか。

 

 

前半にガンバが同点に追いついてからは、どちらかといえば、ガンバが中盤でのセカンドボール争いで優位に立っていたように思えたのですが、勝ち越してからは柏が逆に中盤を制圧するようになりましたね。大谷&栗澤という熟年夫婦のようはWボランチコンビがルーズボールにいち早く反応して回収し続けることで、ガンバは少しずつ押し込まれ、同時に攻撃の回数も減っていきました。このあたりは勝負のアヤといいましょうか、球技の醍醐味です。

 

 

再び勝ち越してからのレイソル下平監督は慎重でした。或いは大胆だったといった方が適切かもしれません。次から次へと、メッセージのはっきりした、思い切りのよいカードの切り方をしていきます。まず右SBをアグレッシブ系の湯澤からCB本職の増嶋にスイッチさせると、ストライカーのディエゴ・オリベイラを下げて、SB対応もできる山中を中盤に入れます(クリスティアーノが前線に移動)。もし追いつかれた場合、「弱気すぎだ!」と非難されるであろう判断を勇気を持って下した勝負師魂は立派です。

 

 

逆にガンバ長谷川監督の采配は結果的に空回り。もう少しドラスティックに「とにかく攻めろ!」というメッセージを送っても良かったような。長身ストライカーの長沢を入れたので2トップにするかと思いきや、SHでの起用でしたし、パトリックを投入した際に下げたのはアデミウソン。ここでも前線の枚数自体は変えなかった。最後の最後、堂安の投入とともにようやく2トップにしましたが、少し“トップ下遠藤”に固執しすぎたきらいがあったように思います。試合はそのまま柏が逃げ切りました。

 

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

今野泰幸

□推薦理由

前半、同点に追いついてからはガンバがペースを握ったわけですが、その立役者はこの選手でした。抜群の運動量とベテランらしい読みで、次から次へとこぼれ球を回収していきました。そして、回収してからの展開もまた見事。若い頃からロングキックには定評のあった選手ですが、そのクオリティは衰えるどころかむしろ視野が広がったのではなかろうか。さながら遠藤に続く“第2の司令塔”であるかのような大活躍をみせてくれました。

 

 

FC東京時代、城福さんが監督しているときに、それまでのボランチからCBにコンバートされ、そのままあれよあれよとワールドカップにまで出場したわけですけど、やはり、この選手にとっての“約束の場所”はCBではなくボランチなのではなかろうか。そして、再びボランチという天職を与えられたことで、さながらザックジャパン時代に続く“第2の全盛期”であるかのような大活躍をみせてくれております。後半、少し消えてしまったのが残念ですけど…